砂漠の神秘

空色みなも

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シナリオID:2116

オープニング

●
「サバクノシンピ?」
「ああ。この前、砂漠の一部で久しぶりの降水があった、という話をしただろう?」
 きょとんとした顔をしながら、そう尋ねたのはパンクリアース学園の学生ルウ・エリオ。
 それに教え導くように話をするのはパンクリアース学園の教師、ジョウ・ヘッジングだ。

 二人が話している部屋を見れば、様々な素材が並んでいる。
 壁に植物が干してあったり。
 瓶詰にされた動物性の素材があったり。
 これらは全て、薬の材料とするために集められたもの。
 ジョウは様々な素材を組み合わせて薬品を生み出す研究をしており。
 ルウもその技術を学んでいるのだ。

「サバクノシンピというのは、そんなときに一時的に砂漠に花畑を作ることがある植物だ」
「砂漠に花畑、ですか? それは……なんというか、すごそうですね」
 ジョウの言葉に、ルウも驚いた様子だ。
 なにせ、砂漠というのは一般的なイメージで言えば不毛の大地。
 そこに花畑が広がる様子など、なかなか想像しがたいらしい。

「乾燥に強い種子を砂の中で休眠させ、雨をきっかけに一斉に発芽、成長するらしい。まあ、それはそれとして」
 ジョウはここで本題に入るためか、咳払いをする。

「これが薬品の材料としてもたいへん貴重でな」
「分かりました。それを私に取って来い、というわけですね?」
 ジョウがそこまで口にした段階で、ルウも用件を察したようだ。
 ルウは冒険者としても活動しており、これまでもたびたび、薬の材料を採取してきたのだ。

「話が早くて助かる。例によって他の冒険者にも応援を依頼する。砂漠は危険を伴うから、注意するんだぞ」
「はい!」
 仕事を授けたジョウに対し、ルウはぎゅっと脇を締め、元気よく返事したのだった。

●
「皆さん、目的地までもう少しです」
 依頼を受けた冒険者たちを、先導するルウが振り返る。
 そんなルウたちが立つのは、日照りと焼けるように熱い砂の広がる大地。
 ジョウから受けた採集の仕事をこなすため、砂漠を訪れたのだ。

「それにしても、砂漠で花畑、ですよ。ちょっと見るのが楽しみですよね」
 ルウが両腕を広げ、クルリと回ってみせる。
 どうやら、貴重な光景を見れると思って、少し舞い上がっているようだ。
 すると――ズボリ。

「はわわっ!?」
 ルウの着地させた片足が、砂に深くはまり込む。
 どうやら、ここから先の地面は流動性の高い砂で埋もれているようだ。

「これじゃ進みにくいですね。あと少しのはずなんですが――はっ!?」
 ルウが足許に落としていた視線をふと上げると。
 その先に、怪しい影が――。

「皆さん――クリーパーです!」
 叫んだルウを、流れる砂はクリーパーのもとへと徐々に運ぼうとしていた――。

解説

●目的  道中で遭遇したクリーパーを倒し、薬品の材料となるサバクノシンピを採集する。 ●状況  舞台は砂で地面が覆われた砂漠で、時間帯は日中、天候は晴れ。  クリーパーの生息域であるためか、砂の流動性が極めて高く、足をとられやすい。  そのため1ヘクス移動するための基本的な【移動力】が2となっている。  採集地点にクリーパーを引き連れて行って荒らすわけにはいかないため、ここで討伐してから向かう必要がある。  クリーパーとの距離は4~20ヘクスから選択可能。 ●敵戦力  ▽ジゴクムシ×1  巨大な昆虫のような姿をした、比較的サイズの大きいクリーパー。  流動性の高い砂の中を泳ぐように移動することができ、1ヘクス移動するために必要な【移動力】が1で済む。  そうした地帯を出ても、地面に這い上がって移動することは可能。  その代わり、もともとの【移動】は一般的な冒険者と比べても高くない。  近接物理攻撃ができる他、以下のような能力を持つ。  ・連続行動  パッシブ。  メインアクションを必要とする行動をサブアクションで行うことができる。  ただし、同じ行動を1ラウンドの間に連続して行うことはできない。  ・流砂  セットアップ。  自身から直径45ヘクス内にいる、流動性の高い砂に足を付けている全てのキャラクターを対象にできる。  対象を自身に近づけるように最大3ヘクスまで強制的に移動させることができる。  この移動は障害物を無視することはできない。  ・砂嵐  メインアクション。  自身を中心とした直径5ヘクスに対する【対象識別】の範囲魔法攻撃。  攻撃が命中した対象に対し、さらに『BS能力低下:命中:強度2』の付与判定を行う。  傾向として【命中】が高め。  ・万力の顎  メインアクション。  近接物理攻撃を行う。  この攻撃は【物防減:50%】でダメージ判定を行う。  ・生存力の発揮  メインアクション。  自身を対象に【解除:10】を行う。 ●味方戦力  ▽ルウ・エリオ  パンクリアース学園の生徒にして、今回の依頼人。  授恵者であり、クラスとしてはヒーラー。  基本は自分の判断で負傷者に[ヒール]を施す。 ●その他  苦戦する場合、危険を避けるためルウから撤退指示が出る可能性があります。  基準はルウの独断となりますが、いざというときに使える手段が乏しいほど、早期に撤退する必要があるでしょう。  ご注意ください。

マスターより

 お世話になっております、空色みなもです。  砂漠という過酷な環境にあって、なおも咲く花があるといいます。  関連NPCにルウ・エリオが紐づけられています。  相談掲示板では基本的に出発48時間前までに行われた質問に回答します。  神秘に満ちた皆さんのプレイングをお待ちしております。

リプレイ

●
「サバクノシンピ! 果たしてどんな景色なのでしょう! でもその前に、危険なクリーパーさんを退治しなければいけませんね!」
 エルナ・クルプファルツは足許の砂がクリーパーに向かって流れ始めたのを見て、手早く周囲を見渡した。
 その荷物には、母蜘蛛糸でなわれたロープがある。
 脱出時、ロープを接着するのにほどよい障害物があればと思ったが、なにせ辺りは一面の砂漠、手ごろな場所はすぐには見つからない。

「足場が悪いでございますね……ここはワタクシのゴリラが踏ん張るでございます。脱出時はこちらへロープを投げるようお願いするでございます!」
 ハリーヌ・ヨツユビが感覚を共有したゴリラと自身をロープで連結し、流砂の外縁部で流されそうになるのを耐えている。
 ゴリラが常に外側へ向かって移動することで、ハリーヌを引っ張る形だ。
 もちろん何の負荷もない状態に比べれば移動力は落ちるが、ハリーヌ自身も砂の流れに逆らって動くことで、実質その場に留まることを可能としていた。

「ほら、掴まって」
「ありがとうございます……! お手数をかけてすいません」
 海神・江流が、半ば砂に埋もれたルウ・エリオを引き上げる。
 そんな江流の口許はバンダナで覆われ、砂塵に対策してあった。

「ルウ様、ワタクシも回復手段は持っておりますが、恐らく回復の手が足りなくなるでございます。敵と近い者、傷が深い者を優先して回復をお願いするでございます! もし可能であれば、状態異常の回復もお願いできればありがたいでございますね……!」
「は、はい! できるだけのことはやってみます……!」
 ハリーヌに声をかけられ、ルウも臨戦態勢へと入った。

「だんだんと引き寄せられているな……面倒なことになる前に始末するぞ」
 セリオス・オーガストが矢を番えた短弓をしならせる。
 流れる砂の上にありながら、優れたバランス感覚に支えられ、セリオスの体幹はしっかりと安定していた。
 短弓が溜め込まれた力を開放し、矢をクリーパーへと送り出す。

「……なかなか骨があるようだな。いや、虫型だから殻がある、とでも言うべきか?」
 クリーパーに突き立った矢にはエーテル毒が仕込んであったのだが、それをクリーパーは耐えたようだった。
 しかし矢傷による痛手を与えたのは確かだ。
 セリオスは次の機会を伺いつつ、クリーパーから離れるように移動する。

「砂に潜られるとやっかいでございますね……!」
 ハリーヌはクリーパーにエーテルの波動でマークを施し、その位置を追えるようにした。
 続けてハリーヌはエーテルをまとわせた矢をクリーパーに放つ。
 今回、攻撃の精度を乱すエーテルは抵抗されたが、矢はクリーパーを傷つける。

「そこへ来ているでございます!」
「そこですね!」
 クリーパーはこの時点で抑える者がいないため、砂を泳いで近づいてきており、その位置をハリーヌが指し示す。
 エルナが杖の先端にエーテルを集中させ、クリーパーへと向かって射出。
 エーテルはクリーパーに命中すると強く炸裂した。
 クリーパーの周囲の景色が歪む。
 まるで砂漠の陽炎のようであるが、そうではない。
 クリーパーの動作を縛める重力波が発生しているのだ。

「よっと、引き寄せられるのも悪いことばかりじゃないよな」
 江流が流砂の勢いを利用して、滑るようにクリーパーへと近づく。

「俺も相手の妨害ができればよかったかもしれないけど。ま、できることをやるだけだな」
 江流の手札には生憎、相手を妨害できる手段が用意されていなかったので、敵を削るのに専念することにした。
 砂に流される勢いのまま、江流は身を起こしたクリーパーの腹の下へと潜り込む。
 江流の手にした脇差が、甲殻の隙間を縫ってクリーパーの腹へと突き立てられた。
 即座に脇差を引き抜いた江流は、クリーパーの体液が噴き出すのにも構わず、もう一撃。
 反対の手に持った短刀が閃き、さらにもう一撃。
 計三発の斬撃をクリーパーへ見舞った。

「さて、このままじゃ何されるか分からないからね」
 連撃を終えるや否や、江流はエーテルを爆発的に噴出しながら宙を駆け、クリーパーから大きく距離をとった。
 空中を往けば、足許の悪さなど問題にならないのだ。

「少し近すぎるか」
 このタイミングで、セリオスはクリーパーから全力で距離をとることを選ぶ。
 攻撃の片手間に離れるだけでは、流砂の勢いに負けてしまうのだ。

「ルウ様、お気をつけて!」
 ハリーヌが矢に込めたエーテルをクリーパーにまとわりつかせる試みを続けつつ、鋭く警告を飛ばした。
 標的を散らそうと江流が他の味方と異なる方向へ回り込んだこともあり、ルウは治療の間合の関係上、クリーパーと大きく距離をとれないでいた。
 ルウも自身の安全に気を付けるよう言い含められてはいたが、クリーパーの接近を防ぐ手段を持たない以上、自ら積極的にクリーパーへ近づかないようにする程度が限度である。
 そこでクリーパーは高速で離れていく江流を無視して、ルウに標的を定めたようなのだ。

「きゃあ!」
 砂を泳いで近づいてきたクリーパーの顎に、ルウが強く締め付けられる。

「ルウさん!」
「すいません、ありがとうございます……!」
 エルナがぐったりしかけたルウを急いで治療する。
 活力を取り戻したことによって、ルウはどうにかクリーパーの顎から脱出した。
 ルウは自らも治療術を用い、受けた傷を塞いでいく。

「やっかいだな……」
 江流から離れていく方向にクリーパーが移動したため、江流は今度は空中を駆けてクリーパーに近づく。
 流れるような三連撃を浴びせたところで、余力を用いてクリーパーから再び距離をとった。

「よし、今度は効いたな」
 セリオスが再び放った矢に仕込まれたエーテル毒が、ついに効力を表した。
 クリーパーは強烈に体内を蝕まれ、苦しそうにしている。

「今のうちに離脱を図ってください!」
 クリーパーに対しエーテルを撃ち出すエルナ。
 エーテルは霧状にクリーパーを包み込み、その攻撃精度を乱していく。

「助かりました……!」
 おかげでクリーパーがルウへと襲い掛からせた顎は、空を切った。
 その間に、ルウはクリーパーから離れるように移動する。
 クリーパーは仕方がないので体内からセリオスのエーテル毒を取り除こうとして、失敗していた。

「諦めずに試していれば、いつかは、でございますよ」
 クリーパーの攻撃精度は十分落ちたので、ハリーヌはクリーパーの回避を困難にしようとエーテルをまとった矢を粘り強く放つのだった。

●
 エーテルの霧を振り払ったクリーパーへ、江流が切りつけたうえでまた離れていく。
 そこへセリオスが鋭く放った矢がクリーパーに突き刺さり、クリーパーが金切声を上げる。
 また、ハリーヌも根気よくエーテルをまとった矢を放ち続けている。

「こうなったら私が相手です!」
 じわじわと砂に流されていたエルナが、もはや離れきれないと見るや、クリーパーの懐に飛び込んだ。
 それを受けたクリーパーは、エーテル毒を体内から取り除くとともに、周辺に砂嵐を吹き荒れさせた。
 しかし、砂嵐がエルナを捉えることは、なかった。
 射程、相棒としてのペット――それらの射手としての長所を投げうった者の辿り着く境地が、エルナの身体能力を大きく向上させているのだ。
 エルナはお返しに、杖から魔法の光を零距離で炸裂させた。

「よし、そのまま抑えておいてくれ」
 距離をとりながら戦うセリオスにとって、これ以上クリーパーのほうから接近されないのはありがたい話だった。
 ヒュンッと鋭く矢を飛ばしながら、セリオスは少しでも距離を維持しようと後退を続ける。

「三度目の正直、というやつでございますよ」
 なるほど、ハリーヌが回避を鈍らせるためのエーテルを矢にまとわせたのは、これで三度目だった。
 今度はエーテルはクリーパーにまとわりつき、その回復のために手数を使わせた。

「なんのっ! です!」
 エルナの周辺に再び荒れ狂う砂塵。
 クリーパーは重力波から自然回復し、エルナを捉えるためやっきになって捨て身の攻撃を繰り出している。
 回避に専念してもかわすのが容易でないそれを、エルナは見切って避けていた。

「できるだけ砂嵐の範囲に入らないように気を付けて」
「は、はいっ! 治療の手が空いている間なら、なんとか……!」
 江流は観察した砂嵐の効果範囲を俯瞰視点で思い描き、味方へと伝える。
 ルウも治療術を用いない間なら、砂嵐の範囲外を維持できるようだった。
 だが、それもクリーパーから全力で離れる余裕があってこそ。
 怪我人が出始めれば油断はならない。
 江流も空を駆ける力は尽きたため、今は高速で走ることでどうにか砂嵐の範囲外を保っている状態だ。

「当たって痛いのは嫌ですよ!」
 エルナはクリーパーの攻撃を引き続き見切りつつ、再びクリーパーを霧状のエーテルで包んでいた。

「……次の幸運はないと思えよ」
 セリオスがエーテル毒を仕込んだ矢を放つ。
 先ほど用いていたエーテル毒と比べれば、やや効果は落ちるが、それでも毒の効果としては大きいものだ。
 だが一度目の試みに対してはクリーパーが幸運を発揮するジンクスでもあるのか、これは抵抗に遭う。

 クリーパーは霧を振り払うことに手数を消費しつつ、エルナに砂嵐を放って見切られている。
 エルナに攻撃を当てようとクリーパーが捨て身になることで、冒険者たちの攻撃が通りやすくもなっていた。
 そんなクリーパーに、エルナは払われた霧と入れ替わりに重力波をまとわりつかせる。

「言っただろう、次の幸運はないと」
 さらにセリオスが放った矢のエーテル毒が、今度はクリーパーの抵抗を貫いた。
 クリーパーの体がエーテルに侵蝕され、矢傷を中心に崩れていく。

「ワタクシにはこんな手だってあるでございますよ!」
 ハリーヌが得物を杖に持ち替えてエーテルを飛ばす。
 エーテルはクリーパーの体に浸透し、その甲殻を一時的に脆くした。
 弓を用いて放っていたエーテルより、通り具合がいい魔法であるのも功を奏した形だ。

「そらっ」
 そこにすかさず江流がクリーパーへ三連撃を加える。
 ただでさえエーテルの効力で体が脆くなっているところを、甲殻の隙間である胴体や脚の節を狙われるのだから、クリーパーもたまったものではない。

「運ばかりはいいやつのようだな」
 セリオスの矢に仕込まれた、攻撃精度を落とすエーテルに対してはクリーパーも抗ってくる。
 だが矢そのものは深く刺さっており、クリーパーの命を削る面においての貢献は大きい。

「くっ!?」
「ぐっ……」
 しかし、ここでクリーパーの砂嵐がエルナと江流をついに捉えた。
 エルナは攻撃を見切るための力を使い切っており、江流は砂嵐の範囲から十分に離れる手段が尽きていたのだ。
 江流が大きく跳躍しようにも、悪地により移動にかかった制限がそれを許さない。
 二人の体を砂粒が激しく打ちつけ、砂ぼこりに目が霞んでいく――。

「江流さん!」
 ルウが治療術を施すことで、江流もどうにか持ち直す。

「当てにくくなるなら、当てやすくするまでです!」
 エルナは攻撃精度の低下を補おうと、クリーパーにエーテルの糸をまとわりつかせていく。

「おそらく、あともう一押しだろう。それまで持ち堪えてくれ」
 セリオスの目が鋭く光り、放った矢も鋭く飛翔する。

「ここを乗り越えれば、サバクノシンピはすぐそこにあるはずでございますよ!」
 ハリーヌも再び弓を持ち、クリーパーへ矢を飛ばしている。

 二本の矢を受けたクリーパーが喚くように叫びながら、再び砂嵐を放つ。
 今度はエルナと江流に加え、ルウも範囲に含まれた。
 エルナとルウの治療術が飛び交い、戦線がどうにか立て直されていく。

「終わりだ」
 最後はクリーパーの残り体力を読み切ったセリオスの矢が、クリーパーの命を貫き通したのだった。

●
「皆さん、大丈夫ですか! 特にルウさん、クリーパーに挟まれてましたが……」
「ええ、どうにか……ここまで来て、サバクノシンピを採集せずには帰れません。行きましょう」
 戦闘後、エルナによって冒険者たちに治療が施されていた。
 最初ふらついていたルウもなんとか体力を取り戻し、先に進むことを選んだ。

「ふむ……どうやら見えてきたようだな」
 普段は無表情のセリオスの目が、やや大きく開かれた――ように見えたかもしれない。
 冒険者たちの眼前には、まさに砂漠の神秘と呼ぶべき光景が広がっていた。

 丘を越えるまで無味乾燥であった景色が、ここに来て見渡す限りの花、花、花である。
 花と花との間に、砂の大地を透かし見ることも難しい。
 それほどの密度で、薄紅色の花が咲き誇っていたのだ。
 死の砂漠に囲まれた中にあって、そこには確かに生命の息吹があった。

「これほどまでとはね。話に聞く仙人が暮らす場所にも、こんな景色はあるのかな?」
 江流もしばらく幻想的な光景に見入っていたが、ここを訪れた目的も忘れてはいない。
 花畑を踏み荒らさないように、端のほうからサバクノシンピを採集し、潰れないように背負い袋へと収めていく。

「いやはや、私にとっても想像以上でした!」
 エルナも景色の美しさに喜びながら、採集を手伝っている。

「砂漠でこのように咲く花があるのでございますね。なんとも不思議な光景でございます」
 ハリーヌも丁寧に採集したサバクノシンピを、向きを揃えて背嚢に入れていた。

「ジョウ先生や他の先生方の影響でございましょうか。ワタクシ、植物や薬学に興味が湧いてきたのでございますよ」
「わあ、ほんとですか!」
 ハリーヌの言葉を聞いて、ルウの表情がパッと華やいだ。
 まあハリーヌは純粋な学問的興味だけではなく、儲かりそうな気配を感じてのことでもあるが。
 たとえそう付け加えたとしても、ルウは薬の販路が広がることを喜んでくれたかもしれない。

「みなさん、ありがとうございます。必要な量は揃いましたので、帰りましょう!」
「ああ、これを無事に持ち帰るところまでが依頼だからな」
 ルウが冒険者たちに声をかけ、セリオスが頷いた。

「いつかまた、この景色に出会えますように」
 ルウは最後に一度だけ花畑を振り返った。
 採集して帰りはするが、安定した栽培方法は確立されておらず、ここでしか見られないサバクノシンピの花畑。
 次に会えるのはいつか分からないけれど。
 そんな時がまた来ますように、とルウは願った。

マスターコメント

 お疲れ様でした。空色みなもです。  このたびは当シナリオにご参加頂き、誠にありがとうございました!  ジゴクムシ、流砂で引き寄せてくるうえに、本体も砂を泳いで動き回って来るのでなかなかの難敵だったと思います。  それにしても砂漠に咲く花畑、上手く表現できていたらいいですが、いかがでしたでしょうか。  また皆さんにシナリオ参加して頂けるのを心よりお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ショートシナリオ

ショートシナリオ難しい 報酬:標準4 / 4〜6人

2022年04月27日 08時43分05秒 公開

成功

相談掲示板

  1. セリオス・オーガスト

    ・・・・ん、シューターのセリオスだ、よろしく頼む 相手の能力はなかなか厄介のようだな 流砂で向こうに自動的に動かされる。命中が下げられる砂嵐の範囲攻撃、防御半減で受けないといけない近接、BSに対する解除の回復だな とりあえず流砂に関しては障害物は無視できないとあるから光縛封やアイアンウォールを召喚して障害物という風にすればそれを支えに引き寄せられるのは免れそうだな

  2. エルナ・クルプファルツ

    エルヴンシューターのエルナです!みなさまよろしくおねがいしますね! 成立しましたね!頑張ってクリーパーさんを倒して、砂漠に広がる花畑の姿を見に行きましょう! どんな景色なのでしょうね! 敵さんの能力はセリオスさんの言われているとおりですね! 後はサブアクションでメインアクションの行動ができるパッシブが強力ですね! サブ移動力が実質2倍ですから、素の移動力が高くなくても、十分な移動力を持っていると考えて良さそうですね!

  3. 海神 江流

    っと、成立してたか。 シーフの海神江流だよ。今回は宜しくね。 流砂については、元々近接戦闘が主体だから。 寄せられてもフェザーステップの攻撃後移動とか、エアーライドとかホライゾナルジャンプとか使えばいいかなと思ってたりする。 個人的には砂嵐の方が面倒そうに感じるとこがあるかな。 腱撃を狙ってもいいかもしれないけれど、すぐ回復されちまうかもかねぇ。 それならトリプルファングでダメージを奪う方に集中したほうがいいか。 ルウさんしかヒーラーが居ないから自前でヒール持っておいた方が、手堅いかなと思いつつ。 現状でシューター3人となると、砂嵐の命中低下は案外響くかもしれないってあたりはちょっと気になってる。 ご意見戴けると助かるかも。

  4. エルナ・クルプファルツ

    いよいよ明日出発ですね! シューター3名なので、回避低下のデバフ手段は豊富な気もします! なので命中低下はある程度相殺できるかなと! 今回はデバフのエルナでいこうかなと思います! グラビティボルトの行動阻害と魔糸の回避低下、魔霞の命中低下を状況に応じて組み合わせて使っていきたいですね! 万一の為の脱出手段として母蜘蛛糸のロープと脱出支援用に閃光塗弾を持っていこうと思います!

  5. ハリーヌ・ヨツユビ

    皆様、顔出しが遅れまして申し訳ないでございますよ。 ワタクシはハリーヌ。しがないヨツユビハリネズミのシューターでございます。 シューターが3名でございますか。 やはり最初は距離をとってデバフ付与、あえて解除を使わせて相手のアクションを消費させたいでございますね。 デバフの種類も重複できるよう色々揃えてみようと思うでございます!

  6. セリオス・オーガスト

    ふむ、今回の面子的に障害物召喚とかは無理そうだから言われてるようにデバフをかけて行動を消費させつつやるしかないだろうな とりあえず俺もインベイシブアローなどを持っていくつもりだ

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0