【樹謂】酋長アシムベート、大森林への支援を継続す
岩岡志摩
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シナリオID:2277
オープニング
ここ最近の話として、フィルエス大森林では入ったら出てこられない迷いの森やダンジョンが、いたるところに現れるようになった。
こうした迷いの森やダンジョンが現れた場所では、生物が誘い込まれたかのように吸い込まれ、姿を消していく現象が目撃されている。
消えた人々の数は数人にとどまらず、里単位で忽然と人々が消えたり、エルフの狩場から動物たちがいなくなったりするなど、事態は深刻化している。
さらに大森林南東部においても、森の再生を助けていたリザードマンたちがこうした現象に巻き込まれ、姿を消した。
『灰火の守部』グレイオンスを通じて事態を知ったアシムベート・グリオウは、ディズル大湿地帯のリザードマンの戦士たちを率いて、大森林に向かったのは最近のことだ。
そしてアシムベートや冒険者ギルドによる調査の結果、消えた人々はその近くに出現したダンジョン内部にいることが確認された。
このためアシムベートは冒険者達と共にあるダンジョンに向かい、人々の救出に乗り出した。
その結果、アシムベートや冒険者達は1人の犠牲者も出すことなく、いなくなったリザードマン達を含め、そのダンジョンにいた人々の救出に成功している。
これによりアシムベートやリザードマンの戦士達は当面の目標を果たしたと言えるが、アシムベート達は引き続き大森林に留まっている。
「もともと友好関係を結んでいる間柄だ。この大森林で何が起きているにせよ、助けを求める声は今も続いている」
アシムベートはリザードマンだけでなく、種族を問わず救援としての役割を続けると明言する。
そして今回アシムベートやリザードマンの戦士達が向かおうとしているのは、別の場所に現れたダンジョン。
大森林には今もダンジョンが各地に存在しており、その周囲で暮らしていた人々や動物の姿が消えたという情報は引き続き寄せられている。
「規模の大きそうなダンジョンから調べていこう。冒険者ギルドにも増援を要請する依頼を出しておいてくれ」
アシムベートはグレイオンスを介して冒険者ギルドにダンジョンへの調査の名目で依頼を出し、リザードマンの戦士達と共に目標と定めたダンジョンへと向かう。
やがて依頼に応じた冒険者の皆様も、ダンジョンに到達する前にアシムベート一行へと合流を果たす。
そんな冒険者達のもとに、ターミル族出身のディノが派遣されてきた。
「先日に引き続き、依頼に応じて下さりありがとうございます」
ディノは皆様に向け頭を下げる。
以前ディノはリザードマン達をダンジョンより救出する作戦において、アシムベート達からの伝令役兼増援として冒険者達に協力した経緯がある。
今回も似たような役割を任されたようだ。
皆様とアシムベート、リザードマンの戦士達は協力してダンジョン内に突入し、中にいる人々の救出を開始した。
●『蛇』あらわる
そして皆様はアシムベート達と歩調を合わせ、立ちふさがるクリーパー達を倒しながら人々の救助を支援する。
ダンジョン内では幾度となくクリーパー達と遭遇するも、皆様の手で次々と屠られ、救助できた人々の退路も確保されていく。
「こちらはもう大丈夫だ。お主たちにはダンジョンコアの破壊を頼みたい」
アシムベートは人々の救出に目途がついたのか、皆様に向けコアの破壊を要請する。
これまでの調査で、このダンジョンのコアは奥の方に存在するとの情報を得ている。
アシムベートからの要請に応じ、皆様はダンジョンの奥へと向かう。
「ディノも一緒に行け。ただし無理はするな」
「承知しました」
アシムベートからの指示に従い、ディノも後を追う。
やがて大広間のような空間に辿り着いたところで、今まで撃破してきたクリーパーとは明らかに大きさの違う『蛇』が、周囲の穴から這い出してきた。
数にして3体。
蛇達は一斉に広間の床を尾や頭で乱打すると、やがて広間の床にひび割れが放射状に広がっていき、そして――。
床の崩落が、はじまった。
割れた床が次々と落下し、一瞬の浮遊感の後、大量の粉塵や床の破片を巻き上げながら、足場を失った皆様をダンジョンは下へと引きずりこんでいく。
皆様が奇跡的に無傷で底に到達したとき、周囲を覆っていた粉塵のベールが薄れ、周囲を一望することができた。
どうやら広間の下には巨大な空間が広がっていた模様で、先程まで立っていたと思われる場所は遥か上だ。
原理は不明ながら、周囲を囲んでいる崖や床がほのかに発光しており、視界も十分確保できている。
しかし周囲は深い溝で囲まれており、逃げ場はない模様だ。
そしてその溝から、先に床を破壊した蛇達が3方向を取り囲み、首をもたげて皆様を見下ろしていた。
「皆さん大丈夫ですか!?」
はるか上からディノの声が響き、皆様の鼓膜を震わせる。
どうやらディノは辛うじて落下を免れたらしい。
「救援を呼んできます! 10分ほどお時間を頂くことができれば、別動隊がここに到着できるようにします! それまで凌いでください!」
蛇達に囲まれたすり鉢状の空間の中に、ディノから援軍が来るとの声が届く。
皆様には選択肢が2つある。
救援が来るまで蛇達の攻撃を凌ぎ続けるか。
――あるいは救援が来る前に蛇達を倒し、ダンジョンコアを破壊して当初の目的を達成するか。
このときアシムベートもディノも知らなかったが、ダンジョンコアは皆様が落とされた場所に存在していた。
ダンジョン内にいた人々は、アシムベートやリザードマンの戦士たちによって退避を完了しつつあり、皆様が人々の避難誘導を考慮する必要はない。
皆様に求められているのは、眼前にいる大蛇達を退治してダンジョンコアを破壊すること。
このダンジョンを破壊できるか否かの鍵は、皆様の手の中に委ねられている。
解説
マスターより
リプレイ
ディノより救援が来ると聞いた冒険者達は、その前に大蛇めいたクリーパーを殲滅するため動き出す。
「探索も救助も順調と思いきや……こんな典型的な落とし穴」
キラリ=マバユイは自分が落ちてきた場所を見上げ、ため息をつく。
「しかも落ちた時にお尻打って痛いし……!」
ダメージこそないが、痛いものは痛いとキラリは内心呟きつつ、東側にいる蛇に竜骨の短弓を向ける。
「簡単なことだ。こいつらを全て倒して、ダンジョンコアを破壊すればいいんだろ?」
アルベルト・V・シュタールシュヴェーアトは現状を看破すると、同じ東側の蛇に向け一気に加速する。
チャージングによって急速に距離を詰めるアルベルトは竜鱗の盾を掲げ、輝くエーテルを自身に纏わせる。
直後蛇より飛来した光弾をアルベルトは受けるも、重点硬化2で防御を向上させて損傷を減らし、蛇へと肉薄する。
「やってやるぜ!」
交錯の一瞬、竜鉄の大太刀が落雷と化した。
アルベルトの雷神剣が文字通り落雷の速度で振り下ろされ、斬り裂かれた蛇は血霧を撒き、巨体を揺らす。
蛇の負傷を確認したキラリは周囲にいる蛇からの攻撃を警戒しつつ、アルベルトの後方より短弓の弦を引き絞る。
弓弦を鳴らし、放たれたキラリの一射は宙を飛び渡り、蛇の身に吸い込まれるも、寸前で切り刻まれ防がれる。
その間にも北側では、サイラスが蛇との交戦を始めている。
(着地の衝撃減らせないかなと試すつもりだったが、ふっつーに酷い事になるだろうな)
サイラスは落下する際にあることを試したかったが、失敗する可能性を考慮して取り止め、普通に着地している。
「とりあえず殺しに行く。さっさと仕留めてダンジョンコアの欠片回収したい」
サイラスには、撃破を急ぐ切実な理由がある。
「あの、10分も応酬したくないです」
ある意味自然な感情と言える。
早期撃破を目指したサイラスは、その背に炎めいた翼を具現化してエーテルを収束させ、解き放つ。
その身を前方へと射出したサイラスは、一気に蛇との距離を詰めると風雷坊を斬り上げる。
サイラスの威力を重視した鋭い一撃が蛇の身を切り裂き、蛇は斬痕より血を噴出してのけぞった。
西側の大蛇に対しても、ロイ・アウレアと海神・江流、そしてアルマ・ヴァレンタインの3人が迎撃を開始する。
「この前の植物魔獣の大暴れも大変だったけど、今度は大規模な失踪事件かー」
アルマは【呪輪】に続き、未だに不穏な事態が続く大森林の現状に内心ため息をつく。
「幸い今回は犠牲者なしで全員救出できたけど、一面ヘビさんだらけのこの状況はマズいかもだねー……」
そう言いながらもアルマは自分の周囲にいる仲間達に向け、エーテルの波動を開放する。
アルマのハウリング・オブ・ブルーフレアが仲間達のエーテルを急激に増幅させ、能力を向上させたロイや江流達は全身より青白い光を立ちのぼらせる。
「落ちたのは授恵者のみ。この場所は視界確保も出来る」
ロイはアルマに感謝を示すと天眼を駆使して周囲を見渡し、現状を確認する。
「つまり遠慮せずに戦えるというわけだ」
ロイの戦意はむしろ向上しており、竜骨の強弓に矢を番えて弦を引き絞る。
弓弦が矢を放つ響きと共に、飛翔したロイの矢が蛇の身に吸い込まれるも、突き立つ寸前に切り刻まれ、無効化される。
「距離を置いた攻撃は全て防ぐということか?」
既にロイは天眼を介して、別の蛇に対するキラリの射撃が防がれたことを把握している。
ロイが蛇の持つ能力をさらに検証する中、アルマが蛇に竜石の長杖を向け、光球を飛ばす。
アルマの放った魔弾はそのまま蛇の身に命中し、その身を穿たれた蛇は血を噴出させる。
「防ぐことができるのは1回限りみたいだね」
アルマの指摘と共に、それまで攻勢を控えていた江流が入れ違いに前へ出る。
「自ら溝からあがってこないことを踏まえると、敵の攻撃は口を使ったものが主体になりそうだ」
すると蛇は江流の予想通り、口を開けて襲いかかる。
戦術眼を駆使して最適な行動を導き出した江流は、真横へと滑るように移動し、直後牙をむいた蛇の顔が江流の眼前を通過する。
「はやめに此方の回避を安定させたいところだね」
その隙を江流は見逃さず、エーテルを纏わせた脇差【神楽】が突き通され、蛇の片目に突き刺さる。
【神楽】の刃が蛇の目を貫き、纏うエーテルはその肉体へと広がりながら蛇を蝕み、蛇の命中精度を低下させる効果を発揮した。
●まず1体
包囲された状態の冒険者達だったが、徐々に蛇達を押し返していく。
「次は数で殴る刺築なりでぶん殴り殺すとしようか」
サイラスは焔翼による加速を活かし、再び北側の蛇へと迫ると、蛇もサイラスに向け口を開ける。
「ここはリヴェンジスマイト改も叩き込むつもりで、だな」
それを見たサイラスはリヴェンジスマイト改によって一時的にエーテルを活性化させ、蛇の噛みつきに合わせて踏み込み、剣鱗を押し出す。
剣鱗が蛇の牙を受け止め、ダメージを軽減したサイラスは至近に迫った蛇の顔に風雷坊を振り下ろし、斬痕を刻む。
顔を斬られた蛇は血霧を撒いてのけぞるも、さらに4体の「サイラス」が槍を手に周囲より襲いかかる。
それはサイラスの刺築だった。
4体の「サイラス」より閃いた槍の刺突と共に、蛇はその身を抉られ、さらに深手を負う。
このとき後方で仲間達の援護を行っていたキラリは、たいまつに火をつける真似をする。
「やぁやぁ。皆さんは、ピット器官というのをご存じかな? 爬虫類の多くが持っていて、熱を感知する触覚みたいなものらしいよ」
キラリは蛇の放つ炎の範囲外へと動きながら、話を続ける。
「目ではなく、これを使って獲物の位置を把握しているみたいだよ。というわけで!」
蛇にも見えるようにたいまつを掲げたキラリは、蛇の動きを誘うようにたいまつを動かすも、蛇が反応を見せる様子はない。
「あ、ただ火がゆらゆらしているだけじゃダメか。じゃあ、こうして……蛇ぴょい装置の完成だ!」
たいまつにロープを括り付け、キラリが腕を振るとたいまつは床を転がっていく。
キラリとしてはたいまつを囮に使って蛇の気を逸らし、その隙を突く形で仲間達に攻撃してもらうつもりだったが、蛇達はキラリの挙動を見ても顕著な反応を見せず、西側の蛇が炎を放つ。
だがその蛇は既に江流の腱撃3を受け、命中精度が粗くなり、飛来する炎を前にロイや江流、アルマは素早く散開して回避する。
直後、先程まで3人がいた場所に轟然と火焔の花が咲いた。
「少しの間、足止めを頼めるだろうか? 弱った個体に攻撃を集中させ数の削減を急いだほうがいいだろう?」
「了解だ。俺はこの蛇の視界の悪くなった方向に回り込んで、命中や回避の低下を誘ってみる」
ロイからの提案に、江流は承諾の意を返す。
「悠長にディノさんの救助を待ってる余裕もなさそうだしね」
アルマはここまで交戦した今となっては、防戦に徹するという選択肢を外している。
「別にアレを倒してしまっても構わんのだろう?」
アルマの言う通り、倒すことに問題はない。
短いやりとりを交わしたのち、ロイが別の蛇へと駆けだした。
「ってことで撃破をがんばるよー」
アルマは蛇の攻撃を受けた仲間達の位置や状態の把握に努める。
今のところ炎を受け不調に陥った仲間はおらず、アルマは癒しの力を秘めた光球と光をそれぞれ仲間達へと放つ。
アルマのサイドヒールとヒールは、仲間達に届くと数割増しの効果を発揮して、その負傷を癒していく。
「まぁ、持久戦になっちまっても仕方ないよな」
その事態も念頭に入れながら、江流は蛇の目が潰れた方角へと回り込み、一気に距離を詰める。
そのまま肉薄した江流より脇差【神楽】と短刀【囃子】が交互に繰り出され、二刀流による高速3段連撃が3度蛇を斬り裂いた。
「……どうやら、炎を吐く蛇だから関係ないみたいだね!」
そう結論付けたキラリは短弓を東の蛇に向ける。
弓弦が矢を放つ響きを発し、蛇の身にキラリの一射が迫るも、蛇は防刃を駆使してキラリの矢を切り払う。
だがそれは陽動だった。
蛇がキラリの攻撃に気を取られた隙に、アルベルトが一陣の疾風と化して蛇に迫る。
「援護感謝だ。俺から見た限りだが、こいつらはある程度たいまつにも視線を向けていたみたいだぜ」
一気に距離を詰めたアルベルトは短くキラリに礼を述べると蛇の攻撃に備え、輝くエーテルを自身の身に収束し、盾を掲げる。
直後、蛇より光弾が飛来するも、アルベルトは盾と重点硬化2を駆使してこれを防ぎ、蛇に肉薄するなり鋭撃2を解き放つ。
「仲間との連携を重視しつつ、1体ずつ着実に倒していくのが妥当だな」
アルベルトの大太刀が威力を重視した鋭い一撃と化して跳ね上がり、喉から顎の下にかけて斬られた蛇は血霧を噴いてのけぞり、冒険者達のいる床へと頭を叩きつける。
その挙動を天眼や超聴覚で捉えたロイは疾駆し、その蛇との距離を詰める。
「できれば先に舌を狙い、塗料で目潰しをしておきたかったが……」
早めに蛇の動きを抑圧したかったロイは、一気に蛇へと肉薄すると不可視のエーテルを纏わせた一射を至近距離から叩き込む。
孤高の零距離殺撃者2による効果も相まって、鋭化された一射は蛇の頭部を貫き、纏っていたエーテルが蛇を急速に蝕み生命を奪う。
既に損傷が蓄積していた蛇は、ロイの一射を受けたところで生命が尽き、溝の底へと落下していった。
●圧倒
東の蛇を倒した冒険者達は、残る北と西の蛇に攻撃を集中させる。
蛇は炎を噴いて抵抗を見せるも、炎を浴び不調に陥った仲間をアルマは抵抗力を増幅させる光を放ち、回復させる。
「ハーブ塩で塩焼き調理とかもいいよね?」
アルマの頭の中では、目の前の蛇がハーブ塩を駆使した料理に仕上がっていた。
「『火酒』でヘビ酒作りとか楽しみだよー」
アルマは蛇を『食材』とみなしていたが、仲間を支援する動きは淀みなく、治癒の力を秘めた光球を負傷した仲間に放つ。
アルマのサイドヒールを受け、生命を回復した仲間は再び戦線に復帰し、入れ違いにロイが合流を果たす。
(大森林が突然ダンジョンに変わる。生き物も姿を変えられている)
ロイには今回のような出来事が今後も続くという予感があった。
(故郷の森も同じ状態だろうか……確認に行きたい。無事でいてくれ)
そんな祈りと共に、ロイは眼前の蛇との距離を縮め、エーテルを矢に纏わせる。
強弓を鳴らし、ロイが近距離より放った攪乱射撃3はそのまま蛇の開けた口に吸い込まれ、突き刺さる。
蛇は口より血霧を噴いてのけぞり、矢に込められたエーテルが口内より蛇を侵す中、江流が切り込んでいく。
蛇は頭を振り下ろすような動きで江流に襲いかかるも、自身の戦術眼をもとに江流はエーテルを噴出し、飛翔した。
エアーライドにより江流は空中で真横に奔り、その真横を通過した蛇の頭が空しく宙を噛む。
「これだけ命中精度が鈍れば、当てるのは難しいだろう?」
まんまと蛇を釣った江流は冷めた口調で蛇に告げると、側面を見せる蛇に向け脇差【神楽】と短刀【囃子】が合計3度煌めいた。
「噛みつき攻撃をやり過ごしてからのカウンターだ」
江流が呟いたとき、トリプルファング改による3連撃が、立て続けに蛇の首筋を貫いた。
既に損傷が蓄積していた蛇はその連撃でぐらりと傾き、溝の底へ落下する中を江流が着地する。
(生きたまま生皮とか鱗引きずり剥がして収納したものはどうなるのかな)
攻防の中でサイラスはそのことを思いつき、回収が可能か試してみた。
その結果、切り取った部分はすぐに消えてしまったため、やむなくサイラスは蛇からの『素材』回収を諦めている。
「加勢してもいいか?」
そこへ東側の蛇を屠ったアルベルトが駆けつけ、サイラスに協力を申し出る。
「もちろんだ。手早く片付けよう」
既に素材としての興味が失せていたサイラスは、アルベルトの申し出を承諾し、その間にキラリも合流を果たす。
「溝には落ちないように気を付けないとね」
キラリは一瞬溝の方角に視線を向けた後、蛇に近づいていく。
既にキラリはこれまでの戦闘から、攻撃を無効化されずに済む距離を把握していた。
(これが終わったらとりあえずダンジョンコア壊しに行こう。欠片の回収出来ないかな?)
内心そんなことを考えつつ、サイラスはその背に炎の翼めいた何かを構築すると、エーテルを収束し――噴射する。
焔翼によってサイラスは一気に蛇へ迫り、威力重視の鋭い一撃を見舞う。
サイラスの風雷坊は蛇の胴を深々と切り裂き、宙に撒かれた血霧の中を、キラリの一射が貫いた。
距離を詰めての射撃に蛇は対抗できず、開いていた口内を射抜かれた蛇は、そのまま頭を床に叩きつける。
「計算通りだよ!」
キラリの援護を受け、アルベルトがチャージングを駆使して蛇との距離を急速に詰める。
「こいつを倒した後は、コアを破壊して終わりだな」
アルベルトは呟きと共に大太刀を真っ向から斬り下ろす。
アルベルトの鋭撃2がその威力と鋭さによって蛇の頭部を断ち割ると、その一撃で絶命した蛇は血煙と化し消えていった。
●完遂
3体の大蛇型クリーパーが倒されたところで、溝内に残る蛇達も一斉に霧散して消えた。
やがて冒険者達の立つ床中央に、ダンジョンコアと思しき球体が出現する。
あの蛇達の撃破がコア出現の条件だったらしい。
「塩焼きとヘビ酒が消えちゃったよ……」
今回の敵が倒したら消えることを知らなかったアルマは、心なしかションボリしていた。
「これが元凶か……」
「救援が来る前に終わらせるぜ」
ロイとアルベルトは頷き合い、サイラスもコアに近づくとそれぞれ攻撃を放つ。
3人の攻撃を受けたコアはあっさりと砕け、破片を散らした。
(俺が育った場所では無いので、ギシュムの常識とか文化とか礼儀作法とかなんて知りません)
サイラスはマジカルポケットを使い、内心そんなことを考えながらコアの破片を回収する。
その破片もそれまで宿していたエーテルの力は感じられず、ただの石に戻ったようだ。
「実はさ……蛇とかトカゲと言った爬虫類が大の苦手で……夢に出そうで怖い」
そのキラリも限界が来たのか腰が抜けたようにへたりこみ、げんなりした表情を見せる。
やや遅れて頭上より「大丈夫ですか!」と叫ぶディノの声が届く。
どうやら救援部隊を連れて来たようだ。
「セーフ! コアは破壊したぞ」
超聴覚でその声を聞いたロイは、ディノのいる方角に笑顔を向け、そう叫んだ。
「持久戦になる前に破壊できて良かったと言うべきかい?」
江流は今回自分達が掴み取った結果を冷静に受け止める。
その間にも冒険者達はディノや救援部隊の手で穴の底から救出され、共に退いていく。
やがて全員が退避を終えた後、コアを失ったダンジョンは消失していった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準6 / 4〜6人
2022年06月29日 21時33分54秒 公開
相談掲示板
ウォーリアのアルベルト・V・シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 今回俺は大蛇型クリーパーの撃破を目指すぜ 最初はD7の大蛇型クリーパーからの撃破をするつもりだぜ
シューターのキラリだよ。 よろしくね。 僕は……そうだなぁ。 そこまで強力な攻撃とか出来るわけじゃないから、蛇たちを翻弄する形で援護しようと思うよ。 火矢とかで気を逸らしたりしていければな、って思ってる。 勿論、「こうしてほしい」とか言ってくれればそうするよ~。
No.3
サイラスだ、よろしくなー 蛇殺すの優先でいくわ。 1ラウンド=5秒×12=1分×10=10分 つまり12×10だから調整かからなければ120ラウンドでしょ?んなに時間稼げとかしんどいわ でもって防刃の効果で連携取るか近接かになるので近接してく 上の奴から殺すわ
シューターのロイ・アウレアです。宜しく。 視界確保できるのが有難いね。 気持ち的には1体ずつ攻撃集中して減らしたいが(蛇は倒す) 回避できる場も少ないので、形的に3名が足止めを兼ねてタイマンで 残る一人が一番弱ってる個体へ追撃のイメージが湧いてる。 それで良ければだが、このメンバーなら自分もタイマン役 キラリさんに追撃役をお願い出来たらと思うがどうだろう? もう1-2名来てくれると動きが楽に成るね。
僕はこれが最後の顔出しかなぁ。 なんとか出発できるだけの人数が揃ってよかった。 僕はロイさんの提案通り、追撃や援護役に集中するね。 それぐらいならたぶん、出来るとは思うかな。
キラリさん、返答をありがとう。頼りにします! アルベルトがD7で、サイラスがA4(上の奴)となると、オレはD2だね。 蛇が積極攻撃に移らない場合は オレも二人のうちどちらか(蛇が弱ってる方)から追撃させて貰います。 タイマンの時はインベイシブAや攪乱と言ったBS系を取混ぜ優位に行けるよう進めるね。
判り難い書き方をしてたので追伸 >二人のうちどちらか(蛇が弱ってる方)から追撃させて貰います。 自分はタイマンと言いつつも、行動のメインはここ↑なので 蛇の攻撃を回避できるなら、翻弄しつつどちらかに加勢し減数を急がせて貰うね。
直前参加でごめんね、手が足りなそうな雰囲気だったので馳せ参じましたよと。 俺もロイさんと同じD2対応に回ろう。 そしたらロイさんがいくらか自由に動けるだろしね。 回避に重きをおいておくので、安定度は兎も角、なんとか場をもたせるくらいは出来ると思いたいな。
失礼、D2じゃなくてD1だね。 慌ててての読み落としが怖い。 ギリギリまで卓は見ておくので何かあればお声掛けくださいなと。
ヒーラーのアルマだよ、同じく滑り込み参加だけどよろしくねー それぞれの大蛇さん受け持ちがいるみたいなので初手ブルーフレアのあとは 中央あたりでヒール、サイドヒールで回復とBS対応で解呪 手が空いてるときは他の人と合わせての魔法攻撃も入れるようにするね
アルマさん!海神!参戦ありがとうー! 気付くのが遅れたので、内容に相違が出るかも知れないが…まぁそれもご愛敬でよろしく。 回避壁は海神に任せ、弱った個体から狙い落す火力役にシフトするプレにするね。
ロイさんは反応ありがとう。 基本、蛇に張り付くようにしてあるから、齟齬は少ないはず。 一応、後ろに流れ弾飛んでもいいようにフェザーステップで配置は気を使うようにしておいたよ。