偽冒険者のくせになまいきじゃ!
椿油
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シナリオID:2236
オープニング
「今日も魔獣に作物が襲われておる……」
嘆く村長。作物は丸かじりされていた。
「これはまた酷い……どうにかならないものか」
帝国のとある農村では、魔獣の被害が多発していた。だがそんな所に、マントを羽織ったいかにもな冒険者パーティが現れる。
「魔獣被害ですか、我々が解決しましょう!」
リーダーのマントの男がドンと胸を叩いた。
「おお……それはそれは! 助かりますぞ」
村長は胸を撫でおろした。魔獣の脅威はこれで去った……かと思われた。しかし、仮初めの平和は一時的なものであった。
次の日。
「酒が欲しいのですが」
「さ、酒はあいにく我が村にはそこまで……」
「解決してあげるんですよ?」
慌てる村長にリーダーが睨む。
「は、はいぃ……」
農家達は仕方なく酒を調達してきた。
さらに次の日。
「肉が欲しいんだけど」
敬語すらやめたリーダー。
「に、肉は我が村には」
「解決してやるのにその態度?」
リーダーがギロリと睨む。
結局、この村では魔獣はさほど退治されておらず、憤慨した村長は冒険者ギルドへと向かった。
「――という冒険者を、町に連れ戻して下さいぃ!」
受付嬢が調べた結果。
「そのような冒険者は、ギルドに登録されていませんが……?」
「……は?」
授恵者に目覚めた者は基本冒険者として登録する決まりになっているが、登録しなかった事で罰則が発生したりはしない。その穴を突いた『偽冒険者』だったのである。
「そ、そんな……ではどうしたら……!」
その時、村長の脳裏にとあるアイデアが浮かんだ。
「あやつらに敢えて依頼を出せば!」
村長のアイデアはこうだ。盗賊が出るので困っていると偽冒険者に頼み込み、そして盗賊自体は冒険者の皆さんに扮してもらう。そして、盗賊のフリをして逆にとっちめる……という物だ。
●突破口の風が吹く
「盗賊? いいけど、報酬はたんまり用意しろよ」
ついにタメで話すようになった、偽冒険者。
「ええ、ええ勿論ですとも……」
この時、村長は上手く誘導出来た事に心の中でほくそ笑みつつ。冒険者の現地到着を待つのであった。
解説
マスターより
リプレイ
「――という感じに伝えて頂ければ」
キーゼが作戦を村長に伝える。
「承知しました、あやつらにギャフンと言わせてやって下さいませ」
村長も憤慨しているが、今回盗賊役で集まった冒険者達も憤慨している。冒険者の質を下げかねない行為にだ。
「冒険者全体の信用への被害だしなぁ」
サイラスは正直、最終的に処してやってもいいと思っている。
「私も含めて授恵者が増えましたし、冒険者を装ってのたかりというのはよくある手口なのでしょうね。まっとうに冒険者ギルドで活動を行っている者からすれば迷惑極まりないですが……」
リディリディ・トゥラ・イェレミースは今回は盗賊に捕まった人質役だ。
「シファーわかる、ほ、ほんとに。人を騙すの、よくない。そういうのは、ちゃんと殴ってこらしめる……」
昔の生き方があまり褒められた物では無かった為『うんそうだね絶対許せない』と大きな声で言えない棒読みのシファーだった。
「許し難い行為、お仕置きが必要ですね」
コルネリウス・アーラは分からせるまでは強く殴ってしまってもいいだろうと手を強く握り真剣な面持ちだ。
「アタシは盗賊側ね、了解!」
ベアトリーチェ・カロッサはキーゼと一緒に人質役を少しいたぶるフリをする役だ。
さて、森で仕込みをしている間に村長は偽冒険者一行に説明を始める。
「森に盗賊が棲みついてしまいましてのう、しかも村に来ていたエルフの娘さんを攫っていってしまったのです」
「それは許せませんね、解決してきてやりますよ。いつも通りお礼の酒は弾んで貰えるなら」
「ええ、たんと弾みますとも」
予定通り森へ向かった、偽冒険者達であった。
●小芝居
縛られているリディリディ。勿論、脱出しやすいように軽くである。
「さて、どのようにいたぶってやりますか……」
キーゼが焚き火を起こしながら、それらしい台詞を吐いていた。
「悪くはしないよ、悪くはねえ……」
ベアトリーチェがキーゼと目配せする。
(……こんな感じかな?)
(ええ、それで充分でしょう)
(危険な時は、私が必ず護ります)
コルネリウスからのテレパスがリディリディへと届いた。
サイラス・シファー・コルネリウスの3人は茂みに隠れて奇襲を仕掛けるようだ。そして、偽冒険者パーティがやってきた。
「お、お助けを!」
リディリディが懸命に叫ぶ。
「助けに来ましたよ、エルフさん!」
この後偽冒険者のリーダー、ライアーは酒をたんまり頂くつもりなのでここだけは真剣な面持ちである。
「お楽しみが増えたようですね」
キーゼが怒ったフリをしながら偽ヒーラーの方を見て呟いた。そして、多勢に無勢……と思いきや。
(今だっ)
ベアトリーチェが飛び出し、閃光塗弾を投げつけて目くらましをさせた。
「な……!」
ライアーは目が眩む。
「読まれていたか!?」
サブリーダーのウッソが叫ぶ。
「あらあら……」
ヒーラーのニセも、きゃっと叫びながらあざとく目を瞑る。
「これ、村長仕組んだんじゃない!?」
シーフのキョゲンが察してしまっているが、今更逃がす訳にはいかない。ベアトリーチェがキョゲンに《脛撃2》の一撃を眩んでいる間に与えていく。
「盗賊も授恵者か!」
ライアーが叫ぶが、まだ仕組みの全容には気づいていないようだ。
(そーっと、そーっと)
気づかれないように《ハイディング》でジリジリと偽冒険者に距離を詰めていくシファー。キョゲンが《捜波》をするも、どうやら気づかれていない様子だ。
(私が足止めしますので、攻撃をおまかせしますね)
コルネリウスがリディリディにテレパスで伝えつつ、《露花の檻》の不可視の花が偽冒険者達をリディリディに近づけさせない。
サイラスは万力鎖の大蛇身をヒーラー・ニセに強く巻き付けて回復すら行使させぬよう締め上げる。
「これでも喰らえや」
「っ……あっ……!」
ニセはかなり辛そうな声をあげている。
(ナイスですよサイラス氏)
ニセが怯んでいる隙にニセに接敵したキーゼは《光縛封》でお互いを光縛封の中に閉じ込める。
「な……何を……」
この空間内で、キーゼは魔法を行使する気満々であった。
「ええいっ!!」
マジカルポケットから自身の杖を取り出しながら、《災厄を齎す契機となりしは氷雨の刃》にて氷雨の空間爆砕を巻き起こすリディリディ。
その後、透明の花弁がじわじわとダメージを与えて行く。怯んでいた為、そのまま引き続き偽盗賊もとい正規の冒険者達の番だ。
●お仕置き
ベアトリーチェは暗針から《縛糸刃》の光のエーテルを伸ばし、シーフのキョゲンを縛り上げる。
「やたらと狙ってくるよねあんた……!」
「シーフが厄介なのは分かってるからね!」
「構成まで知ってる……やっぱり、村長図ったな!」
キョゲンは村長に裏切られたと気づいたようだ。
(しなないていどに……)
シファーは《タナトスバイト》でキョゲンを密かに攻撃していく。
「遠慮などしませんし、逃がしもしませんよ」
コルネリウスは《闘気槌2》をライアーとウッソ、そしてキョゲンに叩きつけていく。
「ど、どうしてこんなに用意周到なんだ……!」
ライアーも少し察しただろうか、まさか、と村の方を見つめた。
「ほーれ、そっちからも来るぞ」
サイラスの《鳥獣戯》は小型の蜘蛛を再現し、偽冒険者達が噛みつかれてパニックに陥る。
「うわあぁぁ!!」
「あっち行け!! シッシッ!!」
「どうしてこうなるの!!」
再び攻撃どころじゃなくなる、錯乱中の偽冒険者達。
そしてニセはというと。
「もう、どうしてこんなに痛めつけるんですかぁ~っ」
キーゼから《エーテルブロー3》を受けて苦しんでいた。
「おや? 原因が分かっていないと仰る? 可笑しい話ですね、確かに我々は聞きましたが」
「村長さんですね~、もう……」
一対一のこの場で、キーゼに杖で殴り返したニセであった。
「今です!」
リディリディは錯乱している3人の偽冒険者に《メテオライト3》を行使する。ついに限界のキョゲンが倒れた。
「まず一人、だね!」
ライアーに《毒撃2》をぶつけるベアトリーチェ。
「散々やりやがって……許さないぞ!!」
ベアトリーチェ目掛けて《強打3》を叩き込むライアー。だがサイラスの《庇護翼》が割って入り、それをカバーする。
「くっ!!」
「邪魔なこいつから倒すか?」
ウッソがサイラス目掛けて《強射2》を放つ。護る位置に居たサイラスは攻撃を受け入れつつ、まだまだと立っていた。
「来いや」
サイラスは軽く挑発した。
(まだ、つかえそう……?)
位置が未だにバレていないシファーは、ウッソに《タナトスバイト》をぶつけにかかる。その拍子にウッソが膝から倒れ、シファーがついに見つかる。ライアーはもう一人居た事に驚きを隠せない。
「お前らまだいたのか!!」
「もっといるかもしれませんよ?」
コルネリウスは《強打》をライアーに叩きつけた。
「小僧の方も後で縛るとして」
ウッソに《光縛呪》のお縄をかけるサイラス。これで逃がさない。
「ほら、これでまだ戦えますよね?」
《エーテルブロー3》を受けて膝から倒れたニセに、《サイドヒール改》をかけてやるキーゼだった。
最早ライアー以外に残っていないこの状況。
「くっ、くそっ!!」
逃げようとしたライアーにリディリディが《グラビティフィールド》を行使して足止めさせる。
「戦闘終了の意思がある、という事で良いんですね?」
「……負けたよ」
全員が生かされた状態で縛られつつ、取り調べを受ける事になった。
●しょうもない理由
「これに懲りたら、今後悪さはしないほうが懸命ですよ。授恵者としての力をお持ちなら、より良い使い方はいくらでも有るはずです。よく考えてみてくださいね」
コルネリウスが諭すように問いただす。
「……ああ、分かったよ。タダ酒の為に冒険者騙ったりなんかしないよ」
ライアーがぼそっと呟く。
「そのおこぼれをあずかっただけだからなぁ」
ウッソも小声で喋った。
「んー、正直楽しそうだったから……」
キョゲンがパーティに居た理由がどうしようもない。
「ライアーと幼馴染だっただけです~」
もっとしょうもないのはニセだった。
「問題が起き過ぎて世界で行動管理するとかそんなのがあると困るし。それよりなら再犯しそうな奴皆片付けた方が幸せにならない?」
サイラスの提案にヒッと怯える偽冒険者達。
「リーダーの首根っこに母蜘蛛糸のロープくっつけて、村中引き回しの刑とかどう?」
ベアトリーチェの案にヒュッと肝が冷えたライアー。
「貴方がたもまだやり残した事がありますよね? 貰った分は働く、当然でしょう?」
キーゼが近場に見えた魔獣らしき物を指差す。
「私見ですが、冒険者というのはギルドと契約しているようなものですし、何かあったらふらっと現れた冒険者ではなく受付に正式に依頼する方が良いでしょうね。被害に遭われたのですから、私が言わなくても次回からそうするでしょうけど……」
リディリディは自分達でも片づけられそうな魔獣だと思ったが、ここは偽冒険者達に真っ当な人生を歩ませるべく、貰った分の働きをしてもらう事にした。
それから、この村の被害届は冒険者ギルドにちゃんと向かうようになったという。
マスターコメント
ショートシナリオR普通 報酬:標準6 / 4〜8人
2022年06月13日 23時38分26秒 公開
参加者
コルネリウス・アーラ
- サイラス
- イェレミース トゥラ リディリディ
- キーゼ
ベアトリーチェ・カロッサ
シファー
相談掲示板
さて、懲らしめる方法ですが···· 幸い待ち受けての準備が出来るなら、出来れば徹底的にはめ殺しておきたいですね。いえ、正確には肉体は殺しませんが。 軽く思いつく手としては 1.盗賊のたまり場のようなものを作り、敵がそこまで来れるよう分かりやすくしておく。 待ち伏せしていると思わせ、警戒させ、木々や藪を縄などを用いてそこに潜んでいる、と勘違いさせ、先手を取ったように思わせる。 ダミーの潜伏ポイントに引っかかったところを狙い、強襲、殲滅 2.たまり場は共通 潜伏役と盗賊役と人質役(出来れば女性が適任)で人質が危険と思わせ、救助させる。 人質役が偽物側に取り込まれたところで人質役が攻撃。足並みを狂わせたところで潜伏役と盗賊役が共に偽物側を殲滅 こんな感じですかね? 盗賊役はマントなどで装備を隠しておかないと、明らかに質のいいものを着てるとバレるでしょうからね
No.2
その・・・、キャスターのリディリディです。 よ、よろしくお願いします。 出発のできる人数となりましたね。 力押しは出来るかどうかというのもありますし、安全に策を練った方が良さそうですね。 現地は見通しが悪いようですから隠れるところも多そうです。 もうふたつも策を用意してくださったのですね、有り難う御座います。 その策のうち、1では、ダミーの潜伏ポイントまでうまく誘導できるかという点が心配です。 それに似非冒険者側には盗賊もいて、万が一探波を使われると厄介なことになりますので、私は2の方を推します・・・。 し、心配のしすぎかもしれませんが。
ウォーリアのコルネリウスです、よろしくお願いします。 困った方々も居たものですね…。 キーゼさんが案を複数用意してくださっていますし、私も溜まり場を解りやすくしておいて向こうから来てもらう…位しか考えていませんでした。 キーゼさんの案で考えていくとしまして。 1の場合、敢えてダミーであることをシーフに気付かせて此方が囲んでしまうのも有りですかね。 レベルは高いのであればある程度スキルはあると思って良いでしょうし。 2は相手も釣られやすそうなので、やりやすいかと思いますがもう数人同行者がいらっしゃると助かりますね。 現状だと私は1かな?と思いますが 相談しながら決めていきたいです。
シーフ、シファー。よろしく。 にせぼうけんしゃ…だ、だますのはよくない。 シファーちゃんとわかってる(目が泳いでいる キーゼの案にのっかるなら 1は相手もそこまでおばかじゃない…と思うので探波を使われて居場所がばれると 初手で作戦がくずれちゃうからちょっとこわいかも 2のほうが確実に接触できる…ぶつりでなぐる…できるから接触さえできればあとは 多少作戦がぶれても戦闘にもちこめればと思う どっちにしてもまず最初に相手のシーフから潰しておきたい
シーフのベアトリーチェだよ、よろしくね! アタシは人質作戦の方がいいと思うな。人質役1人と見張り役1人が先にたまり場にいて、偽冒険者と対峙した時に残りメンバーが後ろから登場して挟み撃ちとかどうかな?
希望が多いのは2,ですかね。 ルート策定については、依頼主を利用して、こっちの方面にいるそうです、とでも言わせれば誘導はしやすいでしょうね あとは綺麗所ばかりですから、美女が一人連れ去られている、とでも言っておけばいいかと。 >役割 餌は人質役、とはいいますが。感じ的には盗賊になぶられそうになっている被害者役ですかね。 既のところで偽物側が来て助けを求める、というような。 出来れば被害者役1に盗賊役2は欲しいですかね。単独だと逆に怪しまれるかもしれませんし。
No.7
えっと、2ということでしたら、『被害者役』に手をあげておきますね。 私が凄んでも迫力がないのは自覚していますので・・・、盗賊として振る舞うのは難しそうですし。 「被害者役1に盗賊役2」ということでしたら、どなたかもうひとり被害者役とした方が良いでしょうか。
No.8
サイラスだ、よろしくなー とりま変装あるからある程度は装備の質とか誤魔化せると思うよ? とりあえず隠密辺りで潜伏役希望かね。野郎がやってる方がいいなら演技辺りで犯人役もできそうだが。
じゃあ、アタシが盗賊役をやろうか? 戦いが始まったらリディを縛ってるロープをナイフで切ってあげるね。
>リディリディ氏 では、被害者役をお願いします。敵に助けを求めて近づいた時点で最大火力で吹き飛ばせばいいので。 あとは、敵の反撃に対してのリディリディ氏の守りだけほしいですか。 >ロープを切る そんな手間を入れなくとも。縛られているふりをする、などで十分かと 被害者が性的に襲われそうになり、ちょうどやってきた偽冒険者を駆け寄り助けを求める、ぐらいでいい気がしますから。 無抵抗を襲っても面白くないでしょう? あちらも男が多いですから。そういう油断を作り出してしまいましょう >個人 こちらも盗賊役をしますかね。
すみません、ちょっと間が空いてしまいました。 では2の方針で、了解しました。 テレパスを持つ方がいれば、タイミングを合わせたりするのにも使えそうかなと思いますが手持ちのスキル次第でこの辺りは私も調整します。 >リディさん では被害者役はリディさん、お願い致します。 反撃が来た場合は私がカバリングで間に入りますね。 >個人 キーゼさんとベアトリーチェさんが盗賊役をしてくださるのであれば、私は隠れて様子を見ておきますね。 殺界で足止めしつつ、殴りやすいようにしていきます。
No.12
コルネさん、ありがとうございます。 あの・・・、頼りにしています。 それでは、私はマジカルポケットに装備というか、杖を入れておきましょう。 効果範囲に全員を収めるというわけにはいかないかもしれませんが、可能な限り巻き込んだ形で放ちますね。 テレパスですが、私も用意しておきます。 殺界のタイミングで範囲魔法をという感じでしょうか。 それと・・・、念のために逃亡阻止として重力場の用意もしておきます。
盗賊役、とりあえずふたりでだいじょうぶかな シファーもかくれて様子うかがう 隠れてる間にタナトスバイトでシーフかヒーラーに暗殺試してみようかなと思う 看破されちゃったら…ごめんだけど……