マツタケを狩って、狩られて!
ゆうきつかさ
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シナリオID:1637
オープニング
●ゴールディ
「秋と言えば……マツタケだ!」
冒険者ギルドにやってきたゴブリンの青年ウェーイが、くわっと真剣な表情を浮かべた。
「まあ、最盛期は10月だったりするんだが、森の中でベストスポットを見つけちまってな。『マツタケ狩り放題だ、ヒャッハー!』ってなった訳よ、これが……。でも、ひとつ困った事になったんだ」
そう言ってウェーイが、どんよりとした空気を漂わせた。
「ダチと一緒にノリノリでマツタケ狩りに行ったら、魔獣に襲われちまってな。山ほどあったマツタケが、すべてパアよ。しかも、襲ってきたのは、タダの魔獣じゃねえ! でっけぇマツタケの姿をした魔獣だったんだ。もしかすると、マツタケの神様が襲って、俺達に御仕置したのかも知れねえが、誰だって腹いっぱいマツタケが食いたい時くらいあるだろ? それに、せっかく採ったマツタケが散らばったままじゃ、それこそ無駄になっちまう。そこで、お前達の出番という訳さ」
ウェーイがテーブルの上に、マツタケの魔獣が確認された南部の森の地図を広げた。
その地図は、ウェーイの彼女が描いたモノらしく、マツタケの魔獣がとてもファンシーに描かれていた。
「ちなみにマツタケの魔獣は、身の危険を感じると、香ばしいニオイと共に胞子を飛ばしてくる。このニオイを嗅ぐと、とにかくキノコが食べたくなっちまう。しかも、それが毒キノコであっても、関係ねぇ。それが原因で、俺のダチは未だに、トイレとマブダチさ。その上、マツタケの魔獣は複数いる。俺が確認しただけでも3体。場合によっちゃ、もう少しいるかも知れねぇ。まあ、何体いようと、お前達だけで倒す事が出来るだろうから、何とかなるだろ。それじゃ、ヨロシクな」
そう言ってウェーイが冒険者達に対して、マツタケの魔獣退治を依頼するのであった。
「秋と言えば……マツタケだ!」
冒険者ギルドにやってきたゴブリンの青年ウェーイが、くわっと真剣な表情を浮かべた。
「まあ、最盛期は10月だったりするんだが、森の中でベストスポットを見つけちまってな。『マツタケ狩り放題だ、ヒャッハー!』ってなった訳よ、これが……。でも、ひとつ困った事になったんだ」
そう言ってウェーイが、どんよりとした空気を漂わせた。
「ダチと一緒にノリノリでマツタケ狩りに行ったら、魔獣に襲われちまってな。山ほどあったマツタケが、すべてパアよ。しかも、襲ってきたのは、タダの魔獣じゃねえ! でっけぇマツタケの姿をした魔獣だったんだ。もしかすると、マツタケの神様が襲って、俺達に御仕置したのかも知れねえが、誰だって腹いっぱいマツタケが食いたい時くらいあるだろ? それに、せっかく採ったマツタケが散らばったままじゃ、それこそ無駄になっちまう。そこで、お前達の出番という訳さ」
ウェーイがテーブルの上に、マツタケの魔獣が確認された南部の森の地図を広げた。
その地図は、ウェーイの彼女が描いたモノらしく、マツタケの魔獣がとてもファンシーに描かれていた。
「ちなみにマツタケの魔獣は、身の危険を感じると、香ばしいニオイと共に胞子を飛ばしてくる。このニオイを嗅ぐと、とにかくキノコが食べたくなっちまう。しかも、それが毒キノコであっても、関係ねぇ。それが原因で、俺のダチは未だに、トイレとマブダチさ。その上、マツタケの魔獣は複数いる。俺が確認しただけでも3体。場合によっちゃ、もう少しいるかも知れねぇ。まあ、何体いようと、お前達だけで倒す事が出来るだろうから、何とかなるだろ。それじゃ、ヨロシクな」
そう言ってウェーイが冒険者達に対して、マツタケの魔獣退治を依頼するのであった。
解説
【基本的な情報】
向かう場所は、ゴールディ南部の森。
依頼主であるウェーイが見つけたマツタケ取り放題ポイント。
文字通り、マツタケが沢山あるものの、それは魔獣がいるため。
魔獣は3メートルほどの巨大なマツタケで、手と脚が生えている。
身の危険を感じると、香ばしいニオイと共に、胞子を飛ばしてくる。
この胞子を吸ってしまうと、無性にキノコが食べたくなってしまう。
ただし、口元を布などで覆っておけば、胞子を吸い込む心配はない。
マツタケの魔獣は、体当たりを仕掛けてくるので、要注意。
【物語の流れ】
まずは地図を頼りに、森の中に入っていく。
依頼主は基本的に同行しないため、地図だけが頼り。
マツタケが沢山あるところに、魔獣がいる。
ある程度、マツタケを採っておくと、成功率がアップ。
魔獣を倒した後であれば、マツタケを食べても、問題なし。
マスターより
どうも、ゆうきつかさです。
この依頼はコミカル要素が強いため、難しい事は考えず、キャラクターらしさを優先してプレイングを考えてください。
例え、ネタに走ったとしても、魔獣さえ倒せば問題ありません。
リプレイ
●
「まっつったけ! まっつったけ!」
アクロアイトは仲間達と共にノリノリな様子で、マツタケの魔獣が確認された森の中を歩いていた。
既に、頭の中は、マツタケ一色。
辺りに漂う胞子を吸って、マツタケハイになっているのか、今にも飛び跳ねそうな勢いで、テンションが爆上がりであった。
「えーっと、今回の目的は松茸に守られた松茸を採るため、松茸を倒して、松茸を食べる……事? つまり、松茸が、松茸で、松茸って事? んー、よく分からないけど、とにかく松茸って事ね。松茸、松茸、まっつたけ♪ さくっと終わらせて松茸パーチーよ♪」
その横にいたフセイン ラファも、途中から訳が分からなくなってきたのか、一緒になって歌い始めた。
そうする事で、頭の中のモヤモヤが消え去り、『マツタケを食べる事が今回の目的』という結論に至った。
それだと、少し違う気もしたのだが、とりあえずマツタケである事は間違いないため、それでオッケーイとなったようである。
「ウェーイさんの話だと、沢山獲れたら、持ち帰ってもいいって話だから、みんな頑張ろうね」
エルシー・サリバンがゴキゲンな様子で、仲間達に声を掛けた。
去年、人生初のマツタケを食べて以来、すっかり虜になっている事もあり、マツタケだけでなく、マツタケの魔獣も美味しく戴くつもりでいるようだ。
そのためならば、どんな危険があっても、乗り越えていく覚悟なので、何も怖いモノがないようである。
「それなら、任せて! 黒汗馬と荷馬車を準備したから、マツタケを山ほど採っても安心だよ♪」
その気持ちに応えるようにして、アルマ・ヴァレンタインが元気よく返事をした。
だが、ウェーイから渡された地図は、思った以上にアバウトで、大体の場所しか分からなかった。
おそらく、ウェーイ達は行きなれているため、分かっていて当然のような場所が多かったのだろう。
そのため、地図には『おばけ岩』や、『シワシワ樹木』、『人妻並木』などの目印があり、『どれが、どれなの!?』とツッコミを入れてしまうほどだった。
「それでも、この辺りで間違いないと思うけど……。だって、ほら……ペンデュラムも反応しているし! 多分、こっち……ん? ちょっと、違うわね。えーっと、ここよ、ここ!」
そんな中、フセインがペンデュラムを使い、何となくマツタケが生えていそうな場所を絞り込んだ。
それは単なる勘と思い込みであったが、ペンデュラムが激しく反応しているため、調べてみる価値があった。
「この日の為に腹をすかせた俺に抜かりはねぇ。……間違いなく、こっちだ! 今日は松茸狩りじゃあああああああああ!」
次の瞬間、アクロアイトが超嗅覚でマツタケのニオイを嗅ぎ分け、飢えたケモノの如く勢いで走り出した。
アクロアイトの言葉通り、その先には沢山のマツタケが生えており、香ばしいニオイが辺りに漂っていた。
その影響で、アクロアイト達がヘヴン状態に突入し、とても幸せそうな表情を浮かべた。
「わぁ、これは採り放題だねー♪」
その事に危機感を覚えたアルマが、バンダナで口元をガードし、採ったばかりのマツタケを、ポイポイっと荷台に放り込んだ。
マツタケは、どれも大きく、食べ応えがありそうなモノばかり。
ニオイも濃厚で、胃袋にガツンと来る感じであったため、腹の虫がグウグウと音を立てて鳴り始めた。
その横で、フセインが流れ作業の如くマツタケを、ポイポイポポイと布袋に放り込んだ。これに纏めて後でマジカルポケットにポイだ。
その間、マツタケの魔獣が襲ってくる事はなく、辺りにもいそうな感じがしなかった。
「まあ、この状況で魔獣に見つかったとしても、こんなに可愛い姿をしているのなら、平気だよねー」
エルシーが事前に配られた魔獣の絵を眺め、のほほんとした表情を浮かべた。
ウェーイから貰った紙に描かれているマツタケの魔獣は、とても可愛らしく、ファンシー要素満載のため、例え姿を現したとしても、仲良くなれそうな感じであった。
そのためか、先程までの警戒心が嘘のように吹き飛び、完全に油断した状態でマツタケを採っていた。
それが危険なフラグを立てる前触れである事にも気づかず、エルシー達の幸せそうな笑い声が森の中に響いていた。
「……とは言え、さすがに胞子の量が多いわね」
そんな中、フセインが豪風で光輝くエーテルを高速で収束させ、爆風を巻き起こして胞子を吹き飛ばした。
「キィシャアアアアアアアアアアアア!」
次の瞬間、マツタケの魔獣がケモノのような唸り声と共に、土の中からニョキっと勢いよく姿を現した。
しかも、その姿はウェーイから貰った紙に描かれていたマツタケとは、似て非なるモノ。
ファンシー要素のカケラもなく、劇画タッチで超リアル!
これにはエルシーも思わず二度見してしまったものの、実際に目の前にいるモノを否定する事など出来なかった。
むしろ、一体どうすれば、あれほどグロテスクなモノを、ファンシー方面に特化させる事が出来たのか、描いた本人を呼び出して、ツッコミを入れたくなる程だった。
だが、本人不在の状況で、欠席裁判を行う訳にも行かないため、『ファ、ファンシー?』と呟くのが精いっぱいだった。
その上、マツタケの魔獣は、一体だけではなかった。
確かに、複数いるとは報告を受けていたため、ある程度の覚悟はしていたものの、3メートル級のマツタケに見下ろされているせいで、みんな唖然としているようだった。
「ひょっとして、食べて欲しいの? この状況で、わざわざ姿を現したんだから、そう言う事だよね? だって、みんな……美味しそうだし!」
そんな中、エルシーがマツタケの魔獣を見つめ、ダラダラと涎を垂らしながら、瞳をキュピィーンと輝かせた。
既に、食べる気満々なのか、先程採ったばかりのマツタケを頬張り、何かに取り憑かれた様子で、マツタケの魔獣達をガン見していた。
「確かに、どれも美味しそうー♪」
その流れに乗るようにして、アルマも瞳をランランと輝かせた。
万が一の事を考えて、荷馬車を避難させているため、後はマツタケの魔獣を倒すのみ。
例え、どんなに強敵であったとしても、その後に御馳走が待っているのだから、まったく迷いがないようである。
「ピ……ピギャ?」
その事に危機感を覚えたマツタケの魔獣達が、ジリジリと後ろに下がっていった。
この流れはヤバイ、マジでヤバイ。
マツタケの魔獣的に、そんな考えが脳裏に過っているのか、あからさまに警戒しているようだった。
「……ここまで来たら、食べるしかないよね」
アルマがハウリング・オブ・ブルーフレアで、エーテルの波動を開放した。
「ピ、ピキャアアアアア!」
そのため、マツタケの魔獣達が、一斉に逃げた。
全力で逃げて、逃げて、逃げまくった。
そうしなければ、間違いなく食われるという実感があるのか、決して後ろを振り向く事が無かった。
「おい、待てよ。いまさら、何処に行く気だ? まさか、このまま逃げる気じゃねえだろうな? 今の俺は空腹の怪物だ、おら! てめーらも喰ったるぞ!」
すぐさま、アクロアイトがマツタケの魔獣達の行く手を阻み、飢えたケモノの如く勢いで飛び掛かった。
それに合わせて、フセインがアクロアイトのサポートするようにして、ダマスカス鋼の暗針Reでマツタケの魔獣達を牽制した。
「ピキィィィィィィィィィィィィ!」
その途端、マツタケの魔獣達が悲鳴にも似た鳴き声を響かせ、必死になって逃げ道を探した。
「おら、逃げるなっ! もっと食わせろ!」
だが、アクロアイトは決してマツタケの魔獣達を、逃がそうとはしなかった。
そこに追い打ちをかけるようにして、エルシーがマツタケの魔獣の逃げ道を塞ぐようにしてまわり込み、貫通衝撃射3でダマスカス鋼の矢にエーテルを籠め、鋭く射撃する事で指向性を持った衝撃波を放った。
「ほら、怖くない……怖くないよっ!」
アルマもイイ笑顔を浮かべながら、マツタケの行く手を阻むようにして陣取った。
「ピ、キュルルルルル……」
しかし、マツタケの魔獣達は知っていた。
自分達が、これから食べられてしまう事を……。
アルマ達にとって大事なのは、魔獣か、魔獣ではないか、ではなく、マツタケか、そうでないか、という事を……!
「まあ、観念する事ね」
その間に、フセインがマジックディソナンスを仕掛け、マツタケの魔獣に不可視のエーテルの波動を飛ばし、纏わりつかせる事によって、魔法に関する能力を衰えさせた。
それに合わせて、エルシーが重撃射でダマスカス鋼の矢の先端に、エーテルを収束させて解き放った。
次の瞬間、炸裂したエーテルが、マツタケの魔獣に纏わりつき、ネットリと動きを鈍らせた。
「このまま、こんがり焼いちゃうよ」
その隙をつくようにして、アルマが爆炎3で巨大な炎弾を放ち、マツタケの魔獣を爆炎で薙ぎ払った。
その途端、香ばしいマツタケのニオイがアルマ達を包み、何とも言えない幸せな気持ちになった。
「うららららら!」
それと同時に、アクロアイトがエーテルブレードで、エーテル光を鉄の大剣に纏わせ、マツタケの魔獣達の命を刈り取った。
そのため、マツタケの魔獣達は為す術もなく、肉の塊と化して息絶えた。
「それじゃ、ちょっと味見して見ようか♪」
そんな中、アルマが荷台に運び切れなかったマツタケの魔獣を捌き、巴屋の高級醤油を使って、網焼きし始めた。
「ん~、なかなかいい香り、これならさっぱりした柚子醤油で食べるのが美味しいかしら?」
フセインも、たいまつをバラして燃えやすい簡易焚き材にすると、生活魔法で火をつけ、マツタケの魔獣を焼き始めた。
「いや、このまま喰っても美味いな、これは……。噛めば噛むほど味が広がるし、普通のマツタケよりも美味いんじゃねーのか?」
その間に、アクロアイトが皿を用意し、焼けたばかりの肉を食べ始めた。
マツタケの魔獣は、野性味溢れる味わいで、肉を食べているというよりも、肉厚のマツタケを食べているような感じであった。
そのため、最初は味見のつもりで食べたはずが、あっと言う間に平らげ、幸せそうな溜息が漏れた。
「それじゃあ、後はウェーイさんに報告だね」
そう言ってエルシーが焼きたての肉をパックに詰め、幸せな気持ちになりながら、荷馬車を走らせるのであった。
「まっつったけ! まっつったけ!」
アクロアイトは仲間達と共にノリノリな様子で、マツタケの魔獣が確認された森の中を歩いていた。
既に、頭の中は、マツタケ一色。
辺りに漂う胞子を吸って、マツタケハイになっているのか、今にも飛び跳ねそうな勢いで、テンションが爆上がりであった。
「えーっと、今回の目的は松茸に守られた松茸を採るため、松茸を倒して、松茸を食べる……事? つまり、松茸が、松茸で、松茸って事? んー、よく分からないけど、とにかく松茸って事ね。松茸、松茸、まっつたけ♪ さくっと終わらせて松茸パーチーよ♪」
その横にいたフセイン ラファも、途中から訳が分からなくなってきたのか、一緒になって歌い始めた。
そうする事で、頭の中のモヤモヤが消え去り、『マツタケを食べる事が今回の目的』という結論に至った。
それだと、少し違う気もしたのだが、とりあえずマツタケである事は間違いないため、それでオッケーイとなったようである。
「ウェーイさんの話だと、沢山獲れたら、持ち帰ってもいいって話だから、みんな頑張ろうね」
エルシー・サリバンがゴキゲンな様子で、仲間達に声を掛けた。
去年、人生初のマツタケを食べて以来、すっかり虜になっている事もあり、マツタケだけでなく、マツタケの魔獣も美味しく戴くつもりでいるようだ。
そのためならば、どんな危険があっても、乗り越えていく覚悟なので、何も怖いモノがないようである。
「それなら、任せて! 黒汗馬と荷馬車を準備したから、マツタケを山ほど採っても安心だよ♪」
その気持ちに応えるようにして、アルマ・ヴァレンタインが元気よく返事をした。
だが、ウェーイから渡された地図は、思った以上にアバウトで、大体の場所しか分からなかった。
おそらく、ウェーイ達は行きなれているため、分かっていて当然のような場所が多かったのだろう。
そのため、地図には『おばけ岩』や、『シワシワ樹木』、『人妻並木』などの目印があり、『どれが、どれなの!?』とツッコミを入れてしまうほどだった。
「それでも、この辺りで間違いないと思うけど……。だって、ほら……ペンデュラムも反応しているし! 多分、こっち……ん? ちょっと、違うわね。えーっと、ここよ、ここ!」
そんな中、フセインがペンデュラムを使い、何となくマツタケが生えていそうな場所を絞り込んだ。
それは単なる勘と思い込みであったが、ペンデュラムが激しく反応しているため、調べてみる価値があった。
「この日の為に腹をすかせた俺に抜かりはねぇ。……間違いなく、こっちだ! 今日は松茸狩りじゃあああああああああ!」
次の瞬間、アクロアイトが超嗅覚でマツタケのニオイを嗅ぎ分け、飢えたケモノの如く勢いで走り出した。
アクロアイトの言葉通り、その先には沢山のマツタケが生えており、香ばしいニオイが辺りに漂っていた。
その影響で、アクロアイト達がヘヴン状態に突入し、とても幸せそうな表情を浮かべた。
「わぁ、これは採り放題だねー♪」
その事に危機感を覚えたアルマが、バンダナで口元をガードし、採ったばかりのマツタケを、ポイポイっと荷台に放り込んだ。
マツタケは、どれも大きく、食べ応えがありそうなモノばかり。
ニオイも濃厚で、胃袋にガツンと来る感じであったため、腹の虫がグウグウと音を立てて鳴り始めた。
その横で、フセインが流れ作業の如くマツタケを、ポイポイポポイと布袋に放り込んだ。これに纏めて後でマジカルポケットにポイだ。
その間、マツタケの魔獣が襲ってくる事はなく、辺りにもいそうな感じがしなかった。
「まあ、この状況で魔獣に見つかったとしても、こんなに可愛い姿をしているのなら、平気だよねー」
エルシーが事前に配られた魔獣の絵を眺め、のほほんとした表情を浮かべた。
ウェーイから貰った紙に描かれているマツタケの魔獣は、とても可愛らしく、ファンシー要素満載のため、例え姿を現したとしても、仲良くなれそうな感じであった。
そのためか、先程までの警戒心が嘘のように吹き飛び、完全に油断した状態でマツタケを採っていた。
それが危険なフラグを立てる前触れである事にも気づかず、エルシー達の幸せそうな笑い声が森の中に響いていた。
「……とは言え、さすがに胞子の量が多いわね」
そんな中、フセインが豪風で光輝くエーテルを高速で収束させ、爆風を巻き起こして胞子を吹き飛ばした。
「キィシャアアアアアアアアアアアア!」
次の瞬間、マツタケの魔獣がケモノのような唸り声と共に、土の中からニョキっと勢いよく姿を現した。
しかも、その姿はウェーイから貰った紙に描かれていたマツタケとは、似て非なるモノ。
ファンシー要素のカケラもなく、劇画タッチで超リアル!
これにはエルシーも思わず二度見してしまったものの、実際に目の前にいるモノを否定する事など出来なかった。
むしろ、一体どうすれば、あれほどグロテスクなモノを、ファンシー方面に特化させる事が出来たのか、描いた本人を呼び出して、ツッコミを入れたくなる程だった。
だが、本人不在の状況で、欠席裁判を行う訳にも行かないため、『ファ、ファンシー?』と呟くのが精いっぱいだった。
その上、マツタケの魔獣は、一体だけではなかった。
確かに、複数いるとは報告を受けていたため、ある程度の覚悟はしていたものの、3メートル級のマツタケに見下ろされているせいで、みんな唖然としているようだった。
「ひょっとして、食べて欲しいの? この状況で、わざわざ姿を現したんだから、そう言う事だよね? だって、みんな……美味しそうだし!」
そんな中、エルシーがマツタケの魔獣を見つめ、ダラダラと涎を垂らしながら、瞳をキュピィーンと輝かせた。
既に、食べる気満々なのか、先程採ったばかりのマツタケを頬張り、何かに取り憑かれた様子で、マツタケの魔獣達をガン見していた。
「確かに、どれも美味しそうー♪」
その流れに乗るようにして、アルマも瞳をランランと輝かせた。
万が一の事を考えて、荷馬車を避難させているため、後はマツタケの魔獣を倒すのみ。
例え、どんなに強敵であったとしても、その後に御馳走が待っているのだから、まったく迷いがないようである。
「ピ……ピギャ?」
その事に危機感を覚えたマツタケの魔獣達が、ジリジリと後ろに下がっていった。
この流れはヤバイ、マジでヤバイ。
マツタケの魔獣的に、そんな考えが脳裏に過っているのか、あからさまに警戒しているようだった。
「……ここまで来たら、食べるしかないよね」
アルマがハウリング・オブ・ブルーフレアで、エーテルの波動を開放した。
「ピ、ピキャアアアアア!」
そのため、マツタケの魔獣達が、一斉に逃げた。
全力で逃げて、逃げて、逃げまくった。
そうしなければ、間違いなく食われるという実感があるのか、決して後ろを振り向く事が無かった。
「おい、待てよ。いまさら、何処に行く気だ? まさか、このまま逃げる気じゃねえだろうな? 今の俺は空腹の怪物だ、おら! てめーらも喰ったるぞ!」
すぐさま、アクロアイトがマツタケの魔獣達の行く手を阻み、飢えたケモノの如く勢いで飛び掛かった。
それに合わせて、フセインがアクロアイトのサポートするようにして、ダマスカス鋼の暗針Reでマツタケの魔獣達を牽制した。
「ピキィィィィィィィィィィィィ!」
その途端、マツタケの魔獣達が悲鳴にも似た鳴き声を響かせ、必死になって逃げ道を探した。
「おら、逃げるなっ! もっと食わせろ!」
だが、アクロアイトは決してマツタケの魔獣達を、逃がそうとはしなかった。
そこに追い打ちをかけるようにして、エルシーがマツタケの魔獣の逃げ道を塞ぐようにしてまわり込み、貫通衝撃射3でダマスカス鋼の矢にエーテルを籠め、鋭く射撃する事で指向性を持った衝撃波を放った。
「ほら、怖くない……怖くないよっ!」
アルマもイイ笑顔を浮かべながら、マツタケの行く手を阻むようにして陣取った。
「ピ、キュルルルルル……」
しかし、マツタケの魔獣達は知っていた。
自分達が、これから食べられてしまう事を……。
アルマ達にとって大事なのは、魔獣か、魔獣ではないか、ではなく、マツタケか、そうでないか、という事を……!
「まあ、観念する事ね」
その間に、フセインがマジックディソナンスを仕掛け、マツタケの魔獣に不可視のエーテルの波動を飛ばし、纏わりつかせる事によって、魔法に関する能力を衰えさせた。
それに合わせて、エルシーが重撃射でダマスカス鋼の矢の先端に、エーテルを収束させて解き放った。
次の瞬間、炸裂したエーテルが、マツタケの魔獣に纏わりつき、ネットリと動きを鈍らせた。
「このまま、こんがり焼いちゃうよ」
その隙をつくようにして、アルマが爆炎3で巨大な炎弾を放ち、マツタケの魔獣を爆炎で薙ぎ払った。
その途端、香ばしいマツタケのニオイがアルマ達を包み、何とも言えない幸せな気持ちになった。
「うららららら!」
それと同時に、アクロアイトがエーテルブレードで、エーテル光を鉄の大剣に纏わせ、マツタケの魔獣達の命を刈り取った。
そのため、マツタケの魔獣達は為す術もなく、肉の塊と化して息絶えた。
「それじゃ、ちょっと味見して見ようか♪」
そんな中、アルマが荷台に運び切れなかったマツタケの魔獣を捌き、巴屋の高級醤油を使って、網焼きし始めた。
「ん~、なかなかいい香り、これならさっぱりした柚子醤油で食べるのが美味しいかしら?」
フセインも、たいまつをバラして燃えやすい簡易焚き材にすると、生活魔法で火をつけ、マツタケの魔獣を焼き始めた。
「いや、このまま喰っても美味いな、これは……。噛めば噛むほど味が広がるし、普通のマツタケよりも美味いんじゃねーのか?」
その間に、アクロアイトが皿を用意し、焼けたばかりの肉を食べ始めた。
マツタケの魔獣は、野性味溢れる味わいで、肉を食べているというよりも、肉厚のマツタケを食べているような感じであった。
そのため、最初は味見のつもりで食べたはずが、あっと言う間に平らげ、幸せそうな溜息が漏れた。
「それじゃあ、後はウェーイさんに報告だね」
そう言ってエルシーが焼きたての肉をパックに詰め、幸せな気持ちになりながら、荷馬車を走らせるのであった。
マスターコメント
今回のプレイングは、どれも素晴らしかったため、僅差ではあるものの、MVPはフセインさんになりました。
ショートシナリオ普通 報酬:標準4 / 4〜8人
2021年11月29日 10時36分36秒 公開
大成功
相談掲示板
シューターのエルシーだよ!ヨロシクね。 松茸を持ち帰って良いか相談して、ダメって言われたらこっそり忍ばせる準備はOK 食べる事と持帰る事しか考えてないよ…後1名…後1名…一緒に松茸と魔獣も食べようー!
呼ばれて飛び出て〜 とりあえずアクロアイトと一緒に松茸食べたいなぁ〜と()
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー 4人そろってよかったー どっちのマツタケも美味しそうだし、どうやって食べるか楽しみだよ
松茸食べに来たぜ!!!(魔獣の事なんて考えてないお馬鹿参戦) …あ、ウォーリアのアクロアイトだ。 よろしく頼む!(涎拭きながら)
これで食べれるね~ ま・つ・た・け! ま・つ・た・け! あと4席あるよ~
ま・つ・た・け! ま・つ・た・け!
まっつたけ!まっつたけ!