【羅盤】帝国探検隊発足なのだ! ~森の熊狼~
椿油
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シナリオID:2422
オープニング
「フィラおねーさーん!」
受付嬢のフィラに、元帝国難民の少年ラバンが駆け寄る。
「どうしました?」
今日も冷静に書類整理しているフィラ。
「帝国探検隊を作ろうと思うのだ!」
「――は?」
フィラがポカンとしている間に、説明を地面に書いているラバン。
「帝国のあぶない場所を探して、みんなでとうばつ? するのだ! 探検も出来るしキケンも無くなって一石二鳥なのだ!」
それ、探検は一石二鳥というより二の次なのでは? とフィラは若干訝しんでいた。
「……まぁ大体分かりました。それで、どこに行くつもりなんですか?」
「もうアテはあるのだ! そこそこ歩くと森があって、熊みたいな魔獣が出るって聞いたのだ。集落にくる前にラバンたちで倒すのだ!」
フィラは手元の書類をめくる。
「……ああ、ありましたねそのような報告が。では折角ですので依頼という形にしておきましょうか」
「いいのだ!?」
ラバンの瞳が輝いた。
「その方が探検隊の理由付けになるでしょう?」
ほぼラバン専属になっている受付嬢のフィラ。クールながらも協力的な姿勢のおかげでラバンは今日まで戦ってこれたというのもあった。
「それじゃあ、依頼にしてほしーのだ。よろしくお願いしますなのだ」
「熊を放置すると危険ですからね」
――ただ、それがただの熊の魔獣ではないとは誰も知らなかった。
解説
マスターより
リプレイ
エヴァン・ピオネロは受付嬢のフィラから受け取った情報の書類を元に準備をして、現着していた。
「大福さんとのお仕事は久しぶりですねー、ラバンさんに帝国探検隊結成のお礼を言わないとです」
「お久しぶりなのだー!」
エヴァンと会話する大福の姿を見つけて、大福を師匠と慕うラバンが駆け寄る。
「ししょー!!」
ハッと気づいて振り向く大福。
「ラバン! リスバン! 大福も一緒に探検するのだ~! 仲間に入れて欲しいのだ!」
「もちろんなのだ~!!」
尻尾を振る大福のペットの粽に、チョケチョケと返事をするラバンのペットのリスバン。
「帝国探検隊、楽しそうですわ。蜂蜜が重要そう……ですわね?」
サシャ・テーリングも書類を元にある程度の目星をつけた。どうやら、熊らしく蜂蜜が好きらしい。
「絞めた家畜の血を頂いてきましたよ。水袋に入れたのでおびき寄せに使いましょう」
バル・ヌール・スケアクロウは、と畜されたビヒモーの血を腰に据えて持って来た。水袋の耐水性は素晴らしく、一滴も垂れない。アステルも感心しつつ、いざ森の中へと足を踏み入れるのであった。
●森の中へ
「端からローラー作戦にするのは如何ですか?」
エヴァンの提案は一定間隔を空けて2~3名程で隊を組むというもの。
「そうですね、安全第一で集落に被害が出ないように行きましょうか」
サシャの手元にはフィラが書いてくれた地図があった。ざっと見て、目撃されたのは奥の方。手前からローラー作戦を実行していけば集落に逃げる事は無い筈だ。《超聴覚》及び《超嗅覚》で互いの位置確認と索敵を兼ねる。
「いいと思うのだ! 大福はローラーついでにラバンと蜂蜜探してくるのだ!」
《超嗅覚》を駆使し、更に粽と《エーテルリンク》で共に探し合う。ラバンは《捜波・改》を、リスバンは木の上から探索だ。
「フンや足跡、後は木に爪痕を残すなどの縄張り主張を読み取る感じですかね? あと熊であれば樹上に棚を作るとは聞いたことがありますが」
バルは縄張りを示すであろう物を読み取っていく。
ここでエヴァン・サシャをメインにしたチームと大福・バルをメインにしたチームに分けて、ローラー作戦の開始だ。
大福は粽と協力して痕跡や、蜂蜜のあるウロを探しつつ熊の捜索を続ける。
「いないのだ~」
ラバンは小声で喋りながら《捜波・改》で捜索する。
「こっちには居ないのかもしれないのだ! お、粽何か見つけたのだ?」
爪痕を見つけた粽。少し古い物に見えたが、恐らく既に縄張りに入っているのだろう。すると頭上でチョケチョケとリスバンの声が聞こえる。ラバンが気づいてそっちを向くと、木のウロには蜂蜜が隠されていた。
「蜂蜜あったのだー!」
「ありましたね……では血をこの辺りに撒いて、と」
バルは血の匂いで熊を攪乱させる為に、テリトリー範囲内に水袋に入れた血を撒いていく。更にバルは熊のものであろう古い糞も見つけた。よく調べると、乾き具合からしてどうやら最近はこの辺りはあまり通っていないようだ。
「回収完了なのだ!」
大福は蜂蜜を回収して、バックパックに瓶ごと入れた。
サシャは《超聴覚》を駆使し、重要な音を聞き逃さなかった。
「……獣の足音、でしょうか」
エヴァンが思わず足を止めて振り向く。サシャは静かにするよう指を立てる。耳を澄ませると、ガサガサと音が聞こえる。藪から出て来た、重い足音。確信した、獣のそれである事を。
「呼んできますねっ」
「お願いします」
サシャの頷きを見てから、エヴァンは向こうの班を呼びに行った。
熊が見えるまでには、時間があった。バルは通り道であろうこの辺りにも多めに血を撒いておく。
「どう見ても…魔獣ですね」
戻って来たエヴァンは、ゆっくりと見えてきた熊を目視して呟いた。一見は熊のようで、耳はイヌ科であり、マズルが発達していて、体毛は熊らしい茶色ながらも、立派な尻尾がゆらゆらと揺れていた。これが「熊狼」である。
「あらあら、まるで合成獣のよう」
バルはこちらに気付いてグルルと唸る熊狼を見て一言。何の因果で合体したのだろうか。
「行きますよ……!」
エヴァンは覚悟を完了した。
熊狼がいざ、近づこうとする前にバルは牽制と五感潰しを兼ねて水袋の残りの血をぶち撒ける。
『グルァッ!!』
ぶつけられた血の臭いで鼻の機能を潰し、ひとまず匂いで場所を辿られる心配は無くなった。
「まずはこれを喰らうのだ!」
大福による《インベイシブアロー》が放たれ、不可視のエーテルが熊狼に纏わりついた。
「支援しますわ」
サシャは《ハウリング・オブ・ブルーフレア》のエーテルの波動を周囲に展開し、皆の力を底上げしていく。
『ガアァァッ!!』
前衛に立ったバルに向けて引っ掻こうとする熊狼。偽鎗「Re=PLIⅩ」でいなし、バルは《紫電一閃》を勢いよく顔へと放つ。熊狼は鼻に加えて、初っ端から片目に傷が走った。
「甘いですよ。貫いてやりましょうか?」
エヴァンは後衛から《スネアージャベリン》を放ち、更に蒼白い光の槍が身体へと纏わり身動きが取りづらくなっていく熊狼。
「くらえなのだー!」
ラバンは《鋭射》を放って熊狼の手の甲に命中させた。
そして、熊狼は血臭で鼻を潰したにも関わらず、蜂蜜を誰が持っているかは検討がついたようだ。――そう、大福である。
「びえーー!! 熊がこっちを見てるのだ! 涎がすごいのだ!」
「ししょーが狙われてるのだ!?」
「ラバン助けて欲しいのだ~~!!」
「りょーかいなのだ!!」
捕まらないように逃げ回る大福。途中でラバンにパスしたり、ラバンがパスし返したりしていく。サシャはそれを見て、蜂蜜がありそうな他のウロのある木を《魔弾》で破壊した。
「回復されたいのでしたら、あのお二方の元へ……でも簡単には行けないと思いますわよ」
「ラバン、パスなのだ!」
「受けたのだ! もっかいししょーにパスなのだ!」
「受け取ったのだラバン!」
こんな事されていては、片目を負傷している熊狼も狙いを定められない。だが、移動阻害を受けてもなお追いかけ回す。それを見てバルは、隙を見せた熊狼の頸部目掛けて《エーテルブレード》込みで槍の攻撃を仕掛ける。逃げていた大福の後ろで、ずしゃと倒れた音がした。
「……止まったのだ?」
大福が止まる。後ろには頸椎を破壊されて、まともに立てなくなった熊狼が。
「まだやられてないですよね……とりあえず仕留めねば!」
エヴァンが《メテオライト3》を放つ。首の骨がやられた影響で、振り向いてガァと吠える事すら出来ない。
「このままなら倒せるのだ!」
「ですわね」
大福の《精密射撃3》、サシャの《魔弾2》、ラバンの《鋭射》、そしてバルが動けない熊狼にトドメを差したのだった。
●探検隊初仕事、成功
「きゅーしょ狙いって大切なのだ……ラバンおぼえたのだ!」
座って牙を戦利品に回収するエヴァンを見つめつつ、ラバンが呟く。
「ラバンさん、おめでとうございます!」
牙をラバンに手渡すエヴァン。
「わーい、きねんの牙なのだ!」
跳ねて喜ぶラバン。
「パス作戦が上手くいったのだ!」
大福と粽は嬉しそうに一緒に喜んだ。
「一応、他に魔獣が居ないか調査してきますね」
「賛成です」
サシャとバルは更なる調査をしにいく事に。結果、この森に居た魔獣はこの熊狼だけだった。
「それじゃあ、改めて初仕事成功おめでとうございます」
サシャの祝いの言葉を受けてニコニコするラバン。
「そういえば……この熊狼の肉と毛皮、どうします?」
のちに熊肉と毛皮を使った服飾品が、ラバンの地元で振る舞われたという。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準5 / 4〜8人
2022年08月31日 15時19分18秒 公開
相談掲示板
ウォーリアのバル・ヌール・スケアクロウです。 よろしくお願いしますね?
キャスターのエヴァンです。よろしくお願いします。 >巨体ゆえに一度に二人までの範囲攻撃 1体ですが2体居るつもりでお相手してねって意味と受け取りました。 スネアージャベリン(移動阻害)で動きを止めようと思います。 後は抵抗を上げるか、火力を上げて畳み掛けるか悩ましいので、出発まで考えますね。 先ずは成立しますように。
No.3
私で成立かな? ウォーリアのアステルです。よろしくお願いしますっ! 結構素早いのが特徴かな? 兎に角森から出ないように、注意をこちらに向けさせ続ける。が絶対条件だよね。 簡単に考えると、やっぱりここは蜂蜜、かぁ。 場所が分かったら木の上から狙撃とかできたらいいけど、 普通の熊の特徴があるなら、木には登れちゃうんだよね。うーむ。 オオカミと如何合体型なのか気になるけど、どっちの特性も持ってるってことかな。
私は防御力(耐久性)を主体にして、攻撃に関しては魔法などが中心のほうがよさそうなのではと思っています。 物理に関しては結構耐久力ありそうですしね、熊とかは 惹きつけるのは・・・蜂蜜もそうですけどシーザーロアもでしょうか? 討伐前に探すのも必要そうですよね?
シューターの大福と相棒の狼、粽なのだ~。 よろしくお願いしますなのだ。 あっ!えばんー!久しぶりに一緒にお仕事なのだ!楽しみなのだ~! バルとアステルもよろしくなのだ!ウォーリアが二人も居て心強いのだ~! 大福はいつも通り、後ろから弓で攻撃するのだ~ あんまり攻撃力はないから、BS付きの技で皆のアシストをするのだ 木のひっかき傷ってクマの縄張りの印なのだ?(プルプル 木のうろの蜂蜜ってどうやって探せばいいのだ?甘い匂いとかするのだ? 蜂蜜はマジックポケットに入れてもクマに狙われちゃうのかな?なのだ 後衛の大福とラバンで蜂蜜をパスし合って攪乱するとか…ウーンウーン
ヒーラーのサシャと申します。お見知りおき下さいませ。 ブルーフレアと呪解と輝刃でお手伝いさせて頂きます。 ベアウルフに関しては「全て当初はPL情報」と有りますので 爪痕や足跡と痕跡を追う事になると思っております。 私も超嗅覚か超聴覚のどちらかを支度させて頂きますね。 ラパン様は【捜波・改】と…後はホークアイはお持ちではないかしら? あれば探し易くなると思います。 後はそうですね…村へ向かわせないように村側から森へと探すのと 発見後は何かで気を引く(蜂蜜)か、シーザーロアをお願い出来ましたら安心ですわ。 >大福とラバンで蜂蜜をパスし合って攪乱 前衛がを出来る方がいらっしゃいますので、ここはお2人にお任せして 私たちは後衛として参戦させて頂ければと思っております。
>探索の手段 なわばりの主張はありそうですからねぇ。 それを主眼にとはいい考えだと思います。 爪痕以外にも、不自然に?何かを埋めた後というのもありえますでしょうか
大福さーん、お久しぶりですー(手ブンブン) >不自然に?何かを埋めた後というのもありえますでしょうか PL視点に成りますが、字数に余裕があれば 思いついたのを書けるだけ書いて良いと思います。 その中から現地で有効なのをMSが選んでくれる…だろうなって考てるので ぼくも色々と書いてみるつもりです。 例えば…森の中で2-3名組で手分けをして探すかも?と思うので 緊急合図用に笛(楽器)を持ちますね。 基本は、こっそりと皆さんに知らせして取り囲めたら、有利だと思うので 余力があるならお知らせに走りますねー。
一応「絞めた家畜などの血」を頂けるのであれば準備をして、おびき寄せの一助にしようと思っています。 血の匂いはよく獣をおびき寄せるといいますしね。
>大福とラバンで蜂蜜をパスし合って攪乱 この件へのレスが失礼でしたね……大変、申し訳ありません。 行動自体を止めて欲しいという意味ではないのと 攪乱に成ると思っておりますので、どうか戦い易くお考え下さいませ。 私は木のウロを破壊して、そこに残った蜂蜜を摂取し難くしようと思います。 それと、呪解ではなくてサルベーションを持ちますね。