狙われた猫屋敷!
ゆうきつかさ
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シナリオID:1048
オープニング
猫達の楽園があった。
その場所は、町外れにある屋敷。
かつて、そこには猫好きの金持ちが住んでいた。
だが、その金持ちが老衰で亡くなった後、他所からも猫達が集まってくるようになった。
そこで猫達は、争い事もなく、幸せに暮らした。
ネズミの魔獣が現れる、その日までは……。
それは猫達がいつものように、屋根の上で寝転がり、日向ぼっこをしている最中だった。
ネズミの魔獣は沢山のネズミと共に森の中から現れ、猫達の屋敷に襲撃を仕掛けてきた。
最初は猫達も優勢だったものの、圧倒的なネズミの数に屈し、屋敷が奪われそうになっているらしい。
それを物陰から、ずっと見ていた猫好きが、今回の依頼人であった。
依頼人の話では『このまま魔獣を放っておくと、猫達が食べられてしまう!』と言った感じでパニクっており、何とかして猫達を守って欲しいという事だった。
さすがに、食べられる事はないかも知れないが、依頼主の言うように、何もしないで放っておけば、ネズミの魔獣達によって、猫屋敷が奪われてしまうだろう。
そうなってしまうと、屋敷を拠点にして、大量のネズミが街に雪崩れ込む可能性があるため、面倒な事になる前に倒して欲しいという事だった。
解説
マスターより
リプレイ
それは猫達にとっては、城だった。
どんなに朽ちようとも、守るべき場所。
すべては、この家の主のために……。
主は体調を崩した後、何処かに運ばれたまま、帰ってこない。
それでも、必ず主が帰ってくると信じ、屋敷を守り続けていた。
「……素敵なお屋敷ですね。ここで自由に暮らせるなら悪くない。……魔獣も、そう思ったのかもですね」
そんな中、エヴァン・ピオネロが、猫達の前に姿を現した。
猫達にとって、エヴァンは見た事のない相手。
そのため、ほんの少しだけ警戒しているようだった。
その限られた時間で、目の前にいるのが、自分達にとって敵なのか、それとも御飯をくれる相手なのか、見極めるために……。
しかし、その気持ちは、エヴァンが差し出した動物のおやつによって、跡形もなく消え去った。
美味しい食べ物をくれる人に、悪い人はない。
それが猫達の持論であった。
「……この家は初めに暮らしてた猫にとって大切な思い出の場なんだろうな」
エルシー・サリバンが猫達の屋敷を見上げた後、長老猫の視線に気づいた。
長老猫は髭のように長い毛で、地面を掃除するようにして歩きながら、エルシーの前にチョコンと座った。
それに合わせて、エルシーが長老猫に触れ、動物交感で敵意がない事を伝え、避難させようとした。
だが、長老猫は、納得をしていない様子であった。
しかし、エルシーは悟った。
長老猫がガン見しているのは、事前に依頼主から渡されたペースト状のおやつ。
もしや、これでは……と思った瞬間、長老猫が鼻をヒクヒクさせて立ち上がった。
「にゃ……にゃあ……」
長老猫に迷いはなかった。
まっすぐエルシーのところに向かい、何か言いたげな様子で顔を上げた。
エルシーも、その事を理解して、ペースト状のおやつを上げた。
その間、長老猫は無言であった。
ただ目の前の餌を食べ、満足した様子で喉を鳴らした。
これで納得したのか分からなかったが、一応指示には従ってくれているようである。
「それにしても、酷い目に遭ったようだね。イザとなれば窮猫が鼠を噛んだり……しなかったようだし……」
アルマ・ヴァレンタインが動物のおやつをあげた後、動物交感で近くの猫に触れて落ち着かせながら、移動させようとする。
だが、猫達の中には、前回の戦いで怪我をした猫もおり、2階に上がるのが困難であったため、アルマが一匹ずつ運んでいった。
「それでは、猫達の避難が終わるまで、私が時間を稼ぐとしようか」
その間に、ロドリック・アルカインがネズミの魔獣に備え、森を睨むようにして陣取った。
ネズミの魔獣がいつ現れるのか詳しい時間は分かっていないものの、屋敷を奪い取る事が目的であるため、猫達の傷が癒える前に襲撃を仕掛けてくる可能性が高かった。
「怖くないよ……怯えないで」
一方、エルシーは干し肉と動物交感を駆使して、不安そうにしている猫達を落ち着かせ、2階まで運んでいった。
その中には怪我をしている猫もいたため、優しく抱きかかえるようにして、ゆっくりと2階まで運んでいった。
その甲斐あって、猫達もなるべくエルシーに負担を掛けないようにしながら、2階で大人しく待っていた。
「これで避難は完璧です!」
エヴァンも同じように2階まで猫達を運び、動物のおやつを投げ込むと、入口のドアをシッカリと閉めた。
その途端、部屋の中から『ニャッハー! メシだ、メシだ!』的な鳴き声が聞こえてきたものの、気にせず一階まで降りていった。
「こっちも、そろそろ現れそうだ。みんな準備はいいな?」
ロドリックがネズミ達の鳴き声に気づき、仲間達に声を掛けた。
ネズミの魔獣はネズミ達を引き連れ、まっすぐロドリック達がいる屋敷に向かって、森の中を突っ切ってきた。
おそらく、自分達の勝利を確信しているため、真正面から突っ込んできても、まったく問題がないと思っているのだろう。
それだけ、猫達の力を過小評価しているのか、まったく迷いがないようだった。
「ボクが……ボク達が、猫さんになるんだ!」
そんな中、アルマが猫の恰好をして、ネズミの魔獣に陣取った。
●
「……!」
ネズミの魔獣は、戸惑っていた。
目の前に人間サイズの猫がいる。
何となく、普通の猫とは違うような気もするが、それでもヤバイ感じがする。
その理由が、通常よりも大きな猫だからなのか、それとも普通にヤバイだけなのか分からないが、とにかくヤバイ感じであった。
もしかすると、戦いで散った猫達の恨みや辛みやカリカリが融合した存在なのかも知れない。
そんなトンデモ理論が脳裏に過ってしまう程、ネズミの魔獣は焦っていた。
だからと言って、ここで退く訳には行かない。
そんな事をすれば、まわりにいるネズミ達の士気にも影響してしまう。
だが、そんな迷いを解くほど、魅力的なモノが目の前にあった。
それはエヴァンが予め仕掛けておいたチーズ。
そのまわりにはアルマが撒いた蒸留酒が広がっていたものの、警戒心よりも食欲の方が勝っているため迷いはなかった。
まわりにいるネズミ達も、既にチーズしか見えていない。
ある意味、チーズ略奪戦。
この時ばかりは、上も下もない。
最初にチーズに食らいついたモノこそ、正義ッ!
そんな勢いで、ネズミの魔獣と、ネズミ達が一斉に群がった。
まさにネズミまっしぐら。
ネズミ達は全身蒸留酒まみれになりながら、何かに取り憑かれたようにチーズを奪い合った。
一方、ネズミの魔獣は……出遅れていた。
まるでバーゲンセールで押し出された主婦一年目の如く、チーズから遠い場所にいた。
「……愚かな。欲望で目が曇ったか」
ロドリックがネズミ達に冷たい視線を送り、アーケインテンペストを発動させ、稲妻のような光を無数に纏わりつかせた。
「ピキィ……!」
その事に危機感を覚えたネズミの魔獣が、警告するようにして耳障りな鳴き声を響かせた。
「それでは、こんがり焼いてしまいましょうか」
それに合わせて、エヴァンが爆炎2を仕掛け、ネズミの魔獣達を炎に包んだ。
「汚いネズミーは消毒だー!! ハハッ!」
そこに追い打ちをかけるようにして、アルマも松明を放り投げ、ネズミ達を追い込んだ。
それでも、必死に逃げようとしたネズミもいたが、稲妻のような光に纏わりつかれ、最後には力尽き、真っ黒な塊と化した。
「まだまだネズミ達がいるから気を付けてね!」
そんな中、エルシーが炎を越えて飛び掛かってきたネズミの群れめがけて、貫通衝撃射を繰り出した。
どうやら、ネズミの魔獣は他のネズミ達を犠牲にして、何とか生き永らえたらしく、あちこち火傷を負いながらも、まだあきらめていない様子であった。
それどころか、生き残ったネズミ達を集め、自分の身を守る壁代わりにしていた。
「まさか、自分の手下を犠牲にしてまで、生きようとするとはな」
ロドリックが嫌悪感をあらわにしながら、メテオライト2を発動させ、大量の小さな光弾をネズミ達にブチ当てた。
だが、ネズミの魔獣は他のネズミを犠牲にしつつ、自らの身を守る事に専念しているようだった。
「でも、これでお終いです。それでは、夢の国にごしょーたーい!」
次の瞬間、アルマがメテオライト3を発動させ、大量な小さな光弾をネズミ達に降り注いだ。
それでも、ネズミの魔獣が他のネズミを盾代わりにしようとしたが、まわりに散らばった肉の塊が動く事はなかった。
「……ちゅう」
その事実を知った途端、ネズミの魔獣が絶望した様子で、身体をガタブルと震わせた。
しかし、何処にも逃げ道はない。
自分の身を守ってくれるネズミもいないため、全裸で戦場を闊歩するレベルで危険な状態に陥っていた。
「行け、メテオ!」
そこに追い打ちをかけるようにして、エヴァンがメテオライト2を発動させ、ドサクサに紛れて逃げようとするネズミの魔獣を肉の塊に変えた。
「ネズミ達も棲み処が欲しかったのかも知れないけど……。病気を運んでくるかも知れないしね。例え、どんな事情があったとしても、容赦は出来ないから……」
エルシーが複雑な気持ちになりつつ、肉の塊と化したネズミ達に視線を落とした。
もしかすると、ネズミ達は何処か人気のない場所で、平和に暮らしていたのかも知れない。
だが、ネズミの魔獣によって操られ、このような結果を招いたのかも知れない。
それでも、このまま放っておけば、猫達だけでなく、街にまで被害が及んでいた可能性があるため、仕方のない事だった。
「……とは言え、さすが食べられそうにないねコレー……というか睡狼窟にもってかえったら怒られそうだし」
そんな中、アルマがネズミ達の死骸を見下ろし、ゲンナリとした表情を浮かべた。
焼け焦げた肉からは、異様なニオイが漂っており、とても食べられそうなモノではなかった。
例え、食べる事が出来たとしても、新たな扉を開いてしまいそうな勢いで、危険なシロモノ。
『食べるな、ダメ絶対!』的な雰囲気が、プンプンと漂っていた。
「それよりも、飼い主が亡くなった建物を放置しておくと色々問題が出るから、早く借り手なり買い手がつくようにしておくべきだろう。そう言えば、依頼主が猫好きだったから、その線で……」
ロドリックが何モノかの視線に気づき、その気配を探るようにして、視線を移した。
そこには猫達がおり、ロドリックを誘うようにして、一斉に手招きをしていた。
「ロドリックさんも愛でましょう!」
そんな空気を察したエヴァンが、ロドリックにペットブラシを手渡した。
こうなってしまうと、ロドリックに拒否権はない。
既に、猫達の瞳はランラン。
長老猫に至っては、瞳をキュピィーンと輝かせているため、その流れに飲み込まれるようにして猫達を撫でた。
「とりあえず、屋敷については、みんなと話し合った方がいいかもね。長老を始め猫達の大切な家だもん。みんなに事情を話せば、きっと分かってくれるはずだから……」
そう言ってエルシーがアルマと一緒に、擦り寄ってきた猫達を撫でるのだった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準4 / 4〜10人
2021年06月22日 15時33分41秒 公開
相談掲示板
エヴァン・ピオネロです。 にゃんこモフモフしたいので頑張ります…ね! 避難はペットのおやつとかで釣って移動して貰うつもりです。 以前、ネズミ拘わりの時は、スーパーめちゃくさい持ちの方が身を張って囮になって集めてましたが… ぼくはスキルが無いのと、耐久向けではないので持つか悩みますね…。 今のところはチーズとかで集めて爆炎で焼こうかな…って考えてます。
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー。 汚いネズミーたちは消毒だ~!!して夢の国にご招待だよ、ハハッ ボクも動物交感やおやつで猫さんの避難のお手伝いとー… こんがり焼けるようにチーズのまわりに蒸留酒でも撒いておこうかな?
宜しくですよー! 揃うと良いな…って気持ちでプレを提出しておきますね。 酒とチーズ…匂いで他の鼠も飛び込みそうです!
キャスターのロドリック・アルカインという。 あと少しで出発のようなので、枯れ木も山の賑わいとして参加したよ。 猫を愛でるのは若い人に任せて、鼠を駆除するかな。 ……範囲魔法があればそれなりには倒せそうだ。
あと一人でにゃんこを助けに行けますね! 作戦?として、猫は戦いが済むまで2階の1室に集めてドアを閉めて 鼠は庭へ誘き寄せ纏めて叩く内容にしました。 >猫を愛でるのは若い人に任せて 一緒にモフモフしませんか? 皆でにゃんこのお世話が出来たら楽しそうなので ロドリックさんにブラシを渡してお誘いしちゃいますね。
シューターのエルシーサリバンだよ!ヨロシクね。 知ってる顔ばかりなので入っちゃった。 お金持ちの家の庭なら結構広そうだね?もふもふを目指して行ってみよー。
ギリギリだけど(本当にギリギリ)エルシーさんもロドリックさんもよろしくねー 出しててよかったぷれいんぐ!目指せにゃんこもふもふー!