救う事の出来なかった命
ゆうきつかさ
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シナリオID:1123
オープニング
オーク達が襲ってきたのは、いまから数日前の事だった。
以前にもオーク達が襲撃した事があったものの、その時はエルフ達が力を合わせて、撃退する事が出来た。
だが、それはただ単に運が良かっただけ。
その時のオークは何者かと戦って負傷していたため、エルフ達だけでも勝つ事が出来た。
しかし、今回は事情が異なっていた。
戦いで負った傷が癒え、エルフ達に復讐を誓ったオーク達に迷いはなかった。
本能の赴くまま、自らの欲望に身を任せ、エルフ達を襲って、弄び、肉の塊に変えていった。
今回の依頼人は、村から逃げてきたエルフであった。
……どうか、この金で、仲間達を助けてほしい!
それがエルフからの依頼であった。
それは簡単そうで、難しい依頼であった。
そもそも、エルフ達が生きている保証はない。
例え、生きていたとしても、無傷という事はないだろう。
だが、それでも構わないと、エルフは言った。
万が一、仲間が死んでいたとしても……。
肉の塊と化していたとしても……。
……オーク達だけは倒して欲しい!
そう言って地面に擦りつけるようにして、頭を下げた。
解説
マスターより
リプレイ
オークによって占拠された村は、酷い有様になっていた。
辺りには死臭が漂っており、それが腐臭と混ざって、言葉には出来ない程の悪臭になっていた。
それでも、オーク達はまったく気にしておらず、むしろ快適に過ごしているようだった。
元々、オーク達は授恵者達との戦いに敗れ、この地にやってきたらしい。
そこでエルフの村を襲ったようだが、傷ついた身体で勝てる訳もなく、返り討ちに遭ったようだ。
その後、オーク達は森の中に砦を作り、万全の体勢を整えた上で、エルフに復讐を果たし、今に至っているようである。
「オークには穏やかに生きる選択肢はないのか。共に神が作った命だろうに……」
ロイ・アウレアは茂みに身を隠しつつ、複雑な気持ちになっていた。
それでも、悩んでいる場合ではないため、雑念を振り払うようにしながら、オーク達に逃避を許しそうなポイントをチェックした後、その場所を木々や岩で塞いで準備を整えた。
その上で、万が一の事を考え、ルプス(ペットの狼)に見張らせる事にした。
「亜人の襲撃をうけて集落が壊滅か。見慣れた光景……とまではいわんが、何度みても気分の悪いものだ。……話自体は珍しくもないが何ともやりきれん話だな」
ブレイドも茂みに身を隠しつつ、村の様子を窺って、惨状に顔をしかめた。
オーク達は村人達を玩具代わりにしていたらしく、広場には沢山の死体が転がっていた。
そのためか、完全に脅威となる存在がいなくなったと思い込んでいるらしく、入口の見張りさえイビキを掻いて眠っているようだった。
そんな中、リーダーと思しきオークは、食糧庫を寝床代わりにしており、グースカと寝息を立てていた。
「こんな凄惨な現場は初めてです。僕はずっと死が身近と思っていましたけど、ここまで酷いとは考えてもみませんでした」
セオ・ウルジオが天眼で周囲を警戒しつつ、拳をギュッと握り締めた。
村人達の死体は、みんな苦悶の表情を浮かべており、マトモな状態のモノは、一体もなかった。
「皆殺し、ならまだしも嬲り殺し、ね。これだから嫌なのよ。まぁ、起こったことは仕方ないし、私はオークを処分するだけど……。あと生存者の救助も、ね。可能性が低くても、0じゃないのなら探すのも悪くないわ」
イーヤ・レプリスが嫌悪感をあらわにしながら、自分なりの考えを述べた。
オークの襲撃からしばらく時間が経っているため、生存者がいる可能性は極めて低い。
例え、生き残っていたとしても、無傷である可能性は、ゼロに等しかった。
それでも、まったく希望がない訳では無い。
誰かが助けに来る事を信じて、待ち続けている村人がいても、おかしくないのだから……。
「同胞達の危機である以上、何とか助けたいとは思いますが……。残念ながら失われた命を救う事は出来ません。その分、煮ても焼いても食えない豚野郎共に自分達の犯した罪を十分に知らしめて地獄に送るつもりですが……」
レラ・シュマリが真剣な表情を浮かべ、ホークアイと天眼を駆使して、索敵をし始めた。
幸い、オーク達の大半は表に出ており、何処かに隠れている様子はなかった。
「さすがのボクも今回ばかりは食欲も湧いてこないから、とっとと退治しちゃおうかな……。それに、可能性がゼロじゃないなら、助けられる命がまだあるかもしれないって事だからね。とにかく、急ごう……!」
アルマ・ヴァレンタインが攻撃を仕掛けるタイミングを窺いながら、少しずつ距離を縮めていった。
「それにはオーク達を一ヶ所に集める必要がありそうですね。このままだと、隠れ震えて出てくる事が出来ないかも知れませんし……」
エヴァン・ピオネロがオーク達の注意を引くため、サウンドボマーを発動させた。
「……!」
その音に驚いたオーク達がビクッと身体を震わせ、興奮した様子で棍棒を掴み取った。
この様子では、完全に油断していたのだろう。
オーク達の中には何の武器も持たずに向かってきた者もおり、酷く動揺している様子であった。
「それじゃ、オーク共を速攻で倒して、犠牲者の魂を弔うか!」
すぐさま、アルベルト=V=シュタールシュヴェーアトが一気に間合いを詰め、オーク達に攻撃を仕掛けていった。
「ブヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!」
それを迎え撃つようにして、オーク達が唸り声を響かせ、一斉に襲いかかってきた。
「そんなに突っ込んできていいのか? まあ、纏めて斬るだけだが……」
即座に、ブレイドが疾風足で瞬間的に加速し、ダブルエッジを繰り出した。
「ブ、ブヒィィィィィィィィィィ!」
その一撃を食らったオークが悲鳴を上げ、大量の血を流しながらフラついた。
「これで終わりだと思ったら、大間違いですよ!」
それに合わせて、レラがオークの死角に回り込み、重撃射で動きを鈍らせた。
「まさか自分より弱いエルフしか相手にしないって事はないよな?」
そこに追い打ちをかけるようにして、ロイがダマスカス鋼の強弓Reを構え、容赦なくオークの足を射抜いた。
「ブ、ブヒィィィィィィィィィ!」
その途端、足を射抜かれたオークが、間の抜けた声を上げ、崩れ落ちるようにして座り込んだ。
圧倒的な力の差を前にして、まわりにいたオーク達も動揺した。
その気持ちが爆発したのか、オーク達の一部が脱兎の如く逃げ出した。
「……逃がしませんよ」
それと同時に、エヴァンがスタティックフィールドを発動させ、光り輝く球状の存在を纏わりつかせた。
オークにとって、それは脅威であった。
何度振り払っても纏わりつき、心の中に芽生えた恐怖が、弾け飛ぶ勢いで膨らんでいった。
「このまま(あの世に)出火してしまいましょうか」
次の瞬間、イーヤがメテオライト3を発動させ、大量の小さな光弾を雨の如く降らせた。
そこに追い打ちをかけるようにして、セオがメテオライト2を発動させ、大量の小さな光弾をオーク達にブチ当てた。
「アルベルトさん、後ろ!」
そんな中、アルマがハッとした表情を浮かべ、堅甲3でアルベルトを強化した。
「……任せろ! この『オークキラー』がコイツら等を殲滅する!!
その気持ちに応えるようにして、アルベルトが鋭撃2を繰り出し、大量の返り血を浴びながら、棍棒を振り下ろそうとしていたオークの身体を貫いた。
そのため、オークは棍棒を振り下ろす事が出来ず、土煙を上げながら地面に突っ伏した。
「ブ、ブヒィ!」
その事に危機感を覚えたオーク達が踵を返し、意地でも森の中に逃げようとした。
「オイオイ、どうした? 威勢がいいのは初めのうちだけか?」
即座にブレイドが疾風足で回り込み、オーク達の行く手を阻んだ。
「ブヒィィィィィィィィィィィ!」
それでも、オーク達は逃げ道を確保するため、精一杯の唸り声を響かせてブレイドを威嚇した。
しかし、その程度の威嚇で、怯むブレイドではなかった。
「同胞の無念を晴らすためにも、ここで逃がす訳にはいかないんです!」
その間に、レラがバスターアローを仕掛け、オーク達の無防備な背中を射抜いた。
それに合わせて、クラウド(ペットの狼)がオークに飛び掛かり、首元に食らいついて息の根を止めた。
「だから、絶対に逃がしませんよ!」
それと同時に、エヴァンが超魔法で天地のエーテルを搔き集め、魔法力を強化すると、ストーンブラスト2を発動させ、紅蓮の炎を纏う巨弾を炸裂させた。
それはオーク達にとって、悪夢以外のナニモノでもなかった。
自分より下に見ていたエルフから、予想を上回るほどの反撃を食らったため、トラウマと恐怖と後悔が一気に渦巻いた。
だが、反省する間もなく、オーク達が物言わぬ肉の塊と化していった。
「オレ達は遺体を弄ぶような真似はしないから安心して逝くと良い」
一方、ロイはルプスと連携を取りつつ、鋭射でオーク達を仕留めていった。
それでも、一部のオークが辺りをキョロキョロと見回し、必死に逃げ道を探していた。
その事に気づいたルプスが唸り声を響かせながら、オーク達の前に陣取った。
「そっちに逃げだよ!」
そんな中、アルマがブレイドに声を掛け、輝刃3でノービスソードを強化した。
「ああ、分かっている」
それと同時に、ブレイドがノービスソードを振るい、森に逃げようとしていたオークを斬り捨てた。
その一撃を食らったオークは自分の身に何が起こったのか分からず、口をパクパクさせながら血溜まりの中に沈んでいった。
「私の眼から、お前達が逃れられる術は絶対にありませんよ」
そこに追い打ちをかけるようにして、レラがバスターアローでオークの心臓を射抜いた。
「相手が悪かったわね。……と言っても、いまさら後悔したところで、手遅れなんだけど……」
続いて、イーヤがストーンブラスト3を発動させ、紅蓮の炎を纏った巨弾を炸裂させた。
「ブヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィイ」
次の瞬間、リーダーと思しきオークが、ハンマーを振り上げ、ドシンドシンと音を立てて襲い掛かってきた。
しかし、寝起きで有利に戦えるほど、イーヤ達は弱くなかった。
「何の策もなく真正面から攻撃を仕掛けてくるとは……。それでは死者を冒涜した報いを受けてもらいましょうか」
すぐさま、セオが光縛封を発動させ、リーダーと思しきオークの動きを封じ込めた。
「……!」
その途端、リーダーと思しきオークが、動揺した様子で両目を泳がせた。
だが、身体が全く見動かない。
ハンマーを振り上げたまま、指ひとつ動かす事が出来ないため、完全に無防備な状態になっていた。
それでも、必死に身体を動かそうとしたが、脂汗が噴き出るばかり。
まるで時間が止まってしまったかのように、まったく身体が動かなかった。
「……覚悟はいいか? まあ、嫌だって言っても、斬るけどな」
その隙をつくようにして、アルベルトが紫電一閃を仕掛け、リーダーと思しきオークを斬り捨てた。
リーダーと思しきオークは力尽きてハンマーを落とすと、膝をつくようにして崩れ落ちた。
「……あの世で詫びろ」
そう言ってアルベルトが、ダマスカス鋼の大太刀Reについた血を払った。
●
リーダーと思しきオーク達が倒れた後、オーク達の戦意は一気に衰えた。
先程まで強気だったオークも、勝ち目がないと判断したのか、訳の分からない言葉を叫びながら、命乞いを始める程だった。
だからと言って、容赦をするわけには行かなかった。
確かに表面上は降伏しているように見えたものの、その瞳には復讐の炎が宿っており、隙あらば反撃しそうな雰囲気だった。
その事に気づいたアルベルトが闘気槌3を繰り出し、オーク達に情けを掛ける事なく、命の灯を消し去った。
「村には子供のエルフもいたはずなのに……。どうして、こんな酷い事を……。本当に怖かったでしょうね……間に合わなくてごめんなさい……」
そんな中、エヴァンが崩れ落ちるようにして、その場に座り込んだ。
視線の先には小さな女の子の亡骸が転がっており、その手には人形が握られていた。
だが、その人形の首は引き千切られており、女の子の頬には涙の跡があった。
「このまま野ざらしにしておくのは、あまりにも可哀想です。安らかな眠りにつく事が出来るように埋葬しましょう」
レラが広場に転がって亡骸を布で包み、身体が崩れ落ちないようにした後、村外れにある墓地まで運び始めた。
その間に、アルマがブランケットを広げ、他の亡骸を包んで、レラの帰りを待った。
「どなたか、無事でいてください」
一方、セオは看破を使って、生存者の捜索をし始めた。
その可能性は限りなくゼロではあるものの、まったく希望がないという訳ではなかった。
エヴァンも超聴覚で耳を澄ませて、生存者の呼吸音を探り、ロイがサーマルアイと透視で、ゆっくりと辺りを見回した。
「……絶対に無事よ。少なくとも、私はそう信じているから……」
イーヤが幸運の星を頼りにしながら、超聴覚で聞き耳を立てた。
「いたぞ!」
次の瞬間、ブレイドが捜波で探知用のエーテルを走らせ、崩れ落ちた納屋の下敷きになっている生存者がいる事に気づいた。
すぐさま、シーフズツールで瓦礫を退かし、担架を使って広場まで運んで行った。
納屋の下敷きになっていたのは、エルフの青年で身体のあちこちを怪我しており、意識がほとんどなかった。
「せっかく生き延びてくれた命なんだ。こんな所で絶対に死なせるもんか!」
アルマがピュアウォーターで綺麗な水を出し、身体の汚れを洗い流した。
その上で、蒸留酒を使って消毒すると、医療・薬学の知識で治療をし始めた。
それに加えて、リヴァーオブヴァイタルを発動させ、天地を巡るエーテルの流れと接続し、青年の傷を癒した。
「こ、ここは……」
その甲斐あって青年は意識を取り戻した。
だが、状況をまったく理解する事が出来なかったのか、少し混乱している様子であった。
「大丈夫、大丈夫です。……助かったのですよ」
エヴァンがホッとした様子で、青年が咳き込まないように注意しながら、ゆっくりと水を飲ませた。
「……何か食べるか?」
ロイが青年を怖がらせないように、落ち着いた口調で話しかけながら、食料を手渡した。
「食料は……ちょっと」
青年が口元を押さえながら、小さく首を横に振った。
青年はラーズと名乗った。
「とにかく、治療をしておかないと……。詳しい話は、その後よ」
イーヤがラーズに駆け寄り、ヒーリングオーラで傷を癒した。
ラーズのおかげで、亡くなった村人達の身元が分かった。
「それにしても、死体とは……重いのですね」
その間に、セオが最後に残った亡骸を抱き上げ、悲しげな表情を浮かべた。
その亡骸は、まだ子供であったが、決して軽くはなかった。
それは命の重さであり、その子が生きた証であった。
そして、セオは墓前にぬいぐるみを供えた後、聖印を握り締めて神に祈りを捧げるのであった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 4〜8人
2021年07月16日 15時17分34秒 公開
相談掲示板
キャスターのエヴァン・ピオネロです。 >生存者がいる可能性は限りなく低い 生き残ってる方が居るかもしれないなら、助けに行きたいです。 誰かお力を貸して下さい。宜しくお願いします。
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー。 ゼロじゃなければ可能性はある!ってことで助けにいくよ あとー…2名様?以上お待ちしてるねー
ヒーラーのイーヤよ、よろしく。 まだ依頼成立してないけど。 前衛が居ないし……守るより攻めろ、かしら。 回復は捨ててメテオライト3とストーンブラスト3でも撃つわね。
参加、ありがとうです! オークを1か所に集めて、まとめて倒す、逃がさない為に 大きな声で「助けに来ましたーそこから動かないでくださいーー」って呼びかけて 集めて戦うのを考えてます。(生存者からも引離します) ぼくはエルフなので…囮向けかなって…。 もちろん、全力で逃げ(距離を取って)範囲魔法をどんどんと打ち込みますよ。 別案あれば間に合う限り合わせますし 案のままで良いならイーヤさんも是非是非に攻撃しまくってくださいね。
シューターのレラ・シュマリと申します。 よろしくお願いします。 同胞の危機を何とか助けたいところですね。 遠距離射撃で仕留めていきたいと思います。
お邪魔します。 セオ・ウルジオ、ヒーラーです。 若輩ながら、頑張ります! 範囲攻撃での攻撃メインで、適宜ヒールや光縛封をと思っておます。 よろしくお願いしますね。
確定を超えましたねーー! 改めて、皆さま宜しくお願いします。 予定してるスキルは、サウンドボマー(声掛け用)と超聴覚(隠れてる人探し用)です。 一緒のを持って行ってもも構わないと思うのですが、一応、お知らせしますね。
わわ、一気に人がきてくれてたー。みんなよろしくねー 出発までもう少しだしエヴァさんの作戦でいいとおもうよー 大まかには遠距離から範囲攻撃でドーン!ってことで大丈夫だと思うけど 万が一抜けてきたのがいたら重装にしてきてるので受け持つようにするね(でも早くタオシテー) 戦闘後の救助活動で役立てるよう医療・薬学を持ってく予定だよ
ブレイドだ、よろしく頼む。 まだまだ新米だができることで頑張らせてもらおう。 基本は天眼で範囲攻撃の巻き込まれに注意しつつ漏れた単体をH&Aで遊撃して廻る予定だ。 他には足回りを活かして仲間を呼びにいくかもしれん逃走オークの追撃にも当たろうと思う。 戦闘後は捜波を使って救助者の発見に尽力するつもりだ。
ウォーリアのアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 今回はオークを殲滅するために暴れまくる予定だぜ!
では、オレで満員だね(『満員御礼』の札を掛け) シューターのロイ・アウレアです。宜しく。 エルフが優先し狙われるなら、3人になるので少し分散できるね。 討伐もだが、事後に生存者を探す事も力を入れるようにするよ。
よかったわ、皆よろしくね。 私もピオネロさんの案で特に問題ないわ。