黄の親指、人間狩りッ!
ゆうきつかさ
コメント 15
シナリオID:1413
オープニング
黄の親指による人間狩りが始まったのは、今から数日ほど前だった。
それが何のためか、村人達には分からなかった。
元々、黄の親指は、よく分からない集団だった。
やりたいようにやる。
そのため、指令系統があって、ないようなモノだった。
それでも、部下達はリーダーであるマルフォに逆らう事が出来ないらしく、その名前が出るだけで空気がピリつくほどだった。
「私の息子を助けておくれ!」
冒険者ギルドに依頼をしてきたのは、辺境の村にするストナと言う女性であった。
ストナの話では、村が奇妙なメイクをした集団に襲われ、畑仕事をしていた息子がさらわれてしまったらしい。
息子は、20代。
奇妙なメイクをした集団とは、黄の親指の事だった。
どうやら、黄の親指達は、村の若い者だけをさらっていったらしく、森の中にある小屋に閉じ込めているようだ。
この様子では、誰かが来るのを待っているのだろう。
もしくは、冒険者達を誘き寄せるため、罠を仕掛けているかも知れない、という事だった。
村を襲った黄の親指は、5人。
みんな筋肉が不自然に肥大化しており、鎧のように硬くなっていたらしく、妙に殺気立っているようだった。
村人達が小屋の様子を見に行ったところ、入口には見張りが2人。
おそらく、室内にも2人いるだろうと言う話であった。
また連れ去られた村人は、8人で全員男性。
みんな体力には自信があったものの、黄の親指には太刀打ちする事が出来なかったようだ。
解説
マスターより
リプレイ
村人達が連れ去られた小屋は、森の中にポツンとあった。
その場所の周辺には、身を隠すのに最適な場所が幾つもあったため、立て籠もる場所としては、まったく適していなかった。
この時点で、罠である可能性が非常に高かったものの、ここまで来た以上、逃げる訳には行かなかった。
むしろ、罠である可能性も承知の上で来ている者が多かったため、誰ひとりとして踵を返す者はいなかった。
「それにしても、黄の親指って毎回ロクな事をしてないね。部下の信頼も無いみたいだし、何と言うか……ねぇ」
エルシー・サリバンがティム(ペットの栗鼠)を偵察に行かせ、警戒した様子で岩陰に隠れた。
黄の親指は神出鬼没のテロリスト。
その集団を束ねるマルフォは、何を考えているのか分からず、好き勝手にやっているためか、部下達も本能の赴くまま行動しているような感じであった。
それでも、部下達はマルフォの事を恐れているのか、どんな命令であっても従っているようである。
それだけ、マルフォに逆らうと恐ろしい目に遭うのかも知れないが、詳しい事は分かっていない。
幸い、小屋のまわりにトラップは仕掛けられておらず、窓から室内の様子を窺う事が出来た。
室内には、連れさられた村人達がいるものの、みんな薬でおかしくなっているのか、苦しそうに身体を揺らしていた。
「ところで、黄の親指って、集団の名前なの? てっきり、一人を指すのかと思ったけど……まあ、その辺も不明確なのかしら?」
そんな中、デイジー・ロックウェルが、不思議そうに首を傾げた。
マルフォの方針的に、黄の親指は、個であり、集。
みんながマルフォであって、マルフォでない。
アナタ達のモノは、ワタクシのモノ。
ワタクシのモノは、ウフフフフ……といった感じのようである。
そのため、マルフォ的には、みんなが黄の親指である……らしい。
「しかも、男の人ばかりさらって……何を企んでるのですかね? ……筋肉の発達した敵、まさか! 筋トレ強要ブートキャンプ!?」
ハル・チフがゴクンと唾を飲み込み、脳裏に禁断の映像を思い浮かべた。
そこに映っていたのは、筋骨隆々の漢達の楽園。
ナイススマイルを浮かべた筋骨隆々の漢達が、はちきれんばかりに筋肉を隆起させ、ハルに微笑みかけている映像であった。
その途端、背筋にゾッと寒気が走ったものの、脳内映像を抜け出して、筋骨隆々の漢達が、筋トレ強要ブートキャンプに誘ってくる事はなかった。
「この様子では、怪しげな薬の実験体にされているようですね。まだ間に合うといいのですが……」
ネーヴェ・グラヌローザが天眼を発動させ、小屋の周辺の様子を窺った。
小屋の入り口には、見張りがふたり立っており、顔には奇妙なメイクをしていた。
「デイジーさんは、どちらがお好み?」
エルシーが岩陰に隠れながら、デイジーに対して問いかけた。
見張り達のメイクは左側の漢が赤色で、右側の漢が青色だった。
その違いに何の意味があるのか分からないが、おそらく深い意味がある……のだろう。
その理由をわざわざ聞く気にはならなかったが、例え聞いたとしても『なるほど! そんな深い意味があったのか!』とは思わないだろう。
「あたしは別にどちらでも良いけど、そうね……。強いて言うなら、コッチの方が歯応えありそうかしら? だから……コッチを貰うわ!」
すぐさま、デイジーが岩陰から飛び出し、赤色メイクの漢に攻撃を仕掛けていった。
赤色メイクの漢を選んだ事に深い意味はない。
ただ、何となく。
強いて言うなら、目立つから。
そんな理由で選んだものの、赤色メイクの漢は思ったよりも強かった。
「なんだ、お前達は!」
それと同時に、青色メイクの漢が驚いた様子で声を上げ、ドロドロの液体をグイッと一気に飲み干した。
「こんにちはー、マルフォさんは元気?」
その間にエルシーが一気に間合いを詰め、青色メイクの漢に挨拶しながら、ダマスカス鋼の短剣で斬りかかった。
「……貴様等には関係ない事だ!」
だが、青色メイクの漢に傷をつける事が出来ず、鎧のような筋肉に弾かれた。
「だったら、この機会に親指を抜ける気は有る?」
それでもエルシーは諦める事なく、イイ笑顔を浮かべながら、青色メイクの漢に斬りかかった。
しかし、青色メイクの漢の身体は硬く、本当に鎧を着ているような感じであった。
「抜ける訳がないだろ。私の身体は、マルフォ様のモノであり、私自身もマルフォ様の一部なのだから……」
青色メイクの漢が瞳孔の開いた目で、ウットリとした表情を浮かべた。
そこまでの魅力がマルフォにあるようには思えないため、薬か何かでおかしくなっている可能性が高かった。
「それじゃ、情け容赦なく、倒しても問題ないね。王国の貴族の端くれとしても見逃せないし……」
即座に、デイジーが当て身を放ち、赤色メイクの漢の意識を奪おうとした。
しかし、赤色メイクの漢は薬と色々な感覚がマヒしているのか、傷つく事も恐れず襲い掛かってきた。
「……今のうちに行きましょうか」
その間に、ネーヴェが茂みの中を駆け抜け、ハルと一緒に小屋の窓から室内に入り込んだ。
「ええ、なるべく急いで助けましょう」
その後に続くようにして、ハルが物音を立てないようにしながら、室内に入っていった。
「ま、ま、待っていたぞ」
室内には、筋骨隆々の漢達がおり、両目を血走らせて、荒々しく息を吐いていた。
この様子では、室内にいる漢達も同じ薬を飲んで、興奮状態に陥っているのだろう。
それとは対照的に、捕まっている村人達は、目は虚ろで、頭はフラフラ。
何やらブツブツと呟いていたが、何を言っているのか、分からなかった。
その中には、奇妙なメイクをしている者もおり、小動物のような表情を浮かべ、不安そうにしていた。
ハルの看破によれば危険な予感がひしひしと感じられる怪しさで、何か企んでいるのは確実。
この時点でツッコミを入れるべきなのか、迷わず斬るべきなのか悩んだものの、考えるだけ無駄なため、サクッと息の根を止めた。
「とりあえず、治療をしましょうか」
ネーヴェが即座に気持ちを切り替え、ヒーリングオーラで村人達を治療した。
それでも、脳裏に浮かぶのは、先程の漢。
一体、どんな意図があって、村人のフリをしていたのか分からないが、メイクを落としていなかった時点で、すべてが水の泡といった感じであった。
そもそも、メイクをした状態で、何故バレないと思ったのか、疑問が残る。
もしかすると、『こいつらに無理やりメイクをさせられて、こんな事に……!』的な流れに持って行こうとしていたのかも知れないが、今となっては謎である。
「おい、こら! 無視をするな!」
そんな中、筋骨隆々の漢が全身の血管を隆起させ、苛立ちを隠せない様子で壁をドンと叩いた。
この様子では、作戦が失敗して、腹を立てているのだろう。
もしくは、『あの場合、空気を読んで、罠に掛かるべきだろ!』と心の中でツッコミを入れているのかも知れない。
「やーい、黄の親指はみんな、脳みそまで筋肉~」
そんな空気を察したハルが、小馬鹿にした様子で、筋骨隆々の漢達を挑発し始めた。
「お、オデは筋肉じゃない! 筋肉がオデだあああああああああああ!」
その途端、いかにも頭の悪そうな漢が、怒り狂った様子で拳を振り回し、辺りのモノを壊しながら、ハルを追いかけ回した。
即座に、ネーヴェが光縛封を発動させ、祈りと共に光輝を放つ六角形の柱を作り出し、いかにも頭の悪そうな筋骨隆々の漢を閉じ込めた。
「やっぱり、筋肉! やーい、やい!」
すぐさま、ハルが闘気槌2で巨大な光塊をダマスカス鋼の短剣Reに纏わせ、いかにも頭の悪そうな漢めがけて振り下ろした。
「ぐわあああああああああああ!」
その一撃を食らったいかにも頭の悪そうな漢が、悲鳴を上げて膝をついた。
それに合わせて、デイジーが、いかにも頭の悪そうな漢の膝裏や、アキレス腱を狙って素早く斬りつけた。突然弱くなった赤色メイクの男を倒して駆け付けたのだ。
続いて、やはり弱って動けなくなった青色メイクの男を振り切ったエルシーが連携を取るようにして、風読みの矢で風のエーテルを纏わせ、いかにも頭の悪そうな漢を射抜いた。
「ぐわあああああああああああああああ!」
次の瞬間、いかにも頭の悪そうな漢が断末魔を響かせ、ブクブクと血の泡を吐いて崩れ落ちた。
「……意外と脆かったわね」
一方、ネーヴェが光縛封を解いた所へデイジーは鋭撃を繰り出し、筋骨隆々の漢の喉元を貫いた。
どうやら、薬の効果は、一時的なモノ。
そう言った意味で、失敗作だったようである。
「とりあえず、これで全部倒したわね」
その間に、ネーヴェがエーテルブロー3で、青色メイクの漢を倒し、ホッとした様子で溜息を洩らした。
その視線の先で、赤色メイクの漢は地面に突っ伏していたが、血溜まりの中に沈んでいるため、まったく動く気配がない。
「それじゃ、村人達を外に運びましょうか」
即座に、デイジーが村人達に駆け寄り、肩を貸しながら、フラフラと小屋から出ていった。
村人達は飢えと渇きと疲れで、だいぶ弱っていたものの、命には別状がないようである。
残念ながら詳しい話を聞く事が出来なかったものの、雰囲気的に黄の親指が仕掛けた罠である可能性が高かった。
「す、すまない……」
村人のひとりが申し訳なさそうにしながら、デイジー達に対して謝った。
他の村人達も、何か言いたい事がありそうではあったものの、体力が消耗しているせいで、思うように言葉を発する事が出来成すようだった。
「……大丈夫。この苦しみに耐え抜いたのですから、みんな英雄なのですよ」
ハルが村人達の気持ちを察し、励ますようにして小屋を出た。
だが、ここから村までは、だいぶ距離があるため、連れて行くのに、だいぶ骨が折れそうである。
それでも、村人達を連れて帰らなければ、依頼が成功したとは言えないため、文句を言っている場合ではなかった。
「黄の親指達の方は……もうダメなようですが……」
そんな中、ネーヴェは複雑な気持ちになりながら、筋骨隆々の漢達に視線を落とした。
事切れた漢達は薬の副作用で、口から泡を吐いており、目からは血を流していた。
小屋の中には目ぼしいものは何もなく、薬瓶もすべて飲み干した後だった。
「……とは言え、皆さんが無事で何よりです。それでは、帰りましょうか」
そう言ってエルシーが仲間達と共に村人達を連れ、その場を後にするのであった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:多い4 / 4〜8人
2021年09月23日 21時09分28秒 公開
相談掲示板
シューターのエルシーだよ。ヨロシクね。 先ずは中の様子と、周囲に罠が無いかの確認で良いかな? 無事な人が居たら、その人と逆側に黄の親指メンバーを集める様に動こうと思うの。 もし…遅かったなら、遠慮せずに挑もむつもりだよ。
シーフのハルです。 なら探知系は任せてくださいなのです! 誰か生きのこってて下さいと、祈るばかりなのですよ…。 生存者確保の方が居ないようでしたら、侵入時真っ先に確保に動こうかと思っているのです。 よろしくお願いします!なのですよ♪
ヒーラーのネーヴェ・グラヌローザと申します。宜しくお願い致します。 最初の動きとしてはエルシーの言う内容で大丈夫だと思います。 もしご無事な方がいらっしゃれば、私は光縛封で壁を作りつつ逃す方向で参りましょうか。 後は回復とバフを主に動こうかと存じます。
ネーヴェさん!参加ありがとうなのですよ♪心強いのです! なら突入時は、フレキシブルに動けるようにしてみようと思うのですよ!
ネネだー!来てくれたんだね、ありがとうだよっ! 罠と中に居る人の凡その配置の確認はハルにお願いして 私は偵察にリスを中へ(又は窓から)、村人(生死)と黄の親指の位置を確認。 黄色の親指を、村人から引離す目的で、出来るなら外に誘い出す動きをするね。
ウォーリアのデイジーよ、よろしくお願いするわ! んー、とりあえず、村人が無事なら助けて、手遅れなら気にせず暴れれば良いのかしら? エルシーが誘き出すなら、その後の相手をするか、 村人無事なら助けに動くか、状況次第かしらね?
無事依頼が成立して何よりですわ。改めて宜しくお願い致します。 ひとまずの流れはデイジー様の仰る通りでしょうかね。 とりあえず今の人数でしたら、デイジー様も黄の親指対応が無難かと存じますが、いかがでしょうか。大本を叩いて頂ければ逃す人手は最小限で済みましょうし。
デイジーさん、T.M.R! ぶりだね、またヨロシクだよ。 ネネに同意、一緒に誘き出しと黄の親指の相手をして貰えると嬉しいよ。 >本能の赴くまま行動しているらしく って事だから難しい事は抜きで、一緒に騒ぐように見張りの二人を倒せば中の二人と 足りない後1人も(どこからか)現れてくれると思うので、倒して中へで救助のお手伝いで考えてるよ。 (人数が増えたら動きは調整する予定だよ) それと、8人が薬の影響で可笑しくなってる可能性もあるので スキルを勘違いしてないなら…呪解みたいなのをネネにお願いできたらと思うけどどうかな?
ふふ、エルシー久しぶりね、こちらこそよろしくお願いするわ! そういえば、その後、あのマーマンもどきは大丈夫かしら? 迷惑かけられてる様なら言ってね? 今度こそ、首と胴を切り離してやるから!! えーと、なんだっけ? あ、黄色の親指ね? 今更だけど黄色の親指って、集団の総称なのね? リーダーが居るっぽいし、足りない一人はそれかしらね? まあ、ともかく、エルシーと黄色の親指対応で了解よ。 エルシーが誘き出して、あたしはそれを一緒に叩き潰せば良いかしら? 筋肉が鎧の様にということだから、 膝裏やアキレス腱あたりを狙って動き止めて、 頭や喉あたりの筋肉が少ないところ狙いかしらね…
承知致しました。解呪と、あと聖別も持ち込みましょうか。症状が複数の時も対応出来ましょうし。 もしも薬でおかしくなっていた場合は、即連れ出しは無理でしょうね。皆様が誘き寄せて下さった後に一人建物へ忍び込んで、まずは治療活動にあたりたいと思います。 万一こちらへ敵が戻ってくるようであれば、その時は光縛封で結界を作って中の方々を守りますわね。 またリーダー格がこちらへ来た場合も想定致しまして念の為、エーテルブロー3を持ち込むつもりです。
>デイジー ありがとう~あの後は湖に近づいてないのでセーフ? もしもの時はヨロシクね! >エルシーが誘き出して、あたしはそれを一緒に叩き潰せば 誘い出しも一緒で良いと思うの。 リスで中の様子を確認したら、村人がどこに居るかをネネとハルに知らせて デイジーさんは私は一緒に入口の二人を倒しに掛かる(騒ぎにして、中の見張りの気も引く)。 ネネとハルはそのタイミングで救助に突入の流れ…のつもりで居るよ。 攻撃部位は弱そうなところを狙う形で、私は後衛として共闘をさせて貰うね。 と、以上は私のイメージなので…相違があったらすり合わせたいな。 >ネネ 聖別も効果あるんだね。光縛封にエーテルブロー、どれも頼もしいよ。 救出も細かく考えてくれてるし、すごく安心。 私は行動を状況の把握と戦闘に多めに振るようにするね。
デイジーさん初めまして! 来てくれてありがたいのですよ! よろしくお願いしますね ネーヴェさんの安定感に生き残りの方もこれで大丈夫って安心するのですよ! エル、偵察に誘い出しにありがとうなのですよ、信頼してるのですよ♪ 僕は索敵から初めて、中がさぐれたなら突入時はネーヴェさんや人質との間に割って入ります スカウトの心得で更に詳しく探りつ 救助に人手がいるならそちらを優先 なにかが居るならそちらへ対処したいと思います 行動が完了し次第、攻撃に参加する方向で行こうと思うのですよ 良い結果になるよう頑張りたいですね
ハル、よろしくね! そう?了解よ、エルシーと一緒に誘い出せばいいのね? 少しづつ下がりながらで、建物から少しでも離せたほうがいいかしら? 前衛としては一人で複数対応だから、ちょっとスキルは考えるわね。
デイジーさん、誘い出しの所でネタっぽい台詞を少し入れたのだけど… 良かったら…乗るかな? あまり時間が無いので、勝手ながらプレを送るから検討して欲しいな。
了解よ!エルシー。 エルシーに案があればそれに従うつもりだったし、方針教えてもらったら、それに合わせるわね!