鶏コッコ大暴走!
ゆうきつかさ
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シナリオID:1074
オープニング
凶暴化した鶏の魔獣がいた。
全長3メートルのソレは、リーンエス王国の辺境にある村に現れた。
まるで頭のネジが外れてしまったかの如く、本能の赴くまま暴れ、村人達を殺しまわった。
……すべては生きるため。
そのためには、何でも食らった。
畑で育てている野菜から、豚に、牛……時には人間も!
だが、鶏だけは、食べなかった。
故に、鶏達は惚れた。
凛々しい鶏の魔獣に!
『マジ、カッコイイ!』と言わんばかりに、瞳をランランと輝かせ……。
依頼をしてきたのは、辺境の村に住む村人達だった。
鶏の魔獣は定期的に現れているらしく、食欲を満たすと去っていくらしい。
しかし、村で飼われていた鶏達が、鶏の魔獣に救出された事で、事態は一変!
魔獣一匹だけなら、何とかなっていたが、鶏の群れまで暴れまわっているため、奪われる食料がシャレにならないほど増えているようだ。
そこで授恵者達の出番という訳である。
鶏の魔獣は食欲を満たすためなら、手段を択ばない。
鶏の群れも、ハイテンションで、ヒャッハーと襲い掛かってくるため、情けを掛けず倒してしまえばいいという事だった。
ただし、鶏の魔獣は、炎を吐く。
すべてを燃やすため……。
美味しく御肉をいただくために……!
とにかく、鶏の魔獣を倒せば問題なし。
多少の被害は、目を瞑るという事だった。
解説
マスターより
リプレイ
「まったく……迷惑な魔獣が出たもんだな。魔獣による被害だけじゃなくて、それによって逃げ出した鶏達まで暴れまわっているんだから……」
ケン・Z・ブラッドリーは複雑な気持ちになりつつ、リーンエス王国の辺境地域にある村にやってきた。
村人達は鶏の魔獣に襲われた事もあり、その日を境に鶏を食べる事が出来なくなってしまったようである。
その影響もあってか、いままで養鶏の仕事をしていた村人達も、鶏とは全く関係のない仕事を始めているようだ。
それだけ、鶏達に襲われて、嫌な思いをしたのだろう。
迂闊に鶏料理を口にしたら、報復されると思っているのか、みんな怯えている様子であった。
「大きな鶏の魔獣……ですか。しかも、手下の鶏と一緒に悪さをしているとは……。唐揚げ、フライドチキン、焼き鳥、炭火焼き、鳥鍋、チキンクリームシチュー、チキングラタン、チキンカツ等……これは食べ放題の予感ですね」
レラ・シュマリが妄想を膨らませ、じゅるりと涎を垂らした。
考えれば考える程、腹が減り、今にも暴動に発展しそうな勢いで、腹がグウグウと鳴っていた。
しかも、ホークアイと天眼を生かしつつ、索敵をしたところ、鶏の魔獣達がこちらに迫っている事が分かった。
後は迎え撃って、食べるだけ。
ただ、それだけの事ではあるものの、鶏の魔獣達が素直にその身を差し出すようには思えなかった。
「まさかコッコラさんが関わってたりー……はしないよね?」
アルマ・ヴァレンタインが気まずい様子で汗を流しながら、鶏を引き寄せるための餌を設置していった。
コッコラは鶏料理専門店の店主。
体型が鶏っぽいだけで、別に特別な力を持っている訳では無いのだが、何となく関係があるように思えてきた。
「あらあら、噂をすれば何とやらね。食材の群れがやってきたわ」
そんな中、イーヤ・レプリスが鶏の魔獣に気づき、近くの物陰に身を隠した。
全長3メートルと言うだけあって、鶏の魔獣は大きく、遠くからでも、よく見えた。
その分、まわりにいる鶏達が土煙に隠れてしまっているのだが、元気よくコッココケコッコと鳴き声を上げているため、近くにいる事は間違いない。
「……生きる事は、食べる事……。これは運命と言うより、宿命です! なので、コッコ魔獣、勝負です!」
それを迎え撃つようにして、エヴァン・ピオネロが牛肉、トマト、南瓜を並べた。
「……!」
次の瞬間、鶏の魔獣がキュピィーンと瞳を輝かせ、ドッドッドッドッドッと激しい足音を響かせ、一気に速度を上げていった。
「ひい!」
それを目の当たりにした村人達が脱兎の如く逃げ出し、怯えた様子で物陰に身を隠した。
みんな鶏に襲われた時の記憶が蘇ってきたのか、ガタブルと身体を震わせ、小動物のような表情を浮かべていた。
「みんな、大丈夫だよ。必ずボク達で倒すから……! それまでに、どんな鶏料理が食べたいか、考えておいてね」
すぐさま、アルマが堅甲3を発動させ、ケンが身に纏っている火蜥蜴革の胸甲Reを淡い透明な光で包み込んだ。
それに合わせて、エヴァンがアーケインテンペスト改を発動させ、稲妻のような光が無数に荒れ狂う空間を出現させた。
「コケッ!?」
その途端、鶏の魔獣が稲妻のような光に纏わりつかれ、そこから逃げ出す事が出来なくなった。
まわりにいた鶏達も同じように、稲妻のような光に纏わりつかれ、苦戦を強いられているようだった。
「……残念だったわね。そう何度も襲撃が上手く行くと思ったら、大間違いよ!」
そこに追い打ちをかけるようにして、イーヤがストーンブラスト3を仕掛け、鶏の魔獣達を攻撃した。
「コケェェェェェェェェェェェェェェ!」
その事に危機感を覚えた鶏の魔獣が、まわりにいた鶏達に警告するようにして鳴き声を響かせたものの、稲妻のような光からは逃れる事が出来なかった。
「何だか可哀想な気もしますが……。せめて美味しく、苦しまないように……」
レラが色々と先を見通しながら、ダマスカス鋼の長弓を構え、鶏の首を狙ってシュパッと矢を放った。
それが風を切って飛んでいき、そのまま鶏の首を射抜いた。
「……!」
鶏の魔獣にとって、それは脅威以外のナニモノでもなかった。
今まで向かうところ敵なしの負け知らずであったため、底知れぬ恐怖が湧き上がってきたようである。即座に、アルマが祈雷2で霧を発生させた。
「おいおい、さっきまでの威勢は、どうした! それとも、弱いヤツ相手じゃねえと、強気になれねーのか?」
その事に気づいたケンが、挑発的な言葉を吐きながら、チャージングで間合いを詰め、低い軌道で薙ぎ払いを仕掛け、まわりにいる鶏もろとも、鶏の魔獣を斬りつけた。
「コケェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!」
次の瞬間、鶏の魔獣が殺気立った様子で、ぶわっと炎を吐いてきた。
それがまわりにいた鶏にまで燃え移り、辺りが一瞬にして香ばしいチキンのニオイに包まれた。
だが、他の鶏達はまったく気にしていないようだった。
死んでしまった鶏は、単なる御馳走と言わんばかりに、完全スルー。
鶏の魔獣に至ってはプライドを傷つけられて怒っているのか、まわりの鶏がどうなろうと関係ないようだった。
「そんな中途半端に火を通したらダメだよ。せっかく美味しくなる可能性を秘めている鶏ばかりなのに……」
アルマが完全に料理人の視点から言う。
「だからと言って、あまり傷つけないようにしてね」
それに合わせて、イーヤがメテオライト3を発動させ、大量の小さな光弾を鶏の魔獣めがけてブチ当てた。鶏の魔獣が仰け反った直後、アルマの召喚した霧が内部に激しい雷の嵐を撒き散らす。
そのため、鶏達は逃げる間もなく、悲鳴にも似た鳴き声を響かせ、香ばしいニオイを放つチキンと化した。
「コッコッコッコケェェェェェェェェェェェェェェェェ!」
しかし、鶏の魔獣はまったく怯んでいなかった。
殺気立った様子で鳴き声を響かせ、再び炎を吐いてきた。
「と、とにかく、肉の痛みを抑えますね。このままだと、チキンが消し炭になりそうなので……」
エヴァンが慌てた様子で炎を避けながら、鶏の魔獣を誘導するようにして、森の方に走っていった。
その挑発に乗った鶏の魔獣が地面を力強く蹴りつけ、再び炎を吐こうとした。
だが、鶏の魔獣は炎を吐く事が出来なかった。
それよりも速くエヴァンが氷嵐を仕掛け、まわりにいた鶏ごと、鶏の魔獣を吹き飛ばした。
「先ずは唐揚げとフライドチキンです」
その間に、レラが鶏達の死角に回り込み、炸光矢で射抜いていった。
この時点でレラの頭の中には、食べる事しかなく、鶏達をいかに無傷で仕留める事ばかりを考えているようだった。
「コケ、ケ、ケ、ケェェェェェェェェェェェェェェェ!」
しかし、鶏の魔獣は傷つきながらも、未だに戦意を喪失していなかった。
自分に向けられた敵意を消し炭にする勢いで、レラ達めがけて再び炎を吐き捨てた。
その炎がレラに当たる事はなかったものの、辺りの木々に燃え移り、焦げ臭いニオイが漂ってきた。
「思ったよりも骨があるじゃねえか。だったら、俺とやろうぜ! あんたが勝ったら、この命をくれてやるからさ!」
ケンが含みのある笑みを浮かべ、シーザーロアが鶏の魔獣の注意を引いた。
その流れに乗るようにして、鶏の魔獣が勢いよく炎を吐いた。
だが、ケンはまったく怯まなかった。
それどころか、鶏の魔獣が吐き出した炎をスライスする勢いで距離を縮め、そのまま首をスパァーンと刎ねた。
「……!」
そのため、鶏の魔獣は自分の身に何が起こったのか、まったく理解する事が出来なかった。
それでも、炎を吐き出そうとしたため、喉から全身に燃え移り、チキン特有のパリサク感溢れるニオイを辺りに漂わせた。
そして、鶏の魔獣は息絶えた。
まわりにいた鶏達も、ハッと我に返って、ハトが豆鉄砲を食らったような表情を浮かべていた。
●
鶏の魔獣が息絶えた途端、まわりにいた鶏達が大人しくなった。
それはまるで魔法が解けたような感じであった。
おそらく、鶏の魔獣の身体から発せられていたフェロモンが消えた事で、鶏達が我に返ったのだろう。
その後、姿形は変わってしまったものの、文句ひとつ言わずテーブルの上に仲良く並んでいた。
「さて……、このまま全部処分するのもアレだから、今回の騒動で荒れた村人達の気持ちを晴らすため、鶏肉料理食事会でも始めるか」
そんな中、ケンが広場に村人達を集め、食事会の準備をし始めた。
料理が出来るまでの間、村人達はアルマが淹れた紅茶を飲み、のんびりマッタリムードで料理の完成を待った。
最初は鶏料理を食べる事に躊躇いがあった村人達も、久々に嗅ぐチキンのニオイに魅了され、最終的にはポッキリと折れた。
その間に、ケンが村人達の今後も考え、鶏を使ってスモークチキンや、チキンジャーキーを作り始めた。
「村の人達もいるから、作り過ぎって事にはならないかね。みんな、遠慮なく食べてね。おかわりしても、構わないから」
アルマが楽しそうに鼻歌を歌いながら、照り焼きチキンや、クリーム煮を作り始めた。
「焼き鳥、炭火焼、チキンカツ、まだまだありますよ」
レラもノリノリな様子で、鶏の血抜きや、解体などをしつつ、村人達が喜ぶ姿を見て幸せな気持ちになった。
「せっかくですから、有名な鶏料理人から教わった料理も作っておきましょうか。この味が気に入ったら、お店の方にも行ってあげてくださいね」
エヴァンもコッコラの店をアピールしつつ、鶏を使った料理を次々と作っていった。
それは村人達のトラウマが昇天してしまう程の絶品料理。
思わず親指をグイッと立ててしまう程、美味しい料理ばかりであった。
(……命拾いしたわね。私も鬼じゃないから、助けてあげるわ。まあ、元の場所に返すだけだから、長生きする事は出来ないかも知れないけれど……)
そんな仲間達を眺めながら、イーヤがバックパックにしまった鶏に声を開けた。
ここで仕留めたところで、余ってしまうのが目に見えているため、とりあえず連れて帰る事にしたらしく、鶏が借りてきた猫の如くバックパックの中で大人しくしていた。
後は隙を見て、ここから退散するだけ。
それまで鶏には、窮屈な思いをさせる事になってしまうが、仕方のない事だった。
そして、広場で行われた食事会は、夜が明けるまで続くのであった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準5 / 4〜8人
2021年06月30日 10時31分01秒 公開
相談掲示板
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー。 こんかいは村人さん達も協力してくれるし森に誘きだしての退治でだいじょうぶかなあ 炎対策はそれっぽい火蜥蜴革とか火浣布の防具でも着ていこうかなーと サラマンダーよりアツゥイ!じゃないといいけど…
キャスターのエヴァン・ピオネロです。宜しくお願いします。 >近くの森に食料を置いておくといい と、ありますし、森に誘い出しで良いと思います。 炎は盾で防いでタイダルストリームで消せませんかね? 美味しい鶏肉の為に、あの手この手で頑張ります! そのために…後お二人…誰かお願いします!(チキン~チキン~)
ウォーリアーのケンだ よろしくな 敵のことは気にせず捌いていいってことか 気をつけなくちゃいけないのは魔獣が吐く炎だな あとは結構な 数の鶏が捌かれることになるだろうからそれを保存食化しておけば村人のためにもなるかと思う さて・・・・あと一人か
シューターのレラ・シュマリと申します。 よろしくお願いします。 距離を取って狙い撃ちをします。 焼き鳥、フライドチキン、何にして食べましょうか?
確定です…!よろしくですよー! 食べるのは色々な種類を書くつもりです。 焼き鳥とフライドチキンも良いですね!ハーブを効かせたりとか…涎が止まりません。 保存食化は燻製とかどうですかね? スモークチキンにすれば長持ちしそうですし他も思いつけば書きますね。 倒す方は…ケンさんの後ろから魔獣をドーーンッてするのと 鶏の群れを引き離して丸焼き(爆炎)か、逆に氷詰め(氷嵐)とメテオで下処理しますねー。
4人集まったー、あらためてよろしくねー。 めにゅーが盛りだくさんでどれも美味しそうだねー! ボクはー…照り焼きとクリーム煮でも作ろうかな? あと保存食の燻製もよさそうー、それ用のチップがなくても紅茶葉で代用もできると思うし そうそう肝心の戦闘はー… 前衛のケンさんを堅甲で支援と、久々の祈雷で中までこんがりやってしまおうかなと
ギリギリで失礼。 ヒーラーのイーヤよ、よろしく。 後ろから遠距離攻撃しておくわね。