【魂禍】【灰拠】一章:猪突の如く
椿油
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シナリオID:1809
オープニング
「拙僧が居ぬ間に何が……!?」
以前の冒険者との連携した戦いにより、神徒として認められたリザードマンの癒し手であるナジャー・ブルカーン。今日は、シロス村という地に訪れていた。
――が。シロス村の塀や柵は滅茶苦茶に破壊された後だった。
「あぁブルカーン様、たったさっきの事でしたよ! もう少し早く来ておられれば……ひぃぃ」
「怖ぇ……なんじゃありゃ……!」
ナジャーは、この只ならぬ村人の空気に何かを直感で感じ取っていた。ただ事ではない、と。
「……拙僧に詳しくお聞かせ願えますか」
村人の証言によると、シグモル火山の方から来たというそれは巨大な猪のようで、魔獣かと言われるとどっちかと言えばクリーパーのようだった。そして、そこら中の塀や柵を壊して回ったと言う。
「幸いな事に、今は村の近くには居ないようですが……」
村人は冷や汗を拭いながら証言を終えて疲れ果てたように椅子に座った。
「……ふむ……それは、分け身ですな」
火神ボルガニスクが言っていた例のクリーパーの分け身が、猪の身体を模していると判断したナジャー。
「して、その猪型の敵対生物のサイズは?」
「……およそ家屋一軒分はあったかと」
かなり大きいようで、ナジャーは顎に手を当てた。
「冒険者様の力をお借りしましょう」
それが、ナジャーの出した決断だった。
解説
マスターより
リプレイ
「ここがシロス村か」
セリオス・オーガストは件の巨大猪クリーパーが現れたシロス村に着くなり、足跡を探してみる事にした。巨大な獣型ともなれば、目立つ足跡ぐらい残っているはずだと目星をつける。
「本物の獣だったら食べられるんですけどね」
シルク・メイプルリーフも巨大猪の足跡を探す。
「まぁ素材さえ採れれば儲けもんやろ」
サイラスは肉というより、素材目当てのようだ。
「これ怪しいな。追ってみるぜ」
アルベルト=V=シュタールシュヴェーアトが見つけた大きな跡。点々と続いている。
「もしかして、アレか?」
ケン・Z・ブラッドリーが足跡の先を指差すと、山なりになっている坂道の頂点に巨大猪の影が見えた。
「全員こっちへ。ブルカーン、後方から援護を頼む」
「畏まりました。拙僧に出来る最大限の援護を致します」
セリオスが同行していたナジャー・ブルカーンを呼び寄せ、手筈を整えた。
「おぅおぅ……でかいな。本当の猪だったらいい保存食になっただろうに」
その肉体をまじまじと見つめたケンだった。
●攻めの一手
巨大猪クリーパーの背後を取った冒険者達。もちろんすぐに巨大猪の方も気付く。黒っぽい影が、ゆっくりと振り向いた。
「まずはこれだ。受けろ、《インベイシブアロー》!」
セリオスが放った攻撃は巨大猪クリーパーの肉体へと刺さる。巨大猪はブルブルと身を振るうも、その矢に含まれるエーテルの力で徐々に身体を蝕んでいく。巨大猪の目つきが厳しさを増した。
「んじゃま……一狩りいきますか」
ケンは視野を確保しつつ、得物の大太刀を抜いて《シーザーロア2》を強く叩き込む。巨大猪の目つきがケンへと移った。
「そう来るよな?」
実はソレが作戦の内だった。
「では、行きます! 《豊穣神の呼び声》!」
シルクが祈る事によって、冒険者全員に桃色の加護がかかる。これをかけるまで、概ね密着していたのはその為だ。そして今、ケンが敵視され、巨大猪と一番近い。
巨大猪は無言でケンに向かって突進を行う。大太刀や盾で勢いを流そうとするケン。流石の巨体、中々に痛い攻撃で後ろへと追いやられる。だが遠くからパワーチャージした上で突進されていたらもっと痛かっただろう。
「ッ……ここからが本番だからな!」
「巨大猪クリーパーめ! 貴様を倒す!!」
アルベルトは《チャージング》で一気に移動した上で《シーザーロア2》を勢いよくブチ当てる。強い殺気が身に入り、巨大猪の執着先はアルベルトへと向いた。
「んじゃとりあえず、足狙うか」
サイラスは近づいた上で《殺界》をかける。冒険者達の狙いは二つ、《シーザーロア》で狙いを分散させる事、《殺界》で足止めをする事だ。
「ならば拙僧はこれを。《輝刃》!」
アルベルトへ杖を振るい、シーザーロア中の手助けになればと攻撃力の高いアルベルトをさらに強化する。
――そしてサイラスの《殺界》は足を狙い定めた。足さえ崩せば、恐らくコイツは突進できないだろうと睨む。
●これより本番
「一人に集中はさせないぞ。《バスターアロー2》だ」
セリオスによる威力の高まった一撃が放たれる。左足元に命中させ、片足を痛そうに振る巨大猪クリーパー。キッと巨大猪を睨みつけて威圧したセリオスの方を巨大猪も睨み、敵視は散漫していく。
「ま……こういった巨体相手の定石だよな!」
引き離されたケンは《チャージング》で再び近づき、傷ついた足元に《薙ぎ払い2》を当て、他の足ごと痛めつける。無闇に突進できない状態にしてしまえば、シーザーロアも必要なくなっていくだろう。
「あの爪先の結晶……状態良く摘出できればいい素材になりそうだな」
あえて傷つけなかった結晶がキラリと光った。
「ブラッドリーさん、お怪我を治します! 《ヒール3》!」
シルクの放つ淡い光がケンの肉体を癒す。これでケンもしばらくは問題なさそうだ。
さて、敵視がブレブレな巨大猪だが、正直どれを狙うか迷っているようにも見えた。《殺界》で文字通り足止めを喰らうわ、足そのものに攻撃されるわで、主に狙えるのは《殺界》を放って己の筋を切ったサイラスか、何回も攻撃を受けているケンぐらいだった。
「まぁそう来るわな」
足を痛めたせいもある。突進が出来ない巨大猪は《破壊の牙》の噛みつきをサイラスに試みた。
「おー痛い、その牙後で素材にしてやるわ」
「足を痛めて上手く動けなくなったみたいだな! このまま削いでいくぜ!」
アルベルトは得物を振り回し、《鋭撃2》を勢いよく叩きつける。固くて強いその肉体に加え、ナジャーの加護もあったものだから悶える巨大猪クリーパー。
「じゃ、後はこれでええやろ。《破鎧砕3》」
サイラスに、またしても足を狙われる巨大猪。怒りが目つきに現れているように見えなくもなかった。
「ではサイラス殿を強化致します。《輝刃》!」
近距離3人組全員を最近覚えた《輝刃》で強化するのが、ナジャーの最終的な狙いであった。
●衰える猪突
「《鋭射2》、容赦は要らない。それとブルカーン、次からは回復で大丈夫だ」
セリオスの放つ鋭い一撃が巨大猪クリーパーの前足に突き刺さる。
「ではそのように」
ナジャーはコクリと頷いた。
「《毒撃3》! お前、そろそろ弱って来たんじゃないか?」
《インベイシブアロー》の凶悪なエーテルから解放される直前に、ケンの毒撃が叩き込まれる。その蝕みは巨大猪の肉体を疲れさせるには充分だった。若干その鋭い目が血走っているようにも見える。
「それじゃあ、私も攻撃に回りますね!」
白銀の旋棍を振るい、《サイドヒール改》をサイラスに唱えつつ《魔矢》を巨大猪に放つ。攻撃担当が増えたのは巨大猪にとってかなり厄介だった。
さて、走るのがままならなくなった足で、どれを狙うか。その答えは、足で地面を蹴ってからの、重い一撃を己に叩き込んだアルベルトへの突進だった。
「おっと!?」
しかし巨体がブレる。やはり足へのダメージは大きかったようで、勢いをつけてもアルベルトの武器で弾かれた。が、アルベルトにも結構なダメージが入った。
「確かに弱ってるみたいだな……! そろそろ終いにしてやろうぜ!!」
サイラスの《破鎧砕3》で弱った肉体に、アルベルトの《鋭撃2》が刺さる。グバァと悲鳴を上げた巨大猪クリーパー。
「もういっそこうしてやるか。これで動けないでしょ」
サイラスは巨大猪の背中に乗り込んだ。振りほどく力ぐらいしか無さそうなコイツを、後は背中からゴスゴス叩けばよいという寸法である。
「では、シュタールシュヴェーアト様、そして皆様を回復致します」
《ヒーリングオーラ》でアルベルトを中心に他のメンバーも回復させたナジャー。概ねパーティ全員が全快である。
●トドメの突進、ただし冒険者の
「だいぶ弱ってきたのが目に見えて分かるな」
セリオスは《鋭射2》を前足に放つ。そろそろこの巨大猪も虫の息だろう。だが巨大猪は毒を与えたケンを見つめている。
「死に体のくせにいい根性だ……だが、その首は狩らせてもらうぜ」
ケンは血走った目つきの巨大猪と互いに見つめ合い、《ドラゴンチャリオッツ改》を仕掛ける。地面の火山灰が煙になる程勢いよく突撃し、巨大猪の肉体は大きくよじれ、身体は大きな音を立て地に伏せ、首はケンがその手に獲った。
「おお……!」
ナジャーはその突撃の勢いに思わず杖を落としかけた。とにかく、冒険者の勝利だ。
「……俺が乗ってるの忘れてない? まぁいいや、このまま素材剥いじゃうか」
サイラスは素材採集に、と足の先をチラリと見た。
「やりましたね! ……ところで、これクリーパーなんですよね? 素材って採れるんですか?」
シルクは疑問に思ったが、とりあえずサイラスの手つきを見つめてみる。
「んー、すぐ消えるなあ。やっぱ猪型とはいえクリーパーかコイツ」
徐々に消えていく肉体にサイラスは若干テンションを落としたものの、とりあえず気を取り直して皆で柵や塀の修繕に向かった。
●シロス村の今後
「ありがとうございます、冒険者様、ブルカーン様」
シロス村の村人達は感謝を伝えつつ、採れた作物の芋を差し入れしてくれた。
「いえ、拙僧は大丈夫です。……それで、今後はどう致しましょう?」
「ブルカーン様が居て下さると、とても心強いんですがねぇ」
「やはりそうですか……よし、拙僧が近場に定住して護りましょう」
などと神徒と村人の会話が続く中、ケンは柵を修繕しながらとある事を思っていた。
「結局クリーパーだから首も消えちゃったんだよな」
セリオスは手を動かしつつ答える。
「いいじゃないか。トドメが刺せただけでも」
そこに修繕の手つきの良いサイラスも返事をする。
「俺もあの結晶すら回収できなかったし、トドメって花形よ?」
「そうだな!」
ケンが嬉しそうに返事をする。
「さて、こっちの柵もあらかた直りましたよ!」
シルクとアルベルトは反対側の柵を修繕していた。
「ブルカーンさんは定住するみたいだな! これで暫くは安泰だろ!」
「いえいえ、シグモルは常にクリーパーの被害に遭っているのです。安泰とまでは……せめて拙僧がもう少し強くならなくては」
ナジャーが自分の非力さを嘆いていると、アルベルトが肩を叩いた。
「輝刃、助かったぜ。あれが無きゃもうちょっとかかってたかもな!」
「そう、ですか……? ならば次に備えて更なる鍛錬をしておきましょう。鍛錬を怠っていては民を護れませぬ」
こうして、シロス村はひとときの平和を手に入れたのだった。
マスターコメント
ショートシナリオ難しい 報酬:多い5 / 4〜8人
2022年01月31日 11時20分41秒 公開
参加者
- メイプルリーフ シルク
ケン・Z・ブラッドリー
- サイラス
アルベルト・V・シュタールシュヴェーアト
セリオス・オーガスト
相談掲示板
・・・ん、まだ人が集まってないがシューターのセリオスだ、よろしく頼む とりあえず能力的に見ると吹き飛ばされたりするようだから陣形が崩されやすそうではあるな。 なるべく散開して距離は広めにとっておいた方がいいだろうか
No.2
後一人だなぁ。サイラスだ、よろしくなー 突進主体な時点で突撃と格闘しかないし殺界で捕まらへんかな?と。それが防御上げて積み持ってシーザーロアでもする?その後はドラチャリで距離離して多分火力のある牙とチャージ使えない様にサブで移動しなきゃいけない距離にするとか
ウォーリアのアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 シナリオ成立人数の4人揃ったみたいだな。 オーガストさんの言うように、固まりすぎずに動く必要がありそうだな。 あとは・・・すまん、俺は力押ししか思いつかない・・・
よーっす。 アルベルトの呼ばれたんで遊びに来たぜ まぁこのメンツだと力押ししかないわな ウォーリアー3人でうまく対応してシューターのセリオスのフォローを願う感じか?
No.5
シスターシルク 参戦させていただきます。 回復支援はお任せください
No.6
前衛のアルベルトさんを中心にブルーフレアを打ちます。希望者は支援を受ける旨の宣言をいただければ範囲から逸れることはないかと。
ん、人数集まってたか とりあえずサイラスが言うとおりシーザーロアで主に注意を引き付け、残り二人の前衛が吹き飛ばされた時のフォローをして復帰まで時間稼ぎ。 俺とシルクが後衛からサポートという形が一番ベストだろうか。 とりあえず俺はインベイシブアローでスリップダメージを与えつつバスターアローとかで攻撃の予定だ
お、ヒーラーが来てくれたのは助かるな ウォーリアー3人がシーザーロアを使って代わる代わるタゲ取りして敵の意識を散漫化するってのもありじゃないか? そうすればダメージの分散化にもなるしな あとは下手に離れるとより突進されやすいと思うから俺は基本的にはくっついての接近戦で薙ぎ払いを使った足攻めから入るつもりだ
No.9
埋まったのなー 殺界使おうかと思う。ドラチャリには重いし、突進で突っ込まれたら強行突破しないと行けなくなるしで楽かなと。ダメでも弱体化乗せて殴り倒すで。 此方も足狙い。一本でもダメにしたら牙以外の攻撃も殺界の脱出も怪しくなるやろと
>ブラッドリーさん シーザーロアのローテーション了解したぜ。 雷神剣をシーザーロアに変更してプレイングを提出するぜ