ボスザル、吠える!
ゆうきつかさ
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シナリオID:1212
オープニング
●リーンエス王国
サルの魔獣による被害は、拡大の一途を辿りつつあった。
キッカケはリーンエス王国の辺境地域にある村が、サルの魔獣達によって、襲われた事がキッカケであった。
サルの魔獣達は辺境の村を滅ぼし、そこにあるスイカ畑に居座った。
しかも、都合が悪い事に、サルの魔獣達は繁殖期。
大量の食糧を得るため、近隣の村々を襲って、農作物を強奪しているらしく、事態は深刻なようである。
その上、ボスザルの魔獣は、他と比べて頭が良く、例え罠を仕掛けても、引っかかる事が無いようだ。
だからと言って、このまま何もしなければ、事態は悪化していくばかり。
そこでサルの魔獣達が根城にしているスイカ畑に攻め込み、ボスザルの魔獣を倒して欲しいという事だった。
ボスザルの魔獣は、そこそこ頭がいいため、身の危険を感じると、まわりにいる猿の魔獣達を嗾け、攻撃を仕掛けてくるようである。
ただし、倒す必要があるのは、ボスザルの魔獣のみ。
ボスザルの魔獣さえ倒してしまえば、統制が取れなくなってしまうため、後は何とかなるだろうという話であった。
サルの魔獣による被害は、拡大の一途を辿りつつあった。
キッカケはリーンエス王国の辺境地域にある村が、サルの魔獣達によって、襲われた事がキッカケであった。
サルの魔獣達は辺境の村を滅ぼし、そこにあるスイカ畑に居座った。
しかも、都合が悪い事に、サルの魔獣達は繁殖期。
大量の食糧を得るため、近隣の村々を襲って、農作物を強奪しているらしく、事態は深刻なようである。
その上、ボスザルの魔獣は、他と比べて頭が良く、例え罠を仕掛けても、引っかかる事が無いようだ。
だからと言って、このまま何もしなければ、事態は悪化していくばかり。
そこでサルの魔獣達が根城にしているスイカ畑に攻め込み、ボスザルの魔獣を倒して欲しいという事だった。
ボスザルの魔獣は、そこそこ頭がいいため、身の危険を感じると、まわりにいる猿の魔獣達を嗾け、攻撃を仕掛けてくるようである。
ただし、倒す必要があるのは、ボスザルの魔獣のみ。
ボスザルの魔獣さえ倒してしまえば、統制が取れなくなってしまうため、後は何とかなるだろうという話であった。
解説
【基本的な情報】
サルの魔獣達はスイカ畑に居座っており、その場所を拠点にして、他の畑を荒らし回っている。
繁殖期のため、大量の食糧が必要。
スイカ畑があるのは、廃村の外れ。
そのまわりは森に囲まれており、身を隠す場所がいくつもある。
サルの魔獣達は食べ終えたスイカを頭に被っており、性格は凶暴。
木の棒を武器にして、襲いかかってくる場合もあり。
ボスザルの魔獣は、ゴリラのような外見をしており、体長2メートル程度。
通常のサルの魔獣と比べて、賢いため、そこそこ厄介な相手。
マスターより
どうも、ゆうきつかさです。
今回の目的は、サルの魔獣を退治する事です。
基本的には、ボスザルの魔獣を倒してしまえば問題ありません。
またサルの魔獣の数は、参加した人数だけで、対応する事が出来る数だと考えてください。
リプレイ
●リーンエス王国
「ここが猿の惑……いや、廃村か」
ブレイドは仲間達と共に、リーンエス王国の辺境地域にある廃村にやってきた。
その村には、かつて沢山の村人が住んでいたものの、サルの魔獣達に襲撃され、今では廃村と化していた。
そのためか、ところどころ村人達が生活をしていた形跡が残っており、寂しさと共に悲しみを感じた。
「一応、ボスだけでも倒せれば依頼達成みたいだけど、他の魔獣も生かしておく理由は無いわね。……可能ならここで全部を殲滅するわ」
イーヤ・レプリスがサルの魔獣達を探しながら、サルの魔獣達の棲み処と化したスイカ畑に向かった。
スイカ畑にはサルの魔獣達がおり、食べ終えたスイカを頭に被っており、キィキィと耳障りな鳴き声を響かせ、バカ騒ぎをしている最中だった。
「スイカなぞ頭にかぶっているが、視界に不自由せんのだろうか? まあ、それはそれで好都合だが……。さて……、どう攻める?」
ブレイドが岩陰に隠れつつ、仲間達に問いかけた。
サルの魔獣達は完全に油断している上に、スイカを頭に被っているため、まわりがまったく見えていないようだった。
それだけ簡単に村人達を蹴散らし、この場所を占拠する事が出来たのだろう。
サルの魔獣達は自信に満ち溢れており、何も怖いモノがない感じであった。
その分、強気になっているのか、例え誰かが襲い掛かってきたとしても、簡単に蹴散らす事が出来ると思い込んでいるようだった。
「何も考えていないようだから、真正面から突っ込んでいっても問題がないと思うけど……」
そんな中、コハクがサルの魔獣達を見つめ、自分なりの考えを述べた。
実際に、サルの魔獣達は武器も持たずに、スイカを被って悪ふざけをしているような状況のため、真正面から攻撃を仕掛けても、簡単に倒す事が出来そうな感じであった。
「それに、村を一つ滅ぼして近隣の村に迷惑を掛けてるなら、同情の余地もないしね。今まで、のさばっていた料金はその命で払わせてあげるわ」
イーヤが納得した様子で、サルの魔獣達に攻撃を仕掛けていった。
「ウキャ!」
その途端、サルの魔獣達がビクと身体を震わせ、慌てた様子で武器になるモノを探し始めた。
だが、まわりにあるのは、木の枝ばかり。
そんなモノで太刀打ちする事が出来る程、イーヤ達は弱くない。
その事を本能的に理解したものの、何かをしなければやられてしまうと思ったのか、半ばヤケになりつつ、足元に落ちていた小石を拾ってブン投げた。
しかし、小石が当たった程度で、イーヤ達は止まらない。
その事に危機感を覚えたメスザルの魔獣達は、子ザルの魔獣を抱きかかえ、必死になって逃げ出した。
「魔獣も妊婦なら、お腹が空くよね。……判るけどごめん、増えちゃ困るんだ。何より畑の作物は村人の明日の糧だから、これ以上横取りさせないよ」
その事に気づいたエルシー・サリバンが、申し訳なさそうにしながら、孤高の零距離殺撃者2と反応強化3を発動させ、メスザルの魔獣達の後を追った。
「ウッキャー!」
その行く手を阻むようにして、サルの魔獣達が奇声を響かせ、エルシー達に殴りかかってきた。
だが、殴ったくらいで、倒す事が出来る程、エルシー達は弱くなかった。
「ウキュ?」
これにはサルの魔獣達も身の危険を感じて、一斉にアヒル口をすると、可愛らしい表情を浮かべ、何とか許してもらおうとした。
しかし、スイカを頭に被っているせいで、可愛さ半減。
そもそも、根本的に可愛くない。
「どうやら、皆殺しにしても、問題ないようね」
それを挑発行為であると判断したイーヤが、こめかみを激しくピクつかせながら、とてもイイ笑顔を浮かべた。
そこに追い打ちをかけるようにして、わずかに残っていた良心が、荷物を纏めて旅立ってしまったため、何の躊躇いもなくエーテルブロー3を繰り出すと、サルの魔獣達を蹴散らし、ボスザルの魔獣に迫っていった。
「ウ、ウキィィィィィィィィ?」
その事にショックを受けたサルの魔獣達が、色々な意味で危機感を覚え、あたふたとし始めた。
おそらく、サルの魔獣達の予想では、あまりの可愛らしさに胸をキュンとさせたイーヤ達が、萌え苦しむ未来を思い浮かべていたのだろう。
その予想が木っ端微塵に砕け散ってしまう程、最悪の展開に陥ってしまったため、今にも白旗を上げそうな勢いで焦っていた。
「ウキュ♪」
それでも、このまま何もしなければ、物言わぬ肉の塊になるのは、時間の問題である判断したのか、サルの魔獣達が愛想良く歯を剥き出しにした後、精いっぱい可愛らしい表情を浮かべた。
「うん、殺そう。問題ないね」
コハクもイーヤと同じ気持ちになったのか、舞い踊るようにして飛び跳ね、サルの魔獣達の急所や脚を斬りつけた。
それはサルの魔獣達にとって、望まぬ結果であったが、いまさら泣き言を言ったところで、状況が一変する事もなかった。
むしろ、坂道を転がるようにして、最悪の事態に陥っているため、メスザル達の視線が背中にザクザクと突き刺さってくるほど、痛々しい状況に陥っていた。
「まあ、今回は人質もいないし、ただ倒すだけではあるのだが……」
その気持ちに応えるようにして、ブレイドが疾風足で瞬間的に加速し、ダブルエッジを繰り出し、サルの魔獣達を斬り捨てた。
「ウキキ……キキィ……」
こうなってしまうと、サルの魔獣達も、ただやられている訳には行かなくなった。
例え、勝ち目がないと分かっていても、小さな脳みそをフル回転させ、太刀打ちするための手段を考えなければならなくなった。
そうしなければ、肉の塊になる事が確定しているため、限られた時間の中で、生き残る方法を導き出さなければならなかった。
だが、物語の主人公でもないサルの魔獣達に、それが出来る訳もなく、無駄に時間ばかりが過ぎていった。
それでも、何かしなければ、やられると思ったのか、鬼のような形相を浮かべて、石を投げた。
それが雨の如く降り注いできたものの、ブレイド達にとっては蚊が刺された程度であった。
「……ウキャ」
そこでサルの魔獣達は、ようやく理解した。
自分達が狩られる立場にある事を……。
「ムッキィィィィィィィィィィィィィィィ!」
しかし、ボスザルの魔獣が、それを認めようとしなかった。
それどころか、サルの魔獣達を盾代わりにすると、それを拒否するサルの魔獣達を掴み取って、力任せにブン投げた。
それはサル爆弾とも言える危険なシロモノであったが、当たらなければ意味がない。
きちんと受け身を取る事が出来なかったサルの魔獣達が、ベチャ、グチョ、ドボッと音を立てて肉の塊と化していった。
「ウ、ウキ……」
それを目の当たりにしたサルの魔獣達が、ボスザルの魔獣を守るようにして陣取った。
既に、拒否権はない。
少しでも長生きするためには、そうするしかなかった。
「いくら壁を作ったところで無駄だよ」
そんな中、エルシーがボスザルの魔獣の背後を狙うようにして、炸光矢3でエーテルを籠めた光の矢を放ち、無数の光破片を炸裂させた。
「ウホォォォォォォ!」
その事に驚いたボスザルの魔獣が、警戒した様子でサルの魔獣を掴み取り、両目をギラギラさせた。
「ウキャ♪」
その緊張を和らげるようにして、ブレイドが声帯模写を使って、発情期のメス猿の声真似をした。
「ウホッ!」
その途端、ボスザルの魔獣が、サルの魔獣を叩き落し、鼻の下を伸ばして、声のヌシを探し始めた。
この様子では、頭の中でイケナイ事を考えているのだろう。
既に、身体の一部がヤバイ事になっているため、モザイクが掛かっているような状態になっていた。
(うわ……)
それを目の当たりにしたブレイドが自らの恥ずべき行いを悔い、崩れ落ちるようにして座り込んだ。
この状況で、捕まったら、最後。
可憐に花を散らす事になるのは、間違いなかった。
そんなブレイドを慰めるようにして、死亡フラグ達(幻覚的アレ)が『大丈夫、俺達がついているだろ? 例え、風穴が開いたって、大丈夫』と言って、親指をグイッと立てた。
「えーっと……、出来る限りの事をするから……頑張って!」
エルシーが言葉に詰まりながら、重撃射3でサルの魔獣達にエーテルを纏わりつかせて動きを鈍らせた。
「ウキャ!」
その事に違和感を覚えたサルの魔獣達が、身体に纏わりついたエーテルを払い除けようとしたが、無駄に時間が過ぎていくだけで、何の解決にもならなかった。
「ウホッ!」
一方、ボスザルの魔獣は、エーテルに纏わりつかれた状態のまま、まっすぐブレイドを見つめ、『こんなモン、俺達の愛に比べれば、障害にもならねぇよなァ!』と言わんばかりに、男らしい笑みを浮かべた。
それが死刑宣告の如くブレイドの心に突き刺さったものの、いまさら後悔したところで手遅れだった。
既に、ボスザルの魔獣の脳内では、結婚式が行われており、ウエディングドレス姿のブレイドが笑っていた。
「そんな目で見るなァ!」
次の瞬間、ブレイドの中で理性の留め金が外れ、ボスザルの魔獣に猛毒の刃を繰り出した。
その途端、ボスザルの魔獣が、愛しい人を見るような眼差しを、ブレイドに向けた。
そこは『お前になら、殺されてもいいぜ!』と言うメッセージがこめられていたため、背筋にゾっと寒気が走り、ボスザルの魔獣に近づく事が出来なくなった。
「トドメは、私が……」
そんな空気を察したエルシーが再び見えない死神を使い、ゴリラの魔獣の首を狙い撃った。
「クボ……ガァッ!」
その一撃を食らったゴリラの魔獣が、口からブクブクと血の泡を吐き、白目を剥いて息絶えた。
「ウッキャァァァァァァァァァ!」
その途端、サルの魔獣達が完全に戦意を喪失させ、蜘蛛の子を散らすようにして逃げていった。
それと同時に、イーヤがサルの魔獣の逃げ道を塞ぎ、ダマスカス鋼の祭刀Reで、首や心臓を狙って次々とトドメをさした。
コハクも同じようにサルの魔獣を仕留め、大量の返り血を浴びながら、黒刀についた血を払った。
「それじゃ、後始末をしたら帰りましょうか。サルの死体に価値なんて無いけど、他の肉食動物が寄ってきたり、臭い匂いの元になるから、森の中に適当に埋めるか捨てましょうか」
イーヤがダマスカス鋼の祭刀Reについた血を払い、サルの魔獣達の死骸を処理し始めた。
サルの魔獣達によって、スイカ畑が荒らされてしまったため、元通りにするためには、しばらく時間が掛かりそうである。
それでも、生き残った村人達で力を合わせて協力すれば、元通りにする事は難しくないだろう。
「それなら、念のため燃やしておこうか。万が一、ゾンビになったりしたら困るからね」
そう言ってエルシーがイーヤに答えを返した後、サルの魔獣達の死骸を燃やすのであった。
「ここが猿の惑……いや、廃村か」
ブレイドは仲間達と共に、リーンエス王国の辺境地域にある廃村にやってきた。
その村には、かつて沢山の村人が住んでいたものの、サルの魔獣達に襲撃され、今では廃村と化していた。
そのためか、ところどころ村人達が生活をしていた形跡が残っており、寂しさと共に悲しみを感じた。
「一応、ボスだけでも倒せれば依頼達成みたいだけど、他の魔獣も生かしておく理由は無いわね。……可能ならここで全部を殲滅するわ」
イーヤ・レプリスがサルの魔獣達を探しながら、サルの魔獣達の棲み処と化したスイカ畑に向かった。
スイカ畑にはサルの魔獣達がおり、食べ終えたスイカを頭に被っており、キィキィと耳障りな鳴き声を響かせ、バカ騒ぎをしている最中だった。
「スイカなぞ頭にかぶっているが、視界に不自由せんのだろうか? まあ、それはそれで好都合だが……。さて……、どう攻める?」
ブレイドが岩陰に隠れつつ、仲間達に問いかけた。
サルの魔獣達は完全に油断している上に、スイカを頭に被っているため、まわりがまったく見えていないようだった。
それだけ簡単に村人達を蹴散らし、この場所を占拠する事が出来たのだろう。
サルの魔獣達は自信に満ち溢れており、何も怖いモノがない感じであった。
その分、強気になっているのか、例え誰かが襲い掛かってきたとしても、簡単に蹴散らす事が出来ると思い込んでいるようだった。
「何も考えていないようだから、真正面から突っ込んでいっても問題がないと思うけど……」
そんな中、コハクがサルの魔獣達を見つめ、自分なりの考えを述べた。
実際に、サルの魔獣達は武器も持たずに、スイカを被って悪ふざけをしているような状況のため、真正面から攻撃を仕掛けても、簡単に倒す事が出来そうな感じであった。
「それに、村を一つ滅ぼして近隣の村に迷惑を掛けてるなら、同情の余地もないしね。今まで、のさばっていた料金はその命で払わせてあげるわ」
イーヤが納得した様子で、サルの魔獣達に攻撃を仕掛けていった。
「ウキャ!」
その途端、サルの魔獣達がビクと身体を震わせ、慌てた様子で武器になるモノを探し始めた。
だが、まわりにあるのは、木の枝ばかり。
そんなモノで太刀打ちする事が出来る程、イーヤ達は弱くない。
その事を本能的に理解したものの、何かをしなければやられてしまうと思ったのか、半ばヤケになりつつ、足元に落ちていた小石を拾ってブン投げた。
しかし、小石が当たった程度で、イーヤ達は止まらない。
その事に危機感を覚えたメスザルの魔獣達は、子ザルの魔獣を抱きかかえ、必死になって逃げ出した。
「魔獣も妊婦なら、お腹が空くよね。……判るけどごめん、増えちゃ困るんだ。何より畑の作物は村人の明日の糧だから、これ以上横取りさせないよ」
その事に気づいたエルシー・サリバンが、申し訳なさそうにしながら、孤高の零距離殺撃者2と反応強化3を発動させ、メスザルの魔獣達の後を追った。
「ウッキャー!」
その行く手を阻むようにして、サルの魔獣達が奇声を響かせ、エルシー達に殴りかかってきた。
だが、殴ったくらいで、倒す事が出来る程、エルシー達は弱くなかった。
「ウキュ?」
これにはサルの魔獣達も身の危険を感じて、一斉にアヒル口をすると、可愛らしい表情を浮かべ、何とか許してもらおうとした。
しかし、スイカを頭に被っているせいで、可愛さ半減。
そもそも、根本的に可愛くない。
「どうやら、皆殺しにしても、問題ないようね」
それを挑発行為であると判断したイーヤが、こめかみを激しくピクつかせながら、とてもイイ笑顔を浮かべた。
そこに追い打ちをかけるようにして、わずかに残っていた良心が、荷物を纏めて旅立ってしまったため、何の躊躇いもなくエーテルブロー3を繰り出すと、サルの魔獣達を蹴散らし、ボスザルの魔獣に迫っていった。
「ウ、ウキィィィィィィィィ?」
その事にショックを受けたサルの魔獣達が、色々な意味で危機感を覚え、あたふたとし始めた。
おそらく、サルの魔獣達の予想では、あまりの可愛らしさに胸をキュンとさせたイーヤ達が、萌え苦しむ未来を思い浮かべていたのだろう。
その予想が木っ端微塵に砕け散ってしまう程、最悪の展開に陥ってしまったため、今にも白旗を上げそうな勢いで焦っていた。
「ウキュ♪」
それでも、このまま何もしなければ、物言わぬ肉の塊になるのは、時間の問題である判断したのか、サルの魔獣達が愛想良く歯を剥き出しにした後、精いっぱい可愛らしい表情を浮かべた。
「うん、殺そう。問題ないね」
コハクもイーヤと同じ気持ちになったのか、舞い踊るようにして飛び跳ね、サルの魔獣達の急所や脚を斬りつけた。
それはサルの魔獣達にとって、望まぬ結果であったが、いまさら泣き言を言ったところで、状況が一変する事もなかった。
むしろ、坂道を転がるようにして、最悪の事態に陥っているため、メスザル達の視線が背中にザクザクと突き刺さってくるほど、痛々しい状況に陥っていた。
「まあ、今回は人質もいないし、ただ倒すだけではあるのだが……」
その気持ちに応えるようにして、ブレイドが疾風足で瞬間的に加速し、ダブルエッジを繰り出し、サルの魔獣達を斬り捨てた。
「ウキキ……キキィ……」
こうなってしまうと、サルの魔獣達も、ただやられている訳には行かなくなった。
例え、勝ち目がないと分かっていても、小さな脳みそをフル回転させ、太刀打ちするための手段を考えなければならなくなった。
そうしなければ、肉の塊になる事が確定しているため、限られた時間の中で、生き残る方法を導き出さなければならなかった。
だが、物語の主人公でもないサルの魔獣達に、それが出来る訳もなく、無駄に時間ばかりが過ぎていった。
それでも、何かしなければ、やられると思ったのか、鬼のような形相を浮かべて、石を投げた。
それが雨の如く降り注いできたものの、ブレイド達にとっては蚊が刺された程度であった。
「……ウキャ」
そこでサルの魔獣達は、ようやく理解した。
自分達が狩られる立場にある事を……。
「ムッキィィィィィィィィィィィィィィィ!」
しかし、ボスザルの魔獣が、それを認めようとしなかった。
それどころか、サルの魔獣達を盾代わりにすると、それを拒否するサルの魔獣達を掴み取って、力任せにブン投げた。
それはサル爆弾とも言える危険なシロモノであったが、当たらなければ意味がない。
きちんと受け身を取る事が出来なかったサルの魔獣達が、ベチャ、グチョ、ドボッと音を立てて肉の塊と化していった。
「ウ、ウキ……」
それを目の当たりにしたサルの魔獣達が、ボスザルの魔獣を守るようにして陣取った。
既に、拒否権はない。
少しでも長生きするためには、そうするしかなかった。
「いくら壁を作ったところで無駄だよ」
そんな中、エルシーがボスザルの魔獣の背後を狙うようにして、炸光矢3でエーテルを籠めた光の矢を放ち、無数の光破片を炸裂させた。
「ウホォォォォォォ!」
その事に驚いたボスザルの魔獣が、警戒した様子でサルの魔獣を掴み取り、両目をギラギラさせた。
「ウキャ♪」
その緊張を和らげるようにして、ブレイドが声帯模写を使って、発情期のメス猿の声真似をした。
「ウホッ!」
その途端、ボスザルの魔獣が、サルの魔獣を叩き落し、鼻の下を伸ばして、声のヌシを探し始めた。
この様子では、頭の中でイケナイ事を考えているのだろう。
既に、身体の一部がヤバイ事になっているため、モザイクが掛かっているような状態になっていた。
(うわ……)
それを目の当たりにしたブレイドが自らの恥ずべき行いを悔い、崩れ落ちるようにして座り込んだ。
この状況で、捕まったら、最後。
可憐に花を散らす事になるのは、間違いなかった。
そんなブレイドを慰めるようにして、死亡フラグ達(幻覚的アレ)が『大丈夫、俺達がついているだろ? 例え、風穴が開いたって、大丈夫』と言って、親指をグイッと立てた。
「えーっと……、出来る限りの事をするから……頑張って!」
エルシーが言葉に詰まりながら、重撃射3でサルの魔獣達にエーテルを纏わりつかせて動きを鈍らせた。
「ウキャ!」
その事に違和感を覚えたサルの魔獣達が、身体に纏わりついたエーテルを払い除けようとしたが、無駄に時間が過ぎていくだけで、何の解決にもならなかった。
「ウホッ!」
一方、ボスザルの魔獣は、エーテルに纏わりつかれた状態のまま、まっすぐブレイドを見つめ、『こんなモン、俺達の愛に比べれば、障害にもならねぇよなァ!』と言わんばかりに、男らしい笑みを浮かべた。
それが死刑宣告の如くブレイドの心に突き刺さったものの、いまさら後悔したところで手遅れだった。
既に、ボスザルの魔獣の脳内では、結婚式が行われており、ウエディングドレス姿のブレイドが笑っていた。
「そんな目で見るなァ!」
次の瞬間、ブレイドの中で理性の留め金が外れ、ボスザルの魔獣に猛毒の刃を繰り出した。
その途端、ボスザルの魔獣が、愛しい人を見るような眼差しを、ブレイドに向けた。
そこは『お前になら、殺されてもいいぜ!』と言うメッセージがこめられていたため、背筋にゾっと寒気が走り、ボスザルの魔獣に近づく事が出来なくなった。
「トドメは、私が……」
そんな空気を察したエルシーが再び見えない死神を使い、ゴリラの魔獣の首を狙い撃った。
「クボ……ガァッ!」
その一撃を食らったゴリラの魔獣が、口からブクブクと血の泡を吐き、白目を剥いて息絶えた。
「ウッキャァァァァァァァァァ!」
その途端、サルの魔獣達が完全に戦意を喪失させ、蜘蛛の子を散らすようにして逃げていった。
それと同時に、イーヤがサルの魔獣の逃げ道を塞ぎ、ダマスカス鋼の祭刀Reで、首や心臓を狙って次々とトドメをさした。
コハクも同じようにサルの魔獣を仕留め、大量の返り血を浴びながら、黒刀についた血を払った。
「それじゃ、後始末をしたら帰りましょうか。サルの死体に価値なんて無いけど、他の肉食動物が寄ってきたり、臭い匂いの元になるから、森の中に適当に埋めるか捨てましょうか」
イーヤがダマスカス鋼の祭刀Reについた血を払い、サルの魔獣達の死骸を処理し始めた。
サルの魔獣達によって、スイカ畑が荒らされてしまったため、元通りにするためには、しばらく時間が掛かりそうである。
それでも、生き残った村人達で力を合わせて協力すれば、元通りにする事は難しくないだろう。
「それなら、念のため燃やしておこうか。万が一、ゾンビになったりしたら困るからね」
そう言ってエルシーがイーヤに答えを返した後、サルの魔獣達の死骸を燃やすのであった。
マスターコメント
今回はどのプレイングも素晴らしく、誰もがMVPになるような状況でした。
ショートシナリオ普通 報酬:多い4 / 4〜8人
2021年08月05日 18時24分55秒 公開
大成功