【帝国】ロコの置き土産
岩岡志摩
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シナリオID:2174
オープニング
帝国東部鎮守都市エスタルでは、その一部で不穏な空気が流れ始めている。
きっかけは『草人』という存在が認知され始めたことだった。
エスタルの住民達いわく「ちょっと個性的な人間」。
一見すると病気を患っているような雰囲気で、住民達は食料が乏しい状況からそうなったと解釈しているようだ。
その一方で、草人という存在はおかしいのではないかと勘づき始めた人達もいる。
そして何がきっかけでそうなったのかは不明だが、草人を殺して回る「草人狩り」が都市の中で出没するようになった。
冒険者ギルド支部ではそうした住民達の動向や、「草人狩り」の存在について調査を進めている。
なお冒険者ギルドは草人の正体について情報を得ているが、内密に行動中のため住民達には報せていない。
そしてこの日、冒険者ギルド支部にもたらされた一報が、緊迫した空気も運んできた。
――メドゥの指先所属の道化師「ロコ」、都市内の一角に出現。
その情報には続きがあり、続報を受け取ったギルド支部職員は困惑する。
「住民達に襲われた『草人狩り』を、ロコと魔獣達が助けた、ですか」
ロコという存在は、各地で住民達に被害を与えてきた災厄のようなものだ。
それが何の理由もなく人命救助に動くとは考えにくい。
冒険者ギルド支部は、詳細を明らかにするため情報収集に努めていく。
●ロコ出現
そして現場で起きていたことが、ある程度明らかになった。
経緯としては以下の通りになる。
都市の中でも廃墟の多い区域で、草人狩りの集団が草人を殺しまわっていた。
だがそれを周囲の住民達に察知され、住民達は数にものを言わせて草人狩り達を包囲し、殺そうとした。
そこへロコや魔獣の群れが強引に割り込んできた。
ロコはそれまで周囲を包囲していた住民達を蹴散らし、その中の1人を執拗に追い立てて殺した。
しかしロコが殺した相手は、草人だったようだ。
その過程でロコや魔獣達は草人狩り達を住民達から守る動きをとっていたので、結果として草人狩りは命を救われた。
ただ周囲にいた住民達は、ロコや魔獣達におびえるどころかロコ達を包囲する姿勢を崩していない。
そんな住民達の動向に、冒険者ギルド支部は不審なものを覚える。
「あのロコや魔獣達の恐ろしさを目にしたら、普通は逃げます。何かに憑かれているとしか思えないですね」
この日、冒険者ギルド支部を訪れたアルヒ・ラスカスもまた、住民達の動きに疑問を抱いていた。
さらに問題をややこしくしているものは、ロコや魔獣達に命を救われた草人狩り達が、ロコに協力を求めている点だ。
草人狩り側としては、身の安全が確保されるまでの用心棒という役目をロコ達に求めたからだろうが、ロコ側からすれば応じる義務はない。
しかし何故かロコは草人狩りの求めに応じ、魔獣達を使役して草人狩り達を守る姿勢を見せている。
そしてロコが魔獣達を使ったある行動により、事態はさらにややこしくなった。
●ロコの置き土産
ロコがやったことは、魔獣を使っての物資輸送だった。
既にエスタルには、支援を要請された辺境都市群やドワーフ王国からの物資が届き始めているが、いまだ十分とはいいがたい。
今回ロコが運び込んだ物資や食料は、何もなければ都市エスタルに届くはずのものだった。
しかしその道中にクリーパーや人類に敵対的なケンタウロスの群れに襲われ、輸送隊は壊滅。
物資を積んだ馬車は破壊され、その場に放置された。
それをロコや魔獣達がクリーパーやケンタウロス族を撃退して回収し、都市へ運び込む真似をしたらしい。
今エスタルで暮らす住民達の食糧事情は決して良いものとは言えず、届いた食料や物資を目にした現場の住民達は歓声をあげた。
周囲には依然として魔獣達がいるにもかかわらず、生きることに必死なのか、住民達はロコや魔獣達を恐れることなく物資や食料へと集まっていく。
不特定多数の人々が入り乱れるようになったせいか、草人狩りの者達は混雑に乗じて脱出し、現場にはロコや魔獣達の周囲に住民達が多数いるという奇妙な状態が続いている。
その一報を聞いたアルヒは現場に急行すると、ロコと接触をはかりその真意を問う。
「食べ物が欲しいと言われたので、近くで放置されていたものをまとめて持ってきただけデス」
ロコによると都市から立ち去ろうとした際に、周囲を囲む飢えた子供達やその親たちに食べ物を要求され、こうなったようだ。
子供や大人達も運び込まれた食材をむさぼるように食べているが、ロコは何故か人々への手出しを控えている。
「心配せずとも、私はこの場から退きます。そちらが私達に攻撃しない限りはデスガ」
ロコはアルヒに対し、これ以上周囲の人間達へ危害を加える意図はないと告げる。
「何の目的でこんな真似をした?」
「貴方がたを困らせるため、といえば納得するんでショウ?」
ロコはそう言って真意を明らかにしない。
「それよりもいいんデスカ? 貴方がたがこの場を取り仕切らない限り、いずれ犠牲者が出ますヨ」
ロコが両手を広げた後方では、より多くのものを欲したのか、物資や食料を奪い合う住民達の姿があった。
「周囲の皆様は生きることに必死ですからネ」
自分に構っている暇などあるのかとロコは仮面の奥で笑う。
「いいだろう。この場は見逃してやる。だがこれ以上住民達への手出しはするなよ?」
アルヒはロコに厳しい視線を向けながらも、事態を収拾するため監視役の職員を残して冒険者ギルド支部へと駆け戻り、依頼の斡旋に動く。
やがて冒険者達が現場に駆けつけた頃には、ロコや魔獣達は現場から退去を始めていた。
●やること
今回皆様は、帝国東部鎮守都市エスタルに存在する冒険者ギルド支部からの緊急依頼に応じ、現場に駆け付けました。
ロコや魔獣達がエスタルに来たのは、暗殺対象がこの都市にいたからですが、殺した相手は草人でした。
そのロコが草人を殺す過程で周囲にいる住民達を撃退したため、住民達に殺されそうだった草人狩りの者達も結果として命を救われました。
その後理由は不明ですが、ロコは草人狩りや現場にいる住民達の一部からの要請を受け、魔獣達を駆使して食料や物資を運び込みました。
エスタルの住環境は最悪で、食生活は支援物資が続々と届きつつあるとはいえ非常にまずい状況です。
今回の物資は帝国軍、および距離的に近いために支援を要請された辺境都市群やドワーフ王国から物資を輸送されたものの一部でした。
しかし都市へ到着するより前に、周辺にいるクリーパーや人類に敵対的なケンタウロスの残党に襲われ、輸送隊が壊滅して物資を積んだ馬車もその場に取り残されました。
そういった物資や食料をロコはかき集めてきたようですが、現場ではこの物資や食料を巡り、受け取り損ねた住民達の間で奪い合いが始まっています。
このため皆様には住民達の争いを鎮め、物資や食料を問題なく配布してもらうという役割をお願いいたします。
最終的に住民達が納得する形であれば、やり方は問いません。
現場にいる住民達の多くは、少し前まではクリーパーの死骸をかじる食生活だったので、まともな料理を用意できれば住民達も喜ぶことでしょう。
なお現場にいた草人狩りの者や、ロコ・魔獣達との戦闘で負傷した住民達は、既に冒険者ギルド支部がそれぞれ保護しましたので、そちらへの対処は不要です。
解説
マスターより
リプレイ
依頼に応じ、急遽現場に駆け付けた冒険者達はそれぞれ行動に移る。
「多分手を広げなければならない場所を増やすのが、嫌がらせの内容かな?」
サイラスは目の前の状況を見て、ロコの意図を推し量ろうとする。
――いや。やってる奴のこと知らんが。
サイラスはロコに対し、それほど興味はない。
(とりあえずカリスマと演説で人を纏めていく?)
サイラスは食料の奪い合いを行う住民達の位置を確認すると、人々の中に分け入っていく。
「穏やかじゃないな!? とにかく状況を落ち着けないと、こっちの話も聞いてもらえるかどうか……」
アウレーリウスは食料の奪い合いを繰り広げている住民達の中で、一番争いの激しい場所を探していく。
「割り込んででも止める。住民同士が傷付け合い一触即発の雰囲気になる事だけは止めたい」
そのためにもアウレーリウスは住民達の間へと、強引に体を割り込ませる。
予想通り、住民達の攻撃はお互いからアウレーリウスへと集中するも、アウレーリウスは一切住民達へ反撃しない。
「部外者であることは弁えている。少しだけでも自分達の話を聞いてほしい」
アウレーリウスは殴りかかる住民達に懇願する。
その間にもナキルは今回の騒動を引き起こしたロコが、都市エスタルより完全に退くのを見届けるため、南に向かう。
「お前はそのうちぶん殴るぜ。今回は、あいつらが世話になった分は感謝すっけど」
ナキルはロコ達に追いつくなり、いつかの戦闘を誓う一方で結果的には住民達を救った礼を述べておく。
敵に対しても、ナキルは自分なりの筋を通している。
「その日を楽しみにしてイマス」
ロコは恭しくナキルへと一礼し、そのまま魔獣達と共に姿を消していく。
それを見届けたナキルはくるりと方向を変え、住民達のいる現場に駆け付ける。
「余裕がねェのは解った、だけど今はもうちょっとだけ辛抱しろよな」
ここでナキルが住民達の間に割り込むと、威圧感を使い住民達を押さえ込み始める。
(自分の筋は通す。そしたら遠慮なく物資は使うし整理もする)
ナキルの行動と連動するように、サイラスも演説スキルを駆使する。
「争う必要はない。ここにいる全員に料理が行き渡ると約束しよう」
カリスマスキルも駆使したサイラスの宣言に、住民達の視線が集まり始める。
「まずは混乱をおさめてから……むやみに炊き出しを始めても事態を悪化させてしまうかも」
ミア=リゼルは現場の状況からそう判断すると、住民達同士の争いが激化している場所に向け、光縛封を行使する。
「隔離します めっ!」
ミアの祈りと共に、光輝く六角形の柱が争い合う住民達の片方を囲む形で顕現し、強制的に争いを封じ込める。
ここでミィアは住民達が自分達冒険者の話に耳を傾け始めたと判断し、自身の言葉を住民達に伝える。
「一生懸命お料理します。ですから今しばらくの時間をください」
ミィアは自分達へ意識を向けてきた住民達へ料理の配給を約束すると共に、暴動は控えるよう頼み込む。
(ただ、お料理は刃物や火を使うから、落ち着いたところじゃないと危ないです。特に炊き出しでしたらすごくたくさんの熱湯とかも必要そうですし)
ミィアは調理器具を広げ、調理に必要なものを集めるのに適した場所を探していく。
「帝国の方々も食料品を使っていいとおっしゃってくださいましたし。人々にお食事を配るため、お料理をお手伝いします」
そしてミィアは仲間達と一緒になって、適した場所に陣取ると調理の準備に取り掛かった。
●鎮圧と調理開始
ナキルが威圧感を発揮する中、ミアは住民達の争いを鎮めるため警告を発する。
既に光縛封は持続時間を経過して消滅しており、次の一手が必要だとミアは判断する。
「いけません、天がお怒りのようです……」
ミアは住民達を巻き込まないよう配置に注意しながら、密かに祈雷を行使。
ミアが祈りを捧げると、うっすらとした霧が顕現し、霧の中を雷が荒れ狂う。
その様子に住民達が怯み、争いを止めたところでミアは託宣のように告げる。
「天の恵みをこのように扱ってはいけません」
ミアは住民達を宥め、ようやく争いはおさまっていく。
最後まで無抵抗を貫いたアウレーリウスに、住民達がおずおずと「痛くなかったか」と問いかける。
「痛くないわけじゃない。けど、同じエスタルの民同士で傷付け合えばもっと痛いし。その痛みはお互いに残り続けるかもしれない。それはダメだと思うから」
アウレーリウスは今後のことも考慮して手を出さなかったと住民達に明かし、回復スキルを持つ仲間に住民達の治療を依頼する。
「喧嘩したって、余計に腹減るだけだぜ」
威圧感を駆使して住民達を抑えていたナキルも忠告する中、ミィアはヒールを、ミアはヒール3を駆使して住民達の怪我を治療していく。
「わたしたちはみなさんが大切なんです」
治療する中、ミィアは住民達1人1人にそんな言葉をかけていく。
(アウレーリウスさんも大丈夫かしら……)
ミアは自分のことよりも住民達の治療を優先させたアウレーリウスの負傷具合が気がかりだったので、時間のある時に治療を行おうと決意する。
その間にもサイラスは、ロコ達が運び込んだ荷の確認を進めていた。
「とりあえず荷の量の確認と、人数から配給量の割り出しが急務だ」
全員に料理を提供する以上、各食材の量を確認し、どういう分量にすればいいかの計算は必要になる。
サイラスは、目の前に積まれた荷の中が空洞になっていないか、何か仕込まれているのかといった確認作業もあわせて行う。
今回食料や物資を運び込んできたのがロコであるため、サイラスは警戒を緩めていない。
(こんな環境で暮らす人間なんて畜生と大して変わらん。むしろ中途半端に頭使うからロクでもない)
サイラスは余裕のない人間ほど攻撃的になることを知っているため、今の住民達が見せる言動も「そういうものだ」とみなしている。
やがてサイラスは様々な数字を記した紙をナキル達に手渡す。
「これが荷の中身を一覧にしたもので、数字はそれぞれの量と住民達へ配る分量の目安だ」
サイラスからの報告に対し、ナキルは礼を述べるとミィアが確保した場所で調理に取り掛かる。
「住民達の空腹期間が長そうな点と、今回の食材の分量、配分を考慮したら……」
ナキルは今の住民達に胃が重くなるような料理は不向きだと考え、アウレーリウスもサイラスがまとめた要約を確認する。
「元々加工された食品だから大丈夫だとは思うけど……」
「まぁ消化の負担も少ないスープ系料理が妥当だよな。レシピを教えるのが楽なモノを考えながら作成しよう」
ナキルとアウレーリウスはそう言い交わすと、ミィアやミアにも協力を求め、料理の作成にとりかかる。
既にサイラスによって各食材の安全性も確認できたので、後はナキルのレシピに沿って作成していけばいい。
「わたしの礼儀作法と調理の技能はまだつたないけど、がんばってお手伝いをしてお料理を始めます」
ミィアも調理スキルを駆使してシチューの作成を手伝う。
アウレーリウスのやり方に倣い、ミィアは黒パンにも軽く熱を通していき、体を温められるよう工夫を施していく。
「スムーズにお配りできるようにするため、こちらに並んでいただけますようお願いします」
ミィアは全ての料理が完成するまで住民達を待たせるのではなく、できたものから先に配った方が住民達も落ち着くと判断し、料理ができた場所へと住民達を誘導していった。
●次の一手
冒険者達の作成した料理を受け取った住民達は、その暖かさに感動しながら料理を味わっていく。
住民達が落ち着きを取り戻す間にも、ミアとミィアは交代で料理の作成と住民達の治療を行っていた。
「弱った胃にダメージを与えないよう、ほうれん草と卵のスープを作ります」
そしてミアは今、住民達の体調に配慮した料理を作っている。
今回扱うことが出来る食材の中に、ミアの選んだ食材もある程度確認できたので、ミアはこの料理を選択した。
「炊き出しには目途がつきましたので、治療をして回ります」
ミィアはヒールを行使して、住民達が負った怪我の治療を行っていたが、解呪を使うことも試みている。
「栄養状態は体調にも影響します。そして感染症蔓延などの温床にもなりかねませんし」
そのためミィアは住民達を治療する際、これまでの暮らしの中で異変の兆候のようなものがなかったか、聞き込みを行っている。
ミィアが行った治療の範囲では、ヒールで怪我の治療はできても、解呪を使っても住民達に変化は見られなかった。
「それにしても……ひどい状況ですね」
スープを配っていたミアも住民達に今の生活環境を尋ねてみると、周辺からの支援が始まったことで多少改善されたとはいえ、厳しいことに変わりはないようだ。
ミアはヒール3を行使して自身の装備からエーテルを引き出し、強い光を形成してアウレーリウスの負傷を回復させると、住民達へと向き直る。
「よければお話を聞かせてくれませんか?」
ミアは住民達の聞き役となり、住民達の訴えを1つ1つ聞いていく。
途中からアウレーリウスも話の聞き役として合流し、住民達の声を拾い上げていくも、やはり食料への不安が大きかった。
「必要に応じて、周囲にいる魔獣を狩って素材稼ぎと食材の提供はやっておくか?」
サイラスの計算では、今目の前にある食料は数日分程度の量しかない。
「足りない物資とか説明はいるだろうし、問題が増えると今より困るはずだ」
サイラスはこの場にあるものだけで現状を解決するのではなく、もう少し手を加える必要があると考えている。
「長期的に見れば、畑とかが作れるといいんだけど」
それまで住民達に自身の知るレシピを教えていたナキルも、サイラスの考えに賛意を示す。
ナキルは住民達の中から食料の保存方法をよく知っている者を選び、自身のやり方や料理のレシピを教えているが、外からの輸送に頼り続けることには否定的だ。
「しばらく近辺に定住するのであれば、作物を育てる事はできないか?」
ナキルと似たようなことを、アウレーリウスも考えていたようだ。
「今の状況だと、後回しになるだろう?」
ナキルから見ると、作物が十分育つまでの余裕が住民達にあるとは思えない。
「野生動物の狩猟で食い繋ぐ事はできないのか? 水源を確保しているなら、その状況も知っておきたい」
今できることで食料や水の確保を続けることが必要だとアウレーリウスは主張し、ナキルも賛同する。
「近場に食料の調達が出来そうな立地や環境がないか、調べてみる」
ナキルはそう言うと住民達にそのような場所がないか尋ね、候補となりそうな場所を絞り込み、先行調査に向かう。
できれば実際に動物達を捕獲する作業の中で、自身がこれまで獲得した技術を住民達に教え込む形が望ましいと、ナキルは考えている。
「おれも狩猟を手伝おう。これも現状調査だ」
周辺にいる動物達から素材を回収することも兼ねて、サイラスが狩猟に加わる。
そしてアウレーリウスはナキルの住民達の中から狩猟の素質がありそうな者を連れて、ナキルやサイラス達の後に続き、動物達を捕まえに行った。
●終わりに
アウレーリウスも捜波を行使して動物達を探し出すことに務め、冒険者と住民達の一部はある程度動物達を収穫し、都市に戻って来た。
血抜きや解体といった作業を住民達は嫌がるかと思えば、率先して行い肉を確保している。
「気にしていたら、食べ物にありつけなかったそうです」
スープを配り終え、住民達から話を聞いていたミアは、この都市での食事事情が非常に厳しいものだったことを仲間達に伝える。
ミアが聞き役となり、住民達の内心抱え込んでいた苦しさを吐き出させたこともあって、住民達は落ち着きを取り戻したように見える。
「できる範囲のことはやった。後はここにいる帝国軍に任せるのがいいだろう?」
ナキルは食材の管理が得意そうな住民を選び、保存方法を幾つか伝授することにも成功していた。
狩猟のやり方についても、アウレーリウスと共に住民達へある程度のことは教えている。
今回収穫できた動物達に加え、炊き出しの過程で教え込んだレシピと合わせれば、本格的な支援が始まるまで食いつなぐことは出来るはずだ。
「治療して回った限りですが、今の段階で感染症が蔓延しているといった状況ではないようです」
ミィアは治療活動を行いながら、住民達の状態を調べた結果を仲間達に報告する。
もちろんミィアは住民達の個人的な事情に深入りする真似は控え、住民達に配慮することを心掛けている。
ミィアやミア達が収集できた情報もサイラスは紙に纏め、報告書へと仕上げている。
「道化師の目的は分からないけど、良い事をする人ではないみたいだから慎重に動いた方が良さそうだね」
アウレーリウスは、今回結果として住民達を助けたロコに対する警戒を緩めてはいない。
「なし崩し以外に見捨てられた者への共感とか憐憫だったりしてなー?」
作成した報告書を冒険者ギルド支部に提出したサイラスは、今回ロコがこのような真似をしたことについて、そんな推測を立てる。
(まあなんにせよ触らない。面倒くさいし。いずれ殺す時が来るんでしょうよ、誰かが)
今回は偶然住民達が救われた面もあっただけで、再びロコはどこかで暴れ出す。
サイラスにはそんな予感があった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準5 / 4〜6人
2022年05月26日 14時27分20秒 公開
相談掲示板
「ナキルだ、よろしくな! さて……ロコの野郎…今回も殴れそうにないな…… ……そこは割り切るか。 さて、とりあえず住民達を落ち着かせる方法だな? オレで行けそうな手段は 「威圧感」で黙らせる。 「調理」で炊き出し。 「話術」で気を紛らわす。 …ざっくりこんな感じか…… …それにしても、妙な状況に居合わせたモンだな。」
ヒーラーのミア=リゼルです!よろしくお願いしますね。 住民を落ち着かせるのですね…お腹を空かせていらっしゃるようなので、無計画に炊き出しをはじめてしまうと余計混乱してしまうかも……炊き出しは、威圧か、それに準ずる行動でひとまず統制を取ってからがいいとおもいます。 カリスマと料理は持っているので、役立てられたらと思うのですが…料理はともかくカリスマはどう使おうかなといったところで…ひとまず、成立を祈っております!
シューターのアウレーリウスだよ、よろしくね。 ミアくんの言うように、炊き出しをするにも時間が掛かるだろうし、我先にと手を伸ばして争っている状況を落ち着けないと落ち着いて配給もできなさそうだな。 威圧感、話術……も手段としていいと思う。 あとはちょっと力技というか無理やりなやり方だけど、喧嘩の間に入って殴られるのもありかなって考えてる。住民たちは授恵者ではないだろうし、多少ボコボコにされても癒し手はいるからなんとかなると思うし、住民同士の傷付け合いがヒートアップするまでの時間稼ぎとしては有効かなって。 勿論やるなら俺が行くし、まずは効果的かどうかの相談をしてからだけどね。
No.4
サイラスだ、よろしくなー とりま演説とカリスマで人の統制狙おか? 商業知識とか看破とか辺りで運ばれた物資調べるとかジャマーで催眠入ってないかとか見るのもありだが
「>サイラス お、これで最低人数はクリアしたな。今回もよろしく頼むぜっ! 演説とカリスマか、それはばっちり影響は出せそうだな。 >説得の流れ アメとムチっつぅか、一旦強めに抑止して、炊き出しとかを冒険者でやる 不平が出ないように平等に物資を分けるようにする、とか、そんな感じで纏めるか? サイラスが言うように、物資になにかあるかも知れない話は、最悪の想定としてはオレも気になったけど ロコのやつが手を下すとしたら、手下の魔獣とかにやらせるんじゃねーかって思うと 物資事態は安全だとは思うんだけどな…まぁ、チェックはするに越したことねーか? 最悪、アルヒがヒールや解呪は使えるようだから、見てもらうってとこかな。 >アウレ―リウス 「できる限り住民達の身にダメージを与えない形で、争いを止めて下さるようお願いいたします。」 ってメタいが、注釈があるシナリオだからな…「ぶん殴る」けど「回復したからノーカン」とは見ないほうが良いとは思ってるぜ。 授恵者が非授恵者殴ると、武器無しでも結構やばいしなぁ…。 料理以外で、争ってる連中の注意を引くのには、音楽とか歌も手段としてはあるんじゃ無いかな って思ったりもするけど オレの方だとその辺は抑えてねーからな…。」
成立してよかった!サイラスくんだね、よろしく。 >ナキルくん あ、あ、違う違う!俺は殴らない、というかそんな根性無いよ……! もう住民たちは争ってるって事だったから、殴り合いが始まってたらだけど間に入って代わりに受けようかなって思って。 非授恵者からのパンチだったら俺でも数発ぐらい受け止めれるだろうし。 >説得 あんまりエスタルの土地勘はないんだけど、この辺で食料を調達できる手段があればそれを提供するって口約を付けてみるのはどうだろう? 野生の動物の狩猟とかね。 運が良ければ住民の協力を得て、目先の物資以外に意識を向けさせられるかもしれないし。
「>アウレーリウス あ、そうだったか。ワリィ、勘違いしてたぜ。 殴り合いの間に入って殴られる分には、確かに授恵者だったらある程度平気だろうな。 そうだな、野生動物の狩猟とかもできるといいな…… なにやら、クリーパーの死骸を齧ってたりする様子だし…手頃な環境に動物も少ない状況は多いのかもな…… 直ぐって訳じゃないけど、種子とかで先々の食料調達のアテが作れたらいいとも思うな…。」
ハーフリングヒーラーのミィアです。 お料理のお手伝いをさせていただきたいと思って来ました。 よろしくお願いします。
「>ミィア お、頼もしい援軍が増えたな 料理の方はある程度手が揃って来たな… リゼがどうするかにもよるけど、とりあえずオレは調理と威圧感で行くか アメ役は誰かに任せるぜ。」
ナキルさん、威圧、とっても助かります。 お料理は刃物や火を使うためおちついたところじゃないと危ないです。 特に炊き出しでしたらすごくたくさんの熱湯とかも必要そうですし。 ですから、威圧していただいたところで、そういうことを礼儀正しくお話して、「わたしたちはみなさんが大切なんです」と伝えてお料理を始めようと思います。 よろしくお願いします。
成立おめでとうございます!(昨日書き込もうと思ったら中の人が寝ちゃってましたアワワ そうですね、これまでの流れはOKです お料理を提供できる人は多いほうがいいと思うので、私は料理とカリスマで…アウレーリウスさんがおっしゃっていたお歌も考えたのですが、カリスマの方がレベルが高かったため…いい感じにしますっ(いい感じにする) 怪我人が出た場合に備えて、回復も忘れずに… 言うこと聞かない人や暴れる人は光縛封で囲っちゃうのです
「威圧感と調理、ついでにLvを1つずつ上げておいたぜ。 炊き出しは手が多いほど効率もよくなるだろうしな。 一応、限られた物資を効率よく使えるように、スープ料理でかさ増しできるようにってのと 物資の中身を改めて、保存が利くやつとかは後回しにしたり ある程度、今回みたいな料理のレシピを残して、困窮の度合いが改善できればって思ってる。 一応、行動は提出済みだ。細かい調整はこの後できないと思うけど 現地ではよろしく頼むぜ。」
「あ、出発一日勘違いしてた!! まだ余裕あったな!!」
リゼルさんのカリスマと光縛封、心強いです。 また、お二人はお料理、上手でいらっしゃるのでわたしはお手伝いとしてうごきますね。 その方がいい仕上がりにできそうですもの。 炊き出しの合間には回復してまわります。 ヒールと状態異常回復。 栄養状態は体調にも影響し、感染症蔓延の温床にもなりかねないということで聞いてまわり、変なことがあったらみなさんにもお知らせしますね。