キラキラに惑わされたコボルト達
ゆうきつかさ
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シナリオID:831
オープニング
「以前、この坑道にコボルト達が迷い込んできた事がある。どうやら、そのうちの1体が貴金属を抱え、ここから出ていったらしい。だが、問題は、その後だ」
ドワーフの鍛冶師ホルダーが、困った様子で頭を抱えた。
「どうやら、そのコボルトが仲間達を引き連れ、再びここに戻ってきたらしい。まあ、俺にはどいつも同じように見えるから、違っているかも知れないが、とにかく目当ては貴金属だ。この前ドサクサに紛れて、いくつか持っていかれたからな。それでも、前回の時は何とか追い払う事が出来た。だが、同じように攻められるような事があれば、次は防ぐ事が出来ないだろう」
ホルダーが、その時の事を思い出し、深い溜息を漏らした。
一応、坑道内にトラップを仕掛け、可能な限り対策を施しているものの、コボルト達が武装しているため、色々と不安が残っているようである。
「そこでお前達に頼みがある。坑道の入り口でコボルト達を迎え撃って欲しいんだ。お前達の実力であれば、真正面からコボルト達とぶつかり合っても負ける事はないだろう。それに、ここでコボルト達を追い払っておかないと、調子に乗って、また攻めてくるかも知れないからな。最悪、乗っ取られてしまうかも知れないから、そうなる前に、お前達の手でコボルト達を追い払って欲しいんだ」
そう言ってホルダーが、コボルト退治を依頼するのであった。
解説
マスターより
リプレイ
「今日の獲物はコボルトか。しかし、ドワーフをなめるなんていい度胸じゃねぇか。それだけ、この場所の価値を理解しているのかも知れねぇが……ホルダーも大変だな」
ケン・Z・ブラッドリーは天眼と暗視で視界を確保しつつ、仲間達と共に依頼主であるホルダーの工房がある坑道にやってきた。
少し前にコボルトの襲撃があった事もあり、壁には戦いの跡が残ったままになっていた。
その前にも邪竜が暴れまわっていたため、片付けが間に合っていないのだろう。
ホルダーも、しばらく寝ていないのか、かなり疲れている様子であった。
その事が影響しているのか、現在の状況を聞いた時も、睡魔と激しい戦いを繰り広げていたらしく、真っ黒なドリンクを飲んで、無理やり眠気を払っていた。
「それにしても、貴金属が目当てとは……。これだけ立派な坑道なら、誘蛾灯の様に魅力的なんだろうね。まあ、要は二度と来たくないって思わせれば良いんだよね? エヴァさん、存分に驚かしてやりましょう!」
そんな中、テス・クラルスが何やら悪戯を思いついた様子で、楽しげに笑った。
おそらく、追い払っただけでは、意味がない。
それこそ、数を増やして、再び攻め入るだけである。
そんな未来が思い浮かんでしまうため、色々と策を考えているようだ。
そうしておかなければ、絶対に懲りないと思えるほど、この場所にある貴金属にコボルト達が価値を見出している可能性が高かった。
「……ぼくはあの日の苦労、忘れてません! 無事に済んだから良かっただけで、失敗したら邪竜の餌食になってしまったかも知れない、あの日の事を……! 出来る事ならコボルト達を捕まえて、邪竜に引き渡したいですが、会う事は難しいでしょうから、2度とコボルト達が貴金属を盗む事が無いように手を打つべきかも知れませんね」
エヴァン・ピオネロが坑道にトラップを仕掛けつつ、納得した様子で答えを返した。
場合によっては、コボルト達を捕縛し、邪竜に突き出すべきだろう。
ホルダーの話を聞く限り、この場所で暴れていた邪竜は、コボルト達の顔を区別する事が出来ない。
そのため、相手がコボルトであれば、それが貴金属を盗んだコボルトでなくとも、納得して連れて帰る事だろう。
「まあ、せっかく罠があるんだ。利用しない手はねぇな」
ゴブロウタがエヴァンと一緒にトラップを仕掛けながら、念には念を入れてキラキラと光るクズ石を撒いた。
どうやら、コボルト達はキラキラとしたモノに興味を持っているらしく、その誘惑を払い除ける事が出来ないようである。
そのおかげで、ホルダー達は何とか難を逃れる事が出来たため、クズ石を快く分けてくれた。
「キラキラと輝く物に目がないコボルトですか。まるで――どこかの国の御伽話にでも出てくるような、竜のような事をするのですね。……ですが、トラブルはいけません。これ以上、被害が広がらないよう、迅速に処理しなければなりません。少々……いえ、存分に。痛い目にあっていただきましょう」
イデアがケモノのニオイと物音に気付き、警戒した様子で岩陰に身を隠した。
「ギャッギャッギャッ!」
しばらくして、コボルト達が武器を構えて、ワラワラと坑道に入ってきた。
みんな観光気分なのか、辺りをキョロキョロ。
足元に落ちていたクズ石を拾って、トラップを作動させ、ギャッと間の抜けた声を上げていた。
おそらく、コボルト達は自分の力を過信し、『ドワーフ相手なら、楽勝っしょ』といった感じで、坑道にやってきているのだろう。
トラップに引っかかったコボルトが、何やらギャアギャアと騒いでいるが、みんな何処か余裕があった。
(……思ったよりも単純のようですね)
エヴァンが岩陰に隠れながら、コボルト達の様子を窺った。
コボルト達は坑道に撒かれたクズ石を拾って、次々とトラップを作動させ、何度も悲鳴を上げていた。
それでも、クズ石の魅力には勝てなかったのか、何度も同じトラップに引っかかっても、学習する気がないようだった。
「ほら、大好きな宝石ですよ」
そのため、クズ石以外は見えなくなっているらしく、警戒心すら何処かに行っていた。
しかも、テスがエンライトで、クズ石をキラキラと光らせたため、コボルト達は大興奮ッ!
まるで宝物を見つけたようなノリで鼻歌を歌いながら、『こんだけキラキラが入ったんだから、怪我をしても名誉の負傷っしょ!』とばかりに、何の躊躇いもなくトラップに引っかかっていた。
そんな甘い考えが災いしたのか、エヴァンが発動させたアイアンウォールを避ける事が出来ず、頭からズドンと地面に突っ伏した。
「頭の角度は45度! ドワーフさんと、邪竜さんに……謝ってください! そのまま起きちゃダメです! そのポーズ、ぼく達がさせられたのです!」
そのタイミングに合わせて、エヴァンが岩陰から飛び出し、コボルトに説教をし始めた。
「エヴァくん……土下座とは、なかなかいいですね」
その間、テスがエヴァンを守るようにして、宿り木の長杖Reを構えて、コボルト達を牽制した。
「ギャッギャッ!」
それを目の当たりにしたコボルト達が『なんだ、テメエは! やるのか、コラァ!』とばかりに吠えまくった。
「……おや? 反省していないようですね。だったら、ここにいるコボルトの首を落としますか」
そんな空気を察したテスが、マントから水袋をグシャッと落とし、幻影でコボルトの生首を投影した。
「……!」
その途端、コボルト達の表情が凍りつき、額から汗がタラリと落ちた。
「んじゃ……一狩りいきますか」
その隙をつくようにして、ケンがチャージングを仕掛け、コボルト達に攻撃を仕掛けていった。
「……!」
即座に、先頭にいたコボルトが剣を構え、自らの身を守ったものの、力の差があるためケンに一撃を食らえる事が出来ぬまま、ジリジリと追い詰められていった。
「ギャッギャッ!」
そんな中、別のコボルトが仲間の仇とばかりに、エヴァンを狙って斧を振り上げた。
「……おっと! そこまでだぜ!」
その攻撃を防ぐようにして、ゴブロウタが魔矢を発動させ、大樹の長杖の先端から光の矢を飛ばして、コボルトを牽制した。
「ギギギギギッ!」
コボルトが傷ついた右肩を庇いながら、恨めしそうにゴブロウタを睨みつけた。
「そんなにイラついているんだったら、俺が相手をしてやるよ。だいぶストレスが溜まっているんだろ?」
その視線に気づいたゴブロウタが、コボルトを挑発するようにして間合いを取った。
「ギィィィィィィィィィィィ!」
その挑発に乗ったコボルトが、滅茶苦茶に斧を振り回した。
「……いい加減に反省してください!」
次の瞬間、エヴァンがアーケインテンペスト改を発動させ、稲妻のような光が無数に荒れ狂う空間を出現させた。
「不届き千万、許してはおけません」
そこに追い打ちをかけるようにして、イデアが魔導の潮流で自らのエーテルを燃やし、メテオライトで大量の小さな光弾を落下させた。
「ギギギギギッ!」
その光弾から逃れるようにして、コボルト達が剣や斧を振り上げて、近くにいたエヴァンに斬りかかった。
「何度も同じ事を言わせるな。俺が相手をしてやるって言っただろ!」
ゴブロウタがエヴァンを守るようにして陣取り、再び魔矢で光の矢を放ってコボルトの身体を貫いた。
「ギャギャギャッ!」
それでも、コボルトはまったく怯んでおらず、何を言われたのか理解する事を放棄したまま、耳障りな鳴き声を上げながら、鬱陶しそうに斧を振り回した。
「何を言っても、無駄のようだな」
すぐさま、ケンが闘気槌2で巨大な光塊をダマスカス鋼の大太刀Reに纏わせ、コボルト達の足を狙うようにして強く振り下ろした。
「ギャアアアアアアアアアアアアアア!」
その途端、コボルト達が悲鳴を上げ、涙目になって地面をゴロゴロと転がった。
それでも、このままだと確実に死ぬという気持ちがあるのか、すぐに落ちていた剣を拾うと、怯えた様子で切っ先をケンに向けた。
「おいおい……、それで俺が動揺すると思っているのか? だったら、随分と馬鹿にされたものだな」
即座に、ケンが殺界でエーテル光をダマスカス鋼の大太刀Reに纏わせ、不可視のエーテルを範囲内へ張り巡らせた。
「それでは、トドメをさしてしまいましょうか」
それと同時に、イデアが光輝くエーテルを高速で収束させ、氷嵐を巻き起こしてコボルト達を吹き飛ばした。
「だったら……あの世に送ってやるから大人しく、その首置いてけやぁァァァ!!」
その間に、ケンが大太刀を振るい、コボルトの首を刎ねた。
「ギャッギャッギャギャッ!」
その事に腹を立てたコボルト達が、半ばヤケになりながら、次々と攻撃を仕掛けてきた。
「……本当にしつこいですね」
エヴァンがテスと息を合わせ、爆炎2を発動させた。
「そんなにキラキラが好きなら燃えてみますか?」
それに合わせて、テスがフレイムゲイズを仕掛け、コボルト達に火球を纏わりつかせて焼き殺した。
「……たくっ! 面倒掛けやがって!」
ゴブロウタが消し炭と化したコボルト達を見つめ、疲れた様子で溜息を洩らした。
そんなゴブロウタを睨みつけるようにして、ケンが刎ね飛ばしたコボルトの首が、苦悶の表情を浮かべていた。
「……これで脅威は取り払えたでしょうか」
その視線に気づいたイデアが、気まずい様子で視線を逸らした。
さすがに、首だけで動き出す事はないものの、今にも食らいついてきそうな勢いで牙を剥き出しにしているため、背筋にゾッと寒気が走った。
「それではホルダーさんに報告も兼ね、一服してから帰りましょうか」
そんな空気を察したテスが、コボルトの首を拾い上げ、布で包んで見えなくした。
ホルダーが、どんな反応を示すか分からないが、コボルトを探している邪竜がいるため、嫌な顔はしないだろう。
「……とは言え油断なきよう。帰るまでが依頼、仕事、ですからね」
イデアが警告混じりに呟きながら、警戒した様子で辺りを見回した。
とりあえずコボルト達は一掃したものの、未だに寒気がするため、気を抜く事が出来ないようだ。
「……そうですね。念のため、入口の罠を強化しておきましょうか」
そう言ってエヴァンがクズ石を拾った後、ホルダーに報告するため、その足で工房に向かうのだった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準5 / 4〜10人
2021年05月06日 12時38分24秒 公開
相談掲示板
キャスターの…エヴァン・ピオネロです。よろしくです(ぺこり) このコボルトさんでしたか…邪竜さんを怒らせた事の責任を取って貰わないと…です! (以前の依頼のお話です) 冒険者らしく行動しつつ戦っていればと言う事なので 「邪竜さんに…謝ってください!」と叫びながらいっぱい戦おうと思います。 聞いて無いでしょうし、謝る=死亡フラグですけど…ね(笑み)
ウォーリアのゴブロウタ、と申します。 >コボルト 罠もあるそうなので、その辺に鏡でも転がしてみたら引っかかったりするんですかね? 足止め代わりにちょいと試してみるとします。 それ以外ですと、ピオネロ卿への肉薄防止を重点になるかとは。 まあ、待つだけ、というのもなんですし、射撃武器くらいは持っていきます。
ゴブタロウさん…ありがとうですよ! ぼくより生命も防御も高ですね、頼りにさせて頂きます(ぺこり) コボルトさん達はとても素直なので、何にでも引っ掛かってくれると思います。 思いつくだけやっちゃいましょう。 後1名なので、確定してくれると信じて、プレは出しておきますね。
キャスターのテス・クラルスです。 ギリギリの参加で申し訳ない。 皆さんよろしくね。 ゴブロウタさんのキラキラ作戦いい感じだね! エヴァさんの邪龍さん作戦も面白そう。 私は火力的な立ち回りになると思うかな? 追い返す依頼みたいだから、 コボルトが二度ときたくないと思えそうな、驚かし方を考えてみたいと思ってるよ。 幻影で何かできないかな?ギリギリまで考えてみるね
ウォーリアーのケンだ よろしくな まぁ、敵はコボルトだ 遠慮せず狩り尽くしてやろうじゃないか とりあえず設置した罠の情報を仕入れておいてこちらがかからないように注意しようか
確定です…!ケンさん罠の情報お願いします! テスさんコボルトを沢山驚かせてやってください。 ぼくは前回の怒りが収まってないので…土下座して貰うつもりです。 それと、ホルダーさんにお願いしてクズ宝石を分けて頂いて呼び餌にもしてみます。 狩り尽くしても良いでしょうから、やれるだけやってみますね。
No.7
滑り込みですが失礼いたします。 キャスターのイデアと申します。以後、お見知りおきを。 後列からコボルトを殴っておきますね。