少女の願い、消え去る命!

ゆうきつかさ

コメント 6

シナリオID:823

オープニング

●リーンエス王国【冒険者ギルド】
「私の村に狸の魔獣達がやって来たのは、数日前の事でした。元々、私の村は大人の大半が出稼ぎに出ているため、残っているのは子供や年寄りばかり。そのため、狸の魔獣が襲ってきても、追い払う事が出来ませんでした」
 冒険者ギルドにやってきたのは、辺境の村に住むルシエルと言う名の少女であった。
 狸の魔獣達が現れて、年寄り達が真っ先にしたのは、ルシエルを逃がす事だった。
 そのため、ルシエルは断片的にしか、村の状況を見ていない。
 それでも、狸の魔獣達が毒の息を吐きかけ、年寄り達が呻き声を上げながら、倒れていく姿だけが瞳に焼き付いていた。
「私は逃げてしまったので、村の人達がどうなっているのか分かりません。あのまま倒れたままになっているのか、それとも食べられてしまったのか……正直、分かりません。……ですが、このまま狸の魔獣達を放っておく事なんて出来ません! 例え、村の人達を助ける事が出来なかったとしても、狸の魔獣達だけは絶対に倒してください」
 それがルシエルの願いであった。
 噂では、狸の魔獣が他の場所でも現れ、悪さをした事があったらしい。
 そこで倒す事が出来なかっ狸の魔獣と同一種なのか、ここで判断する事は出来ないものの、そこで確認された個体は、全身から酒に似たニオイを漂わせ、相手を酩酊状態にさせるようである。
 おそらく、狸の魔獣が吐きかけた息にも同じ成分が含まれているため、村の人達は酔っぱらって眠っているだけ……と言う可能性も高かった。
 だからと言って、村の人達が安全であるという保証はない。
 狸の魔獣が保存食代わりにしているのであれば話は別だが、既に食べられてしまっている可能性も捨てきれない。
 その事を理解しているため、ルシエルは狸の魔獣達だけでも倒して欲しいと依頼してきたようである。
 ただひとつ言える事は、このまま放っておけば、確実に村の人達が命を落とすという事だけだった。

解説

 物語の流れとしては、準備を整えた後、狸の魔獣との戦闘になります。  念のため、マスクなどをしておくと良いでしょう。 ▼基本的な情報  ルシエル(ヒューマン:女性)  10代。  狸の魔獣×3  全身から酒に似たニオイを漂わせている。  毒(酒?)の息を吐いて攻撃してくる。  意外と、しぶとい。

マスターより

 どうも、ゆうきつかさです。  この目的はタヌキの魔獣を全滅させる事です。  そのため、村の人達の安否は関係ありません。  可能な限り、助ける事で、色々と感謝されるかも知れません。  基本的にオープニングに書かれていない事は、自分にとって都合よく解釈してかまいません。  キャラクターらしい行動であれば、ネタに走っても構いません。  他の参加者達に迷惑を掛けず、世界観的にも問題が無ければ、採用していこうと思っています。  またキャラクターの性格などを把握しやすくするため、台詞などがあると助かります。  戦闘の目安は3ターン分くらいで、考えていただけると助かります。

リプレイ

●リーンエス王国【辺境の村】
「……酔いどれ狸の魔獣か。ある意味、ドワーフ向きの相手だな。例え、敵が酒精の強い息を吐こうが、うわばみのドワーフには関係ないしな」
 ケン・Z・ブラッドリーは仲間達と共に、狸の魔獣達がいる辺境の村に向かっていた。
 辺境の村に残っているのは、子供と年寄りばかり。
 大人達はみんな出稼ぎに行っているため、自分の村がピンチに陥っている事すら知らされていないようである。
 今のところ、村人達の安否は分かっていないものの、他の場所で確認された狸の魔獣の習性を考えると、すぐには命を奪わず、弱らせたまま、眠らされている可能性が高かった。
 だからと言って、絶対に安全だとは言えないのだが、狸の魔獣達が空腹にならない限り、村人達が全滅するような事もなかった。
「毒の息を吐く魔獣というのは厄介ですが、村を取り返す為に頑張る必要がありますからね。啓示では『搦手中心の相手は、力押しでは困難』と出ていますが、皆様の力があれば何とかなるはずです」
 フリーダ=ブロムヴィストが薬草を仕込んだバンダナで、念入りに口元を覆い隠した。
 だんだん辺境の村が近づいてきたせいか、辺りにはほんのりと酒のニオイが漂っており、少し吸っただけでも頭がクラクラとした。
 幸い、バンダナを口元に巻いているおかげで、悪酔いする事なかったものの、酩酊状態に陥った小動物が辺りに転がっていた。
「背に腹は代えれないけれど、見た目が最悪ねー。ガス対策は聞いた話から察するに必須だったから仕方ないけれど、濡らしたバンダナを巻くとか感触も気持ち悪いし……。それでも、路銀を稼がないといけないから、仕方がないんだけど……。さすがに、気分が滅入るわ」
 ナタリア・サフィエリがゲンナリとした表情を浮かべ、ブツブツと愚痴をこぼした。
 本音を言えば、いますぐバンダナを外してしまいたいところだが、そんな事をすれば悪酔いしてしまうため、嫌でも我慢しなければならなかった。
 その分、口から漏れるのは、愚痴ばかり。
 それでも、怒りを発散する事が出来なかったため、ストレスのはけ口を狸の魔獣達に向ける事にした。
「ところで、ご主人様。せっかく持ってきた鎧を、ここに捨て置いちゃっていいのですか? すっごく苦労して二人分持ってきたのに……」
 そんな中、ジープが疲れた様子で、ナタリアに問いかけた。
 ここまでの苦労を考えると、あり得ない事ではあるのだが、何の意味もなく鎧を運ばせる訳がないと思っているらしい。
 そう思っておかなければ、グッタリしてしまうほど、体力を消耗しているようだった。
「まあ、これも……作戦よ」
 その視線に気づいたナタリアが、小さくコホンと咳をした。
 当初の予定では、弟子の二人に戦士用の重鎧を無理やり着せ、前線に立たせつつ後方から一気に高威力の魔法で削る予定であったものの、他の冒険者がいる以上、無理に素人を前線に立たせても邪魔にしかならないため、作戦を変更したようである。
「うーん……、ご主人様から酷使されるのは、今に始まったことではありませんでしたが……。勝つための最善策であれば、仕方がありませんね。それに一緒に戦ってくれる冒険者の方々がいるので大丈夫でしょう、いろんな意味で……」
 そんな空気を察したユリが、乾いた笑いを響かせた。
 もちろん、まったく不満がないと言ったら、嘘になるかも知れないが、真実を知る事で余計に疲れてしまう予感がするため、あえて触れない事にしたようである。
 その方がみんな幸せになれるような気がしたため、何となく気づいていながら、気づいていないフリをした。
「んじゃぁ……、一狩りいきますか」
 すぐさま、ケンが天眼を使って視野を広げ、村人の状態や敵の位置などを探った後、チャージングで瞬間的に加速した。
「……!」
 次の瞬間、狸の魔獣達が一斉にビクッと反応し、酒のニオイにも似た毒の息を吐いた。
「それが、どうした!」
 だが、ケンには効かない。
 むしろ、纏めてドンと来い!
 酒の神に愛されているのか、狸の魔獣達が望んだような結果にはならず、酩酊状態に陥って動きが鈍る事もなかった。
「……残念でしたね。啓示では『大丈夫、怖くない。死ぬのは、一瞬だから』と出ています。……ですから、このまま迷わず逝ってください」
 その間に、フリーダがシーザーロアを発動させ、言葉と共にエーテルを叩きつけ、狸の魔獣達の怒りを呼び起こさせた。
「キィシャアアアアアアアアアアアアア!」
 その影響で狸の魔獣が怒り狂い、全身の毛を逆立て、再び毒の息を撒き散らした。
 その途端、辺りの草木が枯れ、異様なニオイを漂わせた。
「これ以上、毒が広がってしまうと、面倒な事になりそうですね」
 その事に危機感を覚えたユリが、魔霞で霞状のエーテルを生み出し、狸の魔獣を狙って撃ち放った。
「グギャッ!」
 それと同時に狸の魔獣が飛び退き、殺気立った様子で牙を剥き出した。
 まわりにいた狸の魔獣達も、ナワバリに侵入してきた外敵を追い払うため、手加減をするつもりがないように見えた。
 おそらく、餌としてではなく、敵として認識しているのだろう。
 そのため、肉の塊にする気満々で、攻撃を仕掛けてくるつもりでいるようだ。
「今まで負けた事が無いって顔ね。でも、それもこれでお終い。私達に牙を剥いた以上、貴方達に待っているのは、死ぬ事だけよ」
 次の瞬間、ナタリアがフレイムゲイズを仕掛け、狸の魔獣達に火球を放った。
 ナタリアから放たれた火球は、まるで意思があるかの如く、狸の魔獣達に襲いかかった。
「……!」
 それが狸の魔獣の身体を包み、勢いよく燃え上がろうとした。
 狸の魔獣は半ばパニックに陥った様子で、地面に身体を擦りつけ、警戒した様子で間合いを取り始めた。
「とにかく、さっさと終わらせましょう。ご主人様を不快に思わせる敵なんて居なくなった方が世のためなのです」
 その視線に気づいたジープが、ナタリアを守るようにして陣取りながら、フリーズボルトで狸の魔獣を牽制した。
「キィシャアアアアアアアアアア!」
 それと同時に、狸の魔獣が捨て身の覚悟で、鋭い爪を振り下ろした。
 その気持ちに反して、氷の矢が前脚を貫き、大量の血が辺りに飛び散った。
 この様子では、気合と根性と、その場のノリで、氷の矢を叩き落とそうとしていたのだろう。
 何の躊躇いもなく前脚を振り下ろしてしまったため、前脚から溢れ出した血が止まらなくなっていた。
「わざわざ、苦しむ必要などありません。先ほども言いましたが、死ぬのは一瞬……。痛めつけるつもりなどないのですから……」
 そこに追い打ちをかけるようにして、フリーダが衝撃刃2で不可視の衝撃を飛ばし、狸の魔獣の首を刎ねようとした。
「……!」
 その事に気づいた狸の魔獣が、最後の悪あがきとばかりに飛び退き、全身の毛を逆立てフリーダ達を威嚇した。
「どうやら遊び足りないようだな? だったら、相手をしてやるよ」
 そんな空気を察したケンが、チャージングで瞬間的に加速し、ダマスカス鋼の大太刀Reで、狸の魔獣の脚を斬りつけた。
「キィシャアアアアアアアアアアア!」
 それでも、狸の魔獣が怒りに身を任せて地面を蹴りつけ、そのままケンの懐に潜り込もうとした。
「……クッ!」
 即座にケンがダマスカス鋼の盾を構え、狸の魔獣を弾き返した。
「ギギギギギギッ!」
 しかし、狸の魔獣はまったく怯んでおらず、全身血塗れになりながら、再び攻撃を仕掛けてきた。
「いくら私達に攻撃したところで無駄な事です。こちらも時間が無いので容赦はしません」
 その事に気づいたジープが魔矢で、狸の魔獣の身体を貫いた。
「キィシャア!」
 それを目の当たりにした狸の魔獣達が、傷ついた仲間を守るようにして、勢いをつけて飛び掛かってきた。
「どうやら、苦しんで死ぬ事を、お望みのようですね。あまりオススメはしないのですが、そこまで望むのであれば……仕方がありません」
 次の瞬間、ユリが巨大な炎弾を放って、狸の魔獣達を爆炎で薙ぎ払った。
「グルルルルルルッ!」
 そのため、狸の魔獣達はフラつき、今にも倒れそうになりながら、気力だけで立っているような感じになった。
「そもそも、相手に牙を剥くって事は、死ぬ覚悟があるってことだよな? だったら、これも覚悟の上って事か。それなら……大人しく首おいて逝けや!!」
 それに合わせて、ケンが無拍子を利用した一撃で、狸の魔獣の首を刎ねた。
「……」
 狸の魔獣は一瞬何が起こったのか分からなかったのか、口をパクパクさせながら、地面に転がって自らの血で模様を描き、動かなくなった。
「これで終わりにしましょう。例え、抵抗したとしても、苦しみが長引くだけなのだから……」
 そこに追い打ちをかけるようにして、ナタリアがメテオライトを発動させ、無数の小さな光弾を降らせて、狸の魔獣達を一掃した。
 狸の魔獣達は抵抗する余裕もなく、肉の塊と化して動かなくなった。
「……何とか倒す事が出来たようね。そう言えば、この辺りには、不老不死にまつわる逸話があったと思ったけど……」
 ナタリアがホッとした様子で、辺りを見回した。
 どうやら、村人達は狸の魔獣達に引きずられ、一か所に集められているようだった。
 幸い、命に別状はないようだが、みんな弱っているようだった。
 もしかすると、村人達のうち何人かは既に食べられてしまっているかも知れないが、ここに依頼主がいないため、現時点で確認する事は難しそうだ。
「あ、あの……ご主人様。だいぶ弱っているようですが、みんな生きているようですし、何とか助けてあげたいのですが……。それに、若い子を逃がすため、自身を擲つような心優しい方を死なせるのはしのびないと思いますし……。あの少女は路頭に迷ってしまうかもしれません。ですから、その……よろしく御願いします」
 そんな中、ユリが言葉を選びながら、ナタリアにペコリと頭を下げた。
「ユリは村人を助けようとしているのか……。なら私もユリを手伝いますね。もちろん、ご主人様も……いえ、何でもないです」
 ジープが期待に満ちた視線をナタリアに送った後、ハッとした表情を浮かべて、吐き出そうとしていた言葉を、すべてゴクンと飲み込んだ。
「……あーもう、煩いわね、わかったわよ、診てあげたらいいんでしょ!? ……ったくもう、そこまでいうのなら、あなた達が生き残りを連れて来なさいよ」
 そんな空気を察したナタリアが、観念した様子で答えを返した。
 その流れに乗るようにして、ジープ達が村人達をナタリアのところまで運んできた。
「それなら私も協力させていただきます。啓示には『こういうのは水をかけると起き上がります』と出ていましたから、これで目を覚ますはずです」
 そう言ってフリーダが酩酊状態に陥った村人に水を掛け、次々と目覚めさせていくのであった。

マスターコメント

今回は皆さんのプレイングが素晴らしかったため、大成功になりました。
ショートシナリオ

ショートシナリオ普通 報酬:標準5 / 4〜10人

2021年04月30日 16時22分50秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. ナタリア・サフィエリ

    キャスターのナタリアと、同じくキャスターで弟子のユリとジープですわ。 よろしくお願い致しますね。 今のところは私が引き受けてしまったせいで前衛がいないので、ユリとジープには無理して戦士系の鎧を着てもらって無理やり前衛になってもらう作戦よ。 二人に注意を引いてもらっている間に私が射程ギリギリからフレイムゲイズを撃ち込んでやるの。 敵の体力を一斉に削ぎ落として、後は魔矢辺りで確実に仕留めにいくつもり。 ユリとジープにはヒールを持たせて耐えてもらいましょう、使用回数余ったって、もし生き残っている住人がいたら彼らに使えるしね。 ガス対策はどうしようかしら、バンダナでも持っていって顔を覆う程度で大丈夫かしら?

  2. ケン・Z・ブラッドリー

    っと顔出しが遅れて悪い ウォーリアーのケンだ 前衛は任せてくれ 今回の敵だと酒への耐性が必要になりそうだが、スキルなど取れない場合は匂いなど嗅がないようにするかスキルで風を起こすなりして吹き飛ばすしかないか?

  3. フリーダ=ブロムヴィスト

    ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 私も基本的には前衛として行動します。 強風などで匂いそのものを嗅がないようにできれば有利になりそうですね。 こちらは念の為にある程度抵抗を高めて行く予定ではあります。

  4. ナタリア・サフィエリ

    二人も帯同してくれるなんて助かるわ。 それじゃあ弟子の二人は後方で魔術師本来の戦いかたをしてもらおうかしらね。 ガスの方はどうしようか考えてみたのだけれど、爆炎のスキルを味方に被害が被らないところに発動させて爆風で飛ばす方法を考えてみたわ。 可燃性だと誘爆したりするかもしれないから、氷嵐や生活魔法の方がいいかなって思ったけれど、とりあえずはより強い風を起こせそうな爆炎でかんがえてみるわね。

  5. ジープ

    とりあえず提出終わりました! ケンさんとフリーダさんが前に出てくださるとの事なので私たちはご主人様と一緒に後方から魔術での援護に徹しますね! 現地ではよろしくお願いします。

  6. ユリ

    もう1日相談期間があったのですか… 早とちりしてしまいましたが、何か提案などがあれば修正してみようと思いますのでご助言くださいませ。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0