【学乱】塔から伸びる影の中で
馬車猪
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シナリオID:1380
オープニング
「何故マリステラ様を裏切った!」
憤怒の言葉すらフェイントだ。
剣と矢と炎が、速度が違うのに同時に着弾しようとする。
「まだ半分はあの人の為に動いているつもりよ」
ブーツの下で石畳が砕けた。
学園武闘大会団体2位の名に恥じない速度で、桃色髪のシーフが圧倒的な加速と凄まじい頻度の方向転換で全ての攻撃を躱しきる。
「戯れ言を!」
「私も貴方達の立場ならそう言うでしょうね」
困ったなぁ、と顔に出ているがセニャも手は抜けない。
洗脳されて実家に迷惑をかける寸前だったので、自らの行動で潔白を照明する必要があった。
ブーツが硬い物似ぶつかる音が響く。
突然生えた2つの鉄壁が、セニャの回避に必要な空間を消滅させたのだ。
「私ごとやれ!!」
ウォーリアが鉄壁に挟まれたセニャへ突撃する。
洗脳されたとはいえ戦闘については絶好調のキャスターが、リーダーごとセニャを焼き尽くそうと合体魔法で強化された炎を放った。
「さすが冒険者」
それまで常に地に足がついていたセニャが、助走なしで跳躍した。
40メートル以上を軽々と跳躍し、魔法の塔へ通じる狭い通路の前に着地する。
「良い腕ね。だから洗脳されても問題ないと思ってしまうのでしょうけど」
鉄壁が消滅し、炎の中で影が揺れる。
回避特化のセニャとは別方向に特化したウォーリアは、炎を浴びても重傷にもなっていない。
「退け。5人相手に勝てるとでも」
これもフェイント。
キャスターがセニャを中心にグラビティフィールドを発動。
回避不能の状態異常攻撃がセニャの移動速度を激減させる。
「回り道だがやむを得ぬ。今なら包囲が完成する前にっ」
リーダーの表情が歪んだ。
セニャとの戦闘に意識の大部分を割いていたため、こちらへ急進する新手に今まで気付けなかった。
「貴方達を捕らえる依頼が出ているの」
移動をほぼ封じられたセニャが、参ったわねと態度で示しながら言葉を紡ぐ。
「今投降すれば罪に問われないわよ?」
聞き入れられることはないと、洗脳経験ありのセニャは確信していた。
●反省会
熾烈な戦いが始まる1時間ほど前。
貴族寮の一室で取引が行われていた。
「私の妹とジョセフ君の文通を許可してくれるわね?」
セニャ・リーラントがマリステラに与した物的証拠を全て回収したぽっちゃり令嬢が最後通牒を出す。
これにセニャが頷けばセニャが次期伯爵になる可能性が事実上0になる。
公爵家との結びつきは非常に強力なのだ。
「念のため確認するけど、非常時には私が伯爵になるかもしれないのは知っているわよね?」
「それはもちろん。本領を守ることのできない貴族に価値はありません。そうならないようジョセフ君を守ってくださいね、ジョセフ君のお姉さん?」
殺意に近い気配が豪華な一室に満ちる。
双方貴族令嬢にふさわしい表情だからこそ恐ろしい。
2通の契約書にそれぞれ2人の署名が美しい筆跡でなされ、手打ちは終わった。
「終わりました?」
見届け人として同席していたのに、平然と茶菓子を楽しんでいた冒険者ギルド職員が自らの仕事を始める。
「では早速説明させて頂きます」
厳重な鍵がかかった鞄から取り出したのは5人分のプロフィール。
どれも高位の授恵者である、最精鋭に近い冒険者達だ。
「この5人から連絡が途絶えています。最後に請けた依頼の依頼主は学園です。依頼の内容の開示許可は出ていません」
「それは言わなくても」
「分かりますわ」
令嬢2人が扇で口元を隠してため息を吐く。
「あの人はもう……」
洗脳されていたはずなのに、セニャの言葉に悪意はほとんどない。
「そんなことでは王家への反逆を疑われますよ?」
「分かっているけど惜しいじゃない。力が強い人間はだいたいどこか狂ってるの。あの人はまともなふりをするのが苦手なだけよ」
「セニアーラ様は本当にそういう所が……」
ぽっちゃり令嬢は呆れと慈愛の混じった笑みを浮かべる。
セニャは貴族令嬢としては欠点が多いが、友人としては信頼できる。
ぽっちゃり令嬢も表には出せない性質や渇望を持っている。影響力という力については言うまでもない。
「この冒険者さん達が学園にいた証拠を消せばいいのかしら。セニアーラ様は足止め?」
「はい。洗脳されていない冒険者が到着する前の足止めと、戦闘後の片付けをお願いします」
冒険者ギルドは王家の影響が強いはずなのに、この職員は貴族派貴族との取引を躊躇わない。
全ては冒険者の冒険のために。
冒険者の活躍に魅せられてしまった人間は増え続けている。
「現行最上位の同業者5人が相手か。冒険者の仕事も大変ね」
セニャはドレスから戦装束に着替え、自らの戦場へ駆けていった。
解説
マスターより
リプレイ
その8人を認識した瞬間、百戦錬磨の戦士の表情が歪んだ。
ハーフリング基準でもちんまりしたアルマ・ヴァレンタインが、極めて高度な魔法技術と膨大な魔力が必要な術を使う。
「出し惜しみはなし! みんな油断しないようにねー?」
走り続ける7人に置いて行かれてしまうが術の効果は絶大だ。
命中、回避、防御に抵抗まで、もとが強いほど強化度合いが上がる支援が、鍛え抜かれた冒険者達に行われた。
「おいおい、お嬢様ピンチなんじゃねーの?」
ハヤト=ガラン=ヴォルファングが口元だけで笑う。
普段通りの音量であったのに、5人の冒険者の後ろにいる桃髪娘は露骨に眉をひそめた。
「うるぁ! テメェらの相手は俺達だ!!」
今度は大声を出す。
その上で文字通り全力を出して加速。敵前衛2人が盾になろうとするのをエーテル噴射で上から回避して、一際大きい魔力の気配を漂わせるキャスターの至近に着地した。
杖持ちキャスターの表情がひきつる。
魔法でならクリーパーに勝つ自信があるが白兵戦では非授恵者にも負ける確信があるのだ。
(敵前衛は諦める。こいつと敵の火力担当をっ)
高速多段式超魔法を使おうとするが、敵の方がわずかに早かった。
「にゃ! セニャっち久しぶり! って呑気に挨拶してる場合じゃないね!」
サフィラ・アズラク・ナハルハルアリーブの態度は軽いが実際の行動は磨き抜かれた刃の如く鋭い。
指先が自在に動くガントレットで複雑な印を切る。
(んがっ)
魔乱印の気配を至近に感じ、キャスターは気力と魔力を振り絞ることでなんとか魔力への妨害に耐え抜いた。
「あちゃー」
残念がるサフィラの態度も罠だ。
目立つ動作をするサフィラの影で、普段は元気いっぱいなサニー・フォン・オルライトが仕事専用の淡々とした態度で術を練っている。
キャスターの体に光印が刻み込まれた。
服を脱がないと目視はできないが、魔力が普段の7割しか使えないのでかかったことはよく分かる。
「この程度でっ」
細かく位置を変え、ハヤトと恐るべき魔力持ちを同時に狙う。
必死に伸ばした杖の先から大柄なリザードマンでも易々覆い尽くす太さの水流がうまれ、そのままハヤトとリディリディ・トゥラ・イェレミース目がけて飛んでいった。
「危ねぇなっ」
ハヤトによる対処は簡単だ。
体が普段より高速で動き、軽業にも見える動作でタイダルストリームを完璧に回避する。
キャスターは諦めない。
見るからに鈍そうなエルフに、高速多段式超魔法で倍増した……魔乱印の影響もあるので普段の4割増しの暴力が直撃するはずだった。
リディリディが緊張する。
普段は下向きの長耳がぴんと立ち、青い瞳を大きく見開いて水の暴力を見る。
しかしそれは外見だけだ。
膨大な魔力を使い捨ての光の障壁へ変えていく。
膨大な水に対して非常に薄い光の膜が、膨大な水に込められた威力の大部分を打ち消す。
威力が激減した術では、格の割に生命が少ないリディリディを打ち倒すこともできなかった。
「元より相手の技量は手加減できるようなものではなさそうです。全力で行きます」
無視できないダメージと反動を負ってもリディリディの集中は乱れない。
エーテルを操るのではなく空間に直接干渉して、敵冒険者の大部分を巻きこむ広範囲を揺らす。
魔力もその精度も圧倒的だ。
分厚い装甲に包まれたウォーリア達が口から血を吐き、2人のキャスターはリディリディに倣って真エーテルバリアを使う。
しかし魔力が違う。
リディリディに劣るとはいえ十分な大魔力だった杖持ちキャスターは辛うじて耐えたが、もう1人は明らかに危険な倒れ方で地面に転倒しぴくりとも動かなくなる。
そして、リディリディの緊張が解けエルフ耳も角度も普段に戻った。
「あっぶなー。僕みたいな専業ヒーラーでもぎりぎりって……」
使用回数が多いヒールで重傷を癒やせるアルマの存在は、文字通りの命綱であった。
●
「なんとか間に合ったといった所でしょうか。日頃の神様への祈りの賜物ですね。啓示でも『ここまでのタイム短縮が無ければ間に合ってませんでした』とありますし」
軽快な語り口に凶悪な効果をのせるのもフリーダ=ブロムヴィストの技の1つだ。
敵のボスが術にひっかかるのを待たずに自ら突撃して、放置するには危険過ぎる相手を食い止める。
鎖帷子相手なら骨まで斬り飛ばせる斬撃が分厚い盾で防がれる。
反撃の斬撃は白金のラウンドシールドで受け流し、フリーダは白金のパラッシュの握り方をほんの少しだけ変えて、盾よりは厚くない兜を強く突いた。
「よりにもよってアンタか」
「いつの間にか知名度が上がってしまっていましたか?」
「そりゃ……アンタの戦歴と言動を考えろよ」
強大な物理防御がなければ即勝負が決まっているだろう斬撃を交わし続けながら、口だけは平和に動いていた。
振るう得物は鉄骨じみた両手剣でも、幼少時から鍛錬を積み重ねた技と体格と筋肉を感じられる。
イヴェール・イリュジオンが強化済みのダマスカス鋼の盾で受け流しても、衝撃を鎧と骨と筋肉で防ぎきれず内臓にまで痛みが届く。
「そのままでは死にますよ」
しかし追い詰められているのはもう1人のウォーリアだ。
流血の詩のデメリットはメリットを上回っている。魔法攻撃による深刻なダメージを受けてしまった以上、イヴェールの攻撃を防いでも余波だけで致命的だ。
雷神剣は初手で使ってしまった。
「軽い、ですよ」
被弾の瞬間にエーテルを集束させて防ぐイヴェールには、ダメージを与えることはできているが有効な打撃にはなっていない。
現時点の生命力の差は圧倒的だった。
「まあ、まあ。ええと、たしか。まりすてら……さま? というかたの、おともだち?」
高速で駆けはするが、マレーネ・シェーンベルグはいつものように掴み所のない態度だ。
「……あのときのおじいさまとおんなじ、ですのね」
「まさか」
まだ余裕のあるはずのリーダーが顔色を変えた。マレーネを含む冒険者が解呪に成功したことを知っているらしい。
「解呪使いか!」
マレーネはこくりとうなずいて、フリーダとつばぜり合いを続けるウォーリアに対し癒やしの力を送り込む。
射程は30メートルもある。
邪魔しようにも邪魔できず、抵抗も難しいはずだった。
「私は……すまない、仲間を助けてくれ。みんな本当は良い奴等なんだ!」
フリーダ相手の攻撃を止め防御に徹しながら、感情のこもった言葉で懇願する。
10人中8人から9人が信じてしまいそうな態度だ。
しかし最初から疑っている者がいると話が違う。
「例のマリステラ様とやらがどうやってセニャさんや冒険者さん達を洗脳したのか検討もつかないけど、ただの『解呪』で無効化されるタネの割れた手品を使いまわしてくれてると楽なんだけどねー……?」
じとーっ、と非常に分かり易く疑いを顔に出す。
「こういう形の命乞いって、戦いを有利に運ぶ策略と見分けが難しいんだよねー……。『だまして悪いが』だっけ?」
「啓示らしい言い方にすると『おれはしょうきにもどった!』でしょうか。ベテランが相手だと見分けづらいのが困りますよね」
フリーダは敵リーダーへの積極的攻撃を止めたが動きは止めない。リーダーが腕を下ろせば即座に剣や盾を強く打って弾き飛ばすつもりだ。
(読まれているっ!?)
不意を打ってヒーラーを襲うのも無理だ。
フリーダが、即座に庇って防ぐための位置と余力を確保している。
「そういう訳だから」
「お願いします」
「ちょ」
フリーダとアルマが要請し、リーダーはなんとかごまかそうとするがマレーネはごまかされない。
「すこしのあいだ、おとなしくしてくださいましね」
フリーダが飛び退く。
敵リーダーも慌てて回避しようとするが、祈りを起点にこの世に現れた六角柱は力があるとはいえただの人間の抵抗を許さない。
魔法の使えないリーダーは内側から破壊することもできず、仲間から完全に切り離された。
「この5人相手に1人で足止めなんて、無茶をされますね……」
イヴェールの行動は足止め兼攻撃から、足止め専念に変わっている。
両手剣ウォーリア本人は必死に戦っているつもりでも、イヴェールはうっかり切り殺してしまわないようにわざと刃筋を立てず、強打を使う際も側面刀身部分で斬撃ではなく殴打を頑丈そうな部分に撃ち込むようになっている。
「くっ……」
「殺しはしませんよ。生きて苦労してもらいます」
ヒーラー2人が、息をあわせて解呪を実行した。
「な、は、どういうっ!?」
リーダーのときとは反応が違う。
友軍相手に刃を向けていたことに今この瞬間に気付いたかのような、悔いと恐怖と混乱が混じった形容し難い表情と雰囲気だ。
アルマとフリーダは一瞬視線を交わした後、両手剣使いを無視して味方の支援に向かう。
「ふふ。……めが、さめました?」
じっと覗き込んでくるマレーネに圧倒され、両手剣使いは助けを求めるように左右を見るが味方してくれる者は誰もいない。
「おともだちは、じぶんでえらぶものでしてよ?」
両手剣使いは武器をその場に落とし、行動で降伏を宣言した。
●
籠手と具足と逆手に持った直刀。
前衛の精鋭ウォーリアにとっては盾と鎧で防げる威力だが、魔法攻撃に注力したキャスターにとっては3連撃の1つ1つが全て脅威だ。
「ひっ」
キャスターが感じていた恐怖が閾値を超えた。
最後まで残しておくつもりだった切り札を使ってしまい、膜の表面で止まった爪牙を見てうわずった悲鳴をもらしてしまう。
「たいしたもんだったぜ」
既に終わったことのように言うハヤトに違和感を覚える余裕もない。
そうっと背後から忍び寄ったサフィラが、前衛達と比べるとあまりにも薄くそして警戒心もないキャスターの至近でくるりと前に回り込んで拳を叩き込んだ。
「そぉい!!」
本気のタナトスバイトなら死にかねないと判断したのは正しかったようだ。
リディリディの攻撃を防御したとき激しく消耗していたキャスターは、白目を剥いて後ろ向きに倒れた。
「これで魔法は使えないねっ!」
杖だけでなく防具以外の主要な装備を回収別々の方向へ投擲する。
これで、死んだふりでも気絶から回復しても、キャスターが戦う術は実質的にはなくなった。
「シューターを追って。このままだと塔に合流される」
サニーは圧倒的速度で追うが、最初から後方にいたシューターには余裕がある。
セニャを捉えたグラビティフィールドを、リディリディがグラビティフィールドをぶつけて消滅させる。
「本当世話が焼けますね」
リディリディの言葉には悪意もないし敵意すらない。
格付けが済んでしまったような気がして、セニャは隠そうとはしているが傷ついた顔をしていた。
「リーラントくんはそっちから追い込んで。別の作戦に巻きこまれると面倒なことになるからそっちも気を付けて」
サニーの言葉を聞き、セニャは意識を戦闘に向け直す。
「無茶を……来るわよ!」
随分距離が縮まってしまったシューターがサニーに対して矢を放つ。
威力重視の重い一撃だ。
それでも、もともと高い技量を持つので十分に当てられるはずだった。
「この程度なら」
バフで高まった回避能力に、サニーが自身の技を上乗せする。
鎧ごと体を貫きかねなかった矢を、瞬間的に高めた反応速度で回避した。
攻撃すれば移動が疎かになる。
つまり、移動速度でも勝るサニーが追い付くということだ。
「引き撃ちはさせないよ」
ダマスカス鋼の爪の先から赤く細いエーテルを伸ばす。
繊細に振るわれる爪に操作され、回避を試みたシューターの足に巻き付き中に入り込む。
爪も当たってダメージがあったが、赤いエーテルの効果は致命的ですらある。
一時的に足が萎え、絶対に逃げ切れない状況に追い込まれた。
「喰らいやがれ! ライトニングファング!!」
ハヤトの全身が燃え上がるように眩く輝く。
単発では平均的な威力の一撃が十分な威力の一撃に変わり、それまで無傷に近かったシューターの全身に切り傷と打撲傷を刻みつける。
「降伏を勧告します」
重武装のイヴェールが塔への道を塞ぐ。
もちろんシーザーロアの効果も言葉に乗せていて、それが植え付けられた思考だと分かっているのにシューターはイヴェールに引きつけられる。
そんな状況では、捕まる際にまともな抵抗もできなかった。
●
光の六角柱が消えていく。
冒険者の何人かはシューターの捕縛に向かい不在だが、洗脳済みで戦闘力がある人間はリーダー1人しかいない。
「おーだーは洗脳済み冒険者5人の殺害または捕縛、なんだよね」
どうしよっかなー、と言うアルマ。
可能な手段が全くなくて途方に暮れるリーダー。
「えい」
だがそんな均衡などあっという間に崩れる。
解呪は接触ではなく射程があるスキルだ。
しかも解呪は解呪でも強力版。
アルマが何度か繰り返すと、相変わらず手応えはないがリーダーの表情は露骨に変わった。
「いちおう捕縛でいい……んだよね?」
「もちろんだともマリステラって酷い女だよな俺達被害者ー!」
置かれた立場を把握し全力で媚びを売るリーダーはリーダーの立場に相応しい人間なのかもしれない。
「じゃあ一応ロープ使うね。足は括らないけど逃げたらひどいよー」
相変わらずアルマに威圧感はないが、あのスキルと凄まじい治癒力を見た後でごまかされる者はいない。
捕縛された5人は全力でアルマの言うことに従っていた。
「はいありがとっ」
サフィラは人相書きを使った確認を終えた。
「これで洗脳されてた子たちは確保出来たかなっ。……にしてもセニャっちなんか雰囲気変わった?」
サフィラにじっと見つめられて、濃いエーテルの気配を纏う桃髪は上品に微笑んで見せた。
「前にあった時よりシャキッとしてるっていうか。吹っ切れて我慢しなくなったというか?」
「それは」
「あ! もしかしてまだ洗脳が抜け切ってないとか!?」
「洒落にならない冗談を言わないで頂戴!」
「ほぇ? 違う?」
悪意のないセニャいじめが展開されていた。
「あの後が気になってましたが調子は良さそうで一安心です」
一度セニャを下したイヴェールも悪意なく言う。
「働きは見せて頂きましたのでもう大丈夫、と思いますよ」
「もちろんよ」
セニャが大物ぶって笑えるのもわずかな間だ。
「あと高い鏡の件はすみません」
「……気にしなくていいわ。戦いだもの。そういうこともあるわ」
私財としては最大のものを失ったことを思い出し、セニャは心の中で泣いた。
「……しらぬがほとけ、というものなのでしょうが」
まだ洗脳解除できていない2人を見て、マレーネが珍しく素直に懸念を口にする。
「かれらは、……つみに、とわれるのでしょうか?」
「冒険者の不祥事は存在しないわ」
セニャはそう言って、治療が済んだ指を立てて自身の唇に当てるのだった。
マスターコメント
ショートシナリオ難しい 報酬:標準8 / 4〜8人
2021年09月13日 09時47分05秒 公開
参加者
相談掲示板
No.1
あの・・・、キャスターのリディリディです。 よ、よろしくお願いします。 此方側の冒険者についてのクラスは以下の通りで、後衛は私だけなんですね・・・。 ウォーリア2 シーフ3 ヒーラー2 キャスター1 それと、リーラントさんが塔の入り口を守って、私たちがそれとは別方向から迫るといったようです。 洗脳された冒険者を挟み撃ちするといった形になりますね・・・。 気になるのが、リーラントさん1人だけでは強引に塔へ侵入されるかもしれないということくらいでしょうか。 まずは私はグラビティフィールドを打ち消すべく動きます。
まれーねと、もうします。 まれーね・しぇーんべるぐ、ですわ。 どうぞ、よろしくおねがいいたしますわね。 ■■■ >洗脳 まあ、お相手の冒険者さまは、とてもお強いんですのね。 洗脳済みの……と、ありますが、初手に解呪してしまうのは、ルール違反……でしょうか? 成功条件は……冒険者の殺害もしくは捕縛。ですが、マリステラ……さま?の、洗脳であれば、ヒーラー解呪の有無で戦況がガラリと変わるはず。 難易度を考えると、解呪は難しいと見ておいた方がよいかもしれません、とも。 ……ただ、おそらく隙は作れると思いますので、解呪は試してみようと思いますわ。ターゲットは、……リーダーのウォーリアの方に、が、よいでしょうか? >誰から倒すか わたくし、……こういった作戦?のようなものを考えるのは不得手なのですが。 ええと、厄介な敵に集中攻撃をした方がよいですわよね。 厄介度でいうと、攻撃が得意なウォーリア2に、キャスター2、でしょうか? ……………本当に、不得手ですので、みなさまのご意見も、お伺いしたいですわ。
ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 現状ではセニャ様が追い込まれている状態ですので、 早期に合流を図って戦線を立て直したいところではあります。 >洗脳 ある程度ダメージを与えて相手からの抵抗を弱め、 そこから解呪に乗り出した方が成功率は高そうな気がしますが、 初手で解呪ができるのならば有利に立てるかと思います。 >狙い 一番まずいパターンはリーダー格のシーザーロアでシーフ陣がそちらに行ってしまい、 フリーとなったキャスターに前衛を、後衛をウォーリア2とシューターに狙われる展開でしょうか。 シーフ3人全員がリーダー格に行ってしまう可能性は高くはないですが、 できれば早期にキャスター1・2を仕留めて貰えると前衛への驚異は大きく減ぜると思います。
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー。 >洗脳 解呪効くなら一気に楽になりそうー 射程が6であまり長くないから試すには30mまで接近してからだねー 解呪でだめならアンチ・サイでしばき倒せば「おれはしょうきにもどった!」 してくれそうないめーじだけど…ボクは取得してないや >誰から 個人的には高速多段式超魔法持ちのきゃすたー2が一番こわいー… 一回切りだけど火力10割マシの当たった日には一撃で戦闘不能なりそうだし 個人の行動だと開幕ブルーフレアで全体支援したあとは これも射程6だけど物理で割れない光縛封で物理型の囲って数的優位作ろうかなあと
連投ゴメンね 洗脳が 【学乱】魔女の指輪 の時とネタ一緒なら紋具(このときは指輪)が壊れた段階で正気に戻った?みたい
にゃ!シーフのサフィラだよっ!よろしくねっ!久々にセニャっちに会えると思ったら大ピンチ!?早いとこ合流して加勢しないとね! >洗脳 アンチ・サイかジャマー持ってるから洗脳解けるか試してみよっかなっ? >誰から めっちゃ強い魔法使うキャスター2から対処したほうが良さそうだねっ!ハイディングで忍び寄ってタナトスバイトで杖を破壊出来たら良いけど… その後はキャスター1>シューター>ウォーリア2>ウォーリア1の順番で対処していく感じかなっ?
(まだ洗脳済あつかいされても文句を言えない気がする)セニャ・リーラントよ。 よろしくね。
サニー・フィン・オルライト、クラスはシーフ。よろしくね >ウォーリアー1 正直一番これがめんどくさい。強いとか弱いとかじゃなくてめんどくさい グロリアスアーマーで近接攻撃防いできて、抵抗が高いからこっちの執着は弾く癖してあっちからは執着通してくるし。まぁその代わりカバリングがないのが救いと言えば救いだけど 出来れば初手で光縛封で囲んじゃいたいかなぁ。敵が破壊しにかかっても2手くらいはかかるだろうから、敵キャスターの行動を1ターン縛れるだけでも御の字でしょ >キャスター2 こっちの構成が物理に偏ってる以上一番危険な存在と言えるから、最優先の排除には異論はないかな。敵のウォーリアー組にカバリングないみたいだし ただ、攻撃偏重な以上当然エーテルバリアは活性化してるだろうし、確実に排除するなら多段攻撃は必須かな。あれ強力な代わりに1ターンに1回しか使えないから だからタナトスバイトとか撃ち込むなら、先に削ってからじゃないと厳しいかも。言っちゃ悪いけど私だったらわざわざトリプルファングなんかにエーテルバリア使わないし >高速多段(ry ただ、これに関しては発動がセットアップだから、見てから対応が間に合うとも言えるね 例えば発動を見てから光縛封で囲っちゃうとか。勿論INI勝負で勝てればの話だし、そんな綱渡り危なっかしいから極力やりたくないけど
ウォーリアのイヴェール・イリュジオンです。 どうぞよろしくお願い致します(ぺこり) >洗脳 これがマリステラによるものかアクセサリなのかは分かりませんが、大抵のは解呪、全解呪の効果を持つもので洗脳から解放する事が可能なはずです。 後者の場合、媒体の紋具を壊す必要があるかどうかは分かりませんが… 壊せば解放出来たので分かればこれを壊す手段もありますね。 アンチ・サイは汎用スキルであるのが前提なので効果の程は不明ですが試してみる価値はありそうでしょうか? 誰かもうやっていそうな気もするので過去の報告書読み漁れば何か出てきそうですが…見つけるのが大変そうですね… >誰から倒すか 優先して倒したいのは私もキャスター2でしょうか。 ウォーリア1が最も倒し辛いので光縛封で後回しに出来るならしたいですね。 もう一人のウォーリア2はシーザーロアで私が引き付けましょうか…高い物理攻撃に加えて命中力も引き上げられているので単純に耐えられる人でないと致命傷貰いそうですし。 そういえば倒すとしてますが、まずは捕縛を目指す形で大丈夫でしょうか? 解呪による解放が見込めるなら敢えて殺害する事も無いと思いますが…
>洗脳解除 まあ。みなさま特に反対意見はないようで、よかったですわ。 では、冒険者様への《解呪》、試してみますわ。 わたくしが把握している限りのお話にはなりますが、それがアクセサリ経由であっても【浸食】の解除は可能でした。 わたくし自身は参加はしていなかったのですが、弓月MSの「【学乱】狂繰供括」では、アルベイルさま?の【浸食】は、同依頼参加者の方の《解呪》によって解除されたとのお話でしたわ。 その際に、シオメン先生がアルベイルさまの【浸食】に使用したと思しき指輪も解けて消えた……という描写もございます。 紀藤MSの「【学乱】政治討論部と女難の相」では、指輪を媒体に【浸食】を受けた、タイコモさまとカナンさまが《解呪》で回復されておりますわね。 ……ちなみに、《解呪》によって指輪が消えるという現象は、紀藤MS、弓月MSで共通しておりましたわ。 >ジャマー、アンチ・サイ 確か……「【学乱】狂繰供括」にて、アンチ・サイやジャマーを持ち込み、試した方がいらっしゃいましたわ。 報告書にはスキルの効果についての明記はされておりましたが、アンチ・サイを所持していた方は、……残念ながら、洗脳されてしまっておりました。 >誰から倒すか なるほど、ご意見ありがとうございます。とっても、参考になりますわ。 ウォーリア2をイヴェールさまが引き付けてくださるのも、とても助かります。 ウォーリア1……初手で解呪を予定しておりますが……無理なら光縛封……となると、2ラウンドかかってしまいますわね。 光縛封自体は持っておりますので、よしなにできるようにいたしますわね。
>ウォーリア1 それではこちらの方は私が初手シーザーロアで挑発してみます。 解呪ができればそれで良し、できなくてもシーザーロアの効果である程度行動を制限できるかと。 そのまま2ターン目で光縛封を使用して動きを止めてしまえば、概ね問題は無さそうです。 >個人行動 ウォーリア1対応後は後衛への被害軽減を考え、 シューターへシーザーロアを投げておこうかと思います。 その後はイヴェール様の援護に回る事ができればと。
No.12
はい、解呪は問題ないと思いますが・・・。 開始位置から相手の距離までって結構離れているんですよね。 120メートルというと24ヘクスでしょうか。 1ターン目は移動に費やすことになりそうですね。 それと・・・、相手側にはヒーラーが居ないので長期戦に持ち込むのもひとつの手ではあるかもしれません。 此方側にヒーラーが2人も居るのは大きいです。
わわ、一日みないうちにすっごい重大情報が…どうもありがとー 有効だったときのためにボクも解呪もってくようにするね 特性だけどうぉーりあとしゅーたーの物理組の受け持ち予定がでてるし 光縛封はマレーネさんにお願いしてブルーフレアと回復系もってくようにするね >うぉーりあ1 高抵抗だからもしかするとしーざーろあ弾かれるかもだけど カバリング無いし解呪が通じるか次のらうんどの光縛封でも問題なさそう? >きゃすたー2 初手で倒しきれればそれが一番だけど しーふさん組の誰かに遠くから魔乱印を当ててもらえるだけでも事故は防げるかもー…? >捕縛 捕縛で済むならそっちに賛成だよー 相手も授恵者だしよほどのおーばーきるでもないと死なないとは思うけど 戦闘不能より状態が悪くなるようなら回復で延命措置いれる…?
おーっす! ゴブリンのシーフ、ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! >洗脳 こいつに関しちゃ『解呪』は有効、アンチ・サイでの無効化は無理って認識だな。 実際にアンチ・サイを試した依頼では俺以外の面子でアンチ・サイを持ってったはずの奴が洗脳されちまってたからな。 指輪とかアイテム媒介から防げるが『侵食者』から直接の洗脳は防げねぇとかって違いはある可能性はまだ残ってっけどな。 >優先度 キャスター2から潰しておくってのは賛成だな。 とりあえず個人的にはキャスター2→キャスター1→シューター→ウォーリアの順に仕掛けるつもりではいるが具体的な戦法は考え中だ。
>洗脳解除 シェーンベルクさん凄く詳しいですね…ありがとうございます。 消えるのであれば指輪を外させたり破壊したりする必要も無さそうなので解呪だけで対処出来そうです。 解呪すれば敵の戦力を削ぎつつ、そのまま味方につければ圧倒的に優位に立てるので上手く使っていきたいですね… アンチ・サイやジャマ―はやはりと言ったところですか… 試していない検証はここで出来る事では無さそうなので今回は見送りですね。 >相手との距離 確かに初手は移動に費やす事になりそうですね…迎撃も覚悟で突き進む事になりそうでしょうか。 しかしリーラントさんの事もありますので、注意を逸らす意味でもサブ移動後に届きそうでしたら遠距離攻撃できる方で牽制する必要があるでしょうか? 私が対応するウォーリア2にシーザーロアが上手くかかりましたらそのまま後退してヒーラーの方の元に引っ張っていきましょうか…
No.16
そうですね・・・。 イリュジオンさんの仰るように遠距離からの攻撃が無難かもしれません。 というと、魔弓を使用するかキャスターの私かということになります。 初手にグラビティフィールドの対処をと思っていましたが、攻撃魔法を放つことにしますね。 【爆】のついた範囲攻撃をキャスター2を中心に放つことにしましょう。 他の手合いも巻き込めれば良いのですが。
>移動 これはもう必要経費と割り切るしかないね 私たちは疾風足+メイン移動で近づき切れるけど、他の人たちは1ターン+サブくらい?移動力にも依るけど 多分1ターン目で敵キャスターの移動含めた射程圏内に入るだろうから、密集しないようにそこだけは注意かな >魔乱印 一応私の方で活性化していけるよ。当てる暇があるかはわかんないけど シーフ組の二人が殴ってそれでもダメだったら当てに行く感じかな >個人行動 一先ず私はBS主体 死齎刃と縛糸刃、破脚砕と魔乱印を活性予定。場合によっては特性のどっちかを神眼法と交換かな
しゅっぱつまで一日切ったねー >魔乱印 使わずに済めばいい保険だけど入れてもらってどうもありがとー >個人行動 先に出したように開幕支援のあとはヒールとオーラの 回復メイン(と有効そうなら解呪も)でプレイングだしてくるね
>移動 1ターン目で近づき切れるのは状況的には助かりますね… リーラントさんの状態を考えたら敵には急接近するこちらの迎撃を優先して欲しいですし、可能なら彼女の代わりに最短ルートを塞ぐ要員が必要になるかも知れませんし。 イェレミースさんの攻撃魔法もあるので大丈夫とは思いますが… 私は予定通りウォーリア2の対応へ 敵が突破を優先するようなら強引にリーラントさん側に抜けてからシーザーロア使う事になるかも知れません。
∑気がついたらもう締切間近だっ!? とりあえず、魔乱印でキャスター2の妨害しながら疾風足+メイン:移動で突撃する感じでプレイング書いたよ!