【竜盤】路傍の石
馬車猪
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シナリオID:1566
オープニング
金、美、知、武。
いずれも人生どころか魂を差し出す者が続出する魅力的すぎる力だ。
そして今日も、魅入られてしまった子供達がいた。
●
「軍は負けても俺は勝ちってね」
シュメルツァ占領軍に所属していた、もとはただの傭兵が重い包みを抱えている。
占領中に住民に難癖をつけて取り上げ、冒険者に城壁を奪還された時点で持ち逃げした盗品だ。
母から娘へ、あるいは代替わりの際受け継がれるはずだった品々はどれも非常に凝っていて、ドワーフ王国の外へ持ち出せば高値で売り飛ばすのも容易なはずだった。
「へへっ。何も獲らずに逃げてる馬鹿がいやがるぜ」
既に山向こうに消えようとしている小集団に気付き、盗人は顔を醜く歪めて高笑いをする。
圧倒的な速さと持久力を誇る冒険者に捕縛される、1分前の光景であった。
「何十年経っても負け戦は変わらないか」
外見は若く、しかし目は老いるを通り越して死体じみて生気のないロード種ゴブリンがつぶやいた。
「ダンナなら勝ち戦ばかりな気がしますがね」
熟練傭兵は2日分の水食料だけを携帯してゴブーナに着いてきた。
金銀も商売道具にして財産である甲冑も捨ててきたが後悔はない。
今ここにいない同業者は、冒険者に捕まらなくても怒り狂った地元民に襲われるか野獣に食い殺されている。
「私は負け戦ばかりだよ」
「そんなもんですか。名残惜しいですが俺はここまでです。次は、できれば会いたくないですな」
傭兵に熟練するほど長く生きたから分かる。
ゴブーナは人非人だ。
強くになる可能性がある人間には甘く、それ以外は道具とすら思っていない。
「な、なんだよおっさん、だらしねぇなっ」
熟練傭兵より若いのに今にも気絶しそうなほど疲れている子供達がいる。
ゴブーナの武力に魅せられてしまったシュメルツァの子等だ。
授恵者ではある。
しかし冒険者と比べると才能はないも同然だ。
ゴブーナから向けられる視線がゴブーナが見捨てた盗人へのそれと変わらないことに、子供達だけが気付いていない。
「まあ俺も歳だからな」
懐に隠した貴重な宝石の位置を直して最後の休憩を終える。
(俺も若いときにダンナに会ってたら弟子入り志願してたのだろうかね)
ゴブーナの強さは本物だ。
高回避の相手は苦手だが、それ以外は圧倒的な物理攻撃で肉片に変えてしまう。
だが情がない。
これと比べれば、メルトウォールの連中の方がまだマシだ。
「あばよおっさんっ」
1番元気な子供が精一杯悪ぶろうとしているが、育ちの良さを隠せていない。
そんな全てを認識した上で興味を示さず、ゴブーナは冒険者のことだけを考えていた。
●
「殺せ! 1匹も逃すな!」
厳しくはあっても敵に対して残虐でも冷酷でもないはずの老将が、勝ち戦であるのに追い詰められた表情で吠えている。
「将軍っ」
「メルトウォールの本隊に合流されたらどれだけ被害が出るか分からん」
正しくはあるが本音ではない。
老将の頭にあるのは、かつて大量に殺し、今もその性根が変わっていないゴブリン1人だけだ。
副将は老将を止めたいのに止めるための言葉が見つからない。
冒険者が重要拠点を奪還した都市を完全に取り戻すため、追撃にしか目を向けなくなってしまった老将の代わりをする必要もあるので時間的余裕もない。
伝令が来る。
「何だと? 確かか」
「はい、例のゴブリンについて街を出た子供が数名いると。名前までは分かりません」
「十分だ」
副将は伝令に、老将には伝えないよう念押しする。
老将の異常に気づいた伝令は、一瞬戸惑っただけで深くうなずいていた。
●
スキルを使わず野犬を殺せ。
ゴブーナが弟子入りの条件として命じたのはそれだけだった。
「なんでぇっ」
「師匠へ弟子入りするためだろうがっ」
死への恐怖とこれまでの疲労で、剣の精度は普段の数割減だ。
しかも足場が酷い。
急角度の岩肌は気を抜けば転倒して数十メートル下まで転がり落ちてしまいそうで、この場所に慣れた野犬に速度で負けてしまっている。
う、と悲鳴が漏れる。
背後からふくらはぎに噛みつかれ、授恵者の生命力で耐え反撃するが剣は空振りして剣先が地面に当たって弾かれる。
野犬は深追いはせずに一度後退して、得物が疲れて戦えなくなるのを待っている。
最初からゴブーナに見限られていることも、ゴブーナが間道を使ってドワーフ王国から離れつつあることも、子供達は全く気付いていなかった。
●
「自らの意思で剣をとった以上、自らの決断に責任をとるのは当然だ。だがまだ子供なのだ。命だけは救ってやって欲しい」
副将は、こっそりと冒険者に依頼していた。
解説
マスターより
リプレイ
エーテルリンク済みのゴリラは冒険者に匹敵する頑丈さで、危険な木や枝や岩肌に耐えて進み続ける。しかも冒険者の倍近い速度でだ。
「え」
野犬に何度も噛まれ、死への恐怖で目と鼻から水を流していた少年が驚き目を見開いた。
鋭く不潔な牙が噛みつく。
少年は悲鳴をあげ、しかし授恵者の強靱な体は死ぬことを許してくれない。
「自らの意志に基づく行動には、相応の責任が伴う。それは確かにその通りですが」
キリアン・フィッツジェラルドは本来の速度を出せていない。
既に数百メートル先行したゴリラが固く鋭い岩で負傷するたびに、自らにヒールを使うことで共有した命を回復させているからだ。
「防御集中をー!」
叫ぶコルリスはゴリラとキリアンの中間あたりを駆けている。
大声を出す程度ならあまり速度は落ちない。ゴリラが速すぎるのだ。
「分かってないのっ?」
子供達は途惑っている。
コルリス達冒険者にとっては常識以前の知識と技術でも、彼等にとっては未知のものだ。
師匠は何も教えていないのだから。
「こうするのっ」
一塊の石を削りだした様な質感の、非常に重そうな突撃槍をわかり易さ最優先で動かす。
腰が退けた子供から見れば格好良くない姿勢だがここまですれば馬鹿にも伝わる。
喉を犬に噛みつかれる寸前だった少女が、滅茶苦茶な使い方で刃こぼれした剣での防御でぎりぎり耐えた。
「スキルが使えるなら使って生き残れ~。ゴブーナさんはもう逃げたから」
「師匠は逃げるなんてっ」
「現実みろー!」
コルリスは尖った岩の上で器用に急停止。
直線距離で20メートルほどの、地面に沿って移動すれば50メートルほどの距離にいる野犬群と子供達に狙いを定める。
「ゴブーナなんて、ここにはいないっ」
見事な投球フォームから投げるのは複数の干し肉だ。
ちょっと奮発して買った良い匂いのするそれはくるくる回りながら少し狙いがずれて、1番元気そうな少年の頭にぶつかり野犬の群れの中へ弾かれた。
血は流れていないが熟成済みの肉だ。
餓えた野犬の2割程度が奪い合いを初めて少年少女への圧力が減少した。
大柄なゴリラが大きく息を吸う。
拳に力を込め、分厚い胸板を勢いよく叩き、重厚な音にあわせて強い気配を周囲へ放つ。
授恵者に牙を埋めている犬ですら最大限に警戒せざるを得ない、野生の威圧である。
(ありがとう)
キリアンは献身的な部下に礼を言う。
移動できないため野犬からの攻撃を受け易くなっている。
つまり非常に狙い易いということだ。
急斜面で複雑な風の流れを音で把握し、エーテルを込めて輝きだした矢を素早く狙いをつけて放つ。
矢は直接は当たらない。
途中で弾けて光の破片に変わり、岩の陰や人の陰にいない野犬の多くを容赦なく切り裂き流血させた。
ひ、と少年少女から悲鳴がもれる。
他者の痛みへの共感は素晴らしい能力だが、自らの命がかかった状況で共感しすぎてしまうのは致命的な欠点だ。
大量の血を流す野犬が、失った血を取り戻そうとするかのように無防備な体に飛び掛かった。
「させないっ」
コルリスの槍から光が伸びて巨大な光塊になる。
全長5メートルなど軽々越えて、しかし魔法攻撃力は槍本体と変わらない。
槍を振る速度で大きな光を戦場へとぶつける。
もはや蹂躙だ。
直径15メートルの範囲にいた犬は、痛みをほとんど感じる間もなく死体に変わった。
「師匠は強いんだっ」
少年が現実から目を逸らして叫ぶ。
武という力に魅了された彼は、このままなら助かったとしても親族が泣く未来を辿るはずだった。
「大丈夫ですか!」
おふぁ、と間抜けな声が少年単独ではなく少女からも漏れた。
色っぽい話専門の吟遊詩人が歌う場合でもリアリティを考えてもう少し控えめにするだろう豊穣の恵体が、非常に生命力豊かな上高位授恵者らしい身体能力と体術で跳躍する。
「危ない!」
シルク・メイプルリーフはゴリラと手分けをして子供達を庇う。
りりしさと元気さと色気が見事に調和した横顔に、少女ですら見惚れ、直前まで力に魅せられていた少年は性癖が歪む水準で影響を受けていた。
(もとの能力が低いからバフは不向きですか。なら)
シルクは野犬を攻撃せずヒールを連続行使し、若すぎる授恵者が倒れる未来を遠ざけた。
「犬はまだいます」
キリアンもゴリラも警戒を止めない。
探知用のエーテルの波動を飛ばす。
ゴリラははっとして振り返る。キリアンは弓による圧倒的射程と炸光矢による範囲攻撃で以て、人間の子供への食欲を隠さない野犬の群れをまとめて攻撃。ゴリラはさすがは飼い主という表情だ。
シルクは子供達を順々にハグしてヒールでは癒やしきれない心を癒やす。
しかし野犬の末路は隠さない。
冒険者がいなければこうなっていたのは子供達だ。
頭だけでなく心と体に刻みこむ必要がある現実であった。
●
ハルハン・ツァガーンナルは野犬の口を注視している。
ツァガーンナルなら威圧するだけで追い払える相手だ。
血に餓えている訳でもゴブーナのように壊れてもいないツァガーンナルは、逃げる野犬を殺そうとまでは思わない。
だが、人間の血の味を覚えてしまっている個体は別だ。
「此処から先は、ボクが相手です!」
重装備のため移動速度は低いが短時間ならエーテルで補える。
全てダマスカス鋼製の鎧と盾とハルバードを構えたまま加速。
最も逃げるびる可能性のあった若い犬を真っ二つにする。
急斜面を転がり落ちる残骸が不気味な音を立て、しかし野犬は怯えはするが生きることを諦めない。
ツァガーンナルがこくりとうなずく。
ゴリラが一度大きく腕を広げてからドラミングを再開して片方の退路を断つ。
「野犬の群れは怖いです。でも、それ以上に、ボク。怒っていますから!」
そしてツァガーンナルの構えが移動優先から迎撃優先に変わる。
いつもは丁寧な態度で可愛らしくもある白い熊耳とふわふわ白毛の四肢が、ツァガーンナルが放つ野獣を通り越して魔獣じみた殺気により狂暴な熊の一部に見える。
野犬は動けはする。
しかし逃亡するより前に、攻撃するよりも前に、まずツァガーンナルが向ける殺意に耐えてその場を突破するしかない。
結局動けたのは11頭のうち3頭のみ。
狙いは正確で、2頭で左右の足首に噛みついてもう1頭で首筋を狙う連携だ。
が、足首の強靱な装甲に跳ね返されて牙を痛め、最後の1頭は恐怖で狙いが外れて胸に当たって揺らすこともできずに装甲に沿いずり落ちる。
「ボク自身、まだ未熟ですけど」
思考は冷たく。心は熱く。
「力に魅入られたなら、それを塗りつぶす勢いで、魅せてあげましょう!」
他者のために危険を冒して刃を振るう、外道とは別の形の武を魅せる。
全長約2メートルのハルバードがエーテルを纏い、必要以上の痛みも苦しみの与えることなく人の味を知った犬を切り裂き致命傷を与える。
ツァガーンナルは大きく息を吐く。
するとそれまでとは別人のように穏やかな表情になる。
「よく見て、覚えていてください。命のやり取りをするなら、生きるために最善を尽くすのが、冒険者です!」
暖かな笑顔で、緊張していた子供達を安心させることに成功した。
「よく頑張りました。エライ!」
体を張って怯えた子供を慰める人は少数ならいるかもしれないが、体を張っているのに下心のない人間はシルクを含めて極々少数しかいないだろう。
つまり、彼女ほど罪作りなひとに出会うと新たな性癖に芽生える犠牲者が出るということだ。
「チョコレートバー。食べますか?」
ツァガーンナルはもので釣るというより必要なものを優しい形で差し出している。
「お腹すいてると思って。食べたら、ボク達と一緒に帰りましょうね」
強さと穏やかさを兼ね備えた長身と、優しげな微笑みと甘い食べ物。
ツァガーンナルの印象は守護者である優しい女性であり、2人いる少女は何年かかっても彼女のようになろうと心に決めた。
「さて落ち着いたかな?」
子供達が喉の渇きを自覚したタイミングで、コルリスが薄塩水入り水袋を渡す。
「君たちは今回判断が甘かったね~。折角生き残ったのだから軍に保護して貰う方が安全だよ。もしかしたら将来訓練してくれるかもしれないしね」
具体的な今後が示されたことで、子供達の顔色が戦闘中とは別の理由で悪くなる。
「うーん。今はどこも人手が足りませんからね」
シルクは甘やかし2週目を開始した。
「家が無いようなら教会を紹介……いえシュメルツァの宗教施設に話を通してもよいですけど」
繊細な問題だ。
一度関わった以上突き放す気はないけれど、良識と予算と専門家に余裕がある組織に頼るのが誰にとっても良い展開なのだ。
「まあ急ぐことはないですよ。みなさんには時間があるんですから」
今回人生から転落も裏街道へ転落もしていませんしねと内心考えてはいたが、子供を怯えさせないよう顔には出さなかった。
●
「ガキ共は他の冒険者が助けに行ったぜ」
ハヤト=ガラン=ヴォルファングが投げつけた言葉の返事は、嘘偽りでなく戸惑う気配であった。
「そうかよ」
長時間の全力疾走で体は軋み息もなかなか元に戻らない。
だが心のむかつきに比べれば無視できる不具合だ。
「以前は、女子供を保護する様な素振りだったがな」
「子供はいいぞ」
ゴブーナは穏やかに微笑んではいる。
しかしそれは、子を持つ母の顔とも後輩を見守る先達の顔とも全く違う。
「私と違って可能性しかない。可能性は低くても……いや」
口元がほころぶ。
憧れと嫉妬と渇望が混じりすぎて本人にも何の感情か分からなくなった、どろどろとした感情だ。
「今の時代は強くなり易いようだ。私の世代よりずっと強く……」
「もういい」
ハヤトは鼻から意識を外す。
追跡の際には役には立ったが、禍々しい本音しか口にしていない同族を感じるのは苦痛に過ぎる。
ゴブーナは、死ねと命じたことを勘違いではなく軽く考えている。
あの程度で死ぬなら価値がないと、極自然に思っているのだ。
「てめぇ、そんなザマで何を求めて戦ってやがる」
初撃から全力だ。
籠手と具足に埋め込まれた爪牙で狙うのは全て急所。
軽装の防具しか身につけないゴブーナには良く通るはずなのにあまり効かない。経験も積んだ業もまだ差があるのだ。
「退け腰だね?」
「てめぇの戦い方にあわせてヤってるんだよ!」
反撃のハンマーは重いが遅い。
ハヤトは物理攻撃と命中を犠牲にして回避に集中することで、軽い攻撃を一呼吸のうちに連続で当てつつ敵の攻撃を躱し続ける。
「まぐれ当たりは防げないというのに」
「そりゃてめぇならだろ」
神眼法・改でも敵のクリティカルは防げない。
ゴブーナがじっくり狙ったとき躱せるだけだ。
それでも他の戦法よりは勝率が高い。
「俺とは価値観が相容れねぇみてーなんでな……ここで決着つけさせて貰うぜ!」
飛び抜けて強いか、飛び抜けて強くなる可能性のある者を除き、ゴブーナは同じ生き物とすら思っていない。そんな強者を、しかも同族を放置する訳にはいかない。
血が流れる。
流れているのはゴブーナの血だけだ。
それでもハヤトは、自身が優位とは全く思えなかった。
●
「アナタが本当の事を言ってくれるなら、ワタシの食料と水もあげるよ。でも、嘘を吐くなら」
トゥーリが本格的に脅す前に、熟練の傭兵が手のひらを開いて抵抗の意思のないことを示す。
「若いゴブリンのにーちゃんもゴブーナの旦那を追ってったぜ」
1人で行かせたのはひょっとして謀殺か何かかと、冒険者という新たな強者を計る視線を向けてきていた。
「っ」
水袋と干し肉を投げつけ、示された方向へ全力へ駆けていく。
「あの化け物も若いときはあんな感じだったのかねぇ」
冒険者畏怖はあっても侮りはない。
傭兵は肩をすくめ、冒険者とも化け物とも違う方向へ逃げ、二度とドワーフの国に足を踏み入れなかった。
●
意識が途切れていた。
強すぎる痛みと衝撃で麻痺した感覚だけがある。
「ゴブーナ!」
トゥーリの怒声が聞こえる。
俺は無事だと言おうとしても、ハヤトは指一本動かせない。
「彼は無事だよ」
よいしょとかけ声をかけて立ち上がる。
ハヤトの腕から肩にかけての傷は清潔な糸で縫っておいたので回復特化ヒーラーに見せるまでは持つだろう。
「ヒールは苦手でね」
血管まで見える首の傷も、内臓が零れる直前の腹の傷も、包帯で雑に今固定する。
明らかにハヤトより雑な扱いだ。
「立ち去るなら深追いはしないよ!」
トゥーリは子供を助けるためにバフは使用済みで、回復もハヤトを全快させるには足りない。
しかし命中が低いゴブーナが相手なら回避が高いトゥーリは有利に戦える。
一対一でラッキーパンチがあり得るチキンレースをするつもりはないとはいえ、十分取り引きが成り立つはずだった。
「お前達」
気配が一変する。
傷だらけの腕でハンマーを高速で振るい、トゥーリを狙おうとしていた弓手を衝撃波のみで打ち倒す。
「迎えなら無用と言ったぞ」
長時間全力疾走して師を迎えに来た授恵者達が、矢から手を離してゴブーナに対してひざまずく。
トゥーリは一転して数的不利な立場になった。
けれどゴブーナの考えが分かってしまうので、怯える気も怯えたふりをする気にもなれはしない。
「今はまだアナタの事しっかりと分かってないけれど!」
少年少女に対する惨い仕打ちを知った今でも、己とゴブーナとの間に共通する要素を感じている。
善悪で隔絶しているのに、授恵者としての高い素質や環境など気味が悪いほど近い。
「ワタシは被差別種族である自分らの境遇を変えるために授恵者をやっている。アナタは?」
「ゴールディを飛び出した頃はそんなことも考えていた気がするよ」
思い出すのも大変で、思い出しても感情が伴わないただの記憶だ。
「私の目的は強い授恵者になることさ。この歳まで頑張っても上には届かなくてね」
「だったら! 冒険者をすることだってできるでしょ! いくらでも戦えるんだから!」
「それができれば良かったんだが、殺しすぎて捕まれば死刑なんだよ」
良心の呵責が感じられない大量殺人者の言葉と声を聞いて、トゥーリは誘いを一切止めた。
ハーフビーストの地位向上目指すトゥーリにとって、絶対に親しくしてはいけない相手だからだ。
「逃げられると思う? 将軍さんは部隊を連れて追って来ると思うよ」
ハヤトを回収してから魔矢をちらつかせる。
ゴブーナに対してというより、その信奉者に対する威嚇だ。
「冒険者ではないなら正面から戦うつもりはないよ」
部下達はトゥーリよりずっと下だが兵士や少年少女よりずっと上だ。ハンマー持ちは1人もいない。
「また会お……また会いに行くよ。ガランの若人にもよろしく伝えておいて欲しい」
彼女は冒険者しか見ていない。
遠ざかる背中は、どこまでも禍々しかった。
マスターコメント
ショートシナリオ難しい 報酬:標準6 / 4〜8人
2021年11月07日 20時28分05秒 公開
参加者
相談掲示板
No.1
シスターシルクです ああなんてかわいそうな子達でしょう ぜひ保護して差し上げなければ ええ、ええ彼らの安全を最優先で確保させていただきますわ
どうも。シューターのキリアン・フィッツジェラルドと申します。 宜しくお願い致します。 野犬の群れは、僕達を包囲しているとされる個体は22体。 非常に飢えていて戦意もそれなり、増援の可能性があって最大30体前後とされると。 その上半数くらい数を減らすか、一度にそれに類する衝撃に襲われない限り撤退しない…… 冒険者単独で一つの群れを蹴散らせる程度のステとなると、炸光矢等の範囲攻撃で一気に叩いてしまった方が宜しいでしょうか? ただ、この依頼も副将からこっそり依頼された事になりますので、老将に気取られる可能性があるなら別の手を考えねばなりませんが。 僕はペット同伴はせず、孤高者の捜波と孤高の零距離殺撃者2で出るつもりです。 更に申し訳程度の増援対策として看破+ホークアイを。 ゴブーナを追う事に関しては……どうしましょうか? 彼女が進んだとされる三叉路のうち正しい道を選んでも、移動力4以下ともなれば彼女に追い付ける可能性は低く、寄り道や間違った道ともなれば絶望的。 三叉路に入る前に1人の傭兵が居て、ゴブーナが通ったとされるルートを知っているようですが。 彼の者を問い詰めようとて、ゴブーナを恐れている節があるから尋問に相応の手間が掛かると。
即製ウォーリアのコルリスだよ、皆さんよろしくー。 人数が居れば、ゴブーナさん追撃できるんだけど今のところ無理かなぁ? 子どもたちは、状況を知らせてスキルを使うように促せばあたし達がスキル使ってももんだいなさそう。 ゴブーナさんはあんなに遠くに行ったよー?とか
ウォーリア、ツァガーンナル 助力にきました! よろしくおねがいします! 状況的には、OPの一分後に追いつく、とあるので、包囲されているところへ突撃するイメージ。でしょうか? 助けに行くと、必然、囲まれる形になりますね >野犬対策 範囲なら、ボクは足止めも兼ねて、殺界は使用可能です! あとは、闘気槌ですね。蹴散らすなら、一気に範囲攻撃、でしょうか? 距離がありそうですし、冒険者なので、派手なスキルを使っても、大丈夫そうな気はします >ゴブーナ 追うなら、移動力は上げたほうが良さそうですね 尋問は、それをできそうなスキルがあれば、手っ取り早くいけそうですが 手札は、老将が追撃にこだわっている話など、使えそうです もし討伐まで目指す場合は、防御せずに、回避重点。ですね
No.5
正直3人も居れば子どもたちの安全は確保できると思うんですよ ゴブーナさん追撃も人数に余裕があれば傭兵に話なんて聞かずに三叉路でそれぞれの道に1人ずつ突っ込めるんですけど
トゥーリだよ、よろしくね! 8人揃うならともかく、今の人数だとハズレを引いている余裕はなさそうだね…… アタリの道に行った人が、ゴブーナさんとまともにカチあっちゃう。 素直に考えるなら、ゴブーナさんはまだ怪我をしているはずだし、こっちはPL情報だけど子供たちも野犬と戦って傷を負っているよね? 血の匂いとか、戦いの声を追えば正しい道を探せないかな? ワタシは超嗅覚と超聴覚、両方持ってるよ! >戦闘対策 ワタシはゴブーナさん対策かなあ…… 万が一にも他の人にまともに攻撃向けられたら、多分重症じゃすまないだろうし…… 早めにゴブーナさんが退いてくれるなら、闘気槌とかで範囲攻撃は出来ると思うけど。
状況整理すると、オープニング本文の場面から1分後に冒険者が到着しますと、あるので。 冒険者がまず子供たちに追いつき、野犬の対応。 状況的に、ゴブーナは既に離脱済み、でしょうか……? ゴブーナを追うなら山道を、という形でしょうか 二手に分かれるのも手かもしれないと思いましたが、少人数で追撃するのも、危険そうですね 三叉路は、匂いは良い手段だと思いましたが、相手は熟練のようなので、すべての道に血を落として誤魔化すくらいは、ありそうです
No.8
子どもたちですけどスキル持ってると思います? お金もレベルも無いのに? たぶんちょっと丈夫な人くらいでしかないですよ
成功条件に関しては子供達を守りきる事であって、ゴブーナに接触する訳では無いでしょうから今回彼女の事は諦めるのも手でしょう。 それに、あくまで必ずしもそうとは言い切れませんがゴブーナは移動力5と思われ、移動力4以下だと追い付けないかもしれないとありますから。 移動5を確保しようとなるとシーフ装備一式、或いは低コスト装備でアクセを一切装備しないでも無い限り無理な話かもしれません。 キャスターもシューターも、武器のカテゴリを選ぶクラスですので、僕としては子供の護衛といいますか野犬の駆逐にあたります。
ボクも、防具変えても移動力4までしか上がらないので、子供たちの対応優先で出しました! これ以上、移動力上げるにはどうしたらいいか分からなかったので
とりあえず移動力は5にして、Hヒーリングオーラとブルーフレアを子供たちに掛ける事を優先するようにしておいたよ!その後は、出来ればゴブーナさんを追いたい感じ。 移動力4の人が結構いるから、それで何とかなるかな……? >コルリスさん 装備って今の状態でプレイング出してる? 武器が祭刀で、特性1がエーテルブレードになってるからそのままだと射程は伸びないよ! 確認してみてね
取り急ぎ。 今回の依頼は護衛とも救出依頼ですから、孤高者系スキルを取り下げてゴリラとの連携を前提にエーテルリンク2と捜波で出ます。 ゴリラとリンク2を結ぶとZOCが使えるそうですので。 その際、生命力を共有する形になりますから自己回復だけでもヒールも持参で。
No.13
移動力を5にしたところで子供たちの救出に参加してしまったら意味がないのでは? もうこの場にゴブーナさんはいませんよ?
おーっす!ギリギリになっちまったがブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! 子供達の救出はみんなに任せて何とかなりそーだから俺は最初からゴブーナを追ってみんな。 何を考えてやがんのか問いただしてみてヤベェ奴だと判断したらそのまま倒すつもりでいんぜ!
雑だけど子どもたち救援でプレイング提出~ トゥーリさんありがとう いままで気にもしなかった、ウォーリア武器装備の制限 装備なおしたよー♪