命懸けのB・B・Q!

ゆうきつかさ

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シナリオID:2084

オープニング

●ゴールディ南部の森
「春と言えば、花見ッ! そして、B・B・Qだ!」
 ゴブリンの青年ウェーイがノリノリな様子で、今回の依頼を説明した。
 ウェーイにとって、B・B・Qは人生そのもの。
 春夏秋冬暇さえあれば、B・B・Qをやっているのだが、桜の花を見ながら食べる肉は格別なようである。
「……と言う訳で、みんなを花見に招待したいって訳さ。一応、肉と野菜はこっちで用意するから、手ぶらでもイイぜ! もちろん、そっちで食材を持ち込んでもOKだ! まあ、勘のイイ奴は、ここで気づいたと思うが、実は……困った事になっている。実は……花見の会場に桜の魔獣が棲みついているようなんだ」
 ウェーイが気まずい様子で、頬を掻いた。
 去年も似たような事態に陥って、冒険者達に魔獣を退治してもらったらしく、期待に満ちた視線を送っていた。
「桜の魔獣は桜の樹に擬態しており、普段はまったく見分けがつかねぇ。しかも、B・B・Qをするたび暴れまわるから、タチが悪い。おそらく、煙が嫌いなんじゃねーのかな」
 ウェーイの話では、桜の魔獣は数体いる可能性があり、枝で攻撃してきたり、根を絡ませたりしてくるらしい。
 また、桜の魔獣が現れるまでは、B・B・Qを楽しんでいて、問題がないようである。
 そう言った事も踏まえた上で、桜の魔獣を倒す事が今回の目的であった。

解説

●物語の流れ  B・B・Q!  桜の魔獣と戦闘。 ●桜の魔獣について  普段は、桜の樹に擬態している。  場合によっては、複数いるかも。  強さは、そこそこ。  力を合わせれば、倒せるレベル。  枝で突いてきたり、根を絡ませてきたりする。

マスターより

 基本的には、ノリと勢いで何とかなるので、B・B・Qを、いかに楽しむのかをメインにしても問題ありません。  ウェーイが用意する食材は、肉(牛、豚、鶏、羊)、野菜(玉ねぎ、人参、キノコ)、塩、胡椒、秘伝のタレ等です。

リプレイ

●
「みんな、よく来たなっ! さっそく、BBQを始めようぜ!」
 依頼主であるウェーイが待っていたのは、ゴールディ南部の森だった。
 その場所が以前からBBQスポットとして知られており、ウェーイが仲間達を呼んで毎年のように騒いでいたらしい。
 だが、その場所は桜の魔獣の生息地帯でもあるらしく、冒険者達に依頼をする事が、毎年の恒例になっているようだ。
 そこまでしても、ウェーイにとっては死守すべき場所らしく、ゴブリナのギャルが絵を描く中、鼻歌を歌いながらBBQの準備をして、冒険者達を待っていたようである。
「春といえば花見、そしてBBQ……と、レモンですね! ウェーイさんお久しぶりです! お元気でしたか? ウェーイさんもレモンを好きになりませんか……? お肉や野菜にかけると美味しいのですよ!」
 そんな中、ミア=リゼルが瞳をランランと輝かせ、ジリジリとウェーイに迫っていった。
「お、おうっ! だったら、レモンを使わせてもらうかな。……って、圧がハンパねぇんだが……」
 ウェーイがミアからレモンを受け取り、乾いた笑いを響かせた。
 ここで迂闊にハイと言ってしまうと、身も心もレモンに変えられてしまいそうな勢いだったせいか、少し引き気味のようである。
「そう言えば、以前襲われたのは、この辺りか?」
 だわが警戒した様子で、桜の樹に視線を送った。
 一見すると、どれも本物の桜のように見えるのだが、その中に桜の魔獣が紛れている事は間違いなかった。
 だが、頭の中が御花畑であるウェーイには、行きなれた場所であっても、どれが桜の魔獣なのか、まったく見分けがつかないようである。
 それとは対照的に、だわが桜の樹に擬態した桜の魔獣(A)を看破し、気まずい様子で汗を流した。
 桜の魔獣(A)がいるのは、ウェーイのそば。
 しかし、その事を指摘した瞬間、ウェーイが大騒ぎをしてしまい、事態を悪化させてしまう可能性が高いため、真実を告げる事が出来なかった。
「僭越ながら調理であれば少しの心得はありますので、焼く係は僕にお任せください」
 一方、ザキはウェーイと一緒に、BBQの準備をし始めた。
 その後ろで桜の魔獣(A)が見下ろしていたものの、ザキはあえて気づかないフリをしているようだった。
「あ、ああ……そうだ! 持ってきたイモを焼いても良いか。諸事情で、2連続で焼き芋を食う機会を逃していてな。今度こそ食えるのか。それとも、とことん焼き芋に縁がないのか、挑んでみようと思うんだ」
 その事に気づいただわが、ザキを安全な場所に避難させながら、桜の魔獣(A)をチラ見した。
「……」
 その途端、桜の魔獣(A)が、だわをガン見。
 これ以上、獲物(注:ウェーイ)を奪うのであれば、容赦はしないと言わんばかりに凄味を利かせていた。
「おう、イイぜ! ……って、なんで、みんな俺から離れているんだ? 何かいるのか? ……ん?」
 ウェーイがキョトンとした表情を浮かべ、サッと後ろを向いた。
 幸い、桜の魔獣(A)が暴れ出す事はなかったものの、だわは嫌な汗が止まらなかった。
「僕はインドア派だけど、たまにはこういうのもいいもんだね」
 ニールがウェーイと一緒に食材を食べやすいサイズに切り分けながら、絵を描くギャルに視線を送った。
 ギャルは一言も喋る事なく、何かに取り憑かれた様子で、ウェーイの背後にある桜の樹を描いていた。
 だが、そこに描かれていたのは、鬼のような形相を浮かべた桜の樹。
 その事をツッコむべきか、スルーすべきか悩みつつ、ニールはあえて何も見なかった事した。
「いまのうちに、下準備をしておきますね」
 ザキが持ち込んだ肉(牛、鳥、馬、謎の魔獣)と、野菜(かぼちゃ、なす、たけのこ)に塩や香辛料をかけ、蒸し焼きの準備をし始めた。
 その途端、香ばしいニオイが辺りを包み、桜の樹に擬態した桜の魔獣(A)が身体をビクンと震わせた。
(ザキはバーベキューに夢中になってる事だし、僕は周囲を警戒しておこうかな)
 一方、ニールはホークアイと看破を駆使して、桜の魔獣の気配を探った。
 どうやら、桜の魔獣は二体ほど近くにいるらしく、そのうちの一体がウェーイの背後で両目をギラギラさせていた。
 もう一体は桜の樹に紛れているものの、ウェーイが知らずに食材を置いており、まるで貢物を捧げているような状態になっていた。
「さあ、皆様はどうぞ召し上がってくださいませ!」
 その間に、ザキが次々と肉を焼き、仲間達に振舞った。
 肉の焼き加減はバッチリ。
 まるで焼肉の神が宿ったのではないかと思えてしまうほど、完全完璧であった。
「ザキは真面目過ぎ。もっと、気を抜かないと……。それじゃ、僕はマシュマロを焼くね。……皆も好きに食べたらいーよ」
 そんな中、ニールが持参したマシュマロを焼き、その煙を吸い込んでケホケホと咳き込んだ。
 近くにいた桜の魔獣(A)も鼻っぽい部分をムズムズとさせていたが、必死に咳き込まないようにしているようだった。
「……あ、僕もいただいて良いのですか? それなら、遠慮なくいただきますね」
 ザキがマシュマロを頬張り、ホッと溜息を漏らした。
「おいおい、肉も食おうぜ、たらふくさ! せっかく、焼いたんだから、冷めないうちに食っちまわねぇと、美味くなくなっちまうからなっ!」
 ウェーイが焼き上がった肉に特製タレをつけ、ザキの口に押し込んだ。
「これは……美味しいですね。これなら、いくらでも食べる事が出来そうです」
 ザキが肉をモゴモゴと頬張り、幸せな気持ちに包まれた。
「……!」
 それとは対照的に、桜の魔獣(A)は焼けた肉から漂う煙から逃れるようにして、身体を仰け反らせた。
(ひょっとして、敵は煙が嫌いなのか……?)
 その事に気づいただわがブランケットを使い、煙を仰いで桜の魔獣を刺激した。
「ピィギャアアアアアアア!」
 次の瞬間、桜の魔獣(A)が咆哮を響かせ、怒り狂った様子で、枝を鞭のように振り回した。
「……って、うわあああああああ! ガチか!?  ガチなのか! なんで、こんなところに……。しかも、あっちにも、魔獣が……。うわああああああああ!」
 その途端、ウェーイがパニックに陥った様子で、あたふたとした様子で辺りを走り回った。
 即座に、ギャルがウェーイの首根っこをムンズと掴み、戦いの巻き添えを喰らわないようにするため、少し離れた場所までズルズルと引きずっていった。
「と、とりあえず、桜の魔獣をどうにかしなくてはいけませんね」
 そんな中、ミアがハウリング・オブ・ブルーフレアでエーテルの波動を開放すると、仲間のエーテルを急激に増幅、上昇させ、鬼火のような蒼白い光を全身から立ち昇らせた。
「ああ、そのつもりだ」
 だわが焼き芋を頬張りながら、自分自身に気合を入れ、邀撃で視線と共にエーテルを送り、桜の魔獣(A)に怒りを植えつけた。
「何だか、すっごく怒ってない? だ、大丈夫かな?」
 ニールが桜の魔獣達を見つめ、最悪の事態を思い浮かべた。
「ピギャアアアアアアアアア!」
 そんなニールを嘲笑うようにして、桜の魔獣(A)がカサカサと根を蠢かせ、体当たりを仕掛けてきた。
 その攻撃を間一髪で避けた後、ニールがペットの黒い狼と連携を取りつつ、桜の魔獣達に攻撃を仕掛けていった。
 ザキも桜の魔獣(A)の攻撃を警戒しつつ、フェザーステップを発動させ、ヒット&アウェイを試みつつ、ダブルエッジを繰り出し、桜の魔獣の身体を切り裂いた。
 その拍子に、大量の体液が辺りに飛び散り、独特なニオイが辺りに漂った。
「グルルルルルルルッ!」
 その事に危機感を覚えた桜の魔獣(B)が、ウェーイ達を威嚇するようにして、激しく唸り声を響かせた。
「お、おい! アイツ、ヤル気だぞ!」
 ウェーイが涙目になって、ギャルにギュッとしがみついた。
 その途端、ギャルが裏拳を繰り出し、ウェーイの意識を奪い取った。
「誰も、やらせませんよ……!」
 ミアがウェーイ達を守るようにして、 エーテルブロー3を発動させ、エペ・ドゥラ・フルレット(細剣)に眩い光を宿し、非常に強い一撃を叩き込んだ。
「グギギギギィ……」
 その一撃を喰らった桜の魔獣(B)がバランスを崩し、激しく身体をヨロめかせた。
「ギギギギギギギィ……」
 それと入れ替わるようにして、桜の魔獣(A)が不気味な鳴き声を響かせ、素早く枝を振り下ろした。
「一体、何処を狙っているんですか?」
 即座に、ザキがアクセラレイターを発動させ、残像を繰り出す事で、桜の魔獣(A)の攻撃を回避した。
「面倒くさいなあ……。早く消えてよ」
 ニールが苛立ちを隠せない様子で、精密射撃を仕掛け、精神を研ぎ澄ませて一射を放ち、桜の魔獣(A)に致命傷を与えた。
 その事が原因で、桜の魔獣(A)は素早く動く事が出来ず、身体のあちこちからミチミチと音を響かせた。
 そこに追い打ちを掛けるようにして、ペットの黒い狼が噛みつき、桜の魔獣(A)を傷つけた。
「ギギギギギギィ!」
 その途端、桜の魔獣(B)が耳障りな鳴き声を響かせた。
「確かに、しぶといな。だが、こっちも暇じゃないんでな」
 それを迎え撃つようにして、だわが破鎧砕3で肉体を蝕むエーテルを剣 -標準調律に纏わせ、桜の魔獣(B)に斬りかかった。
 その拍子に、桜の魔獣(B)がヨロめき、大量の体液が辺りに飛び散った。
「これで一網打尽にします!」
 次の瞬間、ミアが祈雷2で天に祈りを捧げて発生させていた霧の中に、雷の嵐が荒れ狂った。
「ピギャアアアアアアアアアアア!」
 それと同時に、桜の魔獣が悲鳴にも似た鳴き声を響かせ、ブスブスと真っ黒な煙を上げて動かなくなった。
「何とか倒す事は出来たが……」
 だわが複雑な気持ちになりつつ、すっかり冷めてしまった焼き芋に視線を落とした。
 何とか一口食べる事が出来たものの、桜の魔獣と戦っていたせいで、その味を堪能する事が出来なかった。
 その悔しさをバネにするようにして、だわがサクッと気持ちを切り替え、ハーブ塩で肉に下味をつけた後、ウェーイと一緒に焼き始めた。
 だが、頭の中に浮かぶのは、ホックホクに焼けたサツマイモだった。
「ふわ……、何だか眠くなってきちゃったなぁ」
 そんな中、ニールが桜の樹の木陰で、スヤスヤと寝息を立てるのだった。

マスターコメント

 今回はMVP候補が2名いましたので、桜の魔獣達にトドメをさしたミアさんにしました。
ショートシナリオ

ショートシナリオ普通 報酬:標準4 / 4〜8人

2022年04月17日 21時03分57秒 公開

大成功

参加者

相談掲示板

  1. ミア=リゼル

    |-・)コソッ… どなたか来てくださるといいな、と思いつつ ヒーラーのミア=リゼルです 成立した場合は、支援魔法と回復魔法でサポートしますね!

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0