いざ出航、ローズベルト号!
椿油
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シナリオID:2245
オープニング
●同盟都市フロルゾンの近くの港
「出航よ!」
ローズベルト商会の当主、ジェラルダが高々と叫んでいた。
「ジェラルダ様、ついに小島に行かれるので?」
お付きの婆やがそわそわしている。長年仕えてきたが年にもなると心配事が多く、しわも最近増えたらしい。
「もちろん冒険者を雇って行ってもらうのよ。それと今回行くのに良い航海士を用意したわ!」
口笛を吹くと、青年が呆れながら出て来る。
「あのー、俺ペットじゃないんですけど」
深緑色の髪に茶色い目の彼は、ジェラルダを小突いた。
「……このお方は?」
「航海士って言ったでしょ、婆や! 婆やと同じシャルガネで生まれてエラトゥーンで育ったミナト君よ」
紹介された青年ミナトは、片腕を頭の後ろに回しながらへらへらと自己紹介をする。
「どうも、ミナトです。……婆やさん? よろしくお願いしまーす」
「は、はぁ。よろしくお願いします。ジェラルダ様とはどちらでお知り合いに?」
婆やの眉間が若干締まる。
「酒場で意気投合っす」
婆やの眉間が更に締まり、ジェラルダを見つめる。
「……ジェラルダ様?」
「港の人材探しに酒場に行っただけよ、別に飲みに行ったわけじゃないわ!」
「……ふむ。信じましょう」
まぁジェラルダの行動はよく見ているので、飲んでいればすぐに分かるだろうと疑いを晴らした婆や。ここだけの話、ジェラルダは酔うと大変な事になって帰って来るらしいのだ。
「で、俺の考えたプランなんですけど……」
ミナトがそろそろ良いかなと口を挟んできた。
「まず道中にある脅威があれば排除する。邪魔な物があれば取り除く。島に船を着けられる場所を探す。の三本っす。脅威とかの介入タイミングは冒険者さんの判断で、船を停止させるのは俺に言ってもらう形で」
今回の目的は島に上陸する事なので、道中が一番大変らしい。
「まぁ、この船なら脅威の排除も簡単だと思うんで」
ゴテゴテに改造されたローズベルト号を見つめ、ミナトはにかっと笑った。
「俺こう見えて運転の腕は確かっすから!」
(こう見えてと言うぐらい自分で意識はあったのですねぇ……)
頼りなさそうだと思っていた婆やだったが。
とりあえず出航の為の人員を集める事に賛成し、手続きを始めるのだった。
「出航よ!」
ローズベルト商会の当主、ジェラルダが高々と叫んでいた。
「ジェラルダ様、ついに小島に行かれるので?」
お付きの婆やがそわそわしている。長年仕えてきたが年にもなると心配事が多く、しわも最近増えたらしい。
「もちろん冒険者を雇って行ってもらうのよ。それと今回行くのに良い航海士を用意したわ!」
口笛を吹くと、青年が呆れながら出て来る。
「あのー、俺ペットじゃないんですけど」
深緑色の髪に茶色い目の彼は、ジェラルダを小突いた。
「……このお方は?」
「航海士って言ったでしょ、婆や! 婆やと同じシャルガネで生まれてエラトゥーンで育ったミナト君よ」
紹介された青年ミナトは、片腕を頭の後ろに回しながらへらへらと自己紹介をする。
「どうも、ミナトです。……婆やさん? よろしくお願いしまーす」
「は、はぁ。よろしくお願いします。ジェラルダ様とはどちらでお知り合いに?」
婆やの眉間が若干締まる。
「酒場で意気投合っす」
婆やの眉間が更に締まり、ジェラルダを見つめる。
「……ジェラルダ様?」
「港の人材探しに酒場に行っただけよ、別に飲みに行ったわけじゃないわ!」
「……ふむ。信じましょう」
まぁジェラルダの行動はよく見ているので、飲んでいればすぐに分かるだろうと疑いを晴らした婆や。ここだけの話、ジェラルダは酔うと大変な事になって帰って来るらしいのだ。
「で、俺の考えたプランなんですけど……」
ミナトがそろそろ良いかなと口を挟んできた。
「まず道中にある脅威があれば排除する。邪魔な物があれば取り除く。島に船を着けられる場所を探す。の三本っす。脅威とかの介入タイミングは冒険者さんの判断で、船を停止させるのは俺に言ってもらう形で」
今回の目的は島に上陸する事なので、道中が一番大変らしい。
「まぁ、この船なら脅威の排除も簡単だと思うんで」
ゴテゴテに改造されたローズベルト号を見つめ、ミナトはにかっと笑った。
「俺こう見えて運転の腕は確かっすから!」
(こう見えてと言うぐらい自分で意識はあったのですねぇ……)
頼りなさそうだと思っていた婆やだったが。
とりあえず出航の為の人員を集める事に賛成し、手続きを始めるのだった。
解説
【目的】
近海の小島に上陸するまでの航海を成功させる。
【小目的】
・脅威の排除(水棲魔獣など)
・邪魔な物を取り除く(海藻の群れなど)
・上陸場所を探す
【ローズベルト号について】
前回、多くの装備が取り付けられた事によって軽い戦力になるほど頼りになる船になりました。
・ウインチ付き投網装置
・小型投石機
・巻き上げ式クレーン
この辺りはプレイングで指定すれば今回大いに使えそうです。
小型投石機のダメージは普通の授恵者が小石を投げた程度ですが数発の連射が可能です。物を持ちこんで詰めても構いませんが回収は自力でお願いします(投網装置などをお使い下さい)。
あと、倉庫があるので余分な物を一旦預けておく事も出来ます。
【小島までのルート】
約4マイル(つまり7400m程)を10分以上かけて航海します。一旦止めて欲しいシーンがあればミナトに頼めば止まります(実質、脅威等があるという事です)。
左右にちょっとした岩場が2、3個あり、魔獣が潜んでいたり邪魔な物が引っかかっていたりするなら恐らくここだと推測されます。
マスターより
椿油です。商会シリーズシーズン2、小島開発編の2話目です!
装備に関してのあれこれは前話「発進、ローズベルト号! その前に修復だ!」に詳細が載っています。
NPCに質問があれば【質問】を付けてジェラルダ・ローズベルトまでどうぞ。
皆様のアツいプレイング、お待ちしております!
リプレイ
●朝方
エラトゥーン都市同盟、フロルゾン港から出航したローズベルト号。操舵はミナトが行い、ジェラルダと婆やは見届けとして一緒に乗っている。特に婆やは心配なのだろうか、そわそわしていた。
「んー……今の所何もないな、よし」
舳先で《双波》をするダムド・フィリス。
「いよいよ島への航海ですね! さあ、何が出てくるでしょうか?」
トーラはマストから周囲を見渡していた。カモメがすぐそこにいる。
「何か発見した時にはすぐにお知らせしますね」
ミィアは海面を《超視覚》を駆使して凝視している。
「んー、海藻があるぐらいだなぁ」
サイラスは水面に浮かぶ海藻を見ながら周囲を見つめる。
出発から少し経ち、小島に向かって10時の方向。何やら小さな岩場がある事に気付くダムド。
「あれは……邪魔じゃないか? 定期コースになるだろうから、付近の障害はこの機会に排除しようぜ」
「あーそうっすね……障害物が無い方が航海しやすいのは確かなんで、よろしくお願いします」
ミナトとも連携を取り、各自岩場の方へ注意を向ける。
「岩場の向こう……何かがいますね」
ミィアがその視力で生物を見つけた。海の魔獣が岩場の陰からこちらを見つめているようだ。
「んー? ありゃ海竜だ」
サイラスが気づく。海の魔獣、海竜が見慣れぬ船に様子見をしている。
「一旦ストップで」
「うっす」
ダムドに言われてミナトがローズベルト号を停止させ、《魔竜》をけしかける事にしたサイラス。多頭竜が海竜を襲い、岩場で乱戦になる。海竜がうねり、叩きつけ、多頭竜がブレスを吐いていく。
「手伝います!」
トーラも《重撃射2》を放ち応戦する。暴れる海竜。再びサイラスの《岩砲》を交え、発射された岩と岩場がぶつかり岩場付近が轟音を立てる。
そして争いの結果、海竜は海面に浮かび岩場は崩れていった。
「回収しますね」
下に居たミィアがウインチ付き投網装置を操作し、網によって回収される海竜。
「おぉ……この年になってこの規模の海竜を見るとは……」
「こ、これヌシかしら……?」
ジェラルダも婆やも見惚れるサイズ、かなり傷だらけだが中々の大物だ。肉は漁の餌等に、鱗や爪は素材になりそうである。
●海藻地帯
航海を再開したローズベルト号。
「あっ、この先海藻が凄く沢山あります」
ミィアが見つけたのは、海藻が生い茂るエリア。航行速度を下げている間にダムドが水着に着替え、止まったローズベルト号から水中に潜った。
(結構生えてるな……)
剣を振り回して海藻を切り離し、水面に浮かんだ海藻をトーラがクレーンで巻き取って回収していく。
「おや、これは美容に良さそうですねぇ」
婆やがトゥルンと輝く海藻を見て呟く。
「商会の商品にするのはどうでしょうか?」
トーラが婆やの反応を見て提案する。
「いいわね、美容エキスの詰まった海藻由来のホニャララ! メモしときましょう」
――商品内容が具体的に決まっていない時の魔法の呪文、それがホニャララである。
●岩場と潮の満ち引き
「あっ、前方に岩場がまたあります!」
更に進み、再びマストに居たトーラが前方に確認したのは岩場が斜めに二つ。圧倒的に邪魔である。
「まぁギリギリ壊せなくもないか?」
サイラスが《岩砲》を連続して放つと、岩場が大きく崩れていく。岩砲を使い切ったサイラスは岩場を壊しきれた事に安堵した。
「次、岩場があったら岩壊せそうなやつけしかけとくか」
《魔竜》だったらまだ使えるが、岩場を壊すには先程のように乱闘規模の戦いが近くで起きていないと難しいかもしれない。
「そういえば、今は満潮と干潮どちらでしょうか?」
ミィアがミナトに問う。
「んーと、ちょっと干潮気味かな」
もし干潮の時に上陸しても、満潮になったら沖に流されたり、船が波に揺れ崖にぶつかって損傷したりするかもしれない。それを考慮して、一周二周と程よい上陸場所を捜索する事を提案するミィア。
「入り江になっていれば丁度いいのですが……」
「んー、あるかな? 入り江」
ミナトは島に近づけつつ、ぐるりと時計回りで周回してみる。崖は意外と多く、左から見ると船を着けられそうな場所はあまり無い。
そして島の右側に来た頃だろうか、ようやく入り江に似た浜を発見したのだった。
「波も穏やかだし良い感じに入り組んでる……ここっすね」
ミナトがグッドサインを送った。
●島の名は
トーラは《小人の薄刃》を構えて海の中に入り、上陸の為に邪魔な海草を取り除きにかかる。結構生えているが、あれも商品にならないだろうかと思い刈り取りつつ回収してみた。
「これも商品になりますか?」
「そうですねぇ……少し調べてみないと分かりませんが、栄養はそこそこありそうですよ」
婆やの長年の知識が物を言うのか、実際これは美味しく食べられる種類だ。港に着いたら干して干物として売り出すのもありかもしれない。
「ローズベルト印の干物、アリねっ!」
ジェラルダの商品展開欲は留まる所を知らない。
そしてそのまま島にUターンし、トーラが軽く島を探索する。奥は生い茂っていて、原住生物ぐらいは居そうだが魔獣は見当たらない。見知らぬ植物もあったが、恐らくこの島固有の植物なのだろう。毒の有無も不明なので、食べてみるのはやめておく事にした。
少し遠くまで歩いてみると、コポコポと音がしている事に気付いたトーラ。
「あ、ここ水が湧いてますね!」
湧き水の溜まっている水場を見つけた。水の種類によっては腹を壊すかもしれないので慎重にすくってみる。綺麗な水で、どうやら飲み水にするには若干の工夫が必要そうだが飲めなくはなさそうだ。
「ここの草を刈りはらえば、軽く拠点が作れそうです!」
入り江近くに戻ってきたトーラは良さそうな地点を見つける。いずれ開発の為に商会の皆さんが往復して利用する事を考えると、入口近くに拠点があればかなり便利なのは間違いないだろう。
一方入り江の浜に近づけたローズベルト号。木材を積んだ小舟を船から降ろし、ミィアとダムドが乗って漕ぎ近づいてみる。
「桟橋を作っておきましょうか」
「ああ、そうだな」
小舟を横づけして降りるミィアとダムド。上陸を簡単にするに越した事は無いと、杭を砂と海水の混じる浜に打ち付けていく。ダムドは浮力に抗いながら、共に海中にしっかりと突き刺していき、その上に板を取り付けてひとまずは完成だ。ローズベルト号を桟橋に近づけ、桟橋と隣り合うように上手く入り江の浜に入る事が出来た。
「こっちは出来ました、それじゃあサイラスさん降りてみて下さい」
「お、じゃあ遠慮なく」
サイラスが桟橋に降りてみる。問題なく降りる事が出来た。
「丈夫に出来てるし、いいと思う」
サイラスの言う通り丈夫な板なので折れはしないが、手すり等はあった方がいいなと思いながら行き来を試しに繰り返してみるミィア達。将来的には誰でも容易に乗り降りできるようにしないと、観光的な魅力が損なわれるかもしれない。
「毒虫とかいなければまぁビーチとしては安心よな。そのうち持ち込まれるかもだけど」
見た感じ危険は島には無さそうだ。
「無事に着いて良かったな、これで心配事も減るだろう」
ダムドが婆やに声をかける。
「えぇ、一安心で御座いますよ」
婆やは胸を撫でおろしてほっとした表情だった。
「そういえば、島の名前を決めて無かったわね!」
ジェラルダが気づく。急に大声で言うものだから婆やはビクッとしていた。
「ローズベルト島でいいかしら?」
「まぁ、それで宜しいのではないかと……」
婆やは汗をハンカチで拭きながら苦笑いしていた。
無事に航行出来たローズベルト号は、その後帰りも無事に同じコースを通って帰る事が出来たのだった。
エラトゥーン都市同盟、フロルゾン港から出航したローズベルト号。操舵はミナトが行い、ジェラルダと婆やは見届けとして一緒に乗っている。特に婆やは心配なのだろうか、そわそわしていた。
「んー……今の所何もないな、よし」
舳先で《双波》をするダムド・フィリス。
「いよいよ島への航海ですね! さあ、何が出てくるでしょうか?」
トーラはマストから周囲を見渡していた。カモメがすぐそこにいる。
「何か発見した時にはすぐにお知らせしますね」
ミィアは海面を《超視覚》を駆使して凝視している。
「んー、海藻があるぐらいだなぁ」
サイラスは水面に浮かぶ海藻を見ながら周囲を見つめる。
出発から少し経ち、小島に向かって10時の方向。何やら小さな岩場がある事に気付くダムド。
「あれは……邪魔じゃないか? 定期コースになるだろうから、付近の障害はこの機会に排除しようぜ」
「あーそうっすね……障害物が無い方が航海しやすいのは確かなんで、よろしくお願いします」
ミナトとも連携を取り、各自岩場の方へ注意を向ける。
「岩場の向こう……何かがいますね」
ミィアがその視力で生物を見つけた。海の魔獣が岩場の陰からこちらを見つめているようだ。
「んー? ありゃ海竜だ」
サイラスが気づく。海の魔獣、海竜が見慣れぬ船に様子見をしている。
「一旦ストップで」
「うっす」
ダムドに言われてミナトがローズベルト号を停止させ、《魔竜》をけしかける事にしたサイラス。多頭竜が海竜を襲い、岩場で乱戦になる。海竜がうねり、叩きつけ、多頭竜がブレスを吐いていく。
「手伝います!」
トーラも《重撃射2》を放ち応戦する。暴れる海竜。再びサイラスの《岩砲》を交え、発射された岩と岩場がぶつかり岩場付近が轟音を立てる。
そして争いの結果、海竜は海面に浮かび岩場は崩れていった。
「回収しますね」
下に居たミィアがウインチ付き投網装置を操作し、網によって回収される海竜。
「おぉ……この年になってこの規模の海竜を見るとは……」
「こ、これヌシかしら……?」
ジェラルダも婆やも見惚れるサイズ、かなり傷だらけだが中々の大物だ。肉は漁の餌等に、鱗や爪は素材になりそうである。
●海藻地帯
航海を再開したローズベルト号。
「あっ、この先海藻が凄く沢山あります」
ミィアが見つけたのは、海藻が生い茂るエリア。航行速度を下げている間にダムドが水着に着替え、止まったローズベルト号から水中に潜った。
(結構生えてるな……)
剣を振り回して海藻を切り離し、水面に浮かんだ海藻をトーラがクレーンで巻き取って回収していく。
「おや、これは美容に良さそうですねぇ」
婆やがトゥルンと輝く海藻を見て呟く。
「商会の商品にするのはどうでしょうか?」
トーラが婆やの反応を見て提案する。
「いいわね、美容エキスの詰まった海藻由来のホニャララ! メモしときましょう」
――商品内容が具体的に決まっていない時の魔法の呪文、それがホニャララである。
●岩場と潮の満ち引き
「あっ、前方に岩場がまたあります!」
更に進み、再びマストに居たトーラが前方に確認したのは岩場が斜めに二つ。圧倒的に邪魔である。
「まぁギリギリ壊せなくもないか?」
サイラスが《岩砲》を連続して放つと、岩場が大きく崩れていく。岩砲を使い切ったサイラスは岩場を壊しきれた事に安堵した。
「次、岩場があったら岩壊せそうなやつけしかけとくか」
《魔竜》だったらまだ使えるが、岩場を壊すには先程のように乱闘規模の戦いが近くで起きていないと難しいかもしれない。
「そういえば、今は満潮と干潮どちらでしょうか?」
ミィアがミナトに問う。
「んーと、ちょっと干潮気味かな」
もし干潮の時に上陸しても、満潮になったら沖に流されたり、船が波に揺れ崖にぶつかって損傷したりするかもしれない。それを考慮して、一周二周と程よい上陸場所を捜索する事を提案するミィア。
「入り江になっていれば丁度いいのですが……」
「んー、あるかな? 入り江」
ミナトは島に近づけつつ、ぐるりと時計回りで周回してみる。崖は意外と多く、左から見ると船を着けられそうな場所はあまり無い。
そして島の右側に来た頃だろうか、ようやく入り江に似た浜を発見したのだった。
「波も穏やかだし良い感じに入り組んでる……ここっすね」
ミナトがグッドサインを送った。
●島の名は
トーラは《小人の薄刃》を構えて海の中に入り、上陸の為に邪魔な海草を取り除きにかかる。結構生えているが、あれも商品にならないだろうかと思い刈り取りつつ回収してみた。
「これも商品になりますか?」
「そうですねぇ……少し調べてみないと分かりませんが、栄養はそこそこありそうですよ」
婆やの長年の知識が物を言うのか、実際これは美味しく食べられる種類だ。港に着いたら干して干物として売り出すのもありかもしれない。
「ローズベルト印の干物、アリねっ!」
ジェラルダの商品展開欲は留まる所を知らない。
そしてそのまま島にUターンし、トーラが軽く島を探索する。奥は生い茂っていて、原住生物ぐらいは居そうだが魔獣は見当たらない。見知らぬ植物もあったが、恐らくこの島固有の植物なのだろう。毒の有無も不明なので、食べてみるのはやめておく事にした。
少し遠くまで歩いてみると、コポコポと音がしている事に気付いたトーラ。
「あ、ここ水が湧いてますね!」
湧き水の溜まっている水場を見つけた。水の種類によっては腹を壊すかもしれないので慎重にすくってみる。綺麗な水で、どうやら飲み水にするには若干の工夫が必要そうだが飲めなくはなさそうだ。
「ここの草を刈りはらえば、軽く拠点が作れそうです!」
入り江近くに戻ってきたトーラは良さそうな地点を見つける。いずれ開発の為に商会の皆さんが往復して利用する事を考えると、入口近くに拠点があればかなり便利なのは間違いないだろう。
一方入り江の浜に近づけたローズベルト号。木材を積んだ小舟を船から降ろし、ミィアとダムドが乗って漕ぎ近づいてみる。
「桟橋を作っておきましょうか」
「ああ、そうだな」
小舟を横づけして降りるミィアとダムド。上陸を簡単にするに越した事は無いと、杭を砂と海水の混じる浜に打ち付けていく。ダムドは浮力に抗いながら、共に海中にしっかりと突き刺していき、その上に板を取り付けてひとまずは完成だ。ローズベルト号を桟橋に近づけ、桟橋と隣り合うように上手く入り江の浜に入る事が出来た。
「こっちは出来ました、それじゃあサイラスさん降りてみて下さい」
「お、じゃあ遠慮なく」
サイラスが桟橋に降りてみる。問題なく降りる事が出来た。
「丈夫に出来てるし、いいと思う」
サイラスの言う通り丈夫な板なので折れはしないが、手すり等はあった方がいいなと思いながら行き来を試しに繰り返してみるミィア達。将来的には誰でも容易に乗り降りできるようにしないと、観光的な魅力が損なわれるかもしれない。
「毒虫とかいなければまぁビーチとしては安心よな。そのうち持ち込まれるかもだけど」
見た感じ危険は島には無さそうだ。
「無事に着いて良かったな、これで心配事も減るだろう」
ダムドが婆やに声をかける。
「えぇ、一安心で御座いますよ」
婆やは胸を撫でおろしてほっとした表情だった。
「そういえば、島の名前を決めて無かったわね!」
ジェラルダが気づく。急に大声で言うものだから婆やはビクッとしていた。
「ローズベルト島でいいかしら?」
「まぁ、それで宜しいのではないかと……」
婆やは汗をハンカチで拭きながら苦笑いしていた。
無事に航行出来たローズベルト号は、その後帰りも無事に同じコースを通って帰る事が出来たのだった。
マスターコメント
「ローズベルト島」に上陸成功しました!
多少の開発が行われ、いずれ皆で楽しめるリゾート地になるでしょう。
ご参加下さりありがとうございました!
ショートシナリオ普通 報酬:多い4 / 4〜10人
2022年06月18日 08時07分12秒 公開
大成功