【竜盤】断崖の山羊魔獣
馬車猪
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シナリオID:1639
オープニング
ドワーフ王国は山の国だ。
岩肌ばかりの山から固い木々が生えた山まで色々あるが、総じて急峻な傾向がある。
頑丈さと健脚を兼ね備えたドワーフでも難儀する山も少なくはない。
「撃てぇ!」
ハンマーが届かなくても衝撃波は遠くの岩肌まで届く。
しかしドワーフの足とは別方向に強靱な山羊脚は、急斜面で機敏に回避しながらの降下を可能にする。
「接近戦準備!」
訓練時なら、否、通常の戦いなら命令を下す前に迎撃準備が整っているのに今は新兵じみて遅い。
ドワーフ王国中を駆け回り疲れ果ててしまった部隊は普段の数分の1の力しか発揮できない。
ハンマーが空振りする。
分厚い胸甲を山羊の足で思い切り蹴られた若手授恵者が、左右の戦友に支えられてはるか下まで転落する危機から救われた。
だがこれで3人戦えなくなった。
別の山羊魔獣が悠々と荷物に歩み寄り、貴重な飲料水と携行食糧が入った袋を噛んで持ち上げ、嗤った。
「てめっ」
「追うなっ」
まだ元気を残した授恵者が飛び出して捕まえようとするが隊長に止められる。
衝突寸前で躱して下まで転落させるつもりだった大柄山羊魔獣が、器用に舌打ちして袋を運んで崖上に消えていく。
「隊長……」
「予定では明日補給部隊が到着する。水は私の分を分けてやる。焦るんじゃないぞ」
「っ、了解です」
信頼した目を向けてくる部下に、落ち着いたふりをするので精一杯だった。
●10日前
「これで20日連勤だぞっ」
魔獣の群れを相手に1人で立ち向かえる授恵者が、酷い顔色で悲鳴じみた声をあげた。
クレセントブラッド家はドワーフ王国における武門の名門である。
つまりピンチには王国からの無茶振りが多発するし、無茶振りされる前に自発的に動けるから領地持ちの有力武門として扱われているのだ。
「そうかまだ20日か」
上司の目は据わっている。
現在ドワーフ王国内では、既に取り返した都市の治安維持やマミダ地域奪還準備のため各地から兵力が引き抜かれている。
街や村や街道を守る兵力が少なくなり、少数でもなんとかできる増援としてクレセントブラッド家の人間があちらに数人こちらに数人と派遣され続けている。
「次はここに行ってもらう」
「待て、私はいいが若いのは無理だ。せめて1日……いや最低3日休ませろ。ここ1週間は温かいものを食えてないのだぞ!」
携帯食や水筒だけで食事を済ませるのも珍しくないのだ。
まだ死者が出ていないだけでも十分すごい
「そんな余裕はない」
上司も悪意で言っている訳ではない。
家として絶対に動かせない部隊を除いてほぼ全て現場に向かわせている。
数が足りない以上、既存の部隊を酷使するしかないのだ。
「……分かった」
授恵者は様々なものを呑み込んで、非常に苦しい顔でうなずく。
「分かったから補給の手配は頼む。私は、過労で死ぬ部下を見たくはない」
補給を行おうとしてもどこにも余裕はなく、結局冒険者ギルドへ依頼することになった。
●
「護衛依頼兼輸送依頼です」
冒険者ギルド職員はドワーフ王国の地図を広げて説明している。
「皆さんはここにいる部隊に補給を行った後、体調不良の方がいれば回収してこの街まで護衛して戻ってください」
町まではビッグオウムで移動できるが、町から目的地までは全て徒歩だ。
特に部隊がいる場所は苛酷で、45度近い傾斜の岩肌に細い道が通っているような地形だ。
「密輸業者が利用することがある古い街道で、最近では山羊型の魔獣の目撃情報もあります」
山羊は急斜面に強い。
人間なら同じ距離を移動するのに平地の倍以上の時間がかかるのに、平地と同じかそれ以上の速度で踏破してしまう個体もいる。
「メルトウォールの活動が本格化する前は、このあたりも定期的に兵士が派遣されていたそうです」
奪還作戦などに兵士が引き抜かれた結果派遣される頻度が減りに減って、今では密輸業者すら滅多に近寄らない危険地帯になってしまった。
今はクレセントブラッド家の授恵者が6人ほど派遣されてはいるが、彼等は休みなく働かされているので余裕がまったくない。
「マジカルポケットが使えるなら温かい料理をそのまま持っていくことも可能でしょう。彼等のもとへ運ぶための水と食料も燃料もこちらで準備します」
残念ながら交代要員はいない。
冒険者が山羊魔獣を倒したとしても、彼等はドワーフ王国全体がある程度落ち着くまで苛酷な環境で仕事をするしかない。
「温かい食べ物を届けてあげてください」
職員はそう言って、真剣な表情で深く頭を下げるのだった。
解説
マスターより
リプレイ
地面は岩肌でしかもつるつるで傾斜は45度。
優れた登山家でも急げば転落間違いなし地形なのに、山羊の足を持つ者達は恐るべき速さを維持していた。
「行き止まりっ?」
トゥーリが鋭角に進路を変える。
4頭の山羊魔獣は止まれずトゥーリを追い越し急停止。
ボス山羊魔獣が角にエーテルを込めてトゥーリを狙うが、絶妙なバランス感覚と身体能力を兼ね備えたトゥーリは鮮やかに跳んで躱してしまう。
「連携ってのはこうするんだ!」
ハヤト=ガラン=ヴォルファングの速度は下半身が山羊(ただし魔獣とは違って清潔で尻尾はふわふわ)なトゥーリを上回る。
魔獣の目では追いきれず、微かな残像と岩肌に残った踏み込みの後だけが目に映る。
「これでも食らいな!」
籠手と具足は込められた闘気で輝いているようで、至近距離で振るわれるそれに魔獣の反応が追い付かない。
拳による打撃で皮膚ごと筋肉が凹まされ、籠手に埋め込まれた爪牙で深い刺し傷が刻み込まれる。
時折感じる鋭い痛みは逆手で振るわれる直刀によるものだ。
「ヴォルファングさーん!」
「応っ」
魔獣が反撃に移る前にハヤトが飛び退く。
ようやく追い付いてきた魔獣4頭の一斉突撃も、それにあわせて繰り出されるはずだった角の一撃も、実行される前に準備が無駄になる。
「すぐに仕留めてやるよ」
冒険者活動で心技体だけでなく戦術も磨かれた若きゴブリンが不敵に笑い、速度の優越を活かして去って行く。
山羊魔獣のボスはひとまず戦いは去ったと判断し、直後に失敗を悟る。
どこからともなく飛んで来た矢が、ボスを除けば最も強く頑丈な個体の脇に突き刺さる。
不意打ちなので筋肉による防御も不完全で、傷ついた内臓から血が逆流して口から零れた。
「まずは1頭」
セリオス・オーガストは他の4人と共に行動中だ。
配置は後衛。
戦闘開始時点での距離は直線で100メートル。
とんでもない急角度と自然の悪意を疑いたくなる局面からなる山道を通った場合、200メートル近く歩く遠距離でもある。
セリオスは3本目の矢をつがえる。
咄嗟に遮蔽物に隠れた山羊魔獣もいるし、闘志を剥き出しにして向かって来る個体もいる。
その中で直線的な動きをする1頭を選んで、動き回って当てるのが難しい脚ではなく当て易い胴を狙う。
どん、と攻城兵器に似た音が響く。
頑丈な毛と皮膚と筋肉を矢が食い破って岩肌で砕けてようやく止まる。
勢いが止まらない魔獣の腹から、大量の血が長く流されていった。
「迎撃を勧める」
セリオスの声は落ち着いてはいるのだが普段より強い。
常人基準では優れたバランス感覚を持ち、直前に凄まじい活躍を見せたセリオスでも、静止状態ならともかく移動しながらの戦いは避けたい地形であった。
●
「冒険者?」
急斜面とは思えない活躍をする冒険者に気付き、授恵者達は安堵する余裕もなく混乱している。
「補給の物資を持ってきたよ! 頑張ろうね」
トゥーリの言葉は柔らかで、しかし行動は徹底して堅実だ。
異空間から呼び出されたのは荷馬車で運ぶ場合では少量の、個人で山奥に運ぶ場合では非常に大きな荷物だ。
地面に触れる部分は長期の活動に必要な燃料と水食料を質量度外視で。
地面から遠い部分は、作りたての熱と鮮度を保った卵酒や肉詰めパンがある。
その全てが薄い袋で包まれている。バーネット・フォーサイスが用意しているのを見てトゥーリも用意した品の香りと暖かさは、疲れた授恵者達をたちまち魅了した。
「手当するよ! 他の人は体調不良の人の護衛を!」
しかしトゥーリの指示で我に返る。
トゥーリが使ったハイパーヒーリングオーラは、授恵者の手足についた大小いくつもの傷を瞬く間に癒やしていく。
その温かい陽の光に似た癒やしの光が消えるより早く、猛々しくすら感じられる蒼白い光が授恵者とトゥーリを覆う。
「わ……飲ませてあげて」
土気色と表現しても違和感のない顔色をしている授恵者に気付き、トゥーリは手当を頼み自らは背後へ振り返る。
「傷洗い用の綺麗な水と包帯は2段目っ」
指示を出しながら、迫ってくる山羊魔獣に矢による光破片の散弾を浴びせていた。
●
「どうにもならない状況だってのは分かるが、流石に休み無しってのはきついな……」
バーネットの言葉には二重の意味がある。
1つは救助対象である授恵者達。
もう1つは救助を急ぐために体力を消耗した自分自身だ。
トゥーリが要救助者と接触したので山羊魔獣を足止めする必要があるが、長時間酷使した足が時折勝手に震えている。
「まあそうなるよな」
山羊魔獣の数は1頭減って4頭。
その4頭は手傷は追ったが移動速度は健在だ。
比較的小柄な3頭は速度だけでなく身軽さも活かし、動きが鈍く見えるバーネットを狙い一撃離脱をしかけようとした。
「予想通りすぎて欠伸が出るぜ」
エーテルを操作して魔獣の進路上に重力場を発生させる。
魔獣の精神でも肉体でもなく空間を直接操作する超常の技だ。
斜面に特化した強さしか持たない魔獣では抵抗成功の可能性すらない。
山羊の脚の動きが鈍る。
速度は3分の1ほどに低下。一撃離脱はもちろん離脱まで完全に封じられた。
「啓示によれば「落下だけに気をつければそこまで難しくはないです」と出ています」
ダマスカス鋼の全身鎧に円盾と剣、つまり両手が塞がり足だけで斜面に立つ必要があるフリーダ=ブロムヴィストは、表情に関してはいつも通りだ。
「つまり勝ち目はあるはず。状況から見て地の利は敵側にあっても」
フリーダは高所恐怖症ではない。
が、足を滑らせたら結構な確率で死ぬのが分かる程度に頭が良いので正直怖い。
「これを使いな」
バーネットが母蜘蛛糸のロープを投げ渡す。
片方の端は持ったままエーテルを流し続けていて、突き出た岩を抱え込むことで安全を確保している。
「ありがとうございます」
言葉に感情が強く滲んでしまう。
100kg程度を支えられる粘着性を持つアイテムは、転落の危険を遠ざけるには十分だった。
「おれは無理だな」
リザードマンらしい優れた体格に慢心せずと竜を目指す鍛錬と研究を繰り返すサイラスは、装備を計算に入れたら100kg越え確実だ。
この戦場では重さという武器が自らに牙を剥く。
だからサイラスは、剣を杖にして細い道を慎重に歩くことで無用な危険を排除していた。
重力場からようやく抜け出した山羊魔獣が明確にサイラスを狙う。
体当たりをすれば一撃で勝てるとでも思ったのだろう。
「舐められたもんだな」
バーネットのような魔力や付与技術はないが体力と腕力は桁が違う。
足の裏で岩の地面を挟み込む。
直後に体当たりをしかけた大きな山羊は、盾を押してもサイラスが全く揺れないことに気付いて焦り始める。
「手を抜くような獣がよく今まで生きてたな」
魔獣は離脱しようとする。
だがエーテルを背中から放出したサイラスが、20メートル以上上の斜面まで追撃して黒塗りの刃を振り下ろす。
装甲が厚い部分に当たったのに、圧倒的な腕力と鋭さが皮膚と筋肉を裂いて骨を押し潰した。
「魔獣が私達に向かって来るのは助かりますね」
フリーダは片腕にロープを巻き付けて体を安定させる。
魔獣達も警戒を強め、フリーダが剣を振るって当たらない距離にいる。
「こういうステージでは確か……こう」
天啓を通じて体得してしまったバグ技を使用する。
威力はサイラスに及ばないが射程は実に20メートル超え。
直撃する瞬間だけ何故かフリーダが魔獣の至近で剣を突き刺して見えるのは、多分見間違いとかそういう何かだろう。
サイラスを避けた魔獣がフリーダへ突撃を開始する。
フリーダは移動速度の面で劣る。
通り過ぎるだけなら成功の可能性はあるはずだった。
「私を突破する気ですか」
鞘に触れて足を何度か上げて下げて体を捻る。
魔獣は困惑し、しかしいつの間にか何かに圧迫され逃げも攻撃もできないことに気付く。
「1頭くらい突破してくると思ったのですが」
殺界は完全成功した。
「得意な戦いができないならこんなもんなのかも……なっ」
バーネットが蒼白い光の槍を投擲する。
刺さると同時に破裂し細い光の群れに変わり、山羊魔獣の体全体に纏わり付いて移動を徹底的に邪魔し続けた。
●
「山羊って普通は草食なはずなんだけどなぁ、肉も食うのか」
歯を剥き出しにして涎を零す特大山羊達を観察し終え、シグルド・オルセンは静かにつぶやいた。
安全なの足場を見つけるのに手間取ったがこれで準備は万全だ。
フリーダの殺界っぽいものから強引に抜け出した山羊魔獣ボスに意識を集中。
大きく息を吸って声と同時にエーテルを放つ。
スキルの手応えは薄く、しかし猛烈な殺意の視線が返ってくる。
「結果は同じか」
魔獣の抵抗は破れなかったが挑発にはなったようだ。
シグルドの身体能力とバランス感覚でも高速での移動が難しい急斜面を、平地と同じ速度で特大山羊が踏破する。
焦りのせいか、あるいはこれまでの戦いで消耗しすぎたからか、角に魔力をまとわせることもせず単純な突撃であった。
シグルドの表情はいつも通りに飄々として、けれど目には強い光がある。
この魔獣を仕留め損なえば多くの人間が死ぬ。それだけは絶対に許せない。
衝突の瞬間にダマスカス鋼の盾で衝撃を受け流し地面へ流す。
鍛え抜いた筋肉が衝撃の通過に耐えるだけでなく盾を含む繊細な装甲操作を可能にし、シグルドを人食い山羊に対する盾であり続けさせる。
傷だらけの山羊が自らのボスを見て、見捨てることを決断し断崖じみた斜面を駆け下りようとした。
「お前の相手は、俺だ」
黒いフードを目深に被った青年の声が響いた。
山羊の脚ではなく心の向きが強引にねじ曲げられて、シグルドと同じくしっかり足場を確保した冒険者を攻撃することしか考えられなくなる。
「楽をさせてもらう」
山羊魔獣の腹から血が流れ続け、勢いも他の個体よりは弱い。
吟遊詩人が唄う冒険歌なら弱い者いじめ扱いされるかもしれないが、だわの戦術眼も"守る"という信念もこれが正解だと断言している。
衝突の前に衝撃波を放つ。
毛と皮膚が分厚い箇所に当たったのでダメージは少なく、しかし山羊はますます興奮してシーザーロアが消えても殺意で突き動かされるようになる。
そして衝突。
外套は揺れても金属製全身鎧に包まれた体はびくともしない。
(足場の確保なしでは危なかったか)
自身と敵だけでなく戦場も正しく認識した上で、だわは自らの強みを押しつける。
ただの棒にしか見えないものを剣として振るう。
山羊の毛に触れる前に冷たい蒼の光が刀身を形作り、ダマスカス鋼の大剣に劣らぬ鋭利さと固さで山羊の上半身に刀身の半ばまで突き刺さる。
命が消える瞬間の振動が、だわの手のひらに届いていた。
「骨まで美味しく頂いてやるから安心して往生しろや!」
ハヤトが応援に駆けつける。
狙うのはシグルドに足止めされたボス個体だ。
シグルドは山羊の血で濡れた槍での追撃は行わず、殺気を浴びせて足止めを徹底することを優先した。
セリオスは1本の矢に光を込める。
スキルなしで威力と精度を兼ね備えた矢を放てる彼のとっておきは、強力なクリーパー級の山羊魔獣を無造作に貫き体に大きな穴を2つ開ける。
(内臓は外れたか)
解体後のことを考えれば大成功である。
ハヤトの猛攻に、シグルドに執着したままの山羊魔獣が物理的に押される。
「逃がすなよ!」
「ああ」
だわは装備の消耗を恐れず、刃を斜面に突き立てながら移動を開始。
魔獣が逃げ出すなら絶対に邪魔になる場所で立ち止まり"剣"を構え直す。
剣を水平に伸ばしたまま大きく踏み込む。
矢で開いた大穴を改めて刃でえぐり切っ先を背骨に届かせ、体ごとぶつけるつもりで剣を押し込む。
断末魔の悲鳴をあげることもできず、最後の魔獣は絶大な苦痛の中でその生を終えた。
●
「終わったら肉回収と」
サイラスは自然体で山羊の巨体を受け止める。
傾斜45度でなくても大変な作業のはずだが、ただ受け止めるだけでなく解体作業まで始める。
「宿営地で血の匂いをさせるのは避けないとな」
血は捨てて、他の素材も速度優先で多少廃棄する部分が増えるのも許容する。
とても現実的で確実な選択だ。
特に解体現場で挽肉作りまでする手際は、本当に見事であった。
「これ貰うぞ!」
脚を2本抱えて駆け出すハヤトを、別の山羊を解体中のセリオスが見送る。
ほどほどにな、と目と雰囲気だけで言っていた。
宿営地は風を避けるのが精一杯な場所だ。
マジカルポケットに入っていた暖かな料理は過労で倒れていた若手の腹におさまり、他の授恵者は冒険者から貰った燃料で冷えた体を温めている。
そんな焚火を1つ分けてもらい、ハヤトが機嫌良く肉を焼いている。
肉食の獣であく抜きもしていない。
試しに囓るとえぐみが強いが、苛酷な環境に慣れたハヤトにとっては運動直後のごちそうだ。
「ほら、これでも食って英気を養えよな♪」
味が推測できる授恵者達が、生きるため覚悟を決めて受け取り口に運んでいた。
「大変だな」
バーネットは言葉では労るがハヤトの料理を食べようとはしない。
ハーブ塩できつめの味でごまかした肉を丁寧に加熱している。
「……これでも癖が強いな」
味見で切れ端を食べて、思わず渋面になってしまった。
「まだ時間はかかりますよ?」
サイラスから鍋を借りてシチューを作るフリーダは、戦っているときとは違い家庭的な娘さんに見える。
香りは非常に良いが完成には時間がかかりそうだ。
「味が雑でいいなら仕上げるぞ」
サイラスは魔獣の挽肉を使った肉団子と野菜とその他で鍋を作っている。
無加工直火焼きよりは絶対にマシなので、料理の心得のある授恵者が積極的に協力を始める。
(鍋とか調理器具はどうせ自分の店から持ち出しだしそのままおいてくでも。また作れば良いし。革や骨、特に頭は纏めてマジカルポケットで持ち帰るか)
いつ終わるか分からない任務中に預けるのは酷だと判断していた。
「無理はしない方がいいと思うよ?」
テントと現地調達の石を活用し、防寒防風防雨防魔獣の備えを可能な限り仕上げたトゥーリが言う。
「国と民のための大事な任務ですから」
食料調達手段が人里からの運搬しかない土地で、クレセントブラッド家の授恵者達は頑張っていた。
「意外とマジカルポケットを持ってるやつが多いんだな」
習得の大変さを知るシグルドは、ポケットで楽になった分積極的に授恵者の面倒を見る。
「特に肉はエネルギーになりやすいしな。腹が減ってはなんとやら、とも言うしな」
ここから2人、単独では早歩きをできない者を人里まで運ぶ必要がある。
「出発は明日だ。今日は休め」
だわは歩哨を引き受ける。
明日も、授恵者を安全に連れ帰るため全力で護衛をするつもりだった。
マスターコメント
ショートシナリオR普通 報酬:標準8 / 4〜8人
2021年11月26日 02時47分29秒 公開
相談掲示板
トゥーリだよ! まだ揃ってないけど、とりあえず成立する予定でよろしくね! 山羊の魔獣……ちょっとフクザツ。でも倒さなくっちゃね。 とりあえず弱っている授恵者さんを介抱しないとまずいかな? 魔獣の気を引く人と、当座の介抱をする人の二手に分かれるのがいいかな。ワタシはヒーラーとしてなら介抱もできるし、囮になるなら回避力でなんとかするよ!このあたりはこれから誰が来てくれるかで相談かな~……
よろしく頼む。俺のことは だわとでも呼んでもらえれば。 ヒーラーがいるなら手当ては専門家に任せた方が良さそうだな。 俺は山羊魔獣の相手をするか。捌けば食えるらしいが……、それは相談だな。 普通の戦場と同じようには行かないと考えて、バランス感覚と戦術眼の準備をしていくつもりだ。……山の脅威は嫌というほど知っているからな……。 ……授恵者達、よくこんな過酷な環境で耐えているな。なんとかして生還してもらわないと。
ウォーリア、シグルド・オルセンだ。よろしく頼む。 場所的にはバランス感覚があった方がデメリットは最小限にできるな。なければ工夫がいるかもしれない。 俺は魔獣の引き付けを行おう。とは言え、シザーロアが全部命中したとしても一頭は撃ち漏らすから、他のやつらで対応しなければなるまいが。 とりあえず二、三頭くらいは受け持っておこう。その間に他のを片付けてくれればありがたいかな。 魔獣が食えるってんなら、あとのお楽しみってことで持ち帰るか。
No.4
サイラスだ、よろしくなー とりまバランス感覚は持ってないし、その辺は気をつけるとして、マジカルポケット一応持ち込んで置こうかと。適当に鍋とか調理器具有れば肉食えるし。 後はシーザーロア使う人いるならドラチャリでも持ち込もうかと。折れたら足折って立てなくしてから斜面に捨てれば断崖まで行ってくれるかもだし。
>魔獣担当 助かる。俺も分担する意味でシーザーロアを持っていくか。 >食料 魔獣の肉は持ち帰るのもありだし、その場で調理して授恵者達に食わせるのもありだな。 サイラスが持ち込んでくれるマジカルポケット分で事足りるかもしれないが。 登山というよりほぼ登攀になるだろうから、ロープ等も持ち込むつもりだ。あとは鍋とナイフでも。
キャスターのバーネット・フォーサイスだ。 まぁ、よろしく頼むわ。 >足場 足場が悪い事に関しては、各自がバランス感覚等のスキルで対応するか、 体に括り付けた命綱を味方の近くに這わせておいて、最悪転倒した時に支えて貰える 態勢を作っておくとかがベターか? >戦闘 基本的には、敵が攻撃を仕掛けるために接近してきたらそのまま足止めし、 離脱される前に袋叩きにして倒すって形が良さそうだな。 クレセントブラッド家の授恵者達に関しては、可能な限り敵が向かわない様に配慮しつつ、 状況によっては俺らが援護に入るまでは、頑張って自衛してもらうってところか。 >食料 マジカルポケットによる持ち込みと、魔獣肉の調理を合わせれば大丈夫そうだな。
ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 >足場 バランス感覚等のスキル対応が一番手っ取り早い感じですね。 命綱については悪くはない案だとは思いますが、 ロープの長さによっては移動力の面で制限が掛かる可能性と、 万が一支える事に失敗した場合に連鎖的に被害が拡大する可能性がありますね。 前者はともかく後者については支える担当の人が予め落ちにくい手段を取る必要がありそうです。
No.8
そういえばマジカルポケット持ち込む人何人おるんかね? 人数と担当希望の内容次第で入れるものとか変わるけど?他に入れる人いるなら鍋とか持ち込んでとか考えてるが
・・・・ん、シューターのセリオスだ、よろしく頼む とりあえず俺はバランス感覚は持ってるから付けていくようにしよう。 あとは敵はリーダーが引き付けてる間に取り巻きが後衛を襲うようだから俺はそちらの対応に専念しておくか クレセントブラッド家のほうに行かれたりしないようにしたほうがいいだろうしな
おーっす! ゴブリンのシーフ、ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! 俺もバランス感覚で斜面は対応出来るな。 っつーわけで俺はリーダー格を先に狩る事にすんぜ! まずリーダーを倒しゃ後は楽に狩れんだろーしな! んで、終わったらクレセントブラッドの連中にゃ魔獣の肉でたっぷり精をつけさせてやるといーんじゃねーかと思うぜ♪
>汎用スキル 戦闘を考えればバランス感覚、輸送を考えればマジカルポケットといった所でしょうか。 後は山羊魔獣肉を調理するのであれば料理もあると良いかとは思います。 こちらは3種とも用意できますので、人数が少ない所に周る予定です。
>マジカルポケット それじゃあ、俺もマジカルポケットを用意しておく。 サイラスが鍋とかの現地の調理に必要な物を持ち込むなら、 こっちは温かい食事含む食料と水を包むとするかね。 >個人行動 基本的には敵の足止めだな。 グラビティフィールドとスネアージャベリンを使って、 接近してきた敵の一撃離脱を防ぎつつ、敵が密集したらメテオライト3で纏めて薙ぎ払う。 あと、他にやる予定の奴が居なければ、肉の調理も担当するつもりだ。
>マジカルポケット ワタシも持っていくよ! あとは、先行している授恵者の人の回復と手当かな? 遠距離攻撃主体になるから魔獣の討伐はお任せするよ
No.14
とりま持ちは四人でいいのかね? とりま空いた汎用枠に調理放り込んで置くわ。
>マジカルポケット サイラスさん:お鍋とか調理道具 バーネットさん:食料と水 フーリダさん:検討中? トゥーリ:燃料とか医療用具、砂糖・お菓子 砂糖とかお菓子はこう、パッと食べて元気になるかなって……( >行動 もう1枠の汎用にバランス感覚を入れて、魔獣はとりあえず無視して授恵者さんたちの手当に急行するようにしているよ。あまり彼らから離れるようなプレイングにはしていないから、もし戦闘中にケガしそうなら気を付けて!