【CP】カレー大会!~届け、まごころのカレー
おおくまねこ
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シナリオID:1259
オープニング
●
野菜は定番の人参、ジャガイモ、玉ねぎ。メインには鶏肉。調味料にはハチミツ、ショウガ、ウスターソース等。コトコトと小気味よい音を立て、ズンドウ鍋で火にかけられているのはアウトドア料理の王道、カレー様である。
「さらにヨーグルトも投入! ふはは、カレーはヨーグルトを加えることでまろやかさが生まれ、肉も柔らかくなるのだ!」
「やるなA班! ならば俺は採れたて新鮮の茄子とトマトを入れてくれるわ! 我が必殺の無水・夏野菜カレーを食らうがいい! お召し上がりの際はラッシーとハチミツバター・ナンもどうぞ!」
「ふははは! なんだその程度か! こっちは隠し味にシャルガネ酒にブルーベリージャムだ! 元帝国軍仕込みの味を見せてくれる!」
「くっ……! 軍隊式のカレーだと!? こいつは強敵だぜ!」
盛り上がる難民キャンプの食事当番達。帝国の難民達が辛い生活を送る中、いつからか恒例となった金曜日のカレー大会は貴重な憩いのイベントとなっていた。
「くんくん。何だかとてもいい匂いですね?」
香しいカレーの香りに誘われてやってきたのは、難民キャンプ近くの森に住むエルフのティカだ。彼女は人間の料理に目がなく、頻繁にキャンプに足を運んでいるエルフなのだ。ちなみにエルフの例に漏れず美人なので、今ではすっかりキャンプのアイドルと化していた。
「おいしそうな匂いがするー!」
カレーの入った鍋に駆け寄り、背伸びして中身を覗き見ているティカそっくりの顔立ちの幼い少女はコスモ。ティカの妹である。
「やあ、ティカ。また来てくれたんだ。今日はコスモも一緒なんだね」
「こんにちはジェフ君。毎週金曜日のカレー大会は外せませんから。あ、これ、差し入れのシカのお肉です。ちょっと余ったので持ってきました」
「ありがとう、助かるよ。これでカレーに入れるお肉が増やせる」
料理人志望の少年、ジェフは微笑んだ。
「もちろん、タダじゃありませんよ。私と妹にも完成品を一皿食べさせて下さいね」
「そのぐらい、お安い御用さ」
エルフと難民達は最初こそ険悪な雰囲気だったが、冒険者達の尽力もあり、今ではすっかり仲良しだ。難民キャンプを窓口に、森で採れる鉱物や舶来品の交易も細々とではあるが行われている。そういった事情もあり、この区域の難民キャンプの食料事情はかなり安定している。
(ここを出ていく前に彼女達に何かお礼がしたいな……)
ジェフはティカの横顔に見惚れながら、ふとそんな風に考えるのであった。
●
「難民キャンプから、依頼が来ているね。依頼というより、パーティのお誘いかな。カレー作り大会に参加しませんか、だってさ」
冒険者の店のマスター、クママンはにこやかに微笑みながら、店でたむろしている冒険者達に一枚の依頼書を見せた。
「リーンエス王国とシルトラース帝国の国境地帯で長らくキャンプ生活を送っていた難民の人達は、ヴィントが奪還されたことで、ようやく故郷に帰る目途が立った。だがその前に、今までお世話になったお礼として、エルフ達みんなにカレーを振る舞いたいんだそうだよ」
マスターは空になった冒険者達のティーカップを回収しながら、話を続ける。
「カレーは誰が作ってもそれなりにおいしく作れる料理だけど、本当はとても奥が深い。自慢のレシピを披露するいい機会だと思わないかい?」
そこでクママンの目がキラリと光った。
「材料は持ち込みでも、現地調達でも構わないらしい。特に海の幸は現地じゃなかなか手に入らないし、持って行ってあげたら喜ばれるかもしれないね。鮮度をどう保つかが課題になるけれど。ああ、ちなみにこの店にもカレーライスはあるよ。ポークカレーとウズラカレー。おいしそうだろう?」
クママンはにこやかに語りながら、さりげなく店のメニューをアピールしたのだった。
野菜は定番の人参、ジャガイモ、玉ねぎ。メインには鶏肉。調味料にはハチミツ、ショウガ、ウスターソース等。コトコトと小気味よい音を立て、ズンドウ鍋で火にかけられているのはアウトドア料理の王道、カレー様である。
「さらにヨーグルトも投入! ふはは、カレーはヨーグルトを加えることでまろやかさが生まれ、肉も柔らかくなるのだ!」
「やるなA班! ならば俺は採れたて新鮮の茄子とトマトを入れてくれるわ! 我が必殺の無水・夏野菜カレーを食らうがいい! お召し上がりの際はラッシーとハチミツバター・ナンもどうぞ!」
「ふははは! なんだその程度か! こっちは隠し味にシャルガネ酒にブルーベリージャムだ! 元帝国軍仕込みの味を見せてくれる!」
「くっ……! 軍隊式のカレーだと!? こいつは強敵だぜ!」
盛り上がる難民キャンプの食事当番達。帝国の難民達が辛い生活を送る中、いつからか恒例となった金曜日のカレー大会は貴重な憩いのイベントとなっていた。
「くんくん。何だかとてもいい匂いですね?」
香しいカレーの香りに誘われてやってきたのは、難民キャンプ近くの森に住むエルフのティカだ。彼女は人間の料理に目がなく、頻繁にキャンプに足を運んでいるエルフなのだ。ちなみにエルフの例に漏れず美人なので、今ではすっかりキャンプのアイドルと化していた。
「おいしそうな匂いがするー!」
カレーの入った鍋に駆け寄り、背伸びして中身を覗き見ているティカそっくりの顔立ちの幼い少女はコスモ。ティカの妹である。
「やあ、ティカ。また来てくれたんだ。今日はコスモも一緒なんだね」
「こんにちはジェフ君。毎週金曜日のカレー大会は外せませんから。あ、これ、差し入れのシカのお肉です。ちょっと余ったので持ってきました」
「ありがとう、助かるよ。これでカレーに入れるお肉が増やせる」
料理人志望の少年、ジェフは微笑んだ。
「もちろん、タダじゃありませんよ。私と妹にも完成品を一皿食べさせて下さいね」
「そのぐらい、お安い御用さ」
エルフと難民達は最初こそ険悪な雰囲気だったが、冒険者達の尽力もあり、今ではすっかり仲良しだ。難民キャンプを窓口に、森で採れる鉱物や舶来品の交易も細々とではあるが行われている。そういった事情もあり、この区域の難民キャンプの食料事情はかなり安定している。
(ここを出ていく前に彼女達に何かお礼がしたいな……)
ジェフはティカの横顔に見惚れながら、ふとそんな風に考えるのであった。
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「難民キャンプから、依頼が来ているね。依頼というより、パーティのお誘いかな。カレー作り大会に参加しませんか、だってさ」
冒険者の店のマスター、クママンはにこやかに微笑みながら、店でたむろしている冒険者達に一枚の依頼書を見せた。
「リーンエス王国とシルトラース帝国の国境地帯で長らくキャンプ生活を送っていた難民の人達は、ヴィントが奪還されたことで、ようやく故郷に帰る目途が立った。だがその前に、今までお世話になったお礼として、エルフ達みんなにカレーを振る舞いたいんだそうだよ」
マスターは空になった冒険者達のティーカップを回収しながら、話を続ける。
「カレーは誰が作ってもそれなりにおいしく作れる料理だけど、本当はとても奥が深い。自慢のレシピを披露するいい機会だと思わないかい?」
そこでクママンの目がキラリと光った。
「材料は持ち込みでも、現地調達でも構わないらしい。特に海の幸は現地じゃなかなか手に入らないし、持って行ってあげたら喜ばれるかもしれないね。鮮度をどう保つかが課題になるけれど。ああ、ちなみにこの店にもカレーライスはあるよ。ポークカレーとウズラカレー。おいしそうだろう?」
クママンはにこやかに語りながら、さりげなく店のメニューをアピールしたのだった。
解説
舞台:難民キャンプ及び、森の中にあるエルフの村。
※森の中に泉や川はありますが、海はありません。
目標:おいしいカレーを作る。
帝国の都市ヴィントが奪還され、王国北部の難民キャンプは少しずつ解散・撤収していくことになりました。本シナリオで扱う難民キャンプは、森のエルフ達と懇意にしていたグループです。彼らは撤収する前に、お世話になったエルフ達にカレーを振舞いたいようです。難民達に協力し、おいしいカレーを作りましょう! カレーが出来上がった後は、難民キャンプでエルフ達と一緒にカレーバイキングが始まります。
●食材について
狩りや釣りなどで現地調達も可能ですが、「実家の畑でとれた野菜」や「海で釣ってきた魚介類」などを持ち込むことも可能です。依頼を受けた冒険者ギルドからビッグオウムで近くの街まで移動できるので、魚などのすぐ痛むようなものでなければ防腐については気にしなくて大丈夫です。ちなみに『マジカルポケット』に入れているものはポケット内では劣化しません。
●同じ難民キャンプとエルフの村を扱った過去シナリオ
【CP】滅ぼされしエルフの里
【CP】三つ巴の決戦!
【CP】呪われたエルフの里
【CP】料理でエルフを黙らせろ!
マスターより
こんにちは。おおくまねこです。今回は楽しくカレー作りをする依頼です! CPの一番最初の依頼とだいたいやることは変わりませんが、エルフ達と難民達の関係はあの頃とはずいぶん変わりました。
プレイングの方針としては森で狩りや果物採集、川や泉で魚釣りなどの食材調達や、調理や試食に回るなどが考えられます。とにかく美味しいカレーを作りましょう! 今回初めてこの難民キャンプに関わるカレーファンやグルメな方のご参加も歓迎です。よろしくお願いいたします!
リプレイ
●
「よろしくお願いします! 私は緑のお野菜たちを入れたサグカレーを作ろうと思います!」
マリイ・パルティスはぶぉんと音が鳴るほど思いっきり頭を下げ、難民達に挨拶した。彼女はここのエルフ達とは初めて会う冒険者だが、同族であるエルフ達と出会えることに少し安心感を感じていた。冒険者のエルフは一人で各地をふらふらしている者も多いが、元々、エルフとは同族意識の強い種族なのだ。マリイは調理スペースを確保すると、早速ゴリゴリと鉢でホウレンソウと青唐辛子を潰し始めた。
「何作ってるの?」
しばらくマリイが調理をしていると、小さなエルフの少女が寄ってきた。フライングで会場入りしたエルフの一人だろう。
「これはサグカレーです。ホウレンソウとか、お野菜をたくさん入れると緑色のカレーになるんですよ」
「わたしお野菜好き! わたしも作りたい!」
「分かりました。じゃああなたにもお手伝いしてもらいましょう。私はマリイです。あなたのお名前は?」
「コスモだよ!」
「コスモさんですね! じゃあ私と一緒にカレーを作りましょう!」
こうして、コスモという小さな助手を加え、マリイの調理が再開された。
「塩、いっぱい入れた方がいい?」
「カレー作りで重要なのは塩加減だと思ってますね。少ないと辛みを感じやすく、ミルクを足しても変わらないなんてこともありますからね。後から加えても大丈夫なので、少しずつ足して味を見ましょ」
「ほほー」
「アレンジが簡単なのも良い所でして、作ったカレーをベースに、お肉やチーズも入れても美味しいです。パン屋のルアンナさんにジャムを分けてもらえば、甘いカレーも作れますよ! 後から入れても問題なく、美味しいのですよ」
「ふむふむ」
「数日寝かすとスパイスが馴染み、より美味しいととても素晴らしい料理なので、日によって具を変えたりして楽しむことも多いそうです。今の季節、寝かせるのは危険なのが残念ですが……」
マリイが雄弁にカレーについて語るのを、コスモは熱心に聞いていた。
●
「ふう。水はこれでOKだな」
フラム・アニムスは汲みたての水がたっぷり入ったバケツを地面に降ろし、汗をぬぐった。この水はフラムがキャンプで借りたバケツを使い、森の泉で汲んできたものだ。フラムは自家製野菜と調味料を使った特製カレーを作るつもりなのである。
「川で魚釣ってこようかと思ったけど、川魚だと臭みが出てしまいそうだから、豆に変更してヘルシーカレーに挑戦してみようかな」
フラムはマジカルポケットから持ち込んだ材料を取り出し、テーブルに並べた。大豆、香草、蜂蜜酒、チーズ、トマト、玉葱、葫。彼が持ち込んだ上記の食材は全て、彼が自工房前の畑で育てたものだ。けっこうな数を持ち込んだので、それなりの量を用意するつもりだ。
「よーし、調理開始だ! 他の冒険者達も頑張ってるし、俺も美味いのを作ってみせるぜ!」
キャンプの人達を数人アシスタントに加え、フラムは調理に入った。
「まずはトマトの下処理から。次は鍋に油、葫を入れて火にかけて……香りが出てきたら玉葱を透き通るまで炒める」
「ぐるるる」
フラムは手際よく材料を鍋に投入し、中火でじっくり玉葱が黄金色になるまで炒める。
「よし、このくらいかな?」
頃合いだと感じたフラムは湯剥きしたトマトを鍋に投入した。
「しゃもじで潰しながら泉の水、すり潰した香草と木の実を加えて数分混ぜる」
「ハッハッハッハッ」
「ん、なんだお前」
そこでフラムは、リボンを付けた白い狼が自分に熱い視線を注いでいることに気付いた。獣人のフラムには狐の耳が生えているので、仲間だと思われたのかもしれない。
「これ食うか?」
フラムは狼の前に座り、チーズの欠片を差し出してみた。
「がう!」
すると、狼はフラムの手のひらからキャンディを奪い、おいしそうに食べ始めた。
「おお。この匂いでお前も腹が減ってたのか?」
フラムが笑いながら、狼の頭を撫でていると。
「すみません! こら、コルデラ!」
飼い主のマリイが飛んできて、コルデラを調理場から離れた木の方へと引っ張っていった。
「……材料が余ったらあいつの分も用意してやろうかな?」
●
「やっとパーティを開催出来るようになりましたね! 約束のものをお持ちしましたよ♪」
「ついに、あの伝説のメロンパンが食べられるんですね……!」
キラキラとした瞳でルアンナ・ミュラーを見つめるティカ。そう、ルアンナは初めてティカと出会った日、彼女にいつかメロンパンをご馳走するという約束を交わしていたのだ。だいたい一年ほど前のことである。その後、なんかかんやでティカとルアンナが再会することは何度かあったのだが、いずれも人の生死に関わるような緊急事態だった為、呑気にパンを焼いている場合ではなかったのだ。
「さあ、パン屋『ミュラース』特製メロンパンをご堪能あれ♪」
ルアンナが魔法の杖を一振りすると、マジカルポケットから小さなメロンパンがポンと現れた。ちなみにマジカルポケット内は不思議時空なので、パンは焼きたての状態である。
「はい、どうぞ」
ルアンナはにこにこと笑いながら、ティカにメロンパンを手渡した。
「ふおお……! 甘くてサクサクしてる!」
もきゅもきゅとメロンパンを食べるティカ。感想なんて聞くまでもない。ティカの笑顔を見て、ルアンナもにっこり微笑んだ。
●
「カレーカレー、カレーを沢山食べられる-」
能天気にスキップしながらパーティ会場に駆け付けたコハクが見たものは、冒険者達が各自で持ち込んだ食材をテーブルに並べて調理の準備をしている姿だった。
「あれ? もしかして自分で作らないといけないパターン?」
呆然とするコハク。かれこれ何回目だろうか、依頼をよく見ずに食べ物に反応して本能で受けたら実は違いましたという流れ……学習しなさいコハク。さらに、他の冒険者達はみな、食材も自分で持ち込むか、現地調達しているらしい。けっこうめんどくさいやつだ。
「仕方ない。自分で作ろう」
とはいえ、受けた依頼は依頼である。冒険者としての務めを果たすべく、コハクはフォークとスプーンを武器に持ち替えた。
「狩りをするなら、私も手伝うのだ」
コハクが狩りに出る準備をしていると、ゴブリナのストレガ・L・リベルガストラが協力を申し出てくれた。
「よろしく」
コハクはストレガとバディを組み、森へと入っていった。
●
「見つけた」
姿勢を低くし、茂みに身を隠していたコハクの目がキラリと光った。彼女の飛ばしたエーテルが、野生の熊を捉えたのだ。一般人なら即時離脱が推奨される状況だが、授恵者であるコハクにとっては熊はそこまで恐ろしい相手ではない。
「マーキング、完了」
捜波スキルでエーテルの印をつけ、コハクは精神を集中する。全身にエーテルを巡らせて反応速度を高め、爆発的な加速で背後から熊を奇襲した。
「先手必勝」
コハクの手にした黒刀が閃く。コハクが唐竹割に振り下ろした一撃は熊を頭頂部から股下まで通過し、一撃で真っ二つに切り裂いた。
「熊カレー……これはなかなかの獲物ね……」
コハクは息を吐き、武器についた血を拭った。
「見事なのだ。こっちも大物なのだ!」
コハクが熊を仕留めた頃、ストレガは謎の魔獣を仕留めていた。ヘビのような鱗を持ち、ほぼ球体の魅惑のボディを持つ不思議な鳥である。
「ナニコレ」
「分からないのだ。でも脂が乗ってて旨そうなのだ」
「うん、食べられるなら何でもいい」
「初めて見る種類なのだ! 後でエルフ達にも聞いてみるのだ!」
未知の探求に目を輝かせるストレガと、食えれば細かいことはあまり気にしないコハク。対照的な二人であった。
●
「私達は辛い物が苦手な人でも美味しく食べられる、甘いカレーにしましょう♪」
ルアンナはティカと一緒に森の中へと繰り出した。彼女が作ろうとしているのは甘口カレー。果物やハチミツを採取する計画である。
「ルアンナは元気でした? なんだか、人間の国は色々大変だったみたいでしたけど」
ルアンナは採取の道中、ヴィントを取り戻しようやく少し落ち着けるようになった事や、ここまで来るのにたくさん戦ったね一等賞など、思い出を振り返り、ティカと楽しくおしゃべりをした。ティカの方は基本的には平和だったらしく、ルアンナの数々の武勇伝を熱心に聞いてくれた。
「ルアンナのお話はエキサイティングですね! ちなみにルアンナが戦った敵の中で強かった敵って誰です?」
「それは……たぶん吸血鬼ヤコブ・ヴィリアンかしら」
「ああ、数万体のゾンビを率いて人間相手に戦争を仕掛けてきたとかいう……ナンミンキャンプの人達も噂してました。私達の村を襲った吸血鬼もそいつの手下だったらしいですね。じゃあ、ルアンナが今までで一番活躍した冒険は?」
「私の一番の戦果ですか? それはもちろん……敵将の吸血鬼ヤコブを燃やしてやった事よ!!」
ルアンナはぐっと拳を握って叫んだ。
●
「カレーは様々なものを煮込む事で味と栄養の幅が広い良い料理なのだ。スパイスは食材の臭み消し味付けの他保存にも役に立つのだ」
大量の瓶や袋をテーブルに並べ、ストレガは言った。
「クミン、ターメリック、タイム……シナモン……すごい数の調味料ですね!」
料理人の卵のジェフはストレガが持ち込んだ調味料の豊富さに感嘆していた。
「米も高品質のものを持ってきたのだ。ディズル産の米なのだ。お肉は、今朝市場で新鮮な鹿と猪の肉を調達してきたのだ。さらに、森でコハク殿と熊と謎の魔鳥を狩ってきたのだ」
狩りの成果をドン、と披露するストレガとコハク。大物の登場に、キャンプの人々はざわめいた。
「ちなみに私の料理は独学なのだ。ただし、あらゆる地域・あらゆる種族の先達が残した多くの知識とその実践がある。食は万世共通の幸福なれば」
「ふむう。人間はこれほどの種類の調味料を開発していたのか」
調理風景を見る為、すでにキャンプ入りしていたエルフの青年もストレガのスパイスに舌を巻いた。ストレガからスパイスの名前や効能について聞き、熱心にメモをとっている。
「余った肉はキャンプの人達で分けるのだ。少し残して貰えれば私は十分なのだ」
「全部は食べられないのでコハクも肉だけもらえたらいいよ」
ストレガとコハクは血抜き、内臓摘出、皮剥ぎ、骨外しとてきぱきと獣を解体し、可食部位とそれ以外を分けていく。
「皮は干す。これは売り物になるのだ。獣骨は葱と各種野菜屑と一緒に大鍋で暫く煮込み出汁にしよう。屑もまた使い様なのだ」
「カレーの具材はね、大き過ぎても駄目だけど小さ過ぎても駄目だと思うんだ。やっぱり口にいれた時に食材達が適度な主張してこそだとコハクは思うんだよね」
カレーについて意見を交わす二人。二人共別にカレー屋ではないのだが、カレーにはこだわりがあるらしい。
「器に米を盛ったらカレーをかけ、猪肉のカツレツを乗せて完成なのだ。見た目は肉ばかりのワイルドなカレーだが野菜は溶かしてあるから野菜が苦手な者にお勧めなのだ」
「……自分が食べるように少し多めに作ってもばれないよね、うんうん。バレナイバレナイ」
●
いよいよカレー作りも佳境に入り、第一号が完成しようとしていた。
「そろそろかな………ここで大豆を投入し、豆が柔らかくなるまで時々混ぜながらじっくりコトコト煮込む」
フラムはカレー粉をカレー用スプーンに二杯半程入れ、塩胡椒、ミードを入れて更に数分煮た。さらに出来上がったものを深皿に盛りつけて――。
「仕上げに………チーズを手で千切って散りばめる! あとはこれを窯で焦げ目がつくまで焼けば……」
数分後、香しい香りを放つ大豆の焼きカレーが出来上がった。
「っしゃー、完成!」
フラムはニカっと笑い、村人達とハイタッチした。
「さー、おあがりよっ!」
●
「うーん、いい香りじゃ。どれもとても美味そうじゃな!」
カレー立食パーティが始まり、真っ先に列に並んだのはエルフ達の族長だった。年経たエルフらしく保守的な思想の持ち主であった彼は、かつては難民達との交流に難色を示していたが、今ではそういったこだわりも随分薄れたようだ。おいしいご飯は人類を救うのである。もっとも、冒険者の仲立ちもあり、早期に相互理解の土壌が築かれたからこその成果であるのだが。
「うむむ。これはジビエカレーか。肉が色々入っているなんとも贅沢な逸品! それに下拵えで何か工夫がしてあるな! 肉柔らかい!」
エルフのおじさんが舌鼓を打っているのはストレガの製作したワイルドカレーだった。
「肉はワインに漬け込んだのだ。そうすれば肉が柔らかくなるし、ワインの風味も沁み込むのだ」
胸を張るストレガ。彼女のカレーはたっぷりの熊、鳥、猪肉とルーに溶けた野菜がウリの野味溢れるワイルドカレーである。
「甘い! おいしい!」
子供達に人気があったのは、ルアンナやマリイが作った甘口カレーだった。蜂蜜やリンゴと恋するフルーティなカレーである。カレーは辛いもの、というイメージが強いが、辛ければいい、というものでもないのである。
「甘口カレー、おかわり!」
元気よくマリイに皿を突き出すコスモ。
「ふふ、ありがとう。ジャム入りがお気に入りみたいですね」
「デザートのメロンパンもありますよ! ……ティカが半分ぐらい食べちゃいましたけど」
ルアンナが溜息を吐くと、ティカはてへぺろポーズで誤魔化した。
「カレーは奥が深いですね。皆さんの料理も参考になります。これ、自家製なんですか?」
「ああ、うちの畑で獲れた野菜を使ってるんだ。隠し味は蜂蜜酒を……」
マリイとフラムは種族を超えたカレー談義に花を咲かせていた。レシピも交換しているので、お互いのさらなるカレーの研鑽も期待できるだろう。その近くでは、余ったくず肉をもらったコルデアが尻尾を振りながら食事をしていたそうな。
「うむ、この緑色のカレーは美味いな。野菜がたくさん入っているそうだから、健康にも良さそうだ」
「こちらのコハク印熊肉カレーもおススメだぞ。作り方を聞いてきた。簡単な調理法だったから俺達でも作れそうだ」
「カレーか……我々エルフも食文化においては次の段階を目指す時が来ているのかもしれんな」
エルフ達は各テーブルのカレーを食べ比べ、作り方を教わったり、楽しそうに感想を言い合ったりしていた。
●
「今日は御馳走様でした。ナンミン族の人達はいなくなっちゃいますけど……冒険者さん、またいつでも遊びに来てくださいね?」
「うむ、儂らはいつでも歓迎するぞ」
「遊びに来てねー!」
帰りがけ、エルフの族長一家は冒険者達に微笑んだ。
「「もちろん!」」
エルフ達の言葉に、冒険者達は笑って答えたのだった。
「よろしくお願いします! 私は緑のお野菜たちを入れたサグカレーを作ろうと思います!」
マリイ・パルティスはぶぉんと音が鳴るほど思いっきり頭を下げ、難民達に挨拶した。彼女はここのエルフ達とは初めて会う冒険者だが、同族であるエルフ達と出会えることに少し安心感を感じていた。冒険者のエルフは一人で各地をふらふらしている者も多いが、元々、エルフとは同族意識の強い種族なのだ。マリイは調理スペースを確保すると、早速ゴリゴリと鉢でホウレンソウと青唐辛子を潰し始めた。
「何作ってるの?」
しばらくマリイが調理をしていると、小さなエルフの少女が寄ってきた。フライングで会場入りしたエルフの一人だろう。
「これはサグカレーです。ホウレンソウとか、お野菜をたくさん入れると緑色のカレーになるんですよ」
「わたしお野菜好き! わたしも作りたい!」
「分かりました。じゃああなたにもお手伝いしてもらいましょう。私はマリイです。あなたのお名前は?」
「コスモだよ!」
「コスモさんですね! じゃあ私と一緒にカレーを作りましょう!」
こうして、コスモという小さな助手を加え、マリイの調理が再開された。
「塩、いっぱい入れた方がいい?」
「カレー作りで重要なのは塩加減だと思ってますね。少ないと辛みを感じやすく、ミルクを足しても変わらないなんてこともありますからね。後から加えても大丈夫なので、少しずつ足して味を見ましょ」
「ほほー」
「アレンジが簡単なのも良い所でして、作ったカレーをベースに、お肉やチーズも入れても美味しいです。パン屋のルアンナさんにジャムを分けてもらえば、甘いカレーも作れますよ! 後から入れても問題なく、美味しいのですよ」
「ふむふむ」
「数日寝かすとスパイスが馴染み、より美味しいととても素晴らしい料理なので、日によって具を変えたりして楽しむことも多いそうです。今の季節、寝かせるのは危険なのが残念ですが……」
マリイが雄弁にカレーについて語るのを、コスモは熱心に聞いていた。
●
「ふう。水はこれでOKだな」
フラム・アニムスは汲みたての水がたっぷり入ったバケツを地面に降ろし、汗をぬぐった。この水はフラムがキャンプで借りたバケツを使い、森の泉で汲んできたものだ。フラムは自家製野菜と調味料を使った特製カレーを作るつもりなのである。
「川で魚釣ってこようかと思ったけど、川魚だと臭みが出てしまいそうだから、豆に変更してヘルシーカレーに挑戦してみようかな」
フラムはマジカルポケットから持ち込んだ材料を取り出し、テーブルに並べた。大豆、香草、蜂蜜酒、チーズ、トマト、玉葱、葫。彼が持ち込んだ上記の食材は全て、彼が自工房前の畑で育てたものだ。けっこうな数を持ち込んだので、それなりの量を用意するつもりだ。
「よーし、調理開始だ! 他の冒険者達も頑張ってるし、俺も美味いのを作ってみせるぜ!」
キャンプの人達を数人アシスタントに加え、フラムは調理に入った。
「まずはトマトの下処理から。次は鍋に油、葫を入れて火にかけて……香りが出てきたら玉葱を透き通るまで炒める」
「ぐるるる」
フラムは手際よく材料を鍋に投入し、中火でじっくり玉葱が黄金色になるまで炒める。
「よし、このくらいかな?」
頃合いだと感じたフラムは湯剥きしたトマトを鍋に投入した。
「しゃもじで潰しながら泉の水、すり潰した香草と木の実を加えて数分混ぜる」
「ハッハッハッハッ」
「ん、なんだお前」
そこでフラムは、リボンを付けた白い狼が自分に熱い視線を注いでいることに気付いた。獣人のフラムには狐の耳が生えているので、仲間だと思われたのかもしれない。
「これ食うか?」
フラムは狼の前に座り、チーズの欠片を差し出してみた。
「がう!」
すると、狼はフラムの手のひらからキャンディを奪い、おいしそうに食べ始めた。
「おお。この匂いでお前も腹が減ってたのか?」
フラムが笑いながら、狼の頭を撫でていると。
「すみません! こら、コルデラ!」
飼い主のマリイが飛んできて、コルデラを調理場から離れた木の方へと引っ張っていった。
「……材料が余ったらあいつの分も用意してやろうかな?」
●
「やっとパーティを開催出来るようになりましたね! 約束のものをお持ちしましたよ♪」
「ついに、あの伝説のメロンパンが食べられるんですね……!」
キラキラとした瞳でルアンナ・ミュラーを見つめるティカ。そう、ルアンナは初めてティカと出会った日、彼女にいつかメロンパンをご馳走するという約束を交わしていたのだ。だいたい一年ほど前のことである。その後、なんかかんやでティカとルアンナが再会することは何度かあったのだが、いずれも人の生死に関わるような緊急事態だった為、呑気にパンを焼いている場合ではなかったのだ。
「さあ、パン屋『ミュラース』特製メロンパンをご堪能あれ♪」
ルアンナが魔法の杖を一振りすると、マジカルポケットから小さなメロンパンがポンと現れた。ちなみにマジカルポケット内は不思議時空なので、パンは焼きたての状態である。
「はい、どうぞ」
ルアンナはにこにこと笑いながら、ティカにメロンパンを手渡した。
「ふおお……! 甘くてサクサクしてる!」
もきゅもきゅとメロンパンを食べるティカ。感想なんて聞くまでもない。ティカの笑顔を見て、ルアンナもにっこり微笑んだ。
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「カレーカレー、カレーを沢山食べられる-」
能天気にスキップしながらパーティ会場に駆け付けたコハクが見たものは、冒険者達が各自で持ち込んだ食材をテーブルに並べて調理の準備をしている姿だった。
「あれ? もしかして自分で作らないといけないパターン?」
呆然とするコハク。かれこれ何回目だろうか、依頼をよく見ずに食べ物に反応して本能で受けたら実は違いましたという流れ……学習しなさいコハク。さらに、他の冒険者達はみな、食材も自分で持ち込むか、現地調達しているらしい。けっこうめんどくさいやつだ。
「仕方ない。自分で作ろう」
とはいえ、受けた依頼は依頼である。冒険者としての務めを果たすべく、コハクはフォークとスプーンを武器に持ち替えた。
「狩りをするなら、私も手伝うのだ」
コハクが狩りに出る準備をしていると、ゴブリナのストレガ・L・リベルガストラが協力を申し出てくれた。
「よろしく」
コハクはストレガとバディを組み、森へと入っていった。
●
「見つけた」
姿勢を低くし、茂みに身を隠していたコハクの目がキラリと光った。彼女の飛ばしたエーテルが、野生の熊を捉えたのだ。一般人なら即時離脱が推奨される状況だが、授恵者であるコハクにとっては熊はそこまで恐ろしい相手ではない。
「マーキング、完了」
捜波スキルでエーテルの印をつけ、コハクは精神を集中する。全身にエーテルを巡らせて反応速度を高め、爆発的な加速で背後から熊を奇襲した。
「先手必勝」
コハクの手にした黒刀が閃く。コハクが唐竹割に振り下ろした一撃は熊を頭頂部から股下まで通過し、一撃で真っ二つに切り裂いた。
「熊カレー……これはなかなかの獲物ね……」
コハクは息を吐き、武器についた血を拭った。
「見事なのだ。こっちも大物なのだ!」
コハクが熊を仕留めた頃、ストレガは謎の魔獣を仕留めていた。ヘビのような鱗を持ち、ほぼ球体の魅惑のボディを持つ不思議な鳥である。
「ナニコレ」
「分からないのだ。でも脂が乗ってて旨そうなのだ」
「うん、食べられるなら何でもいい」
「初めて見る種類なのだ! 後でエルフ達にも聞いてみるのだ!」
未知の探求に目を輝かせるストレガと、食えれば細かいことはあまり気にしないコハク。対照的な二人であった。
●
「私達は辛い物が苦手な人でも美味しく食べられる、甘いカレーにしましょう♪」
ルアンナはティカと一緒に森の中へと繰り出した。彼女が作ろうとしているのは甘口カレー。果物やハチミツを採取する計画である。
「ルアンナは元気でした? なんだか、人間の国は色々大変だったみたいでしたけど」
ルアンナは採取の道中、ヴィントを取り戻しようやく少し落ち着けるようになった事や、ここまで来るのにたくさん戦ったね一等賞など、思い出を振り返り、ティカと楽しくおしゃべりをした。ティカの方は基本的には平和だったらしく、ルアンナの数々の武勇伝を熱心に聞いてくれた。
「ルアンナのお話はエキサイティングですね! ちなみにルアンナが戦った敵の中で強かった敵って誰です?」
「それは……たぶん吸血鬼ヤコブ・ヴィリアンかしら」
「ああ、数万体のゾンビを率いて人間相手に戦争を仕掛けてきたとかいう……ナンミンキャンプの人達も噂してました。私達の村を襲った吸血鬼もそいつの手下だったらしいですね。じゃあ、ルアンナが今までで一番活躍した冒険は?」
「私の一番の戦果ですか? それはもちろん……敵将の吸血鬼ヤコブを燃やしてやった事よ!!」
ルアンナはぐっと拳を握って叫んだ。
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「カレーは様々なものを煮込む事で味と栄養の幅が広い良い料理なのだ。スパイスは食材の臭み消し味付けの他保存にも役に立つのだ」
大量の瓶や袋をテーブルに並べ、ストレガは言った。
「クミン、ターメリック、タイム……シナモン……すごい数の調味料ですね!」
料理人の卵のジェフはストレガが持ち込んだ調味料の豊富さに感嘆していた。
「米も高品質のものを持ってきたのだ。ディズル産の米なのだ。お肉は、今朝市場で新鮮な鹿と猪の肉を調達してきたのだ。さらに、森でコハク殿と熊と謎の魔鳥を狩ってきたのだ」
狩りの成果をドン、と披露するストレガとコハク。大物の登場に、キャンプの人々はざわめいた。
「ちなみに私の料理は独学なのだ。ただし、あらゆる地域・あらゆる種族の先達が残した多くの知識とその実践がある。食は万世共通の幸福なれば」
「ふむう。人間はこれほどの種類の調味料を開発していたのか」
調理風景を見る為、すでにキャンプ入りしていたエルフの青年もストレガのスパイスに舌を巻いた。ストレガからスパイスの名前や効能について聞き、熱心にメモをとっている。
「余った肉はキャンプの人達で分けるのだ。少し残して貰えれば私は十分なのだ」
「全部は食べられないのでコハクも肉だけもらえたらいいよ」
ストレガとコハクは血抜き、内臓摘出、皮剥ぎ、骨外しとてきぱきと獣を解体し、可食部位とそれ以外を分けていく。
「皮は干す。これは売り物になるのだ。獣骨は葱と各種野菜屑と一緒に大鍋で暫く煮込み出汁にしよう。屑もまた使い様なのだ」
「カレーの具材はね、大き過ぎても駄目だけど小さ過ぎても駄目だと思うんだ。やっぱり口にいれた時に食材達が適度な主張してこそだとコハクは思うんだよね」
カレーについて意見を交わす二人。二人共別にカレー屋ではないのだが、カレーにはこだわりがあるらしい。
「器に米を盛ったらカレーをかけ、猪肉のカツレツを乗せて完成なのだ。見た目は肉ばかりのワイルドなカレーだが野菜は溶かしてあるから野菜が苦手な者にお勧めなのだ」
「……自分が食べるように少し多めに作ってもばれないよね、うんうん。バレナイバレナイ」
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いよいよカレー作りも佳境に入り、第一号が完成しようとしていた。
「そろそろかな………ここで大豆を投入し、豆が柔らかくなるまで時々混ぜながらじっくりコトコト煮込む」
フラムはカレー粉をカレー用スプーンに二杯半程入れ、塩胡椒、ミードを入れて更に数分煮た。さらに出来上がったものを深皿に盛りつけて――。
「仕上げに………チーズを手で千切って散りばめる! あとはこれを窯で焦げ目がつくまで焼けば……」
数分後、香しい香りを放つ大豆の焼きカレーが出来上がった。
「っしゃー、完成!」
フラムはニカっと笑い、村人達とハイタッチした。
「さー、おあがりよっ!」
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「うーん、いい香りじゃ。どれもとても美味そうじゃな!」
カレー立食パーティが始まり、真っ先に列に並んだのはエルフ達の族長だった。年経たエルフらしく保守的な思想の持ち主であった彼は、かつては難民達との交流に難色を示していたが、今ではそういったこだわりも随分薄れたようだ。おいしいご飯は人類を救うのである。もっとも、冒険者の仲立ちもあり、早期に相互理解の土壌が築かれたからこその成果であるのだが。
「うむむ。これはジビエカレーか。肉が色々入っているなんとも贅沢な逸品! それに下拵えで何か工夫がしてあるな! 肉柔らかい!」
エルフのおじさんが舌鼓を打っているのはストレガの製作したワイルドカレーだった。
「肉はワインに漬け込んだのだ。そうすれば肉が柔らかくなるし、ワインの風味も沁み込むのだ」
胸を張るストレガ。彼女のカレーはたっぷりの熊、鳥、猪肉とルーに溶けた野菜がウリの野味溢れるワイルドカレーである。
「甘い! おいしい!」
子供達に人気があったのは、ルアンナやマリイが作った甘口カレーだった。蜂蜜やリンゴと恋するフルーティなカレーである。カレーは辛いもの、というイメージが強いが、辛ければいい、というものでもないのである。
「甘口カレー、おかわり!」
元気よくマリイに皿を突き出すコスモ。
「ふふ、ありがとう。ジャム入りがお気に入りみたいですね」
「デザートのメロンパンもありますよ! ……ティカが半分ぐらい食べちゃいましたけど」
ルアンナが溜息を吐くと、ティカはてへぺろポーズで誤魔化した。
「カレーは奥が深いですね。皆さんの料理も参考になります。これ、自家製なんですか?」
「ああ、うちの畑で獲れた野菜を使ってるんだ。隠し味は蜂蜜酒を……」
マリイとフラムは種族を超えたカレー談義に花を咲かせていた。レシピも交換しているので、お互いのさらなるカレーの研鑽も期待できるだろう。その近くでは、余ったくず肉をもらったコルデアが尻尾を振りながら食事をしていたそうな。
「うむ、この緑色のカレーは美味いな。野菜がたくさん入っているそうだから、健康にも良さそうだ」
「こちらのコハク印熊肉カレーもおススメだぞ。作り方を聞いてきた。簡単な調理法だったから俺達でも作れそうだ」
「カレーか……我々エルフも食文化においては次の段階を目指す時が来ているのかもしれんな」
エルフ達は各テーブルのカレーを食べ比べ、作り方を教わったり、楽しそうに感想を言い合ったりしていた。
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「今日は御馳走様でした。ナンミン族の人達はいなくなっちゃいますけど……冒険者さん、またいつでも遊びに来てくださいね?」
「うむ、儂らはいつでも歓迎するぞ」
「遊びに来てねー!」
帰りがけ、エルフの族長一家は冒険者達に微笑んだ。
「「もちろん!」」
エルフ達の言葉に、冒険者達は笑って答えたのだった。
マスターコメント
お疲れ様でした。おいしそうなカレーがたくさんできたので結果は大成功です。おめでとうございます!文字数の都合で難民キャンプ代表のスピーチ(200文字ぐらい)はオールカットになりましたが、行間ではキャンプの人達もちゃんと冒険者に感謝しております! ありがとうございました!
ショートシナリオ易しい 報酬:標準5 / 4〜10人
2021年08月21日 07時10分04秒 公開
大成功
相談掲示板
フラムですー!よろしくお願いしますー! 班分けするとしたら、食材調達班として川で魚釣ってこようかなと思っています。 一応マジカルポケットも積んでいく予定です。
ルアンナ・ミュラーです、よろしくお願いします♪ 森で果物を採ってきて、甘めのカレーの材料にしようと思います。
ストレガなのだ。よろしくなのだ。 ふむ、猪肉と鹿肉でやってみるのだ。
みんな、よろしく。出発は今日(12日)の夜19時だよ。プレイングの送り忘れに注意してね。
ぎりぎりの参加で失礼します、マリイと申します。よろしくお願いしますね。 とりあえず、緑のお野菜カレーを作ろうと思います!
遅くなった、ごめん。 カレー食べれると思ったら作り手側だったでござる。 シーフコハク、よろしくね。 食材調達並びに料理どちらもいけるよ