獲物を求め、彷徨うモノ

ゆうきつかさ

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シナリオID:1558

オープニング

●ディズル大湿地帯
 リザードマン達の村に現れたのは、ワニの顔をした中型クリーパーであった。
 この中型クリーパーは、以前もこの辺りを荒らしまわっていた事があるらしく、冒険者達が仕留めそこなったモノだった。
 そのためか、冒険者達に対して、激しい敵意を抱いているものの、辺りに見当たらないため、八つ当たり気味に、村人達の命を奪っているらしい。
 その事が原因で、ひとつの村が滅び、そこから逃げた村人達が、別の村に逃げ込み、中型クリーパーの存在を、そこに住む村人達に伝えたようだ。
「頼む! 助けてくれ! ……金なら、ある! 遊んで暮らせるだけの金が、ここにある! だが、金で命は守れない。例え、用心棒を雇ったとしても、中型クリーパーには太刀打ちでは無い。だから、頼む! この金でワシを守ってくれ!」
 リザードマンの商人タリムが、でっぷりとした腹を揺らしながら、酷く怯えた様子で、深々と頭を下げた。
 そのまわりには、リザードマンの戦士達が陣取っていたものの、『中型クリーパー』と言う言葉を聞いた途端、動揺した様子で激しく目を泳がせた。
 この様子では、リザードマンの戦士達も、中型クリーパーとは戦いたくはないのだろう。
 口には出さないものの、リザードマンの戦士達が『中型クリーパーを倒してくれ!』と目で訴えていた。
「幸い、まだ中型クリーパーが現れたという報告はない。だが、絶対に現れないという保証もない。そんな状況のまま、商売を続けろと言うのは、無理な相談だ。一応、隣村の村人達から中型クリーパーが現れたという報告を聞き、バリケードを作ったものの、破壊されるのは時間の問題だろう。それでも、村人達の報告を聞く限り、中型クリーパー達が狙うのは、冒険者……もしくは武器を持った者達だから、君達さえいれば……何とかなる! べ、別に、君達を生贄にして、自分達だけ助かろうとか思っていないからな、絶対に……!」
 タリムの話では、中型クリーパーには優先順位があるらしく、武器を持った者達を最優先に攻撃し、次に逃げる者、女子供と言う順番のようである。
 その事を踏まえた上で、中型クリーパーを倒す事が、今回の目的であった。

解説

【基本的な情報】  中型クリーパーは、リザードマンと酷似しており、体長は3メートル程度。  ワニのような顔をしており、身体は水草で覆われている。  水草の下には無数の触手が隠れており、それを鞭のように振り回す。  腐食性のある毒の息を吐き、拳を振り回して殴りかかってくる事もあり。

マスターより

 どうも、ゆうきつかさです。  今回の目的は、中型クリーパーを倒す事です。  基本的には、キャラクターらしさを優先しますので、難しい事は考えず、自分らしく中型クリーパーを倒す事だけ考えてください。  またオープニングに書かれていない事は、都合よく解釈してかまいませんので、自分が格好良く活躍する事が出来る方向性で利用してかまいません。

リプレイ

●ディズル大湿地帯
「久々の仕事で、中型が相手か。腕が鈍ってないといいんだが……」
 ブレイドは複雑な気持ちになりながら、仲間達と共にディズル大湿地帯にあるリザードマン達の村に向かった。
 リザードマンの村には、依頼主であるタリムがおり、ニコニコと笑顔を浮かべながら、揉み手で自分の店までブレイド達を連れて行った。
 そこには、沢山の御馳走が並べられており、リザードマンの美男美女がブレイド達を出迎えた。
「ところで、中型は冒険者に恨みを持っているのか?」
 ハーリド=ハーリスが目の前の御馳走を食べながら、愛想笑いを浮かべるタリムに問いかけた。
「ワシが知る限り、ワニの顔をした中型クリーパーが現れたのは、一度や二度ではない。そのたび、本能の赴くままに大暴れして、リザードマン達の命を奪っていたからな。どうやら、その邪魔をした冒険者がいたらしく、今でも恨みを持っているらしい」
 タリムが知る限り、その冒険者が誰なのか、分かっていない。
 だが、中型クリーパーにとっては、些細な事。
 例え、その冒険者が捜している相手とは別人だったとしても、中型クリーパーには区別がつかないのだから……。
「まあ、これも仕事だ。俺らが囮になって、村人達を救う事が出来るものなら、安いものだ。その代わり、村人達を守ってくれよ」
 カルフ・オルヴォが何かを悟った様子で、タリム達に視線を送った。
「あ、ああ、もちろんだ! もちろんだとも! お前達が中型クリーパーを仕留め損ねたら、ワシらも終わりだがな」
 タリムが最悪の未来を想像し、乾いた笑いを響かせた。
 おそらく、そんな事になれば、逃げる間もなく命を落とし、肉の塊になるのがオチだろう。
 その事を容易に想像する事が出来る程、中型クリーパーは強く、恐ろしい存在であるという印象があるようだ。
「だから、私達を生贄にするんですか? 先程、そのような事を言っているように聞こえましたけど……。まあ、これもお仕事ですから、聞かなかった事にしておきますが……」
 東雲・更紗がジト目でタリムに視線を送り、深い溜息を洩らした。
 タリムに悪意はないようだが、間違いなく本音だろう。
「い、いや、それは……まあ、言葉の例えであって、本気ではない……! だから、本気じゃないぞ! 当然だろう! あれは言葉のアヤだ! だから……その……忘れてくれ! 頼む!」
 その途端、タリムが気まずい様子で、深々と頭を下げた。
「タリムさん、お仕事引き受けますので、安心してください。それにしても、タリムさんはいい人ですね。ご自分の命だけなら、逃げればいいし、村に柵を作る必要ないです。それに彼我の戦力を把握して無謀はしない」
 そんな中、セオ・ウルジオが多くの情報に感謝し、タリムに感謝するようにして微笑んだ。
「そ、そうか。そう言ってもらえると、ワシも嫌な気はしないなぁ! まぁ、アレだ。何か困った事があったら、遠慮なく言ってくれ! それで中型クリーパーを倒してくれるのなら、安いものだからなっ!」
 タリムが、まんざらでもない様子で、ガハハッと笑い声を響かせた。
 どうやら、煽てれば煽てるほど、調子に乗って乗りまくるタイプらしく、頼んでもいない事までやってくれそうな感じであった。
「……大丈夫、必ず倒して帰りますから。その代わり、村の方をよろしくお願いします」
 その期待に応えるようにして、セオが仲間達と共に、中型クリーパーを迎え撃つため、村の入り口に向かうのだった。

●
 中型クリーパーが現れたのは、真夜中の事だった。
(……ようやく現れたか)
 即座に、カルフが超聴覚で中型クリーパーの足音に気づき、月明かりを頼りにしながら物陰に隠れつつ、少しずつ距離を縮めていった。
 幸い、中型クリーパーには気づかれていないものの、村人達のニオイを嗅ぎつけたのか、クンクンと鼻をヒクつかせていた。
「まだ、こちらには気づいていないようですね」
 セオも超視覚で中型クリーパーの居場所を特定し、すぐさまレゾナンス・オブ・ヴァローを発動させ、声と共にエーテルを解き放ち、仲間達を淡い光で包み込んで、身体能力を向上させた。
「レゾナンスか有り難い……効いてくれよ」
 カルフが祈るような表情を浮かべながら、ダマスカス鋼の大太刀Reを握り締め、攻撃を仕掛けるタイミングを窺った。
「ウルルルルルルルルゥゥゥゥゥゥゥゥ……」
 次の瞬間、中型クリーパーがケモノのような鳴き声を響かせながら、勢いをつけて村の入り口に設置されていたバリケードに体当たりを仕掛けてきた。
 その拍子に、バリケードの一部が損傷したものの、完全には破壊されなかったため、村人達が逃げる時間は十分にあった。
「リザードマン達が素直に避難してくれた事が救いだな。万が一、『一緒に戦わせてくれ!』と言い出したら、どうしようかと思っていたが……。まあ、命あっての物種だしな。こちらも戦闘に集中できるほうがありがたい」
 そんな中、ブレイドがホッとした様子で、ダマスカス鋼の剣Reを握り締めた。
 どうやら、タリム達が雇った戦士達は、名誉よりも命を大事にするタイプらしい。
 そのおかげで、素直に避難してくれたため、戦いの巻き添えになる心配をする必要もなくなった。
「さて……、始めるとするか」
 その間に、ハーリドが中型クリーパーの懐に飛び込み、力任せに鋼の斧を振り下ろした。
 だが、中型クリーパーの皮膚は、予想以上に硬く、鱗の部分はまるで鎧のようだった。
 その上、全身に生えた水草がヌルヌルと絡みつき、ダメージを軽減しているようだった。
「グルルルルルル!」
 しかし、中型クリーパーはハーリド達を敵として認識したらしく、まるで品定めをするようにして唸り声を響かせた。
「それにしても、デカイな。確か体長3メートルだっけ? まあ、的としちゃあ、助かるぜ!」
 カルフが中型クリーパーを見上げながら、衝撃刃3で不可視の衝撃を飛ばした。
「グググッ……」
 その一撃を喰らった中型クリーパーが、グラッと身体をヨロめかせたものの、致命傷を与える事は出来なかった。
「ほら、あなたが探し求めていた冒険者達が、目の前にいますよ? 会いたかったのでしょう?」
 そこに追い打ちをかけるようにして、セオが中型クリーパーを挑発しながら、闘気槌2で巨大な光塊をダマスカス鋼の祭刀に纏わせ、力強く振り下ろした。
「武器を持つ者が目当てなのであろう? さあこの斧を、ワタシの姿を見るがいい!」
 続いて、ハーリドが大柄な体躯で、鋼の斧を振り回す事で、中型クリーパーの気を引いた。
「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォン!」
 その挑発に乗った中型クリーパーが、唸り声を上げて殴り掛かってきたものの、即座にハーリドがノービスシールドで身を守ったため、致命傷にはならなかった。
「怒りに身を任せて、攻撃を仕掛けている限り、間違っても自分に当たる事はないがな」
 一方、ブレイドはフェザーステップを駆使して、巧みな身のこなしで間合いを取りつつ、中型クリーパーに攻撃を仕掛けていった。
 だが、中型クリーパーの身体から生えた大量の水草が邪魔をして、なかなか致命傷を与える事が出来なかった。
「事前に話だけは聞いていたが、水草が邪魔だな。このままだと斬れ味が落ちる」
 その事に危機感を覚えたカルフが衝撃波3を発動させ、ダマスカス鋼の大太刀Reに不可視の衝撃の波を強く走らせ、水草を毟り取るようにして、中型クリーパーに打撃を与えた。
「カフさん! 援護します!」
 それに合わせて、セオがエーテルブロー2を繰り出し、ダマスカス鋼の祭刀に眩い光を宿し、強烈な一撃を中型クリーパーに叩き込んだ。
「せめて、あの身体を覆っている水草だけでも、どうにか出来ると良いのですが……」
 更紗が仲間達の援護に徹して、 アーケインテンペストを発動させ、稲妻のような光を無数に召喚し、中型クリーパーを足止めした。
 それに合わせて、ハーリドが鋼の斧を振るい、中型クリーパーの身体から生えた触手を斬り落とし、緑色の返り血を浴びた。
「キィシャアアアアアアアアアアアアアア!」
 次の瞬間、中型クリーパーが怒り狂った様子で、アングリと口を上げ、漆黒の闇の如く毒の息を吐き出した。
「……させるかっ!」
 即座に、ブレイドが閃光塗弾のピンを抜き、中型クリーパーに投げつけた。
 それと同時に閃光塗弾が閃光と共に破裂し、中型クリーパーの目を眩ませた。
「いまのうちに、水草を燃やしてしまいましょう」
 そこに追い打ちをかけるようにして、更紗がフレイムゲイズを発動させ、中型クリーパーに火球をブチ当てた。
「ウォォォォォォォォォォォォォォォォン!」
 その途端、中型クリーパーがパニックに陥った様子で、炎を振り払おうとしたが、まるで意志があるかのように蠢き、身体に纏わりついていた水草を焼き尽くした。
「ところで、お前……何人喰った? まあ、お前にとっちゃ喰いもんだろうが、リザードマンも俺らの仲間でな。お前の喰いもんじゃねえんだわ」
 その間に、カルフが一気に間合いを詰め、 紫電一閃で研ぎ澄まされた鋭い一撃を放ち、中型クリーパーを仕留めた。
「任務完了ですね、カフさん!」
 セオがゴキゲンな様子でカルフを見上げ、 ヒール2で負傷を癒す強い光を撃ち放った。
 そのおかげで中型クリーパーとの戦いで負った傷が、一瞬にしてすべて癒えた。
「そう言えば、このクリーパー。お顔はワニに似ていますが、食べられるものなのでしょうか? ちょっと……気になりますね……」
 そんな中、更紗が中型クリーパーを見下ろし、ゴクリと唾を飲み込んだ。
 部分的にグロテスクなところがあるものの、何となく食べる事が出来そうな部分が何ヶ所かあった。
 もちろん、毒の息を吐くようなバケモノのため、普通に考えれば食べる事が出来ないはずだが、ゲテモノセンサーが反応しているようである。
「まあ、見てくれはワニに似てるし、せっかくだから、いただいてみるとしようか」
 すぐさま、ブレイドがご自慢ワインで臭みを飛ばし、味付けにハーブ塩をふりかけ、生活魔法で火を入れると、中型クリーパーを焼き始めた。
 その途端、独特なニオイが漂ってきたものの、ブレイドはまったく気にせず頬張り、幸せそうな表情を浮かべるのであった。
 そのニオイに誘われるようにして、更紗も焼けたばかりの肉を食べた。
「な、なんだか盛り上がっているようだが、とりあえず、ご苦労。お前達には色々と面倒を掛けてしまったが、これでようやくグッスリ眠れそうだ」
 その間に、タリムが松明を掲げて、報酬の入った袋を手渡した。
 何となくブレイド達の様子が気になってはいるようだが、なにも見なかった事にする事で、心をクリーンに保つ事を選んだようである。
「ところで、タリムさん。普段は、どんな商品を扱ってるのですか? 次、会う時は、お買い物したいです」
 セオが興味津々な様子で、タリムに問いかけた。
「おう、そんな事か。美味い酒から貴金属まで、何でも扱っているぞ。もしかすると、今度、別の依頼で、お前達に何か頼むかも知れん。その時は、よろしくな」
 そう言ってタリムがセオを見つめて、ガハハッと笑うのだった。

マスターコメント

 今回のプレイングは、どれも素晴らしかったため、大成功になりました。
ショートシナリオ

ショートシナリオ普通 報酬:多い5 / 4〜8人

2021年11月06日 10時37分40秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. カルフ・オルヴォ

    ウォーリアのカルフだ。宜しく。 確定してねぇが相談を始めさせて狙うぞ。 武器を持った者達を最優先ってのは都合良い。 村人は逃げろと声掛けしといて、引寄せ足止めと遠距離攻撃の二手で立ち合わせて貰うか?

  2. ブレイド

    シーフのブレイドだ、よろしく頼む。 狙う優先順位があるのは助かるな。 村人への声掛けと必要なら避難誘導はリザードマンの戦士達に頼むとして、 クリーパーに専念させてもらうのがよさそうだ。 自分はつかず離れずで斬りこむくらいしかできんが方針があれば合わさせてもらおう。

  3. 東雲・更紗

    東雲・更紗と申します。 駆け出しでまだいろいろと固まっておりませんが、どうぞよろしくお願いいたしますね。 アーケインで足を絡めとったり、フレイムゲイズで水草を燃やしてみようかと思います。

  4. ハーリド=ハーリス

    ウォーリアのハーリドである、よろしく頼む! こちらが優先的に狙われるというのは僥倖であるな。 未だ未熟な身ではあるがクリーパーの足止めに力を尽くそう。

  5. セオ・ウルジオ

    ヒーラーのセオ・ウルジオです! 戦いに集中できそうな環境で少しほっとします。 前衛も、攻撃も、索敵と切り込みも…すごい。 とても安定しそうなので僕は支援を主に行動しますね。 戦闘前に抵抗値を上げるレゾナンスヴァローを皆さんにかけるのと、 解呪とヒールを中心に支援を考えています。 あとは攻撃(物理)かなぁ。 よろしくお願いしますね。

  6. カルフ・オルヴォ

    壁役、支援、後方火力、遊撃と良い感じに揃ったな。 >村人への声掛けと必要なら避難誘導はリザードマンの戦士達に頼むとして 同意だ、オレらはワニに集中させて貰おう。 水草を引き剥がして触手の動きが判るようにしたいんで衝撃波で毟ってみるつもりだ。 後は各自、よろしくな。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0