クビを狩るモノ

ゆうきつかさ

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シナリオID:1024

オープニング

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 中型クリーパー『クビカリ』が現れたのは、ある晴れた昼下がりであった。
 村人達が昼食を食べ、会話に花を咲かせている時に、茂みの中から飛び出し、一瞬にして首を狩った。
 それは村人達がまったく予想をしていない事だった。
 そのため、自分の身に何が起こったのかも分からず、瞬きする間もなく、アングリと口を開けたまま、悲鳴を上げる事さえ出来ず、地面に首が転がった。
「ぎゃああああああああああああああ!」
 それを目の当たりにした村人達が悲鳴を上げ、クビカリから必死になって逃げようとした。
 だが、その気持ちに反して、身体が動かない。
 ガチガチと歯を鳴らしながら、両目をカッと見開いたまま、クビカリを見つめたまま腰を抜かし、身体が石の如く固まっていた。
 その途端、すべてのモノが、ゆっくり動いているような感覚に陥った。
 クビカリが、ゆっくりと迫る。
 跳ねるように、距離を縮めながら……。
 しかし、避ける事は出来ない、逃げられない。
 最後の悪足搔きとばかりに、もう一度悲鳴を上げようとした瞬間、首が胴体から離れていった。
 そして、それを眺めていた白い鳥が、翼を広げて飛び立った。

 予言者オペラが見た予知夢は、生々しくてリアルなモノだった。
 それが現実になるのは、数日後。
 村人達が広場で昼食を取り始めた頃、クビカリが姿を現すようだ。
 そのため、村人達は完全に油断をしており、逃げる間もなく首を狩られてしまうらしい。
 だからと言って、その事を説明したところで、村人達が信じる可能性は低く、昼食を中断してまで、逃げる事はないだろうという事だった。
 またクビカリの首は硬く、まるで鎧のようになっているため、首を狩るのは一苦労のようである。
 そう言った事を踏まえた上で、クビカリを倒すのが今回の目的である。

解説

 戦いの舞台となるリーンエス王国の辺境にある小さな村。  村人達は広場で昼食を取っている最中、クビカリに襲われます。  村のまわりは森に囲まれており、今まで特に事件はなく、平和そのもの。  クビカリの両腕は刃物のようになっており、相手の首を狙って攻撃を仕掛けてきます。  今回の目的は、あくまでクビカリを倒す事なので、村人達が助けられなかった場合であっても、大失敗にはなりません。  それでも、可能な限り助けておく事で、成功率が上昇します。 【物語の流れ】  限られた時間の中で、村人達に事情を説明。  説得に成功した場合は、避難誘導。  クビカリが広場に行く前に、足止めする方法を考える。  可能な限り、村人達を守る。  クビカリを倒す。 【やってはいけない事】  村人達を騙して、東側の森に向かわせる。  村人達を盾代わりにして、クビカリを倒す。

マスターより

 今回の目的は、クビカリを狩る事です。  クビカリは東側の森から現れ、獲物の首を狩る事を優先して攻撃を仕掛けてきます。  また広場までは一直線になっており、首を狩れるものなら、何でもターゲットにするようです。

リプレイ

●
「……クビカリねぇ。だったら俺が相手するしかないじゃないか」
 ケン・Z・ブラッドリーは運命めいたモノを感じながら、『クビカリ』の出現が預言された村にやってきた。
 その村はリーンエス王国の辺境にあり、危険とは無縁のようだった。
 それだけ平和な日々が続いていたせいか、みんなのんびりマッタリ。
 危険の『き』の字も浮かばない程、油断しているようだった。
 しかし、『クビカリ』が現れるのは、時間の問題。
 それまでに村人達を説得し、安全な場所まで避難させる必要があった。
「まるで、ご指名かのようなクリーパーもいたものだねー……。無事にマッチングも成立した事だし、この出会いは『ショッキング♪ ショッキング♪』ってやつかな」
 アルマ・ヴァレンタインも運命的なモノを感じながら、問題の村に足を踏み入れた。
 村人達は『クビカリ』が現れる事も知らず、昼食の準備をしている最中だった。
 そのため、各家々から美味しそうなニオイが漂っており、腹の虫達が『腹減った、何かくれ』と大合唱を始めそうな勢いだった。
「それにしても、油断している昼食時を狙うなんて酷いですね。被害を出さないように頑張りませんと……」
 スィーリーンが複雑な気持ちになりつつ、自分自身に気合を入れた。
 現時点で、村人達が説得に応じてくれるか、分からない。
 少なくとも昼食を中断してまで、避難をする必要がある事を伝えなければ、説得に応じる事はないだろう。
「で、でも、失敗したら、誰かが死んでしまうかも知れないんですよね?」
 セオ・ウルジオが不安げな様子で、仲間達に問いかけた。
 だが、運命とは、残酷。
 そんな空気を察した死亡フラグ(注:幻覚)達が『大丈夫、お前ならやれるよ!』と言わんばかりのノリで肩を抱き、『それに、華々しく首が飛ぶなんて、格好いいじゃん!』と言って微笑んでいるような錯覚に襲われた。
 しかも、いつの間にか傍には専属の空間プロデューサー(注:幻覚)がおり、どの角度で首を刎ねられると見栄えがいいか、アドバイスを受けているような錯覚に襲われた。
 もちろん、それはすべて妄想の産物。
 不安な気持ちが作り出した幻でしかないのだが、それでも妙にリアルな感じがした。
「とにかく、いまは村人達の説得が先だ。余計な事を考えていたら、それこそ命を落としてしまうかも知れないからな」
 ロイ・アウレアが真剣な表情を浮かべ、村人達の説得に向かった。
 村人達はマッタリムードで、昼食を取ろうとしていたため、少し戸惑っている様子であった。
 どうやら村人達は預言者オペラの事を知らないらしく、頭の上に沢山のハテナマークを浮かべていた。
 そのため、横にいたケンが預言者の予知夢がキッカケで解決した依頼があった事を説明しても、沢山のハテナマークが頭の中から溢れ出すだけで、まったく理解していない様子であった。
「あ、あの……いまいちピンと来ていないようですが、死ぬのって怖いよ? 誰とも会えなくなるんだよ?」
 そんな空気を察したセオが、歯をガチガチと鳴らし、両脚をガタブルと震わせながら、村人達に語り掛けた。
「いや、お前の方が怖いって!」
 そのため、村人達が、ドン引き。
 違う意味でヤバイと思っているのか、セオから逃げるようにして、少しずつ遠ざかっていった。
「逃げて、逃げてくださいっ! 本当に危ないんですっ」
 そこに追い打ちを掛けるようにして、セオが村人達に迫っていった。
 しかも、震えが止まらず、涙も止まらない。
 そんな状態のまま、ズンズンと迫ってきたため、村人達からすれば、恐怖以外のナニモノでもない。
「う、うわあああああああああああああああ!」
 村人達も訳が分からず、恐怖だけが肥大化し続け、必死になってセオから逃げた。
 そうしなければ、殺られる!
 いや、例え殺られなかったとしても、何だか怖い……!
 その気持ちが圧倒的な勝利を収めているため、村人達に迷いはなかった。
 むしろ、それ以外の選択肢で、全力で逃げ出したのではないかと思う程、村人達が危機感に襲われていた。
「早く! 早く逃げないと! 大変な事に~!」
 その後を追うようにして、セオが迫ってきたため、村人達は色々な意味で涙が止まらなくなった。
 とにかく、怖い。
 すごく、怖い。
 何が危険で、何がヤバイのか分からなくなりつつ、全速力で逃げ出した。
 そして、『クビカリ』が現れた。
 まるで死神が最後の鐘を鳴らすかの如く、不気味な雰囲気を漂わせ……。

●
 『クビカリ』は予言通り現れた。
 荒々しく息を吐き捨て、血に飢えたケモノの如く赤い目をギロつかせ、今にも飛び掛かってきそうな勢いで村の中に入ってきた。
 だが、一部の村人達は、まだ村に残っていた。
 それは主婦や子供達……そして、年寄り達。
 急に外が騒がしくなったため、何事かと思い顔を出した途端、『クビカリ』の存在に気づき、みんな恐怖で身体を震わせた。
 しかし、動けない。
 この状況で、何をするのが正しい事なのか、まったく分かっていない様子であった。
「走れ! 小屋へ!」
 その事に気づいたロイが、村人達に警告するようにして大声を上げた。
「は、はい!」
 その指示に従うようにして、村人達が次々と逃げ出した。
 こうなると、頭の中にあるのは逃げる事だけ。
 昼食を取ろうとしていた者達も、持っていた食事を放り投げて、全速力で走り出した。
「……!」
 しかし、『クビカリ』は、それを見逃さなかった。
 すぐさま、村人達の首を狩るべく、地面を蹴って、一気に距離を縮めてきた。
「こ、ここから先には行かせません!」
 その行く手を阻むようにして、セオがブランケットとマントで首を隠した状態まま、震える足を踏ん張ってキッと『クビカリ』を睨みつけた。
 その途端、死亡フラグ(緊張状態による幻)達が、『おいおい、それじゃ駄目だろ。ブランケットも、マフラーも外しちまえよ! ありのままでいいじゃねぇか!』と言って、余計な事をしようとする錯覚に襲われた。
「……!」
 その隙を逃す事なく、『クビカリ』が右腕の鎌を振り上げ、セオの首を刎ねた。
 だが、それはセオの作り出した幻影。
 本物のセオは恐怖で、その場にしゃがみ込み、カタカタと身体を震わせていた。
「自分の力を過信し過ぎた事が、アダになったようですね」
 次の瞬間、スィーリーンがアーケインテンペスト改で、稲妻のような光が無数に荒れ狂う空間を出現させた。
「……!」
 その影響で『クビカリ』は自由に動き回る事が出来なくなり、焦りの色が見え隠れし始めた。
「そもそも、俺を前にして、クビカリをやろうとしている時点で、命知らずって事だ」
 その間にケンが天眼で周囲の状況を把握した後、チャージングを仕掛け、『クビカリ』に斬りかかった。
 即座に『クビカリ』が刃物のような両腕で、ケンの攻撃を防いだものの、そこから反撃に移る事は出来なかった。
「今度は、こっちの番だよ!」
 それと同時に、アルマがレゾナンス・オブ・ヴァローを発動させ、声と共にエーテルを解き放つ事で、仲間達の身体を淡い光に包んだ。
「それでは、行きますよ……!」
 その流れに乗るようにして、スィーリーンがフリーズボルトを仕掛け、宿り木の長杖の先端から氷の矢を放った。
「……!」
 その一撃を食らった『クビカリ』が、スィーリーンに敵意を向け、刃物状の腕で首を刎ねようとした。
 しかし、その刃がスィーリーンの首に届く前に、ケンが行く手を阻んで『クビカリ』の攻撃を弾いた。
「おいおい、まだ俺の首狩れてねぇのに、他の奴に手を出すんじゃねえよ」
 ケンがシーザーロアを発動させ、挑発的な言葉と共に、エーテルを『クビカリ』に叩きつけた。
「……!」
 その挑発に乗った『クビカリ』がケンを狙って、何度も腕を振り回した。
「……絶対に守るんだ! だから誰も死なせない!」
 すぐさま、セオが『クビカリ』の行く手を阻み、光縛封で動きを封じ込めた。
「オレ達に背中を向けるとは、随分と余裕だな」
 その間に、ロイが『クビカリ』の背後に回り込む。敵は光縛封に阻まれ無為に暴れることしかできない。ロイの強弓が軋みを上げてその時を待つ。セオが目配せして光縛封を解除すると同時、ロイは重撃射3でダマスカス鋼の矢の先端にエーテルを収束させて解き放った。
 矢弾が炸裂し、『クビカリ』の身体に纏わりついた。
「……!」
 その事に戸惑いながら、『クビカリ』がエーテルを払い除けようとして、狂ったように腕を振り回した。
「そろそろ終わりにしましょうか。ここなら、村の被害も少なくて済みますからね」
 それを迎え撃つようにして、スィーリーンがメテオライト3を発動させ、大量の小さな光弾を『クビカリ』にブチ当てた。
「グググ……」
 その拍子に『クビカリ』が尻餅をつきそうな勢いで、激しくヨロめいた。
(これで硬い首を柔らかくすれば、ケンさんも首が刎ねやすくなるかも……)
 それに合わせて、アルマが魔錆3を発動させ、『クビカリ』の首を脆くした。
「わりぃが……、首を狩ることに関しちゃ負けるわけにはいかないんでね」
 その間に、ケンが滑り込むようにして『クビカリ』の懐に潜り込み、空に向かって勢いよく首を刎ねた。
 その首が宙を舞って太陽の光を遮り、地面に落下したのと同時に、ボトッと音を立てた。
「よ、良かった……終わった」
 その途端、セオがホッとした様子で、へたり込んだ。
 何度も死に様な思いをしたため、身も心もヘトヘト。
 口からひょろりと魂が抜けだしそうな勢いで、グロッキーのようである。
「みんな、お疲れ様。幸い被害も少ないようだから、オレは『クビカリ』の亡骸を処理するかな」
 ロイが『クビカリ』の亡骸を見下ろし、深い溜息を洩らした。
 さすがに、ここに埋める訳にもいかないため、村人達の目が届かない森の奥で処理する必要がありそうだ。
「それじゃ、ボクはみんなが帰ってくる前に、代わりの御飯を作っておくね。さすがに、冷めた御飯を食べてもらうのは、なんだか気が引けるから……」
 その間に、アルマは赤ワイン、迷宮産お肉セット、チーズなどを使って、せっせと料理を作り始めた。
 そんな中、村人達が警戒した様子で物陰から顔を出し、『クビカリ』の亡骸に気づいてオペラの予言が真実であった事を知るのであった。

マスターコメント

 今回はMVP候補が多かったため、功績+一番印象に残ったプレイングを優先させていただきました。
ショートシナリオ

ショートシナリオ普通 報酬:標準5 / 4〜10人

2021年06月19日 11時23分22秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. ケン・Z・ブラッドリー

    人が揃うかおいておいて、準備だけはしておくか まぁやることは ・クビカリを倒す ・村人への被害を抑える この2つに限られるな

  2. ロイ・アウレア

    シューターのロイ・アウレアです。ヨロシク。 説得……説得か……脳筋方向に進む為に必要なら幾らでも考えるけど……。 合わせる間は無いかも知れないので クビカリの足止めと戦闘重視、説得は出来る範囲で、提出します。

  3. セオ・ウルジオ

    初めまして、セオ・ウルジオ、ヒーラーです。 駆け出しなので、強い技は使えないのですけど、 僕は、説得して村人を村の中央に集めて、 光縛封で守ろうと思います。 戦闘へは攻撃をしない代わりに、 幻術での撹乱(幻術範囲面に沢山の人型を投影)と、皆さんへ各種バフを付与することで支援したいなって思います。 よろしくお願いしますね。

  4. セオ・ウルジオ

    ごめんなさい、ちょっと修正です。 光縛封の範囲を勘違いしてました。 1ヘクスしかないんですね…。 村人は可能な限り退避をお願いして、 逃げ遅れそうだったらクビカリを光縛封に3ターン閉じ込めますね。

  5. アルマ・ヴァレンタイン

    ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー ボクも避難の説得をするのと逃げるときに腰を抜かしたりしないように、 レゾナンスで翼をs…勇気が湧いてくる(フレーバー)ように支援しようかなと セオさんが支援を担当してくれるみたいなので、 ボクは回復と攻撃が通りやすくなるよう付与をあげた魔錆で防御低下を狙ってみるね

  6. ロイ・アウレア

    確定だね、ヒーラー二人! 戦闘スキル増し積で頼らせて下さい。よろしくお願いします。

  7. スィーリーン

    ぎりぎりの参加で申し訳ありません。 キャスターのスィーリーンと申します。よろしくお願いします。 私は主にアーケインテンペストなどでクビカリの移動阻害をし、 広場への到達を遅らせようと思います。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0