【竜盤】酒と毒とシャルガネと邪竜と
おおくまねこ
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シナリオID:1427
オープニング
「ヘイ、そこのキュートな冒険者ちゃんたち。ちょっとひとっ走り、シャルガネまでお使いに行ってくれない?」
見事な逆三角形ボディを持つオネエ系ドワーフのマリオは、パチンと冒険者達にウインクした。冒険者の店のマスターは依頼主の濃すぎるキャラに若干引きつつも、成り行きを見守っている。マリオは蛇を思わせるぬめりとした仕草で、固まっている冒険者達の近くに勝手に座ると、手に持っていた依頼書の内容の解説を始めた。
「この依頼書、アタシが書いたんだけど……。実はコレ、邪竜に対抗する為の新兵器に関する依頼なのよ」
マリオの言葉に、冒険者達は表情を変えた。男(?)の話が本当ならば、これはドワーフ王国の命運を左右する重要な依頼なのかもしれない。
「アラ、聞く気になってくれたかしら。そんな目で見つめられると照れちゃう。ええと、本題に入るわね。なんかこないだ、冒険者達の座談会でお酒とか毒で邪竜を弱くするってアイデアが出たらしいじゃない? それでアタシも張り切って、色々調合を試してみたの。そしたらなんと! 凄いのが出来ちゃったのよ! 名付けて竜殺酒『ヤシオノシコミ』! あれなら邪竜にもきっと効果があるわ!」
生化学者マリオが作り出した邪竜の力を弱める武器とは、ありていにいえば毒物であった。
竜殺酒ヤシオノシコミ。それは飲み物としてではなく、対邪竜用に毒物としての性能を追求した悪魔的カクテルの試作品だ。この毒酒はバリスタや武器に塗布し、邪竜の血液中に毒を送り込むことで効果を発揮する。効果を受けた邪竜は、たちまち酩酊状態に陥るという。また、アルコール度数も高い酒が主原料なので可燃性も高く、助燃剤としての効果も期待できるという優れものである。
「動物や服役囚を使った実験でも、ヤシオノシコミは高い効果を発揮しているわ。これならきっと相手が邪竜でも効果があるはず。でも一つ問題があってね」
そこでマリオは一旦言葉を切ると、カイゼル髭をいじりながらこう言った。
「ベースにするお酒はシャルガネ産の『ヤマノカミ』っていう薬草酒なの。……シャルガネはもちろん知ってるわよね?」
シャルガネとは、辺境都市群にある地区の名だ。書道や忍術、米をベースにした清酒(地球風に言えば日本酒)などの独特の文化を持つその土地の民のルーツは、ロスガリア大陸の外の世界にあると言われている。ちなみに辺境都市群は隣国であるドワーフ王国とは長年良好な関係にあり、シャルガネも例外ではない。
「アタシ、さっそくそのお酒を造ってるシャルガネの酒屋さんに連絡して、大量発注をかけたの。邪竜との戦いを想定するなら、毒酒はお風呂が作れるほど用意しとかなきゃいけないし。そしたらね」
そこでハア、とマリオは溜息をついた。
「『毒として使いたいからあるだけちょうだい』って素直に手紙に書いたら、職人さんからお返事が途絶えてしまったのよ……怒らせちゃったみたい」
そりゃそうだ。酒屋は武器職人ではない。できるだけおいしいものを作ろうと頑張っているものを毒にしたいと言われたら、怒りだすのも無理はない。
「そこで、アナタ達冒険者の出番ってワケ。シャルガネまで行ってなんとか職人さんを説得して、『ヤマノカミ』をありったけ仕入れてきてもらえないかしら?」
マリオは再び冒険者達にウインクした。
●シャルガネ居住区・港町アリマ『居酒屋・翔竜軒』にて
「おいおいホムラ、まだ飲むのかよ」
「バーロー! これが飲まずにいられるかってんでい!」
ツキカゲ・ホムラは馴染みの居酒屋で酒を煽っていた。何を隠そう、彼女こそがマリオが探し求めている薬草酒『ヤマノカミ』の製法を先代より受け継いだ唯一の職人である。
「アタシの酒をあるだけ買いたい、言い値で払うって客が外国手紙をよこすもんだから、お、これはアタシの時代が来たな、さぞかし豪勢なぱぁてぃでもするんだろうな、と思ってアタシは気をよくしてたんだよ。それがよお……」
「ホムラ、その話はさっき何度も……」
「バカ野郎! そこは『いかにも初めて聞きました』という風に流すのがイイ男ってもんだろうが! そんなんだからテメーは嫁に逃げられるんだよ! このトカゲのオッサン!」
「へいへい」
(こりゃ、相当酔ってるな)
飲み屋の主人(リザードマン)は肩を竦めた。
「ところがよぉ、ドワーフの野郎、三通目の手紙にとんでもないことを書いてきやがった。『貴方の酒は他の薬物と混合し、邪竜を倒す為の毒物として使用します』だとぉ! うちの酒で毒を作るだぁ!? ふざけんなバーロー!」
ホムラはドン、と空になった杯をテーブルに叩きつけた。
「リュウさん、酒おかわり。あとつまみにシャルガネ貝の蜂蜜焼き」
「まだ飲むのか……ほどほどにしておけよ」
リュウオウはホムラの飲みっぷりに呆れつつも、盃に酒を注ぐのだった。
解説
マスターより
リプレイ
「ここがシャルガネか……なんとも趣きのある街並だな」
着物を着た黒髪の人々と朱色の橋ですれ違いながら、ゴブリアが言った。彼女がシャルガネ居住区を訪れるのは生まれて初めてだ。彼女の服飾や装備などはシャルガネ風のものに受けた影響が多いので、観光としても今回の依頼は楽しみにしていたのだ。
「五代も続く老舗みたいですし、店主ともなればツキカゲさんはある程度有名なんじゃないでしょうか。酒場や酒を扱う商店で聞き込みしてみましょう」
きょろきょろと周囲を見渡しつつ、ナンチ・ヤジナイが言った。彼もシャルガネに来るのは初めてだったのでとても楽しみにしていたが、生真面目なので遊ぶのは仕事の後と決めていた。
「うむ、わしも賛成じゃ。わしは酒場で聞き込みをしてみよう」
ナンチの言葉にアリシア・リターナーが頷く。彼女は酒場で派手に飲み食いし、行方知れずのホムラの情報を集めるつもりだ。
「そういえばリズはシャルガネはそんな来たことなかったっけか? 面白いもんがたくさんあるからな。依頼ついでに買い物もしていこーぜ!」
久々のシャルガネに、カズマ クレセントブラッドははしゃいでいた。せっかくの機会なので、カズマはリズ・ジェイド・フローレンスと共にシャルガネを満喫するつもりだ。
「観光もいいけど、依頼はしっかりしてよね」」
リズはカズマに釘を刺した。リズはカズマと同じドワーフの生まれだが、ドワーフ王国の隣国であるシャルガネ居住区にはあまり来た事がない。観光したいのはリズも同じだが、仕事そっちのけで観光を満喫できるほど図太くはなかった。
「ここにある針はどれも質がいい(らしい)からな、何か気に入ったら奢ってやるぜ」
裁縫店に入ったカズマは、ズラリと並ぶ高品質の針をまじまじと眺めながら、リズに言った。カズマ自身は裁縫にはあまり興味はないものの、針の加工技術などは鍛冶士の端くれとして身に着けたいと思っているのであった。
「まあ気前が良いわね。ありがたく奢ってもらうわ」
裁縫を嗜むリズはカズマの言葉に微笑んだ。
●
「ワーハッハッハ、ワンモア!」
「おう。お客さんよく食べるねえ」
アリシアの豪快な食べっぷりに、翔竜軒店主のリュウはにっこり笑った。
「へーここって美味しい魚料理があるのか! じゃーオレ、このネギトロ丼ってやつで!」
アリシアの側のテーブルでは、アステルが遅めの昼ご飯を取っていた。観光……じゃなかった、ホムラの捜索に夢中になるあまり、すっかり昼ご飯を食べるのを忘れていたのだ。居酒屋の看板を見た瞬間、急激に腹が減ってきたので、店主に色々おススメを聞きつつ、色々摘んでいる。そうこうしていると、ガラッと豪快に入口の引き戸が開き、ほろ酔い状態のシャルガネ美女が姿を現した。
「うぃ~。リュウさん、アタシの席空いてるかい?」
「アンタたち。お探しのホムラ来たぞ」
「なに、あの御仁がホムラか!? お前らー! ホムラがおったぞー!」
「ホムラだー! ホムラだー!」
二人は店の外に飛び出し、大声で叫んだ。その声を聞き、居酒屋通りを張っていた冒険者達はぞろぞろと翔竜軒に集まる。
「なんだ、アンタたち。カタギには見えねえが、アタシに何か用かい?」
●
「ホムラさん、はじめましてなのだ。私達は冒険者なのだ。まずはお近づきの印に、一緒に食事でもどうなのだ。ここは私達が奢るのだ」
ストレガ・L・リベルガストラはにこやかに握手を求め、ホムラもそれに応じた。ホムラは冒険者達との会食を承諾し、一向は個室の席に案内された。
「授恵者が増えてるってのは本当だったんだな。アンタら全員授恵者とはねェ」
「ああ、去年の帝国崩壊以降、授恵者の数は急増している。きな臭い話も増えたがな」
ゴブリアは近年の大陸の情勢についてホムラに話した。シャルガネ居住区の隣国である、ドワーフ王国の窮地も含めてだ。ドワーフ王国の危機の話が出ると、酒の件を断ったことに多少負い目があったのか、ホムラは渋い顔をしている。
「まあ、せっかくの宴席だ。しけた話は置いといて、もっと爽快な話を聞かせてくれよ。アンタらの悪党退治とかさ」
冒険者たちは慌てず、ホムラと雑談を交わし、彼女と打ち解けようと努力した。
「フラム、手品をします!」
「お、兄ちゃん芸ができるのかい」
フラム・アニムスが挙手すると、全員の視線がフラムに集中した。フラムはおつまみのおかきを手に取ると、上へと放り投げ、ゆっくりとおつまみを右手で受け止めた。
「……さぁて、木の実はどちらに入ってるでしょう?」
「右じゃねえか?」
「残念、正解は左です」
「おっと。外しちまったか。仕方ねえ。一枚脱ぐよ」
「やめてください! そんな賭けはしてませんから!」
ホムラが着物をはだけ始めたので、フラムは大慌てで制止した。ホムラはだいぶ酔っているようだ。いい加減本題に入らねば……。冒険者達は目配せをしあう。すると、ナンチがすっと立ち上がり、ホムラの正面に座り直した。
「ツキカゲさん。我々はドワーフ王国から依頼を受けてここにきました。どうかヤマノカミをドワーフ王国に出荷して頂けませんか」
●
「まあ、そういう要件じゃねえかとは思ってたけどよ……」
俄かに不機嫌になったホムラは風呂敷をごそごそ漁り、ドン、と机の上に酒瓶を置いた。瓶には月石色色の液体がたっぷりと入っている。この酒こそがマリオの追い求める秘蔵の薬草酒『山乃神』なのだろう。
「まあ、飲んでくれよ。未成年は悪いが茶で我慢してくれ」
冒険者達は盃にヤマノカミを注ぎ、一口煽る。すると、清涼感溢れつつも複雑な味わいが口の中に広がり、遅れてじりじりと喉が焼けるような感覚がした。
「美味いだろ。うちは酒屋なんだ。毒屋じゃねえんだよ。わざわざ来てもらって悪いが、マリオとかいう奴にもそう伝えてくれ」
ホムラは先ほどまでの陽気な態度が嘘のような、怒りに満ちた声音で言った。
「確かに自分の酒が毒になるなんてのは嫌でしょうね。でも依頼人もそこまで話さなくてもいいことを告白するようなバカ正直な人です。邪竜との戦いに必要なのは間違いないので、何とか販売をお願いできないでしょうか」
ナンチはぺこりと頭を下げた。
「確かに自慢のお酒を毒だなんだ言われたら誰だって嫌だよな。オレだって自分の好きなものそんな風に言われたら怒るし」
「マリオ殿ぶっちゃけ許せんのわかるのだ。彼は化学者であり結果が全てで味や風味など本当はどうでもいいというのが透けて見えるのだ」
「おう、その通りでい! あのドワーフ野郎はアタシの酒を毒扱いしやがったんだ! これが職人として許せるもんかよ!」
アステルとストレガの言葉に、ホムラはうんうんと頷く。
「それでも数ある酒からヤマノカミを指定してきたのはそれでなくてはならない強さを見出したという事。酒は百薬の長。毒は薬で薬は毒。飲み過ぎれば毒となる。どう飲ませるかは相手が自分から飲むのが最上。竜殺酒とは竜すら罠と解っても抗えず飲んでしまう極上の酒でなくてはならぬ。要は言い方考え方。解釈の違いなのだ。マリオが言葉足らずだったのは謝るのだ」
「む……極上の酒ってのは悪くねえな」
泥酔状態のホムラはストレガの言葉の意味が半分ぐらいしか理解できなかったが、なんか褒められているのは分かった。
「そなたの酒は神に捧げるお神酒だと聞いているが? それがたまたま災いを為す悪神であったというだけの話。毒と言えば聞こえは悪いが、タタリガミを静める為の方法だと思えばそう悪くないのではないか?」
「わしが読み聞きした話じゃと酒を与えて酔わせた上で化け物の首切り落としたという神話もあるし政敵に飲ませて毒殺したという逸話もある。今に始まった事ではなかろうて。怒ることはない、百年も過ぎれば全てが些事になる。わしだって酒は楽しく飲みたいわ。偽らざる本心じゃて」
アリシアとゴブリアに続き、竜退治の神話を引き合いに出し、ホムラの反応を窺った。
「確かに、竜の姿の神サンはこっちにもいるがよ。ううむ……」
冒険者達の熱心な説得にホムラが悩むそぶりを見せると、おもむろにハッタ・ムラムラが立ち上がり、ホムラの隣に移動した。
「不快を承知でお願い。ヤマノカミを譲ってもらえないかしら。このままドワーフ王国が滅びるようなことがあれば……蒸留酒も、新しいリキュールも造られなくなるかもしれないわ」
ロゼットも暗い顔でホムラへと頭を下げる。
「まあ、アタシも隣の国が滅んでもかまわねェって思ってるわけじゃあねェけどよ……」
「マリオが礼を失した手紙を送ったことはお詫びする。薬草酒は各種生薬の絶妙なバランスによって成り立つものだ。それを十把一絡げとし、得体の知れない毒と変えようとする行為に、強い憤りを見せるのは当然。だが、それを承知であえて頼みたい。邪竜を討つ毒酒とするために、ヤマノカミを仕入れさせて頂けまいか」
ハッタは地に頭をこすりつけ、シャルガネ式の土下座をした。世にも珍しい、パンダの土下座である。
「邪龍を放置しておけば、またどこかで大量の犠牲者が出てしまう。どうか!」
「おい、頭を上げてくれパンダのおっさん。土下座ってのは軽々しくやっていいもんじゃねえんだよ!」
ハッタの殊勝な態度にホムラは慌てふためく。ここで畳みかけるように、ストレガは切り札を取り出した。
「これは無理を承知で頼むお詫びの品なのだ。みんな色々持ってきたのだ」
ストレガは机の上に小包みを置いた。他の冒険者達も彼女に続き、次々とお土産の品を机に並べる。
「あー、分かった分かった! もしアタシが気に入るモンがあったら考えてやるよ!」
●
「こいつは木皿か。彫り師は素人っぽいが、珍しい模様が彫ってあるな」
ホムラはフラムが持参した品出し用の大皿を手に取り、まじまじと見つめた。ホムラの言う通り、彫ったのはプロではなくフラム自身だが、それゆえに世界にただ一つの品である。
「はい、俺が彫りました。模様は故郷に伝わる魔除けです」
「ほう。手作りなのかい。魔除けか……玄関に飾るにはちょうど良さそうだな」
「私からはパウンドケーキと百合茶なのだ。茶は落ち着いたら家で飲むといいのだ」
続いて、ストレガからは茶菓子が贈られた。
「おう、甘えな! こいつはいける!」
ホムラは一切れ食べ、口元を綻ばせた。
「俺のも甘いお菓子だ! ここじゃ多分珍しいチョコレートを持ってきたぞ!」
アステルはチョコレートをごろごろと机の上に転がした。キャンディタイプに、板チョコ、イチゴなどの果実が練り込まれているものもある。冒険者や探求者の尽力で西では価格が下がりつつあるが、辺境のシャルガネではチョコはまだまだ貴重な品だ。
「お、こいつは『ちょこれいと』か! なんとも甘い匂いがするじゃねえか。早速いただくぜ」
ホムラはポリポリとチョコを齧る。
「甘え! こりゃいけるぜ!」
ホムラはチョコが気に入ったのか、ひょいひょいとチョコをパクつき始めた。
「チョコにはこれも合うので、一緒にどうぞ」
ロゼットはそっと酒瓶を机の上に置いた。彼女が用意したお土産は西方のリキュールだ。チョコをつまみにリキュール。西方の黄金コンボである。
「なるほどねえ……! こいつは無限にいけそうな組み合わせだな!」
ホムラはリキュールとチョコを交互に飲み食いし、上機嫌になっていく。
「おっと、チョコレートで被ってしもうたか。じゃがこれもなかなかの逸品じゃぞ」
アリシアの土産は『サクサククママン』。GPの顔を象ったチョコレートクッキーである。
「女子にもバカ受けしているらしくての。なんかムラムラ師父好みだとも思う」
「形にも凝ってるのは粋じゃねえか。こういうの、アタシも嫌いじゃないぜ」
「うむ、実にいいバランスだ。三時のおやつにもぴったりだな」
「俺はこれを持ってきました。腕に巻き、自然に紐が切れたらナント願いが叶うという願掛けのお守りです」
「ほお。西のお守りはそういう感じなのかい。なんか願い事考えてみるか」
ナンチが取り出したのはミサンガだった。ホムラはミサンガを受け取り、左腕に巻いた。
「さてと……俺が持ってきたのは、ダンジョンの馬型モンスターから採取した馬油だぜ!! これは他の油と違って体に塗るだけでどんな傷も火傷も治すらしいからな。あとイライラも収まるらしーぜ」
カズマが取り出したのは、火傷によく効く秘蔵の馬油だ。材料が材料なだけに、レア度は土産の中でも高い方だろう。
「ほう、そいつはすげえじゃねえか! 『だんじょん』ってのはエーテル溜まりのことだろ? よく獲れたな! 火入れの時にトチッたら使わせてもらうぜ!」
「私は『トランプ』を持って参りました。複数のゲームのルールを記載した書類と合わせてお渡しさせていただきます」
「お、こいつは花札みてえなモンかい? 西の博打とは珍しいねえ。リュウさん、もしかしてこれ知ってる?」
「ああ、知ってるよ。俺も昔はあちこちの酒場でやったもんさ」
たまたま料理の皿を持って近くを通過していた店主は若い頃を思い出したのか、目を細めた。
●
「まあ、ここまでしてもらって手ぶらで返すってのも仁義に悖るよなァ。アンタらもその邪竜と戦うんだろ? 『ヤマノカミ』、あんたらになら預けていいぜ」
ホムラはそう言って、ニカっと笑った。
「「ありがとう!」」
「さあ、そうと決まったら、祝杯だ! マリオの野郎のツケでパーっと騒ごうじゃねえか!」
「「やったー!」」
冒険者達はそのまま、ホムラと酒を酌み交わしたり、シャルガネ料理舌鼓を打ったりと、ホムラとの一席を楽しんだ。
「……うっま! これ、隠し味はひょっとしてお酒ですか?」
「おう。純米清酒が隠し味だ。産地は浮遊農場の……」
フラムとストレガは店主のリュウとも親睦を深めていた。料理の達人であったリュウに旨い料理のレシピを教わりたかったのだ。気さくなリュウは大陸味修行で学んだレシピをいくつか教えてくれた。
「これ、おいしいわね。邪竜を退けた暁には改めて、ドワーフにも祝いの酒として買ってもらいたいわ。ドワーフはお酒が大好きだもの。きっと喜んでくれるわ」
ロゼットはヤマノカミが入った杯を傾け、ホムラと乾杯した。つまみには、シャルガネの新鮮な白身魚の刺身を頂いている。
「おう! 平和になったらドワーフにも普通に飲んでもらいてえな! アンタらはさっさと邪竜なんてぶっとばしちまえ!」
友誼を結んだ冒険者達と酒職人の酒盛りは、深夜まで続いたのであった……。
●もう一つのエピローグ
「さっきの呉服屋で買ったんだ。最近冷え始めてきたしな」
成人組より先に宿に返されたカズマは、リズに肩掛けを贈っていた。昼間にシャルガネを観光した時にこっそり購入していたのだ。
「ありがとう。大切に使わせてもらうわ」
リズはカズマが手渡した肩掛けを早速肩にかけて微笑む。
「似合ってるぜ」
マスターコメント
ショートシナリオ易しい 報酬:多い10 / 4〜10人
2021年10月05日 19時07分36秒 公開
相談掲示板
ナンチ・ヤジナイです。よろしくお願いします。 シャルガネに行ってみたかったのもあり、職人の気持ちも分からなくもなく。 「ふしぎなもの」が 何が良いか、まだ思案中です。
アステル、シーフのハーフビーストだ!みんなよろしくー! ふしぎなもの、って何がいいんだろうなー?珍しいチョコレートとか送ればいいかな?
フラムです!アステルさんと同じハーフビーストです。 よろしくお願いしまっす! 「ふしぎなもの」については俺もまだ思案中です。
ストレガなのだ。よろしくなのだ。 折角作った酒に毒を盛るなど許せぬのとてもよく理解るのだ。 言い方考え方でなんとか了承得たいところなのだ。 『ふしぎなもの』は考え中。 リュウ殿が達人故食材を持ってきて調理してもらうのもいいかもしれないのだ。
ハッタだ、世話になる。 他ではありふれたものあっても、シャルガネでは「ふしぎなもの」となるやも知れん。 酒に関連した珍品なども、反応ありそうか。
アリシアじゃ。 確かに酒に毒を仕込むのは職人からしたら許し難い行為なのかもしれぬ。しかし、古来より酒に毒を仕込んで政敵やら怪物やらを倒し平和をもたらした話もあるのも一つ。 最近流行り出したチョコレートを持ち込んでみようと思うのじゃがどうじゃろか? あの高名なムラムラ師父とは!! お目にかかれて光栄であるぞ!!
ロゼットよ。参加させてもらうわ。 ハッタの言うような考え方でも良さそうね。 シャルガネ(和風)の文化だと、ちょっと珍しそうなものとか。 私も考え中だけど、一応ハーブやリキュールを考えてるわ。 薬草酒は古今東西なものだし、西方のものなら興味ひくかなって。 ホムラは音信不通とあるから、酒造りの酒屋さんで 彼女の行きそうな場所を聞いて、探し出すところからかな? 彼女が居酒屋に居るのなら、せっかくだしシャルガネの料理や お酒を頼ませてもらおうかなって思うけど、皆はどうかしら。
じゃあオレもチョコレート持っていこうかな? それになんかシャルガネのお酒ってチョコレートと相性良さそうな気がするぞ……!
俺は木彫り皿をプレゼント用で持っていこうかと思っています。 料理やおつまみを出す際に使って頂けたらいいなあと。 >ロゼットさん お酒は飲めませんが、お料理なら!
ショップで見つけた「ミサンガ」を持っていってみます。 絵パンダとかも考えたんですが、自分がよく分からないので…。 後は飲みに付き合いながら説得というかお話ですかね。
続けてすみません。 後のはロゼットさんの食事の話に乗って、一緒に楽しむのが良さそうです。
ふむ、ではチョコばかりだとアレだし百合茶とパウンドケーキをお土産に持っていくのだ。 酒場の料理は是非とも味わいたい。
ゴブリンウォーリアのゴブリア。よろしく頼む。 とはいえ、今回はクラスはさほど重要では無さそうか。 目新しいものとしては特にないが、情報でも持ち込んでみよう。 帝国や王国の情勢などは中々入ってこないのではなかろうか……
参加者も埋まったわね。賑やかな一行になりそう。 なら一緒に居酒屋で飲み食いできそうな人は、よろしくね。 場所が港町だから、海産物の美味しいのが頂けそうよ。 シャルガネには生魚を、切った身を食べる料理があるとか。 何気に店主は料理Lv5とか書いてあるし、期待して良さそう。
遅くなったぜ カズマだ 俺はリズと一緒に観光を楽しむぜ
みんなよろしく!オレも居酒屋に行って魚料理注文してみるぞ!お酒は飲めないけど……!
挨拶が遅くなってごめんなさい。 リズよ。よろしくね。 今回はカズマと観光を予定しているわ。