素描~屋根の上の支配者

瀬川潮♭

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シナリオID:1628

オープニング

 エラトゥーン都市同盟の冒険者街は今日もにぎやか。
 その近くにある、どこかの商店街の一角で。
「あら? 帽子屋のご主人さんだわ」
 花売りの娘が通りの向こうから寄って来る男性に気付いてつぶやきました。
「え?!」
 その娘と談笑していた細身長身の三十歳代男性がギクリとします。
 男の名前は、ロデ・ラーク。冴えない風体の絵描きで、冒険者でもあります。
 ギクリとしたのはロデがその帽子屋に似顔絵師として雇われているから。店の近くで似顔絵を描き、帽子もあっせん。もっとも、帽子の売り上げに大きく貢献しているわけではありません。店主側から見れば、流れ者のロデを助けてやっているという側面が強いようですね。
「おおい……ロデさんや。ここにいたか」
 だもので、ロデとしては帽子屋店頭から離れすぎた場所にいたことに後ろめたさを感じていましたが……。
「申し訳ない、店主さん。活動範囲を広げすぎて……」
「そんなことよりロデさん、ちょいと頼みたいことがあってね……流れ者のカラスの被害に遭ってる商売仲間を助けてくれんか?」
 ようやくたどり着いたとゼエゼエ呼吸を整える店主。
「流れの者のカラス?」
 謝っていたロデ、改めて聞きます。
「そう。これまで見たこともない、赤眉のカラス数匹でな。ごみをあさる程度だったので放置してたが人を攻撃するようになったらしい。ちょいとそっちの通りで似顔絵仕事をしつつ、退治してもらえんか?」
 すでにそちらの商店街の路上で絵描き商売をする許可はもらっているそうです。
「追い払うのではなく、退治?」
 ロデ、確認。
「そう、退治。これまでは商店の男性が追い払っていたが、最近は若い男たちにも襲い掛かるようになったそうだ。いまは通りを歩く子供やお年寄り、女性なんかを狙ってからかうように襲って来ておる」
「……まあやってみますが、ことによったら冒険者ギルドを通して冒険者を雇った方がいいですよ、ソレ」
 ロデはやや難しそうな顔をしています。
「私も行くね。ロデさんだけじゃ襲ってこないかもだし」
 そのそばで花屋の娘がウキウキしています。
「危ないよ」
「ロデさんが守ってくれるでしょ?」
「よ、よし。花売りの許可も取っておこう」
 ロデを見上げて楽しそうに微笑む花売りの娘に、それでもいいと頷く帽子屋店主。
 こうして翌日から件の商店街に出張することになりました。

 ところが。
「襲ってこなくなったね、ロデさん」
「一匹始末したからかな? 俺がいるところでは屋根の上に隠れて姿も見せなくなった」
 屋根の上を見上げる花屋の娘に、帽子を目深にかぶるロデ。数日前、風のようにカラスに近付きナイフで仕留めた時とは衣装を変えていますが、赤眉のカラスたちにはバレているようですね。
「賢いのね……私たちのいないところには、すーって屋根の上から下りてきて悪戯するって話よ」
「俺たちがいればカラスは屋根の上。俺たちに警戒しているうちに、冒険者を多く雇って屋根の上で一気に殲滅してもらった方がいい」
 ロデさんはそう決心しました。

 このままでは屋根に上がって煙突掃除すらできません。
 三階以上の三角屋根の建物が連なるこの一角で、散らばって下の様子を眺めている赤眉ガラスを退治する冒険者を募ることになりました。
 どうか、街の不安を取り除いてください。
 うまく退治できれば、安全になったことをアピールするため商店街の広場で焚火をして通りがかる人に焼き芋を販売して、ちびっ子には無料でふるまうという計画もあるので手伝ったり一緒に味わうことができるでしょう。

解説

 屋根の上で赤眉ガラスを討伐してください。  赤眉のカラスは単独行動を好みます。  通りでロデと花屋の娘が目を光らせている間に屋根の上に登り、屋根伝いに移動しつつ赤眉ガラスを発見して退治してください。一般のカラスを追い散らす程度には強いですが、冒険者が戦えば楽勝でしょう。  ……屋根の上で発見し、逃げられる前に仕留められれば、ですが。  屋根に上がらずとも、ロデとは離れた場所で弱者を装い赤眉のカラスに襲われて迎撃することもできます。  参加者のスキルや得意な方法で退治してください。  一人一匹がノルマです。  終了してカラスがいなくなれば通りで焚火をして焼き芋を焼いて販売します。安全になった通りを、様々な人と喜びましょう。  冒険者には念のためにカラスに目を光らせる役割も期待されますので、大きな仕事となります。  販売重視か警戒重視か、プレイングに応じてさまざまな人から声がかけられます。街の人たちとの交流をお楽しみください。

マスターより

 ふらっと、瀬川です。  シティーアドベンチャーものです。  戦闘自体はあっさり終わりますが、屋根の上の雰囲気や接敵までの準備などを楽しむことができます。  その代わり、戦闘後の焼き芋での交流もあります。  街なかならではのシナリオをご堪能ください。

リプレイ

●屋根の上の世界
 きょうは天気も良く、ぽかぽかの陽気。
 お出かけ日和のはずなのですが、商店街に人はまばらです。
「以前は通りに人の多い時間帯なんだけど、最近は赤眉のカラスがこの一帯に集まって悪さをするからねぇ」
 通りのベンチに座っていたロデ・ラークがぼやきました。
「赤眉のカラス……よくいるカラスのアウトロー的ななにか? ですかね」
 隣に座る楓月・千弦が、膝でもきゅもきゅ何かを食べているペットの栗鼠「クノキ」を撫でながら言います。
「そうだと思う……ところで、今日ハヤテは?」
「どこかでお留守番です」
 千弦はにこやかに返答。ハヤテは千弦の別のペットのようですね。
「じゃ、ロデもお留守番、お願いしますね」
 立ち上がり屋根の上に登るべく、近くの建物に向かいます。
「クノキは通りを見張ってね。見つからないように」
 ペットがちょうどカラスにとって食べごろサイズなこともあり、しっかり言いつけて通りを任せました。
 そのクノキ、さっそく物陰に隠れます。
「そうそう。カラスは賢いからね」
 千弦、にこり。

 このころ、アリエッタ。
 どこかの建物の中を移動しています。
「ここが屋根裏部屋の倉庫、と……。へー、結構きれいに整頓してるねー」
 猫のハーフビーストらしく、足音も静かに部屋を横切ります。置かれた品物をきょろきょろ見ながら、いま、窓を開けました。
 薄暗い部屋に差し込む陽光に手をかざしながら、窓枠に足を掛けます。
「よいしょ」
 踏み越えるとそこは、屋根、屋根、屋根。
 そして上には青い空しかありません。
 日差しはやわらかく、ぽかぽか。
「わー、気持ちいいね」
 これが屋根の上の世界です。

 おや。
 一足先に屋根の上を満喫している仲間もいますね。
「ん~、むにゃむにゃ」
 屋根の上に丸まって寝転がり、猫耳ぴくぴく。しっぽは気まぐれに、ふりん。
「ぽかぽか陽気の日は屋根上でお昼寝が最高……」
 猫系ハーフビーストの甍・ヒネモスです。現場に先乗りして気持ちよくお昼寝をしていますが……。
 ――こちん。
「ん?」
 屋根に何かが当たる音で目覚めて周囲を確認すると、向こうの屋根にアリエッタがいるではありませんか。
 どうやら目覚まし代わりに小石をあそこからこちらに投げたようです。
 指差す先を見ると、赤眉のカラスがぼちぼちとこの一帯に寄ってきているようです。ばさばさ、がーがー。
「幸せなお昼寝の時間を邪魔する黒い連中、カラスは大嫌いー。嫌い。嫌い」
 むー、と甍が唇を尖らせたときでした。

「わあっ、いい眺め」
 別の建物の屋根裏部屋からララベル・サン・ディーベルが出てきました。
「ええと……煙突掃除に人たちはまず何をするんだろう? 準備運動かな?」
 おいっちにー、さんしー、と屈伸運動を始めます。
 その時、周りにアリエッタと甍がいるのを確認。二人とも目を丸くして不思議がってますよ。
「あ、ほら……賢いみたいだし、警戒されないようにしなくちゃ」
 わたわたと言いわ……自らの配慮ある行動の正当性を主張します。なお、大声ではなく清掃員に扮した自分の衣装を指差すゼスチャでアピール。ちゃんと警戒されないよう隠密性にも配慮しています。
 なお、これを見た甍はちょっと考えます。
「……私が居たら隠れて退治する二人の邪魔になるかな?」
 そうつぶやいて屋根裏の窓から身を引きました。
「あら?」
 そこでちょうど上がってきた千弦とすれ違います。どうしたの、視線で問いかけました。
「私が居たら隠れて退治するシーフ二人の邪魔になりそうだからね」
「確かにあの手のカラスは賢いですし目も良いですが……」
 そんな会話を交わし、交代。千弦が屋根裏部屋の窓枠に足を掛けます。
 その千弦。
「見られて距離を取られないように……よし」
 武器をしっかり隠し、いざ屋根の上の世界に。

●屋根の上の戦い
 したた……と屋根の上をララベル、アリエッタ、千弦が走ります。
 ――ぴた。
 おっと。
 アリエッタだけが止まって煙突の影に隠れましたよ?
 身を隠した向こうには、赤眉のカラスが屋根の軒先に止まっています。アリエッタの隠れた建物の、通り並びの別の建物です。鴉は下の通りを見ているので気付かれませんでしたが正対しているので、そのまま進んでいたらたちまち気付かれていたでしょう。アリエッタさんは隠れるしかなかった、とも言えます。
 これにララベルが気付きました。
「そっちだね、アリエッタ」
 三角屋根の反対側に移り身を隠すとそのまま前進。並んだ屋根を飛び越えカラスのいる建物を通り過ぎ回り込みます。

 これらの動きに千弦も反応します。
「一応、逃げられたときに備えておきましょうか」
 千弦も三角屋根の反対側の斜面に位置を変えます。これでカラス側からは死角になりました。気にせず移動ができます。バランス感覚が良く、平地と同じような移動速度を保っていますね。
 でも、アリエッタのように大きく回り込むことはしません。
 カラスが見える位置に身を隠し、右手側にいるアリエッタと反対に回ったララベルの攻撃を待ちます。
「あ!」
 ここで気付きました。
「あのカラスの向こうに、もう一匹いる」
 三角屋根で死角になってたのは千弦たちばかりではなかったのです。いま狙っているカラスのいる建物の向かい側の建物――つまり、アリエッタの隠れている建物の三角屋根の反対側の軒先に、もう一匹いたのです。
 もしも狙っているカラスを攻撃すると、その一匹は逃げてしまうでしょう。
 ララベルもアリエッタも、死角に潜んでいるので状況に気付いていない可能性が高いです。そうなるといくら早い攻撃を仕掛けても、標的が離れているため近接攻撃では逃げられてしまうかもしてません。
 確実に二匹仕留めるには、標的二つを視野に収めていて弓を持つ千弦が射止めてしまうことです。
「仕方ないですね。二人には悪いけど……」
 私がやるしかなさそうね、と弓を構えようとしたその時でした!
 ――ばさっ、ばさっ。
 突然、別の建物の屋根に新たな赤眉のカラスが飛来したのです。ちょうど、千弦が寝そべって身を隠している側が丸見えになる位置関係。なんという間の悪さでしょう!
「え?!」
 千弦は音で気付き、振り返りました。
 カラスは、着地して腰を据えるつもりの軒先に止まって初めて、千弦の存在に気付いたようです。
 完全に、双方予期せぬ遭遇。
 幸いなのは弓の射程内ながら距離があること。
 動けば、逃げられる。
 動けば、撃たれる――。
 どちらも軽率に身動きができない状況に陥ってしまいました。

 時は若干、遡ります。
「カラスの背中側だからこれで安心だね」
 ララベルはそう呟くと、三角屋根の反対側に移りました。カラス側ですがこちらを向いていないので大きな音さえ立てなければ気付かれることはありません。
 それをいいことに……。
「やあっ!」
 なんと、通りを挟んだ反対の建物にジャンプしたのです!
 いくらなんでも飛び移るのには幅がありすぎですが……。
「はっ!」
 ――したっ!
 なんと、建物の壁に対し垂直になる姿勢でしました。同じ高さには無理な幅でも、真・壁歩きにより無事に到達することができました。
 それだけではありません。
「カラスは……逃げてないね」
 壁で死角になっているため隠密状態。
 さらに壁を移動し、すぐ近くまで移動。軒で見えない位置でも透視ができる位置まで近寄りました。
「あ! もう一匹いる!」
 この位置まで来ると、千弦の気付いたカラスにも気付きました。
 二匹を連続して倒さないと逃げられる状況。
 それでもララベルは意を決しました。
 時はちょうど、千弦が新たなカラスに気付いた直後です。

「いくよ」
 ララベル、自分に言い聞かすと疾風足で一気に屋根の上。カラスも気付きますが……。
「お前達は調子に乗りすぎたんだ……喰らえ、烈風三連突き!!」
 両手の細剣をリズムよく繰り出し、慌てて翼を広げたカラスを倒します。
 さらにもう一匹も気付いて飛び立ちました!
 このとき、ララベルは三連突きの最後の突きでもう一匹が逃げようとする方向へ行く姿勢を見せています。
 だから、余裕をもって敵を見逃します。
「アリエッタ、そっちに行ったよ」
 敵はララベルの追撃を嫌って反対方向に――アリエッタの隠れている煙突方向に向かったのですから。
「ようやく出番」
 煙突から飛び出た影は、猫耳に猫尻尾。
「この程度じゃ踊り足りないよね」
 短剣を振るい交錯際にカラスを斬り落とし、背中越しに笑みを見せます。
 その立ち姿は、ダンスを踊った後のように決まっていますね。しっぽも、ふりん。

 一方、千弦。
「はっ!?」
 時は止まっているようにカラスとにらみ合いをしていましたが、背後でララベルが動いて状況が変わりました。
 カラス、飛び立ちます。
 ララベル方面はカラスの方が良く見えます。
 このため、千弦は後手を踏みました。
「射程外に行く前に何とか」
 精密射撃で狙います。
 が、外れました。カラスは賢く、遠ざかる飛行を見せたあとに斜行して斜線をずらしたのです。
 明らかに経験豊富。
 それだけいたずらや悪さを繰り返しているのでしょう。
 しかしこの動きが千弦の義憤を呼び起こしました。
「……酷いようだし、駆除しないとね」
 すうっ、と立ち位置を変えてラピッドショット。離れてくカラスを撃ち落としました。
 なお、カラスは三角屋根に隠れる方向へと突然向きを変えたのですが……。
「クノキに感謝しなくてはね」
 読み切った理由は、通りに放ったペットの動きにあったようですね。

●屋根の下の戦い
 一方、甍は屋根の上から下りて通りに戻っていました。
「別にねー、ちょっかい出して来ない穏便なカラスは別に良いんだけどさー」
 両手を頭の後ろで組んで歩きながら、小石をこつんと蹴とばします。
 でも、すぐにたちどまりました。
「赤眉カラス、お前らは絶対にダメだっ!」
 拳を固めて義憤を燃やします。
 というか、どうやらさっきのお昼寝も赤眉カラスが来たから邪魔されたようなもんですよね?
 え、それは違う?
「屋根の上の、もとい街の平和のためにご退場してもらわないとねー。この世から」
 あくまで私憤ではなく義憤のようですが……。
「……ンフフフッ」
 あー。
 なんか顔の表情がアウトです。
 世界が世界ならおまわりさんこっちです、とかいわれそうな表情です。
 おや。
 近くに子供連れの親子が……。
「おかーさん、猫のおねーさんが……」
「見ちゃいけません!」
 ほら。なんか言われちゃってる。
 閑話休題。

「おっと。『ザ・弱そうな老人』はもうちょっとよたよたしてないと」
 甍、本来やろうとしたことに目覚めたようです。
 全身が隠れる草臥れた感じのローブを着て、片手に杖をついてヨタヨタと歩きます。
 でも、そんなのでカラスが襲って来るのでしょうか?
「そうそう。仕上げはこれで、と」
 ローブの下から、キラっとした光物を取り出します。
 なんともカラスの啄みやすような、ちょっと大きめの指輪です。
 その瞬間でした!
 ――ばさーっ!
「いきなり釣れたか?」
 振り向くと、滑空している赤眉カラス。狙いは掌にのせた指輪。
 襲って来る方向さえ分かれば後は攻撃を合わせるだけです。
「てめぇらに今日を生きる資格はないっ!」
 ローブを翻し、超神剣爆殺無双大王でバッサリと返り討ち。
「……ンフフフッ」
 再びアレな表情をしてからザ・以下略な変装に戻りますが、二度とカラスは釣れなかったようです。

●焼き芋と平和
 冒険者が赤眉カラス多数を狩った、という情報は通り中を駆け抜けました。
「もう安心だから、どうぞゆっくり買い物をしていってください」
「ほら、焼き芋だよ。一人一つまで振舞うから楽しんでいってくれ」
 商店主たちが広間に繰り出し焚火をして芋を焼き始めた。
 周りには飲み物屋台が立ち、軽食屋台が立ち……。
「私たちも便乗♪」
「ま、警備も必要だしね」
 花売りの少女と似顔絵屋台のロデもちゃっかり開店。
 ロデはちゃんとカラスを警戒していましたが、どうやら本当に気配はありません。安心してよいようです。

「もう大丈夫だからゆっくりしていってくれ」
「ほら、焼き芋を持っていくがいい」
 退治に参加した冒険者も商店街の歓待を受けています。
「恩人だからいい服を安くしとくよ」
 甍、そう声をかけられました。
「あー、そういやそのままだったか。いや、いいから」
 変装したままだったことに気付き普段の衣装に。
「上品な肌着もありますよ」
「え?! いや、いい」
 普段着姿を見た下着屋の女主人に声をかけられた理由は……本人のみぞ知る、というところでしょうか。

「よかったね。これで安心して煙突掃除ができるね」
 ララベルはそう声をかけられます。
「いや、煙突掃除やじゃなくて冒険者だから。赤眉のカラスを倒したから!」
 やっぱりララベルも変装したまま。わたわたしながらもそういわれた理由に気付き変装の衣装を脱ぎます。
「おお、頑張ってくれたね。ありがとう。焼き芋でまずは腹を満たしてくれ」
「美味しそう……あちっ」
「確認しないとやけどしちゃうよ?」
 素直に手を出してやけどしそうになるララベルに、慎重に受け取るアリエッタ。
「ごめん……屋根の上にいたからうわの空で……」
 そう誤魔化すララベルに、商店主たちはどっと沸きます。

「クノキ~?」
 千弦はペットの名を呼びつつ通りを歩いています。
 すると、樽の影から栗鼠が出てきてぴょんと千弦にダイブ。
「ようやく見つけた。無事だったようですね」
 クノキを抱いてねぎらいます。
「ようやく見つけた。商店主たちが感謝したいって」
 そのへ甍が。焼き芋を見せて背後を指差します。
「千弦、あっちで焼き芋がもらえるよ」
 途中でララベルとアリエッタにも出会います。
「おお、ありがとう。ささやかだが、まずはこれを味わってみんなで喜んでいるところだ……お連れさんにも、いるかい?」
「もちろんです。……クノキ、食べれる?」
 千弦に聞かれたクノキ、鼻を上げてコクコク。
「それじゃ」
 1個丸々あ立ててねぎらいます。
「うまくいったようだね」
 寄ってきたロデが聞いてきます。
「ええ。この子のおかげです」
 千弦、クノキをもふもふ。近くのちびっ子から「わー」と羨望の眼差しを受けながら。

「美味しいね……アリエッタ」
 ララベルはぴとっとアリエッタに寄り沿いながら。少し寒くなってきた季節ですから距離も自然と近くなります。
 二つに割った金色の芋からはほこほこの湯気が立ち上ります。
「はい、あーん」
 二人で温もりを感じながら――。

「いやぁ、一仕事終わった後の焼き芋は最高だね」
 甍は結局、屋根の上。
 もぐもぐしていると、小鳥が寄ってきました。
「そうか。……もう安心しな」
 少しだけ、分けてやるのでした。

 こうして赤眉カラスの脅威はなくなりました。
 人も栗鼠も小鳥も、もう安心です。

マスターコメント

 皆さん、お疲れ様でした。  さまざまな工夫、ありがとうございました。これで商店街に賑わいが戻ります。  特に、あっという間に近寄られる恐怖をカラスに与えたのは大きいと思われます。他にいたとしても、これまで通りに我が物顔はできないでしょう。  ご参加、ありがとうございました。
ショートシナリオ

ショートシナリオ普通 報酬:標準4 / 4〜6人

2021年11月30日 11時25分09秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. 甍・ヒネモス

    やっほー、イラカだよ。 よろしくね。 ついに屋根の上の支配権をかけた カラスとの最終決戦が始まるようですが、焼き芋は食べたいね?

  2. 楓月・千弦

    シューターの楓月・千弦です。 よろしくお願いします。 警戒心の強いカラスたちの様ですから、飛び道具は見つからないように使わないと。 残りに逃げられてしまいそうですね。

  3. 甍・ヒネモス

    カラスと言えばキラキラな光り物を回収する癖持ちー。 なので、なので。 私は取りあえずキラキラな金属片かガラス片を持ってシーザーロアかな。 誘き寄せて攻撃ー、みたいな感じで?

  4. アリエッタ

    シーフのアリエッタ。 よろしくね。 ララベルと一緒に頑張るよ 焼き芋楽しみ♪ 鴉には気配消して近づいて仕留めるつもり。

  5. ララベル・サン・ディーベル

    僕はシーフのララベル・サン・ディーベル。 みんな、よろしくね! 上手く見つからない様に近寄って、倒せたらって僕も思ってるよ。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0