【若木】不穏極まりない存在
広大野人
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シナリオID:2172
オープニング
王国騎士イェルド・ルリンは剣士エクエスと共に、ヴォーンの街の領主であるイルダ・セルフォライドを訪ねていた。
目的は山砦から先、帝国領側に出現しているクリーパーについて、課題を共有しておく必要があるからだ。
「お久しぶりです、イェルド様」
イルダは少女でありながら戦死した父の跡を継ぎ、街と人々を守っている。
暫くの間に、色々と乗り越えたのか、以前のような弱々しい雰囲気はだいぶと薄れていた。
「巧くやっているみたいで良かったぜ。砦の方への援助も感謝だ」
「いえ、この街の人々にとっても大事な事ですから……そして……」
少女領主はエクエスに視線を向けると仰々しく頭を下げた。
「お帰りなさいませ。エクエス様のご活躍は聞いております」
それは、一介の冒険者に向ける態度ではない。
一方のエクエスはそこまで思いもしていないようで、感謝の言葉と共に軽く頷いていた。
「王国騎士である俺よりも、扱いがやけに丁寧だな。やはり……『神』だからか?」
遠慮のない台詞を吐くイェルド。
この際だから、互いの立場を改めておこうと思ったのだ。
「ヴォーンの街には『光芒の神』の伝承があります。私はエクエス様こそが、その神だと信じているだけです」
「私はそんな存在ではないですよ」
否定するエクエスにイルダは微笑を浮かべただけだった。
イェルドがソファーにどかりと音を立てて寄り掛かる。
「本人がそう言っているのだから、変な扱いはして欲しくはない。此奴は俺の客人だからな」
「それも存じております。勿論、エクエス様を祭り上げるような事は致しません。もっとも領地運営の為に……少しだけ必要なのはご理解頂けると助かります」
「『光芒の神』と呼ばれる存在が鎮座していた山……という観光目的は聞いている。登山道の整備もその一環だと」
ヴォーンの街は『道』を大事にしている。多くの街道が重なり交通の便は良い。
そこで、街の発展の為に観光に力を入れ出したのだ。その目玉と言えるのが、街の伝承でもある『光芒の神』という事だ。
「この街の皆さんにとって良い方向に行くのなら私は良いですよ」
「……そんで、本題に入ろうか。また、帝国領側にクリーパーが出没しているんだって?」
イルダは頷くと幾つかの報告書を二人の前に差し出した。
その1枚を手に取るイェルド。
「いずれも……完全に帝国領側だな……峠を越えようとするクリーパーは討伐できるが……」
残念ながら帝国領への勝手な侵入は許されない。
もちろん、緊急事態であれば事後報告でも済まされるだろうが、ヴォーンの街に差し迫った危機がない限りは難しい所だ。
「1回位なら、と……私は思っていますが」
意外と思い切った事を提案する少女領主だとイェルドは心の中で呟いた。
つまりだ、敵の脅威を推し量る為に、やむを得ず、王国騎士が国境線を越えるという事だ。
「なるほどな。街は以前、越境したクリーパーに襲われた過去がある。それで大きな損害も出た。再びクリーパーが出現しているので偵察に出る事は……無くはないが……その手が使えるのは1回だけだぞ」
「その1回で今後の対策を練る事ができれば、街としても全面的に協力致します」
「おっかねぇ、領主様だ」
両肩を竦める王国騎士。だが、提案としては悪くはないだろう。
それに、万が一の時は『冒険者に依頼』という形もあるのだ。その費用を街も負担するというのだ。
「よし、そんじゃ、行くか」
「はい。頑張ります」
やり取りを見守っていたエクエスが力強く頷いた。
頭を使う事は苦手だけど、明確な目標があれば、それに向かって立ち向かうのが、『剣』としての役目なのだから。
●
それは人の子供位の大きさの『種』であった。
丸い緑色の『種』は、意思がないにも関わらず、大地の上を文字通り転がって移動している。
「……なんだありゃ。種が走ってるぞ」
槍を構えたイェルドが不思議な物を見るような表情で『種』を追う。
低く姿勢を構えてエクエスもジッと油断なく見つめる。
「数は……10あるかないか……でしょうか。動き回っている様子からは……統制がないようにも思えますね」
「だろうな。さて……どうしたものか。さっさと突撃してみるか?」
敵の能力は不明だ。
だからこそ、慎重な対応が求められるだろうが、このまま見過ごす訳にもいかない。
そもそも敵の脅威を測る為の偵察なのだ。
「全員一丸で突撃しても包囲されるだけのような気がするからな……ここは戦力を分けて対応するか。班分けは冒険者達に任せるぜ」
そう言ってイェルドは同行している冒険者達に向かって言う。
つまり、囮役を先行させて、敵が襲ってきた所を別の班が奇襲を仕掛けて、そのまま挟撃に持ち込むって寸法だ。
●
冒険者達が挑む事になる大地よりも遥か北。
『人類の盾』を自認するシルトラース帝国北部鎮守都市オルセン。その太守コンラート・マフダルが執務室の豪華な椅子に仰け反るように座っていた。
「例のモノの管理は滞りないだろうな?」
張りのある強い声は、部屋の中を震わす。
見た目がヒューマンの少年のようだが、コンラートは正しくオルセンの太守なのだ。
「極めて厳重に対応させております」
そう応えたのは実務を行う一人の女性。
真面目そのものといった様相で主であるコンラートをみつめる。
「あくまでも預かっているだけだぞ。余計な事はしないように」
「承知しております。ですが、予防線は引いておいた方が良いかと……」
女性の淡々とした申し出にコンラートは不機嫌な表情をつくる。
『予防線』とは例のモノに対してではない。どこかで話が漏れた時に、オルセンの立場に影響が生じないように……という意味でだ。
「分かった。どのような形にするかは任せる」
本当は『あの御方』だけを見ていたい訳ではあるが、変に勘繰られても困る。
それに表向き、協力すると言った手前、いつまでも見て見ぬ振りはできないという事情もあるし、先手を打って無難な事に協力した方がマシというものだ。
「……だが、オルセンからは人は出せない。これは守れ」
「仰せの通りに」
頭を深く下げた女性の口元は微笑むように歪んでいた。
解説
マスターより
リプレイ
「まぁ、こんな状態だが、よろしく頼むぜ」
クリーパーを警戒してか声を落としてイェルドは冒険者達に振り返った。
ニヤリと歪めた不敵な様相は、いつも通りと言った所か。
「暫く会わないかな、って思ってたら、思いの外早くまた会ったわね……」
ルベア・ベルニが苦笑を浮かべる。
王国騎士エナハルトとイェルドは別々の任務を受けている関係上、あまり顔を合わせる事はないかと思った矢先だから、運命とは分からないものだ。
「お前もエナの追っかけか?」
「断じて違うから」
彼の依頼を受ける事は多い。しかし、それはエナハルトという男に惚れているからという理由ではない。
成すべき事がルベアにはあるからだし、何より……と視線をミア=リゼルへと向ける。
ミアが丁寧に頭を下げる。
「イェルドさん、エクエスさんも、お久しぶりです」
茶化すような返事を吐こうとしたイェルドよりも機先を制して話を続ける。
「クリーパーは……種、ですか、ごろごろ転がっていますね……」
「遠巻きに見ている分は、転がっているようにしか見えませんよね」
剣士エクエスが同意する。
これが転がっているだけのただのクリーパーならいいのだが……。
「ひとまず調査してみましょう」
分からない事は身体を張って調べるしかない。
ミアの決意にキリアン・フィッツジェラルドが頷いた。
「この1回で対策を練る……難しい話ではありますが、それでもいたずらに犠牲が出るよりは遥かに善いでしょう」
出現したクリーパーが国境を越えて王国に襲来するような事は避けたいものだ。それに情報が全くないのと、僅かばかりでも交戦の記録があるとでは雲泥の差になる事をキリアンは知っている。
イェルドもその考えは同じようだった。
「ヴォーンの街は一度、襲撃を受けているからな。二度はさせたくはねぇ」
「僕としても、失敗や甘えは許されないという戒めになります」
敵の脅威を推し量る事ができれば、今後の展開も大きく変わる可能性はある。
冒険者と王国騎士のやり取りに気を引き締めるエクエスにザザ=ステルヴィナが物腰優雅に礼をしつつ名乗った。
「私はザザ=ステルヴィナと申します。クラスはキャスター。今後共どうぞよしなにお願い致しますわ」
「はい。こちらこそ、ザザさん。私は見ての通り、ただの冒険者ですけれど」
微笑を浮かべて応えたエクエスにイェルドが横からぶっきらぼうに続ける。
「ここはお前と違って洒落っ気のねぇ戦場だが頼りにしてるぜ」
依頼を受ける冒険者について、ギルドを通じてイェルドは確認している。
いつもの顔馴染と同様、ザザの実力もある程度は理解しているつもりのようだ。
「威力偵察兼討伐。滞りなく進めたいですわ」
「全くだぜ。で、作戦やら班分けは大丈夫か?」
イェルドの質問にエリザ・A・ミシャールが魔弓を手に取って応えた。
「大丈夫だ。それともなんだ、アタシらが心配かい?」
「言ってろ……と言いたい所だが、まぁ、可愛い後輩を持つ身分としては、お前らの無茶ぐらい気にかけるさ」
まるで、冒険者というよりも後輩のメンタルに影響するからと言いたげな口調だ。
「あっちもあっちで大変だろうからな。先輩らしい所、見せてくれるんだろう」
皮肉の利いたエリザの台詞にイェルドは両手槍を掲げて応えた。
そして、ぐるぐると走り回る円種クリーパーに視線を向ける。いよいよ、作戦の開始のようだ。
アルマ・ヴァレンタインは一瞬だけ歩いて来た道を振り返った。峠の砦と塔が遠くに見える。
(グダドワさんはまだ塔のほうでお仕事中だったっけ……それに今回の依頼、イルダさんは領主サマが板についてきたというか逞しくなったかー)
心の中で、ヴォーンの街の面々を思い出す。
色々あったあの街から今、紆余曲折を経て、ここに居る。皆、成すべき事を見つけ成長を続けているようだ。
(……エクエスさんはエクエスさんだし。あの件は本人が良ければ、まぁ良いのかなあ?)
そういえば、グダドワが直に伝えたい事があったようだと思い出すのであった。
●
囮班の面々は密集ではなく範囲攻撃を警戒してやや散開した形で荒野を進む。
アルマから事前に支援魔法を受けているとはいえ油断はできない。
「一当てしてみないと分からないことが多そうだね」
「離れ過ぎも近すぎ過ぎも注意するようにな」
矢を番えたままエリザが周囲を見渡す。
走り回っていた『円種』の一体が突如として向かってくる様子が見えた。
位置的にはルベアとイェルドが一番近いだろうか。次点なのはキリアンだが、その意識は戦闘だけに集中させてはいなかった。
(何もかもが未知のクリーパーゆえ、僕が出来得る全ての手を尽くす)
戦闘中の出来事を可能な限り記憶しておくつもりだ。また適宜、メモにも記録できるよう準備をしている。
流動的な戦場の中、発生した事象に対する観察と記録はそれほどに大事な事なのだ。
ある程度、群れを形成していた『円種』の一体だけが向かってきた事……これは偶然でもなんでもなかった。既にルベアが一手目を取っていたからだ。
(足音? それとも進めた足の振動? でも、これならきっと……)
更に距離を詰めた所で残りの『円種』共のうち、幾体ほどが向かって来た。
恐らく、ルベアを何らかの方法で感知したのだろう。それには一定の距離があるようだし、個体差もあるようだ。
「あの種っぽいクリーパー、色々と意味が分からないわね」
追いついてきたイェルドの気配を感じてルベアは呟く。
「それでも初手で重要な情報を得たのは大きいぞ。俺だったら初っ端からここまで慎重に動けないからな」
「単に情報を集めるだけじゃ分からない気もしたからね……トレイシー、これに関心抱いたりしないかしら」
その台詞に対するイェルドの返事よりも早く、最初に向かってきた『円種』が一気に距離を詰めて来た。
突進を難なく避け――と思った所で、蔦のようなものが鞭の如くルベアを叩いた。
油断していた訳ではない。単に敵が二段構えだっただけだ。
イェルドが慌ててカバーに入る。
「ったく、可愛い顔してるんだから、大切にしろや!」
「だ、大丈夫だから!」
僅かに狼狽しつつも次に迫る『円種』を警戒するルベア。
高い機動力を活かしつつ敵の能力を解明したい所……その意図を助けるようにエリザの射撃が援護となる。
「先に数を減らすぞ。戦線を抜けたのは放置していい」
『円種』は速度が出た場合、急旋回は難しいようだ。囮班を抜けていった分に関しては無視しても問題ないと判断した。敵の脅威を減らさないと調査が難しい事もある。
「……蔦の射程はそう長くはないようか」
「今のところ、遠距離攻撃はないみたいだね」
アルマが回復魔法で仲間を支援しつつ、エリザの推測に頷く。
遠距離攻撃を仕掛けてこないのは良いが、冒険者達の射程も特段長い訳ではない。一度か二度の射撃で一方的に倒せる敵であれば脅威ではないが……。
「そう簡単に倒せる相手じゃないようだ。耐久力……いや、表面の殻の硬度が高いか」
防御力が高いイメージだ。それなりの硬さがないと荒野をあれだけ乱暴に走り回る事はできないはずなので、理にかなっていると言えばそれまでだが。
「ちょっと試したい事をするよ!」
そう宣言してからアルマはエーテルを集中させた。
敵味方問わず、精神感応に影響を及ぼす能力だ。『円種』に影響があるかどうかの確認を込めてだが……。
(暫く場を維持してみないと分からないけれど、あまり関係はないかな?)
そんな手応えを感じるアルマ。
だが、無駄ではない。関係がない事も情報の一つだからだ。
『円種』の一体をキリアンのペットであるゴリラが身体を張って止める。それはただの肉壁ではない。特殊な能力も活かしたものだ。
「あの突進では強引な突破はできないようです」
個体差はあるようだが基本的な所は同じのようだ。
物理的、あるいは能力的に行く手を防ぐ事はできる。
「分析が後回しなのが残念な事ですけれど」
さすがに十近い数全ての足止めは難しい。だが、これこそ、作戦通りと言えよう。
●
囮役の冒険者達を幾体かが抜けて乱戦気味となった所を襲い掛かろうと、もっさりとした動きで方向転換を開始する『円種』。
「やはり、視覚や聴覚などで獲物を把握していないようですわ」
高めたエーテルを力と練り、ザザが短杖を振るう。
無防備になった所へと魔法攻撃を放った。『円種』自体の回避能力は低そうで、撃った魔法は全て命中する。
「それに……こちらが動かないと気が付かないようだし」
「あとはルベアさんが確認した事も合わせれば、その辺りに関して、判明しそうですね」
ミアが経過を注視しながらそう言うとエクエスは剣を構えたまま警戒を続ける。
「私は不用意に動かない方がいいですよね?」
「そうね。ただ、囮役が危なくなったら良いと思うわ」
「その時は、私も前に出ます!」
宣言するようにミアも手を挙げると同時に雷の霧が『円種』の進行方向に出現した。
知能があれば『場』について、普通は警戒するものだ。
「……動きに変化は見られないみたいね。私も別の術を試してみるわ」
「知能もないようですし、誰かが指揮しているようでもないですし……ただのクリーパーなのでしょうか?」
胸の奥を突くような嫌な予感にミアがそんな言葉を発した時だった。
幾度かの攻撃を受けていた『円種』の一体が突如、爆発したのだ。
「アルマさん! エリザさん!」
召喚の集中を解き、回復魔法に切り替えるミアが爆発に巻き込まれた二人の名を呼んだ。
巻き起こった土煙……いや、黒い霧のような煙が二人を包む。離れていても纏わりつくような不快なエーテルを感じられた。
「慌てるな。大丈夫だ。大した威力はない」
「この霧、身体に悪い影響があるみたいだよ。解除できそうだけど」
差し迫って困るような状況ではないが、黒い霧のようなものは身体能力を蝕み、体力を奪う毒もあるようだ。
ホッとして魔法攻撃を続ける為に意識を集中させるザザ。
「自爆……攻撃のようね。条件を調べたいけれど」
『円種』の新たな能力。
これは是非とも判明しておきたい所だが……。
「私が引き付けるわ」
真っ先にルベアが声を張り上げるとシーフ特有の機動力を見せた。
冒険者が頑健といっても立て続けに自爆攻撃を受ければタダでは済まないはずだ。かといって、自爆条件が明らかにされるまで放置もできない。
「受けたダメージが一定値を越えたら自爆するかもしれないです」
ゴリラを前進させてキリアンが助言を飛ばす。
そして、弓を構えた。その推測が正しいかどうか確認する為だ。
●
『円種』はある程度の傷を受けると、獲物に近づいて自爆する事が判明した。
ただし、個体差がある為かダメージ量は一定でない事と、外見的には見分けがつかない事も分かった。
その間、敵を引き付けるようによく動いたルベアは仲間からの回復魔法を受けつつも自爆攻撃を捌き切る。
「最後の一体は逃げるように移動していた途中で爆発したけれど」
戦闘を終えて一息ついたルベアがそんな事を口にする。
ミアが念には念を入れるようにダメ押しの回復魔法を唱える。
「無事で良かったです」
「先に自爆する様子を見られてからかな。アルマさんとエリザさんは大丈夫なの?」
その質問に二人は同時に頷く。
「解除はできるけれど、支援無しじゃ厳しいかも」
「まぁ、身をもって確認する事は慣れているからな。黒い霧の効果は、身体能力の低下と毒のようだ」
エリザは僅かに苦笑を浮かべたが、すぐに真剣な眼差しを一同に向ける。
「強いて言えば……五感が薄くなって身体が重くなる、そんな感じだ」
「黒い霧……嫌な予感がしますね」
話を聞いたザザが呟いた。
少なくとも草人とは無関係のようだが、黒い霧という時点で最悪の存在が浮かぶ。
「それと、やっぱり振動で存在を把握しているようですから、身動きさえしなければ一方的に攻撃ができそうですわ」
「エクエスは暇そうだったな」
イェルドがニヤリっと笑った。
剣士であるエクエスは遠距離攻撃の手段がないからだ。もっとも、無理をすればできない事はないのだが……それをするには余程の場合に限られる。
「一応、私も観察に専念していましたよ」
戦闘後に全員で情報を出し合い、確認して『円種』の能力を分析できるのだ。そうでないと主観的なものが出来上がってしまう可能性もある。
胸を張ったエクエスに頷きながら、キリアンが一同に告げる。
「『円種』の攻撃方法は突進や蔦での攻撃といった所でしょう。知能は無いようですが、脅威を排除できない場合は逃げるようですね。この様子なら行先も意図的には決めてはいないと思います」
「なるほどです……アルマさんが映し出したものを再確認するとより分かりやすいですね」
ミアが感心したように念写で現れた『円種』を眺めながら感想を口にした。
突進はそれなりの間合いを詰めてくるが、壁をすり抜けるような突破はできない事。突進に合わせて蔦を鞭のようにして攻撃する時と、複数の蔦で同時攻撃を仕掛けて来る時とがある。蔦の射程は遠距離武器ほどのものはない……という所までは分かった。
「この方がきっと、イメージしやすいかなって」
楽しそうに笑うアルマに、こんな勉強方法はありかもしれない……とミアは思いつつ、メモを進める手を止めた。
『円種』の外殻はかなりの強度がある事も分かっているので、個体としての能力はおおよそ判明しただろう。それ以外となると『円種』がどこから来たのか、何を目的としているのか……だ。
「出没分布から何かわかることがあれば良いのですが……」
残念ながら帝国領内の動向については不明のままだ。
「それについては、今後の調査だな。もっとも、俺はこれ以上、調査には参加できない……エクエスが取り纏めるにしても、な……」
悩むイェルドにキリアンがヒントになればと声を掛ける。
「植物型クリーパーのようにも思えますから、植物に関する知識がある者がアドバイザーになれば良いのではないでしょうか?」
「私もそう思うわ。今回、自爆したけれど発芽する可能性があったりしそうだもの」
キリアンとザザの台詞に、今度はエリザとミアの視線がルベアに向く。二人とも彼女と関わりのある『組織の人物』が浮かんでいたからだ。
同時にイェルドがポンっと手を叩いた。
「あぁ! なんか、お前、さっき言いかけてたな! そいつ、呼べるのか?」
「え……トレイシーの事?」
ボソっと呟いただけなのに聞かれていたようだ。
見た目ぶっきらぼうな、おっさん王国騎士ではあるが、実は細かな所まで気を使える人なのかもしれない。
「色々、事情がある人だけど……」
「そこは俺が上手くやっとくから、詳しい話、聞こうか」
グッと前のめりになって顔を近づけてきたイェルドから逃れるように思わず身を引くルベアであった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準6 / 4〜6人
2022年05月27日 02時51分38秒 公開
相談掲示板
どうも。シューターのキリアン・フィッツジェラルドと申します。 今回は謎のクリーパーの戦闘データ収集の色が強いみたいですが、クリーパーの殲滅自体は最低限こなさねばならないみたいですね。 何もかもがPL情報である以上、僕達の攻撃や行動に対するリアクションは逐一筆記用具で紙に記載して報告書を提出という風に。 生物が発する振動で存在を感知すると攻撃行動に移る、との事ですが。 近接戦闘ならさておき、弓や魔法といった間接攻撃の類なら、どうリアクションをとるんでしょうか。 あと、自爆する事で発せられる黒い霧の効果は何なのか……体を張って調べなければならない事ばかりですね。 僕としては孤高者系スキルで近接戦闘も出来ますし、防御や生命系で固めてゴリラと協働してZOCで牽制というのも出来ます。 最後に、戦闘開始から一定ターンが経過すると、別方向に向かうように逃亡するとありますね。 ここからは独り言めいたものになりますが、現在の世界情勢、ならびに若木というタイトルを冠するに、種どもが草人の謎の鍵を握っている存在なんでしょうか? 死体に取り憑くならさておき、逃げた先に村や集落等があると、生者でさえも草人に変えるとかなら大惨事ですね。 逃げた先にそれらがあるとして、住人の生命や財産が脅かされるとなれば仕留めましょう。
ヒーラーのミア=リゼルです。よろしくお願いしますね。 さて…概要はキリアンさんがまとめてくださったものとして、そうすると…記録する人がひとり必要でしょうか。つまり、【調査】を宣言し続ける人、ですね。筆記でなく【記憶力】で対応するにしても、観察に集中する人がいると良いかと思います。戦闘応対中では気付けないこともあるでしょうし… 加えて個人的に気になるのは、「統制した動きはないがある程度の距離を保って群れて移動しているようにも見える」この部分ですね…これはPC情報なので、【戦術眼】で見極めてみようかと。 キリアンさんのご懸念、あっ ひとりごとに関しても、今後の調査で明らかになっていくのでしょうが…今の段階ではなんともいえないことも加味して、【1体わざと逃して後を追う】もありかなと考えています。
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー 概要まとめどうもありがとー! 班分けや観察を担当する人ー…はこれから相談になるのかな なにから調査したものか迷っちゃうけど一定時間で逃げ散っちゃうみたいだしねー ひとまずジャマーで行動に変化がないかをみたり 状態異常を飛ばして反応をみてみようかなと思ってるよ 一体泳がせて後を付けるとかの方針はあわせるようにするね
エリザだ。よろしく。 ざっくりとした流れはキリアンの挙げてくれている内容に異論はない。 しいて言うなら、判定成功回数の総計で最終的な成果を判断するらしいし、ある程度は敵の数を減らしてから可能な限り人数を増やし、様々な手段で観察・調査を進めるのが良さそうか。 1人が5T成功するのも、5人が1T成功するのも結果としては変わらないみたいだからね。 まずは自爆の条件を確認しつつ、残った個体を生かさず殺さず逃がさずの状態に持っていければいいんじゃないかね。 逃がして後を付けるといった流れも、その中で自然と達成できるんじゃあないか。
シーフのルベアよ、宜しく。 キリアンさんは概要まとめありがとう。 敵数を減らすにしても、敵の攻撃の条件、つまりどういった【振動】に反応するのかの見極めは最初にしておかないといけないと思う。 ちょっと近付いただけでも反応するのか、個体に対して何かしら手を出そうとすると反応するのか、とかね。 ・慎重に接近する ・普通に接近する ・敵を対象に取らない非攻撃スキルを使う ・敵を対象とする非攻撃スキルを使う ・関節攻撃を仕掛けようとする ・近距離攻撃を仕掛けようとする …流石に攻撃後だと反撃があって然るべきだろうし、切り分け方としてはこれくらいじゃないかしら。 戦場に到着した後、一番近い個体あたりに条件確認を試せそう……な気はする。 上の切り分け順も試せそうな順で書いてみたつもり。 本当にちょっと近付いただけで攻撃されるならエリザさんの言う通り数減らしをひとまず優先して、その間に自爆条件を確認できればベターかな…。 そこで確認が出来なくても、状況的に優位を得てから鞭攻撃や自爆の条件確認、その他諸々の調査をしたいところね。 逆にスキルとかこちらの攻撃がキーになるなら、数減らしを優先までしなくても自爆条件は見極められそうな感じはするわ。
はっ…!(補足いれて再投稿です…!) >パーティー全体で、判定に成功した回数が多ければ多いほど、有意義な情報が得られるものとします。 すみません、読んだはずなのに頭から抜け落ちていました…!エリザさん、ありがとうございます。そうですね、それでしたら個体数をまず減らすことと… ルベアさんの仰るように、最初の見極めですね。 こちらのスキルに反応するタイプかどうかを確認するのに、そうですね…【O召喚系】で反応を見てみますか? 自分はキャスターではないため、ザザさんがいらしてからの相談となりますが、【グラビティフィールド】をはることができれば、途中の逃走もある程度抑制できそうかな…と
キャスターのザザ=ステルヴィナよ。どうぞ宜しくね。 キリアンさんは概要をありがとう。 今回は威力偵察と討伐の両方をこなす必要がある、と。(ふむん) >振動 振動に関しては、どの程度まで接近すると存在を認識して攻撃してくるのか?等、 ルベアさんが仰っているように初動の内に確認しておきたい所。 >攻撃方法 攻撃の威力、発動条件、発動時の予備動作の有無とかの調査は必須かと。 >黒い霧 BSの可能性が高そうよね。 >数減らし 振動に関する情報収集が完了したら、数減らしに移行しちゃっても良いような気がするわ。 種は10体と多いし、出来るだけ速い段階で数を減らさないと包囲殲滅される危険性があるし。 特に自爆は厄介そう。
連投ゴメンなさいね。 >ミアさん 【O召喚系】はアーケインテンペスト、グラビティフィールド、アイアンウォール、クレネルウォールなら持ってるから、セットして行く事は可能よん。
生物が発する振動で存在を感知云々も、五体を動かす事は勿論の事、声を発する事に伴う声帯などの振動も適応されるのかという話ではありますね。 ハイディングとかを使っても、特殊な感知能力故に看破能力は高めなのか…… あれこれ考えだすとキリのない話になるかもしれませんが、確かめたいと思った事を確認しつくす事も主旨でしょうね。 記憶力は、威力偵察やデータ収集という局面でも活きてくるスキルなのですね…! あとそれから、記録に関するスキルですが、僕の所感かつ僕自身は未収得ではあるのですが。 こういう時、精度が悪いとか大雑把な所に目をつむれば念写も活きてくるのではないでしょうか? あれも、見た者の記憶を基にとか、思い浮かべたイメージを5メートル四方までの範囲で映像として映し出すことができる、とありますし。
>ザザさん ありがとうございます!そうしましたら…そうですね ザザさんが【グラビティフィールド】、そして私が【祈雷】を持ち込めば、設置型スキルによる【被ダメージあり/なし】での反応を見極められると思います。お願いできますでしょうか…? ふむふむ、条件わけだけでも結構な項目になってきましたね…念写はちょっと手持ちにないので私は試みることができないのですが…【調査】の宣言が別に必要になることを鑑みても… …そういえばこの【調査】判定、メインアクションを消費する、とかなんでしょうか。私、すっかりそのつもりで話をしてしまっていて…
>ミアさん 了解よん。 それじゃ、私は【グラビティフィールド】を持って行くわね。 >【調査】 サブで出来る事は限られているから、【遮蔽状態】を宣言する時と同様にメインアクションを消費する物と考えているわ。 >作戦 OPでは―― 『「全員一丸で突撃しても包囲されるだけのような気がするからな……ここは戦力を分けて対応するか。班分けは冒険者達に任せるぜ」 そう言ってイェルドは同行している冒険者達に向かって言う。 つまり、囮役を先行させて、敵が襲ってきた所を別の班が奇襲を仕掛けて、そのまま挟撃に持ち込むって寸法だ。』 ――って記述があるし、囮班と奇襲班を決めておいた方が良いかも。
ザザさん、ありがとうございます!頑張りましょう…! >囮班と奇襲班 はっ…!確かにそうですね… 私は祈雷を使う手前、セットアップで身動きが取れなくなってしまうので、囮に出ていくのは難しそうです…そうしますと、奇襲班になりますね。
>ミアさん こちらこそ宜しくね。 とりあえず、【グラビティフィールド】は振動の情報収集がある程度完了した後に設置する予定よん。 >囮班と奇襲班 私は機動力・防御力ともに低いし、囮には向かないから奇襲班の方を希望させて貰うわね。 1ラウンド目は離れた場所から【天眼】等で【調査】できればと思っているわ。
相談の進行どうもありがとー >囮班と奇襲班 それじゃあイェルドさんに前衛をお願いしつつボクは囮班のほうにいってみるね 合間にジャマーを試す以外は戦況をみての回復に専念しようかなと思うので もう1枠に記憶術(念写に変更も可)をセットしてプレにとりかかるねー
>囮班と奇襲班 イェルドとエクエスを除くとこの中で前衛って私しかいない感じよね…? というわけで囮班の方に行こうかな。 自分で言った手前、接近周りと近接攻撃の条件は探ってみるつもり。 自爆は…まあ、私自身は最悪見切りがあるから何とかなるけど、2人をあまり巻き込むわけにはいかないわね。 その辺りはうまく誘引するとか距離をとるなんかして立ち回るつもり。 記憶力は…一応私も持っていこうかしらね。
>班分け 出発時刻が迫って来たし、現状での振分けを貼っておくわねん。 それと、エクエスさんは囮班と奇襲班、どちらに行って頂くのが良いかしら? (敬称略) ・囮班 アルマ(ヒーラー) ルベア(シーフ) イェルド/NPC(ウォーリア?) ・奇襲班 ミア(ヒーラー) ザザ(キャスター) >数減らし 【メテオライト3】とかの範囲魔法で数を減らしていくつもりよ。
確かに、前衛といえるのはベルニさんくらいしか居ないですね…… でしたら僕も囮として動きます。 先述の通り、ゴリラとリンク2を結んでZOCを試したいというのもありますので。 ヴァレンタインさんも念写の一考、感謝致します! でしたら僕が記憶力を担当するつもりですが、如何でしょう?
発言が被ってしまいましたね。 ・囮班 アルマ(ヒーラー) ルベア(シーフ) キリアン(シューター) イェルド/NPC(ウォーリア?) ・奇襲班 ミア(ヒーラー) ザザ(キャスター) 数を減らそうというなら、僕からは誤射に注意と言う形で炸光矢と貫通衝撃射を使い分けるつもりです。
確認まにあったー、それじゃあもう1枠を念写にしてプレイング仕上げるね エクエスさんはどっちにも回れそうだけどー…指定したい人がいなければ MSさまの独断と偏見によるおまかせ?