【呪輪】不安の種が芽吹く前に

ゆうきつかさ

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シナリオID:1495

オープニング

●フィルエス大森林
 南東部で発生した植物が枯れる現象は、植物型魔獣を生みだしているエルフの女『フェンヌ・ダ―二』と、巨大に育った植物型魔獣ケアイデが討伐された事によって、収束しつつあった。
 だからと言って、すべてが終わった訳では無い。
 表面上は終わりを見せているものの、エルフ達の心に刻み込まれた傷が、完全に癒えた訳では無かった。
 そのため、森の中で動く植物を見ただけで、恐怖の感情に支配され、震え上がってしまうエルフも少なからず存在した。

●冒険者ギルドにて
「こんな事を言ったら、笑われてしまうかも知れませんが、未だに……怖いんです。もう終わった事のはずなのに……。だって、そうでしょ。すべての元凶であるエルフが倒された以上、同じような災いが起こる事なんて無いはずなのに……。それでも……、怖いんです。また同じような事が起こったら、どうしようって考えると……。もちろん、そんな事なんてありえない。そうならないため、皆さんが手を打ってくれた事も分かっています。それでも、もしかしたら、これで終わりじゃないかもって考えるだけで、夜も眠れなくなってしまうんです」
 冒険者ギルドにやってきたエルフの女性セレーネが不安げな表情を浮かべ、今回の依頼を説明した。
 同じような考えを持ったエルフが他にもいるらしく、みんな不安な日々を送っているらしい。
 そのキッカケは、森で動く植物達を見たため。
 その事が引き金となって、第2、第3のフェンヌが現れ、再び恐怖のどん底に突き落とすような事態を巻き起こすのではないかと思い込んでいるようである。
 もちろん、それは単なる思い込みであって、同じような事態が起こる可能性はゼロに等しかった。
 しかし、それを口にしたところで、エルフ達の不安を取り除く事が出来る訳では無い。
 エルフ達が目撃した動く植物は、数体。
 そのすべてを駆除する事が出来れば、エルフ達を安心する事が出来るだろうという事だった。
「お忙しい中、面倒ごとを押しつけてしまって申し訳ありません。……ですが、日に日に不安な気持ちが膨らみ、押し潰されそうになっているんです。そんな気持ちのまま、本心を偽って生活など出来ません。例え、数体であっても、私達にとって脅威である事に変わりはないのですから……。だから、その……お願いしますっ!」
 そう言ってセレーネが申し訳なさそうにしながら、深々と頭を下げるのであった。

解説

目撃された動く植物 ・メリデ×1  カサカサと根っこを動かして動き回る小型の植物です。  体当たりを仕掛けて来たり、刃の如く鋭い葉っぱを飛ばしたりして、攻撃を仕掛けてきます。 ・ピンジ×2  毒々しいキノコのような形をしており、毒性の胞子を飛ばして攻撃してきます。胞子を浴びた部分は、火傷に似た状態になるため、注意が必要になります。 ・ケアイデ×3  幹のような胴に、ツタ植物が絡み合った大型の植物です。  根っこを使って移動しながら、枝を振り回して襲い掛かってきます。

マスターより

 どうも、ゆうきつかさです。  今回の目的は、エルフの村の周辺にウロついている動く植物達を倒す事です。  動く植物の場所は、エルフ達の目撃情報から、ある程度絞り込まれています。  動く植物を全滅させれば、大成功。  一体でも、倒す事が出来れば、成功です。  またオープニングに書かれていない事は、都合よく解釈してかまいません。

リプレイ

●フィルエス大森林
 植物型魔獣達を生み出していたエルフが倒された後も、エルフ達の不安が完全に消える事は無かった。
 エルフ達は眠れぬ夜を過ごしており、例え眠る事が出来たとしても、夢の中に植物型魔獣達が現れ、酷い目に遭っているらしい。
 その原因となっているのが、南東部で確認された植物型魔獣達の存在だった。
 いまのところ、植物型魔獣が群れを成して、村を襲う事はないものの、それでもエルフ達の不安は消えず、色々と怖い想像をしてしまっているようである。
「何だかエルフさん達……、とても不安そうにしていましたね。それでも、辛い思いをしたのかも知れませんが……」
 そんな中、ハル・チフが複雑な気持ちになりつつ、植物型魔獣達が確認された南東部に向かっていた。
 ハルの故郷である砂漠は、住める場所が少なかった。
 その場所と比べてフィルエス大森林は豊かな印象を受けたものの、エルフの話を聞く限り、自然が過酷と言う意味では同じのようである。
 だからと言って、気軽に住む場所を変える訳にも行かないため、自分達の力で状況を改善していくしかなかった。
 しかし、エルフ達では植物型魔獣達に太刀打ちする事が出来ないため、ハル達の力を借りたようである。
「君子危うきに近寄らずと申します……が、だからと森から離れる訳にも参りませんものね。エルフと森は切っても切れない関係と伺っております。ですから、私達で不安材料を取り除きましょう」
 サシャ・テーリングが聞き耳を立てながら、物音がした方向に向かい、サーマルアイで確認した。
 エルフ達が言っていた通り、森の中に植物型魔獣達がいた。
 植物型魔獣達は、人目を避けて森の中で生活しているらしく、普段は樹などに擬態をしているようだ。
「おそらく、表に出さないだけで同じ思いの人は沢山居ると思うの。だから、安心できるように森を隅々まで確認しておかないと……」
 エルシー・サリバンがハルとアイコンタクトをしつつ、森の端から舐めるようにして捜波、ホークアイ、位置感覚、ペットのリスなどを利用し、植物型魔獣達の位置を絞り込んだ。
 どうやら、植物型魔獣達は、草木が枯れた場所を避け、森の中に移動しているようである。
 それが何を意味しているのか分からないが、放っておくと面倒な事になりそうな感じであった。
 もちろん、それは憶測でしかないものの、何かが起こってからでは手遅れになってしまうため、ここで手を打っておく必要があった。
「それに、戦いが終わっても、心が恐怖に囚われたままでは辛いでしょうからね。憂いの芽を摘むことで、心が少しでも解放されるというのなら……微力ながら自分も協力しましょうと思います」
 ドゥーンフォルトが自分自身に気合を入れ、辺りを注意しながら森の中を進んでいった。
 植物型魔獣達は、とても警戒心が強く、ほんの少し音がしただけでも、他の樹に紛れるようにして動きを止めた。
「それじゃ、行くですよ」
 すぐさま、エルがホイッスルを鳴らし、仲間達と連携を取るようにして、植物型魔獣達の逃げ道を塞いだ。
「動く植物共め! 貴様を殲滅する!!」
 続いて、アルベルト=V=シュタールシュヴェーアトがダマスカス鋼の大太刀Reを握り締め、傍にいたケアイデに斬りかかった。
 その事に危機感を覚えた植物型魔獣達が、散り散りになって逃げ出そうとした。
「ようやく見つけたんですから、逃がしませんよ、絶対に……!」
 その事に気づいたドゥーンフォルトがシーザーロアで、言葉と共にエーテルを叩きつけ、植物型魔獣達の怒りを呼び起こさせた。
「ピギィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!」
 その途端、植物型魔獣達が奇妙な鳴き声を響かせ、ドゥーンフォルト達に攻撃を仕掛けてきた。
「……!」
 即座に、ドゥーンフォルトがダマスカス鋼の盾を構え、植物型魔獣達の攻撃を受け止めた。
「そこまでして、生きたい気持ちは分かるけど、栄養を独占したら、自分の明日のご飯も無くなるんだからね!」
 それに合わせて、エルシーがダマスカス鋼の強弓Reを構え、ツタを伸ばそうとしていたケアイデを牽制した。
「……!」
 その事に驚いたケアイデが、慌てた様子で、ツタを引っ込めた。
「僕達の力でエルフさん達が怯えず暮らせるように頑張るのです!」
 ハルが仲間達に声を掛けながら、衝撃刃2で不可視の衝撃を飛ばし、メリデに攻撃を仕掛けた。
 それに合わせて、サシャが後方に陣取りながら、ダマスカス鋼の魔弓でメリデを牽制した。
「ピキィィィィィィィィィィィィ!」
 次の瞬間、メリデが奇妙な鳴き声を響かせ、カッターの如く鋭く尖った大量の葉っぱを次々と飛ばしてきた。
「クッ……!」
 すぐさま、ドゥーンフォルトがダマスカス鋼の盾を構え、身体に突き刺さった葉っぱの痛みをペインキルで耐えた。
「これ以上、近づいたら、容赦をしないからねっ!」
 エルシーが大声を上げて警告しながら、鋭射でエーテルをダマスカス鋼の矢に収束させ、爆発的に鋭く射出する事で、メリデの根っこを貫いた。
「ピギャアアアアアアアア」
 メリデにはエルシーが言っている言葉の意味を理解する事が出来なかったものの、根っこに感じた痛みで何となく理解したのか、逃げるようにして後ろに下がった。
 その間に、サシャは輝腕でアルベルトの腕部を淡い透明な光で包み、行動精度を向上させた。
「……相手が悪かったな」
 それに合わせて、アルベルトが一気に間合いを詰め、 雷神剣で落雷のように鋭く苛烈な一撃を放ち、メリデの息の根を止めた。
「……」
 その間、ピンジ達はまったく動かず、無害なキノコを装った。
 だが、明らかに大きくて、不自然。
 それでも、誤魔化しきれると思っているのか、ピクリとも動こうとしなかった。
「いくら動きを止めたところで、僕達を欺く事なんて出来ないですよ!」
 ハルがハイディングで認識を妨げるエーテルを体の周囲に張り巡らせ、背後からピンジに迫って、ダマスカス鋼の短剣Reで斬りつけた。
「ピギ、ギギギィ……」
 その事に危機感を覚えたピンジ達が飛び跳ねるようにしながら、大量の胞子を飛ばして威嚇し始めた。
「……クッ!」
 即座に、ドゥーンフォルトもマントで身体を覆ったものの、胞子のせいでまったくピンジに近づく事が出来なくなった。
「万が一、胞子を浴びるような事があれば、遠慮なく言ってください。すぐに、私が治療します」
 それに合わせて、サシャが輝刃でハルの武器を淡い透明な光で包み、攻撃性能を強化した。
「うん、ありがとうね。でも、大丈夫。これで終わりだから!」
 次の瞬間、ハルがピンジの懐に潜り込み、ダマスカス鋼の短剣Reを突き刺した。
「ピギァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
 その一撃を食らったピンジが耳障りな悲鳴を響かせ、激しく身体を揺らしたものの、ダマスカス鋼の短剣Reが深々と突き刺さっているせいで、大量の血が地面を染める勢いで噴き出した。
 それと同時に、ピンジの身体がみるみるうちに萎んでいき、干物のようになって動かなくなった。
「それじゃ、毒が回る前に仕上げと行くか」
 一方、アルベルトは鋭撃2を仕掛け、ダマスカス鋼の大太刀Reで別のピンジに斬りかかった。
「だったら、これで毒ごと吹き飛ばしてしまおうか!」
 それに合わせて、エルシーが炸光矢3でエーテルを籠めた光の矢を放ち、傷ついたピンジを次々と爆散させた。
「ピギィィィィィィィィィィィィィィィィィ!」
 それと同時に、ケアイデ達が半ばヤケになりつつ、捨て身の覚悟で攻撃を仕掛けてきた。
「流石に盾で受け止めるには……大き過ぎますね」
 即座に、ドゥーンフォルトがダマスカス鋼の盾を構え、ワラワラと近づいてきたケアイデ達を薙ぎ払った。
 何とかケアイデの攻撃を防いだものの、腕が痺れて、立っているのが、やっとになった。
「ティム! 蕾がないか高い木の上から確認して」
 その間に、エルシーが間合いを取りつつ、ティム(ペットの栗鼠)に指示を出した。
 その指示に従って、ティムが高い樹を駆け登り、ケアイデ達を見下ろした。
 幸い、ケアイデに蕾はなく、別の戦いで傷ついていたのか、みんな弱っているようだった。
「このまま一気に片付けてしまいましょう!」
 その隙をつくようにして、サシャが輝足2でドゥーンフォルトの反応速度を増加させた。
「ええ、まだ完全に体力も回復していないようですしね」
 それに合わせて、ドゥーンフォルトが強打を繰り出し、ケアイデを斬り倒した。
「もう二度と、この森で悪さはさせないよ」
 続いて、エルシーが貫通衝撃射3でエーテルを籠めて鋭く射撃し、指向性を持った衝撃波を放って、別のケアイデを仕留めた。
「エルフの皆さんに安心してもらうためにも、ここで散ってもらうぜ!」
 次の瞬間、アルベルトが 闘気槌3で巨大な光塊をダマスカス鋼の大太刀Reに纏わせ、強く振り下ろしてケアイデ達を一掃した。
「何とか倒す事が出来たけど、種子や苗が残っているかも知れないから、しばらく見回りした方がいいかもね」
 エルシーが複雑な気持ちになりながら、植物型魔獣達の遺骸を見下ろした。
 おそらく、これで全滅させたはずだが、他の場所にいないと断言するほどの証拠もなかった。
 それでも、念には念を入れて、植物型魔獣達がいた周辺の土を調べ、何か異常がないか確かめた。
 幸い、目立った異常はないものの、絶対に大丈夫だと言い切る事も出来なかった。
「エルフさんの安心してもらうためにも、敵の遺骸は持ち帰りましょう。目の前で焼けば、きっと安心してくれるのです」
 そんな中、ハルが植物型魔獣達の遺骸を、せっせと回収し始めた。
 それはエルフ達にとって、恐怖の対象であるものの、例え言葉で植物型魔獣達を倒した事を伝えたとしても、不安が消し飛ぶ保証はない。
 本当の意味で、エルフ達を安心させるためには、植物型魔獣達の遺骸を目の前で焼くしかなかった。
 そうする事で、エルフ達が安心して、日常を過ごす事が出来るはずである。
 そして、ハル達は植物型魔獣達を倒した事を報告するため、エルフの村を目指すのだった。

マスターコメント

 今回のプレイングは、どれも素晴らしく、誰もがMVP候補でした。  そのため、今回は植物型魔獣の撃破数や、プレイングなどの内容を基準にして、選ばさせていただきました。
ショートシナリオ

ショートシナリオ普通 報酬:多い5 / 4〜10人

2021年10月19日 21時40分20秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. エルシー・サリバン

    シューターのエルシーだよ。宜しく。 ペット・捜波・ホークアイと駆使して森を隅々まで探すね。

  2. ハル・チフ

    シーフのハルです 危険な植物は早く取り除きたいですね 双派で探して頑張って仕留めたいです

  3. ハル・チフ

    おっと、書き忘れ 皆さんよろしくなのですよ!

  4. アルベルト・V・シュタールシュヴェーアト

    ウォーリアのアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 ・・・って、まだ3人しか集まってないのか・・・ 成立するのかわからないがとりあえず仮プレイングは出しておいたぜ

  5. サシャ・テーリング

    ヒーラーのサシャと申します。 ご一緒させて頂きますね、よろしくお願いします。

  6. ドゥーンフォルト

    ウォーリアのドゥーンフォルトと申します。どうぞよしなに。 自分は索敵に向くスキルを持っていないので、攻撃に専念しますね。

  7. エルシー・サリバン

    確定してたね~ヨロシク! 私は索敵結果をみんなに共有するね。 その上で、撃破に回るのは一緒・個人とお好きにどうぞー。 終了後に見逃しが無いか確認する件までプレに入れとくよ。

  8. サシャ・テーリング

    よろしくお願いします。 撃破に回られる時はご一緒して 後ろから支援または魔弓で攻撃させていだたきますね。

  9. ドゥーンフォルト

    自分も撃破に同行したく。よろしくお願いします。自分は前衛を努めますね。

  10. ハル・チフ

    確定嬉しいですね! 改めてよろしくです 索敵結果共有もちろん了解なのですよ♪ 撃破も前衛もとっても頼もしいのです! 僕も頑張らないとですね

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0