【鉄鱗】巨大真珠をゲットせよ!
ゆうきつかさ
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シナリオID:1196
オープニング
ヴィントダンジョン最初の階層に広がる海で、アコヤ貝の魔獣が発見された。
厳密に言えば、アコヤ貝とは似て非なる生物のようだが、見た目自体はアコヤ貝そのもの。
どうやら、今は産卵期らしく、陸まで上がってきたようである。
今回の目的は、アコヤ貝の中にある真珠を回収する事。
ただし、アコヤ貝の身体は硬く、貝が閉じた状態で、真珠を回収する事は不可能。
だが、幸いな事に、今は産卵期。
その間、アコヤ貝の魔獣は、元気な卵を産むため、触手を伸ばして餌を取り込み、栄養を蓄えようとするため、真珠を回収するチャンスがあった。
その分、怒らせると命の保証が出来ないため、くれぐれも気を付けて欲しいという事だった。
解説
マスターより
リプレイ
「3メートルもあるアコヤ貝の魔獣か。さぞ立派な真珠がとれるのだろうが……。宝飾品以外の使い道があるのだろうか?」
ブレイドは何気ない疑問を感じつつ、仲間達と共にヴィントダンジョンにやってきた。
今回の目的は、ヴィントダンジョン第一階層の海に生息しているアコヤ貝の魔獣から、巨大な真珠を手に入れる事だった。
その真珠が、何に使われるのか、詳しい事は分かっていない。
それでも、依頼主が必要としているのだから、有効的な利用方法があるのだろう。
残念ながら、依頼を引き受けた時に、詳しい話を聞く事が出来なかったものの、何らかの形で何に使われたのか知る事が出来るかも知れない。
「真珠! それも巨大な! いいわね、そういうの! 好きよ、私は! 幾つか持って帰れないかしら?」
そんな中、イーヤ・レプリスが、瞳をランランと輝かせた。
一応、今回の依頼で手に入れた真珠は、すべて依頼主に渡す事が条件になっているため、後は交渉次第だろう。
運が良ければ、真珠を分けてもらえるかも知れないが、現時点では依頼主のところまで運ぶ必要があった。
「ところで、魔獣の真珠って何色なのでしょうか? 白……黒……虹色……マーブル模様とか? 形もバロック、オーバルと色々とあるようですし、想像するとワクワクしますね」
その横でエヴァン・ピオネロが瞳をランランと輝かせ、あれこれと想像を膨らませた。
考えれば、考える程、夢が膨らんでいき、ワクワクと、ドキドキが止まらなくなった。
普通に考えれば、アコヤ貝と同じように、純白……もしくはクリーム色である可能性が高いものの、アコヤ貝に似ている魔獣であって、厳密に言えばアコヤ貝とは異なる存在であるため、自分の目で確かめるまでは、何色なのかハッキリと断言する事は出来なかった。
「まあ、真珠はともかく、水中戦ってのはあんまり経験の機会がねぇからな。慣れときゃ後々金になるだろ。希少技術ってぇやつはそういうもんだ」
その間に、ゴブロウタが海に飛び込み、岩陰に隠れて息を殺した。
既に、ゴブロウタは岩と一体化しており、心が無に近い状態になっていた。
そのため、いくらでも待つ事が出来るものの、あまり気を抜いていると、仲間達からも忘れ去られてしまいそうなほど、気配がゼロに近かった。
「……で、オーダーは真珠の回収だったな。ニオイが強いモノを好むのなら、これでどうだ」
一方、ブレイドは干し肉に香料を塗り、アコヤ貝の魔獣を釣る餌にした。
海には他にも海洋生物がいるため、干し肉に使った香料は、依頼主から聞いてアコヤ貝の魔獣が好むモノにした。
こうする事で、まったく関係のない獲物が、釣り針に引っかからないようにしているため、後は待つだけである。
「へえ……、これが魔獣の好むニオイなの? ちょっと癖があるけど、悪くないわね」
イーヤも干し肉に香水を吹きかけ、ブレイドの横に並ぶようにして釣りを始めた。
その途端、海面で何かがポチャンと音を立てた。
それが何だったのか分からないが、激しく水飛沫を上げながら、ブレイドの餌に食らいついてきた。
そのため、一瞬アコヤ貝の魔獣では無い何かが餌に食らいついたのではないかと不安な気持ちになった。
「……えっ? もう掛かったんですか?」
エヴァンがハッとした表情を浮かべ、ブレイドと一緒に釣り竿を引っ張り上げた。
だが、釣り竿に掛かった正体不明の獲物が大き過ぎるため、エヴァン達だけでは引き上げる事が困難であった。
それを嘲笑うようにして、正体不明の獲物がエヴァン達を海に引きずり込む勢いで、グイグイと釣り糸を引っ張ってきた。
「……魔獣が逃げるぞ!」
ゴブロウタが色々な意味で危機感を覚え、仲間達に対して声を掛けた。
しかし、仲間達がいるのは、砂浜。
アコヤ貝の魔獣がいる浅瀬までは、距離がある。
そのため、ゴブロウタがアコヤ貝の行く手を阻みつつ、仲間達が来るまでの時間を稼ぎながら、ジリジリと距離を縮めていった。
「せっかくここまで追い詰めたんですから、絶対に逃がしませんからね」
それに合わせて、エヴァンがアイアンウォールで魔法の鉄壁を形成し、アコヤ貝の魔獣が途中で逃げないように道を塞いだ。
「ギ……ギ……ギィィィィィィィ!」
それでも、アコヤ貝の魔獣が魔法の鉄壁に体当たりを食らわせ、必死に逃げようとした。
その気持ちに反して、魔法の鉄壁は傷ひとつつかず、破壊する事も出来なかった。
「……随分と元気がいいな! だったら、ちょっとくらい痛い思いをしても、我慢できるよな?」
すぐさま、ゴブロウタがノービススタッフを握り締め、アコヤ貝の魔獣の口に突っ込んで、つっかえ棒代わりにした。
「ギ、ギ、ギ、ギィィィィィ……」
その途端、アコヤ貝の魔獣が奇妙な鳴き声を響かせ、ノービススタッフをへし折ろうとした。
「貝が開いた状態になれば、こっちのものだ。体力に自信はある。貝のこじ開けは任せておけ」
その隙をつくようにして、ブレイドがアコヤ貝の魔獣に挟まれるような形で支え、シッカリと踏ん張った後、強引にこじ開けた。
「ギチギチギチギチ……」
だが、アコヤ貝の魔獣も諦めておらず、ブレイドごと押し潰す勢いで、貝を閉じ、無数の触手をニュルニュルと伸ばしてきた。
それがブレイドの身体を這い回り、笑いのツボを刺激した。
「……だから、どうした。その程度で笑うと思ったら、大間違いだ。こっちは幾つもの死線を潜り抜けてきたんだ。そもそも乗り越えてきた修羅場の数が違う!」
しかし、ブレイドは全身触手まみれになりながら、決して笑う事はなかった。
逆に、笑いの種を叩き潰し、根絶やしにする勢いで、鬼のような形相を浮かべていた。
それはブレイドが意図した事では無かったが、触手には絶対に屈しないという強い意志が感じられた。
「うく……く……」
その間、ブレイドは自らの命を削る勢いで両手に力を籠めつつ、念動力を使って七色に輝く真珠を取りやすい位置まで移動させようとした。
その邪魔をするようにして、身体に纏わりついた触手が、ブレイドの命を奪う勢いで、ギチギチと締め上げてきた。
おそらく、それはブレイドでは無ければ、耐える事が出来ない痛み。
だが、ここで耐えなければ、その先に待っているのは、死だけである。
その事を理解しているためか、ブレイドは決して気を抜かなかった。
途中で諦める事なく、アコヤ貝の魔獣に屈する事もなかった。
「さすがに放っておく訳にはいかないわね」
その事に危機感を覚えたイーヤが、エーテル流体弾を撃ち込み、アコヤ貝の魔獣の中で輝く虹色の真珠を押し出した。
「ピギャャャャャャャャャャャャャャャャャ!」
その途端、悲鳴にも似た鳴き声が辺りに響き、アコヤ貝の魔獣がブレイドを圧し潰す勢いで貝を閉じようとした。
それでも、ブレイドは貝が閉じる事を全力で阻止するため、全身の筋肉を隆起させた。
その事に腹を立てたアコヤ貝の魔獣が、貝を閉じる事を諦め、ニュルニュルと触手を伸ばし、今度は虹色の真珠を取り戻そうとした。
「……って、何よ、今度は! ダメよ、これは! 絶対に、渡さないんだから……!」
イーヤが虹色の真珠を抱えながら、触手から逃げるようにして、アコヤ貝の魔獣から遠ざかった。
どうやら、触手を伸ばすのには限界があるらしく、いくら頑張ってもイーヤには届かなかった。
だからと言って、貝を閉じる事も出来ないため、苛立ちを隠す事が出来ないようだった。
「真珠を回収したから、さっさと撤収したいところだが……。流石に仲間を見捨てて逃げる訳には行かねぇな……」
そんな中、ゴブロウタが複雑な気持ちになりつつ、ブレイドを助け出すタイミングを窺った。
ここで迂闊に攻撃を仕掛けてしまうと、逆にブレイドが危険な状態に追いやってしまうかも知れないため、慎重に行動する必要があった。
だからと言って、このまま何もしなければ、一瞬にしてブレイドの命の灯が消え去ってしまう可能性も捨てきれない。
その事が原因で、頭の中に色々な考えがグルグルと回り、答えを出す事が出来なくなった。
「ぼくが魔獣の動きを鈍らせている間に、早く逃げてください」
そんな空気を察したエヴァンがアーケインテンペスト改で、稲妻のような光が無数に荒れ狂う空間を出現させ、アコヤ貝の魔獣の動きを封じ込めた。
「ギギギ……」
しかし、アコヤ貝の魔獣は、まったく諦めていなかった。
それどころか、半ばヤケになりつつ、全力でブレイドを圧し潰そうとしていた。
その邪魔をするようにして、稲妻のような光が、アコヤ貝の魔獣に纏わりついた。
「ギ……ギ……ギィィィィィィィ」
次の瞬間、アコヤ貝の魔獣が怒りを爆発させ、ブレイドに絡みつかせていた触手を解き、ノービススタッフを弾き飛ばしつつ、全力で稲妻のような光を振り払おうとした。
「……!」
その隙をつくようにして、ブレイドが貝殻の外に飛び出し、転がるようにして海に飛び込んだ。
「ピギァァァァァァァァァァァァァァァ!」
その事に気づいたアコヤ貝の魔獣が、ブレイドを追うようにして、次々と触手を伸ばしてきた。
だが、届かない。
……届きそうで届かない!
それでも、必死に触手を伸ばし、ブレイドを捕縛しようとした。
その気持ちが原動力となり、アコヤ貝の魔獣が跳ねるようにして、一気に距離を縮めてきた。
「海に帰ってくださいーっ」
それを迎え撃つようにして、エヴァンがタイダルストリーム2を発動させ、轟音と衝撃波と共に強烈な破壊力を秘めた巨大なエーテル光波を一直線上に撃ち放ち、アコヤ貝の魔獣を海に押し戻した。
その間に、ブレイドがフラつきながら、仲間達のところに戻っていった。
「随分と無茶をした割には、それほど怪我をしていないようね」
イーヤがブレイドに駆け寄り、ホッとした様子で、サイドヒールを発動させた。
ブレイドは身体のあちこちに怪我をしていたものの、致命傷になるような傷は負っておらず、すべてサイドヒールで治療をする事が出来た。
「とりあえず、真珠も回収する事が出来たし、帰るとするか」
そう言ってゴブロウタがアコヤ貝の魔獣から吐き出されたノービススタッフを拾い上げ、ホッとした様子で溜息をもらすのだった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:多い4 / 4〜8人
2021年08月02日 09時41分12秒 公開
相談掲示板
ヒーラーのイーヤよ、よろしく。
キャスターのエヴァン・ピオネロです。よろしくお願いします。 ニオイの強いモノで栄養が有りそうなら、チーズ…ですかね? 馬の鼻に人参のように、釣糸で垂らして、触手が届くスレスレに下げましょうか? 他の方が、槍の柄のように長い棒で真珠を掻き出してくれれば取れそうな気がしました。 後は失敗した時に備えてカバーに入る方が居てくれると安心できそうです。
シーフのブレイドだ、よろしく頼む。 チーズならニオイも強いしよさそうだ。 他には香料の塗り込まれている干し肉でも用意しておこうか。 あとは力仕事になりそうな貝のこじ開けを担当しようかと思っている。
ブレイドさん、ヨロシクです。 後お1人、誰か来てくれると良いですね。 干し肉も程よく匂ってくれるでしょうね。 ぼくは釣り竿を持ち込んで、貝の目前に下げる係か 竿を固定しておけるなら、開いた貝の口が閉じないように 石か何かをつっかえ棒に置く係も考えます…が、手が回るか判らないです。 それと、戦闘になった時に逃げられるように足止め魔法と鉄壁でしょうか… 水辺から全力移動で逃げようにしますね。
滑り込みですが、よろしくどうぞ。 >つっかえ棒 では、私の方で担当しときましょうか。 ただ、唯の棒というのもちょっと不安なのでなにか考えておきます。 例えば武器の杖とか。
確定ですねー!良かったです。 武器なら強度がありそうなので是非にお願いします。 ぼくはもしもに備えて他の仕事も手伝うように匂わせつつも釣りメインで行動させて頂きます。
>つっかえ棒 まあ、壊れてもいいようにノービス系の杖を使うんで損耗はお気になさらず。 一応攻撃用に別の武器(祭刀)持っていきます。 それと、多分これ水中でしょうから水着着用の上で水中用スキルもセットしていきます。 特に移動系なんかは「チャンスなんだけど届かない」という事態の予防として。
出発ギリギリだけど、皆集まってくれてありがとう。 がんばりましょう。
こちらもギリギリで済まないがプレイングは提出済みだ、うまくいくといいな。 先に書いた内容の他に念動力で取りやすい位置まで動かすのを入れてみたくらいか。