かけっこクラブ!!
馬車猪
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シナリオID:774
オープニング
身に纏うのはドレス、腰に下げているのは装飾過多な細剣。
走るフォームも優雅すぎて無駄が多いのに速度だけは圧倒的だ。
馬の心が折れた。
騎手が急がせようとしても駈歩から常歩になりのんびり歩き始める。
少女は止まらない。
だって走るのが気持ちいいから……というのもあるが最大の理由は仕事だからだ。
「お嬢様! 兵士を置き去りにしています!!」
メイドも馬を追い抜いた。
馬は完全にやる気をなくして足下の草を食べ始めている。
「そう」
セニャ・リーラントは平然としていた。
傲慢ですらあるが授恵者という資質を磨き抜いた人物がすると絵になる。
さすがリーラントの武の象徴よと、実家の人間なら騙されてしまっただろう。
「戦闘後に嫌みを言われてしまいますよっ」
「そう?」
「そうです! ってもうこんなに近くにっ」
地平線近くに人影が複数現れる。
遠い割に大きい。
亜人だ。
人類を餌としか認識していない連中だが団結した人類の面倒臭さは理解しており、|王国の僻地を荒らしては逃げるを繰り返している。
気付かれた。
いや、ひょっとしたら既に気付かれていたのかもしれない。
オーガはヒューマンより大きく、つまり視点が高く遠くまで見ること出来るのだ。
「仕留めるわ。ついて来なさい」
「お嬢様はいつもそう! 後片付けの面倒さをする前に考えないからっ」
ドレスとメイド服が本気を出した。
前傾姿勢の程度が激しくなるが上体は驚くほど安定して、速度も競走馬じみた速度に達する。
親オーガは迎撃しようとした。
子オーガは親から念のため逃げるように命じられた。
オーガのつがいの死体が地面に転がるまで、さほどの時間はかからなかった。
●クラブ設立を目指して
「かけっこ部、かい?」
パンクリアース学園教師は、まず自分の耳を疑った。
「はい。かけっこ部です」
貴族派貴族としては非常にまともな、しかし貴族派とか王党派とかとは全く無関係に問題児なセニャは真面目な表情だ。
「戦いの要諦は移動です」
剣や術が得意でも敵に逃げられたら実力発揮の機会もない。
だからまず移動速度と持久力を鍛えるべきだと、セニャは設立しようとするクラブの意義を主張した。
(戦いには防衛戦闘もあると思うんだが……)
揚げ足を取る手段は無数にあるし、却下の理由に出来る件も複数ある。
しかし、名前はともかく内容は悪くない。
財力自慢や実家の権力自慢しか活動内容がない部とは根本的に違う。
「リーラント君」
教師が真剣な顔になる。
「言いたくないが……成績が足りない」
部員の条件は、クラブ代表者である在校生の承認と、学業成績上位25パーセント以内だ。
武力は在校生最上位層でも座学がよく言って平凡なセニャは、総合して上位30パーセントである。
「部の設立には私個人が後押ししよう。関係各所の説得は任せなさい。リーラント君は」
来週の再テストでなんとしても良い点を取りたまえと、教師は懇願するような目付きで言った。
●依頼の行方
「お嬢様、寄付金を積み上げての説得はされないのですか?」
「お金は部員の強化に使いたいわ。数だけ増やしても怪我人が出るだけだもの」
メイドに煎れさせた茶で唇を湿らせ、セニャは少しの間考え込む。
数学の問題がつらい。
ではなくてクラブ設立のためのあれこれを単独でするのが難しい。
「活動内容の実演を要求されているのですよね?」
「ええ、先月取り逃がしたオーガを仕留めるつもりよ」
一般的には幼い個体でも強敵であるのに、まるで雑魚であるかのように語る。
「徹夜明けの戦闘はお嬢様でも危険ですよ」
「私が徹夜しないと再テストに受からないとでも……いえ、答える必要はないわ」
戦いに自信はあっても座学にはないセニャは、カップをソーサーに戻して大きな息を吐く。
「初期部員と助っ人を募りましょう。気に入らないけど、冒険者ギルドにも話を通しておいて」
授恵者を聴講生として受け入れる取り組みが始まっている。
冒険者ギルドに登録している授恵者は当然その対象だ。
「まったく、王家の力が強くなっても、庶民の暮らしが楽になる訳ではないのにね」
徹頭徹尾貴族であるセニャは、王家の権力伸張に懐疑的な立場だった。
●戦闘依頼
冒険者ギルドに、パンクリアース学園教師からの依頼が張り出された。
「逃げ足が速い亜人を追い、仕留める依頼です」
職員が淡々と説明する。
見届け人として教師がついて来るが気にする必要はない。
オーガとはいえ若い個体1つに冒険者パーティが負けることはまずあり得ないし、部の設立は既に半ば決まっている。
今回の依頼は事務上の手続きの一部のようなものだ。
「しかし注意してください」
敵は授恵者の力を知っている。
遠くから人間に気付いただけで逃げかねない。スキルが届く距離まで近づくのも非常に困難と思われる。
忍び寄ってから襲って足止めする、誘き寄せるという作戦も可能ではあるが、敵が逃げる確率は上昇し依頼人からの評価も低くなる。
教師もセニャ・リーラントも、出来れば日帰りで学園に戻りたいのだ。
「理想は、移動速度を活かして敵を逃がさず仕留めることです」
大怪我をしそうならあらゆる手段を使ってよいが、出来れば依頼人に希望に添った形で討伐して欲しいと言う職員であった。
解説
マスターより
リプレイ
肥えた土地には草がしげり、野生の馬がのんびり草を食んでいた。
リーラント伯にとっては危険なこの土地は、他国から見れば驚くほど豊かで比較的安全ですらある土地だ。
(私は走るのはあまり得意ではないのですけど……依頼に必要な情報が欠け過ぎです)
気弱な態度からは想像も出来ないほど、リディリディ・トゥラ・イェレミースの内心は辛辣だ。
(またやっかいな依頼を)
セニャ・リーラントにジトっとした視線を向ける。
走行時の速度を確保するため普段使っている防具を置いてきたので、ちょっと不安になり攻撃性が増していた。
「セニャ様がかけっこ部を創設するのであれば、このバンビを勧誘するしかありませんわね」
空気は自分の色に塗り替えるもの。
聴講生としてパンクリアース学園に馴染んだバンビが、冬毛から切り替わった髪を風になびかせながら断言した。
なお、文房具や教材や実験用のあれこれでかかった費用の出所は不明であった。
「歓迎するわ」
追試のための寝不足のせいで、普段は頑張って隠しているセニャの本音が漏れていた。
「お嬢様、お久しぶりでございます! ワタクシ、学園で三毛猫をいただいたハリーヌでございます」
ハリーヌ・ヨツユビが小さな体で喜び一杯に駆け寄る様は愛らしく、言葉は礼儀の範囲内で徹底的に謙っている。
(礼儀は知っているようね)
(貴族とは仲良くならねば)
お互い割切った、ある意味でとっても仲良しだ。
「お嬢様、お顔の色が優れないような……? もしやお体の具合でも……!?」
「あの……リーラントさん、本調子じゃないなら下がっていて下さい」
修羅場を何度もくぐったリディリディ達の目には、セニャの不調は全く隠せていない。
「酷く眠そうだけど大丈夫?」
今回の依頼を楽しみにやって来たララベル・サン・ディーベルもセニャの様子に気付いている。
「えっと、眠気吹き飛ぶ様な、苦い飲み物でも飲む?」
近くで控えているメイドをちらりと見る。メイドは無言のまま濃いめのお茶入りポットを運んで来ようとする。
「不要よ。オーガが領外に出る前に仕留めましょう」
セニャは多くの欠点を持っている。
しかし、臆病という欠点だけは持っていなかった。
「にゃ! セニャっち! 今日はよろしくっ!」
サフィラ・アズラク・ナハルハルアリーブによる元気いっぱいの挨拶が、セニャの凜々しい態度を崩す。
内容もタイミングも完全に不意打ちで、貴族としての態度ではなく純粋な個人としての顔が一瞬垣間見える。
その表情が年齢よりも幼く見えるのは、訓練と仕事に追い回されて心を育めていないからかもしれない。
「ほぇ? お気に召さない? 可愛いと思うんだけどなー」
サフィラはまだ、セニャの内心が読めるほど親しくはなかった。
「今回から宜しくお願いしますね、セニャ殿。それにしてもオーガの成体を2体も討伐とはお強い。よほど上手く連携取れないと、真似できません」
セニャの欠点を知らないドローミは、これまでの戦績だけを見て好評価だ。
「オーガが何故か逃げなかったの。逃げていたら1匹も仕留められなかったかもしれないわ」
だから期待しているわと、セニャは貴族としての目で冒険者達を見下ろしていた。
●
追跡は短くても数時間、長ければ数日どころか数週間の時間がかかる。
「大勢で走ってると遠くの音は拾いづらいねっ」
ララベルは、高い身長への憧れを久々に感じながら軽口を叩く。
平坦な土地には遮蔽物が少なく、身長2メートルを軽々超えるオーガは非常に目立つ。
温存していた疾風足を連続使用する。
オーガとの距離が戦闘可能な距離まで縮まる。
後衛の術者ではなく自分自身を目立たせることで、戦闘全体を有利にするための動きでもあった。
「ふぅ、やっと追い付いたか……」
バーネット・フォーサイスの髪は汗でしっとりとして、体の熱が自分自身でも分かるほどだ。
追いつかれたオーガは振り返り、バーネットだけでなく複数に追いつかれたことに気付いて目を見開く。
が、武装をほとんど身につけていないバーネットに気付いて考えを変えた。
「やる気か。追いかけっこの成果は出たんだし、そろそろ足止めするかね」
身長差約1メートル、体重や筋肉量では数倍上回るオーガがバーネットを仕留めようと変転する。
当たれば死ぬと頭脳より早く体が確信する。
だがバーネットの詠唱は一切乱れない。
稲妻を思わせる光がオーガを巻き込んで発生する。
生物ではなく場所に対する付与術なので、オーガの速度は抵抗を試みることも出来ずに速度が鈍る。
続けて、バーネットは光り輝く球状の存在をエーテルで組み立てる。
敵に命中させるのも簡単ではなく、その上で敵の抵抗をねじ伏せることも難しい術としても知られている。
けれどバーネットの圧倒的付与技術は亜人でしかないオーガの抵抗をねじ伏せる。
数十あるいはそれ以上の回数人類から逃げ延びさせてきた足が、まともに動かなくなった。
「これで俺の仕事は9割終わり、っと」
ヒューマン優先のセニャも感嘆してしまうほど、見事な仕事であった。
(セニアーラくん真正面から突っ込むの!?)
回り込んでオーガの退路を断つのを優先していたサニー・フォン・オルライトは、文字通り一直線に突っ込んだセニャを見て内心驚愕した。
高速大重量のオーガの拳をひらりと裂けるのは見事ではあるのだが、社交界で聞いた内容より動きが鈍い。
サニーはオーガの真後ろから攻め寄せる。
強化されたダマスカス鋼の細剣が、頑丈といってもただの皮膚でしかないオーガの肌を切り裂き流血を強いる。
ダマスカス鋼の爪と組み合わせることで手数は倍。
オーガの膨大な生命力を削り切るには足りないが無視できない程度のダメージを与え、巧みな身のこなしで離脱を成功させオーガの攻撃範囲から逃れた。
セニャは、攻撃は成功しても離脱は出来ていない。
「アーケイン! 忘れないでっ」
セニャは完全に忘れていたらしい。
足取りが乱れ、攻城槌じみた拳に肩を打たれる。バーネットがヒールを飛ばすが被害が大き過ぎ治りきらない。
「君の相手は私だ!!」
サニーが果敢に攻める。
オーガが五月蠅そうに振り返り、2匹目のドジョウを狙って拳を振り回す。
それは十分に早く、急加速で回避したサニーには全く届かない。
「にゃ! めっちゃ頑丈! あたしの攻撃効いてるのかな?」
サフィラも一撃を加えるが威力が軽い。
ただしセニャとは違って一撃離脱を徹底し、反撃を受けることは決してなかった。
●
ゴリラは困っていた。
圧倒的な速度でオーガに追いつきはしたが主とはぐれ、主との連携抜きでオーガと戦うのは自殺行為なのでシーフ達の活躍を眺めるしか無かった。
(!)
主とのエーテルリンクが機能を取り戻す。
ゴリラが走り出したのとほとんど同じタイミングで、オーガの移動を封じていた術が時間切れとなった。
(機会は一度だけでございます)
ハリーヌは無表情のまま鼻をひくひくさせる。
彼のペットであるゴリラは緊張を隠せないままひたすら駆ける。
(そこでございます)
セニャが見ているのを確認した上で突入させる。
新手の冒険者に気付いて逃げ出したオーガが、雄叫びを上げるゴリラと正面衝突した。
「痛ぇ」
無表情の仮面の下から本音が漏れる。
リンクしたゴリラからのダメージは甚大で、しかしハリーヌはまだ生きている。
「セニャ殿の治療は後で行います」
ドローミが一直線にハリーヌに駆け寄り掌で触れる。
エーテルを生命力に転換して注ぎ込み、重傷寸前のハリーヌを完全な状態まで治療した。
「このハイスピードキャスター、バンビ推して参りますわ」
豪華かどうかはともかく迫力は十分なローブをたすき掛けにし、裾からげの高機動モードままバンビが対オーガ戦に参入する。
「1つ」
地面から、鉄の壁がにょきりと生えた。
幅1メートル高さ2メートルでは横も縦もオーガを隠せはしない。
しかし頑丈さは十分以上だ。胸と腰を激しく打ち付けたオーガが咳き込みながら数歩後ろへ下がる。
衝撃で歪んだオーガの視界に大きな光が迫る。
直径3メートルのエーテル光波は強化済みで、術ではなく人類と勘違いしたオーガは防御に失敗。浅くない傷を負う。
「これぞバンビ千里行。又の名を行けるバンビ死せるオーガを走らすですわ」
まだ死んでいないが流れが変わった。
次の戦いのために逃げるのではなく、オーガは生き延びるため逃げるしかなくなった。
(き……つ……)
リディリディの白い肌がほんのり上気している様は絵画のように美しく、しかし本人はもうぎりぎりだ。
(リーラントさ……生きて……る)
最低限必要な情報を把握した後は術に専念する。
筋肉が生み出す力とは別種の力がリディリディを大きく見せる。
超魔法でさらに一回り存在感が増すと、オーガの小さな脳味噌でも彼女の脅威が理解出来た。
(狙いよし、エーテル充填よし)
生じた光の矢は、形が駆け出しキャスターによるものと同一だからこそ禍々しさが強調される。
緑たっぷりな平原に、あの世じみた気配を撒き散らす矢が存在するのだから。
「えい」
気の抜ける声と同時に矢が放たれる。
筋肉で太い腕を交差して防ごうとして、矢の威力は一切変わらず肉を貫き骨を削られる。
両腕と腹に開いた穴から、真っ赤な血が噴き出し空気に触れて黒くなった。
(いけませんね。足止めするための手段がない。戦闘は丘陵地帯まで続きますか)
ドローミは冷静に戦況を分析する。
オーガは酷い傷を負ったが足は復活した。
「僕は直接の攻撃魔術はからきしですが、補助します」
エーテルによる強化が冒険者の力を引き上げる。
リディリディの場合、元々強力かつ精密だった術がより正確になってオーガではまず回避不能になる。
「治療、感謝するわ」
「後でまとめて受け取ります。それより」
ドローミは足を止めて矢をつがえる。
「余裕はありませんよ」
エーテルを矢をまとわせて放つ。
使った弓は短弓であるのに威力は強烈で、オーガのどこに当たっても深く刺さってその命を削る。
だがオーガを止める効果はない。
「追い込んだけど、いつもなら逃げられてしまう状況ね」
セニャがオーガを追う。
単に移動するだけなら速度で勝り、しかし攻撃をする場合は逃げに徹するオーガより遅い。
ドローミは、自身が光を付与したセニャの細剣をちらりと確認した後、必死に逃げるオーガの背中を狙う。
射程は100メートル。
次の矢が矢羽根までオーガにめり込み深手を負わせたが、次の矢をつがえる前にオーガに射程外へ逃げられてしまった。
「大丈夫だと思いますよ」
次の矢を矢筒に戻しドローミも走り出す。
冒険者のシーフ達が、直接追う以外の手を打っていた。
●
圧倒的な生命力が、オーガをここまで持ちこたえさせた。
既に亡い父母の声が聞こえた気がして振り返る。
強力な敵の接近を警告するような声だったような気がしたが、もちろん何もない。
微かに聞こえる狼に聞こえる声は、無関係だと思ってしまった。
(ヤバっ! 今のマジでヤバっ)
サフィラは喉に微かな痛みを感じる。
狼の真似、しかも距離をごまかしての声は難易度が高かった。
だが最も危険なときは乗り越えた。
生きるために再度走り出そうとした亜人の背後から音もなく迫る。
(背中からでもすんごい迫力……。スケッチしたいけど、がまんがまん)
刃渡り30センチしかない刃に膨大なエーテルを込めて振り下ろす。
奇襲でもなければ当たらぬ軌道の、当たりさえすれば攻撃力特化の重武装ウォーリア並の威力になる暗殺撃だ。
ふくらはぎが抉れ骨に深い傷を刻まれる。腱が残ったのはほとんど奇跡であった。
「狼は私に任せてっ。邪魔はさせないよ!」
平地から丘の連なりに変わりつつある場所で、サニーが絶妙なバランス感覚で体勢を保って、2つの刃でそれぞれ1頭の狼を仕留めていた。
「今日はかけっこで負けるわけには行かないんだ……絶対逃がしはしないよ!」
ララベルがサフィラとは別方向から攻める。
オーガにとっては防ぎ難く、ゴリラやシーザーロアの使い手ほどではないが逃げ辛い。
何より、1度ハイディングを使って視線を振り切り丘という遮蔽物に隠れて接近したララベルは、オーガの目にはいきなり現れたように見えた。
「喰らえ、疾風三連突」
細いとはいえ全長1メートルある刃が3連続で繰り出される。
服すら着ていない亜人では防御力が足りない。重武装ウォーリアに匹敵する威力で肉と脂肪を切り刻まれる。
三連突は止まらない。
効果絶大な代わりに回数に制限があるスキルではなく、通常攻撃を必殺技の置き換えるのがこのスキルの神髄なのだ。
流れる血が足下を赤黒く染めてもオーガはまだ倒れない。
「さすがに頑丈だねっ」
ララベルの耳が狼の足音を捉えた。
どうやら群れで現れたらしい。サニー単独でも勝てはするだろうが何頭か突破してきかねない。
が、もう時間切れだ。
超軽装のバーネットによる術攻撃だけでなく、強力な術や矢が突き刺さった。
「さあ、セニャ様。とどめを刺しておしまいになって」
「遠慮するわ」
バンビとセニャの漫談じみたやりとりを聞き、ララベルはくすりと笑う。
そして、必要以上の苦痛を与えないよう、止めの一撃をオーガの眼窩から奥へ突き刺すのだった。
●
「しかしまぁ……教師ってのも大変だな」
バーネットの労いに、馬上の学園教師がなんとも表現し辛い表情になる。
「かけっこクラブでございますか。さすがお嬢様! 万人にわかりやすく、素晴らしいネーミングでございますね。ワタクシ、脚が短いのでございます。鍛えれば速く走れるのでございましょうか……」
相変わらずのハリーヌの言葉に、教師が腹を押さえて胃痛に耐える。
「うーん、クラブの目的はとってもいいと思うんだけど名前がちょっと子どもっぽいかも? 『ランニングクラブ』とか『ランニング研究会』とかどうかなっ?」
サフィラの率直な感想と提案に、教師が救われた気分になる。
「あと、どんな目的の人に来て欲しいのか募集の時に書いておくと完璧かもっ!」
セニャが考え込んだ。
(や、うん。まぁ部の構想自体は悪いものじゃないし、戦闘における機動力の重要性なんて語るまでもないんだけど……)
サニーは今回の作戦を検証している。
実際、攻勢だけではなく防衛戦闘においても、機動力がある事に越した事はない。
特に主力部隊となり得る授恵者は、機動力と火力を両立させないと人材の無駄遣いだ。
(ただまぁ、色々とアレではあるよね。うん)
「初っ端の活動なんざそういうもんだろう」
バーネットの悪意も善意もない感想が、現状の要約であった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 6〜8人
2021年04月13日 08時25分32秒 公開
参加者
相談掲示板
セニャ殿は、特性とスキルの合わせ技ですね。 リット君にも見習ってほしい_ 僕の名前は、ドローミと言います。 どうぞよろしくお願いしますね。
No.2
正式に成立とはなっていませんが、その・・・先にご挨拶しておきます。 キャスターの・・・、リディリディです。 よろしくお願いします。 目的はオーガ1体の討伐ですね。 逃げられる可能性があるのでその対策と、あと野生でしょうか、狼が出てくるのでそちらにも注意を払わないといけませんね。
にゃ!シーフのサフィラだよっ! よろしくねっ! かけっこならシーフにおまかせっ! 疾風足と全力移動でばびゅーん!と… ほぇ?かけっこする部活つくるの? なんかよく分かんないけど面白そう!
シーフのセニャよ。 オーガの倒し方については特に指定しないわ。 冒険者には冒険者のやり方があるでしょうし。
僕はシーフのララベル・サン・ディーベル。 みんな、よろしくね!!
ハイスピードキャスターのバンビですわ。 よろしくしてくれてよくってよ。
キャスターのバーネット・フォーサイスだ。 まぁ、よろしく頼むわ。 >方針 一応、趣旨としては移動力に物を言わせてオーガに接近し、逃げられる前に撃破するって所か? 機動力の重要性を説くための部活って事だから、最初の内は小細工抜きで追跡して、 追い付くことが出来たら交戦を開始して足止め。 集まって来る狼にも並行して対処しながら、リーラント主体で撃破ってのが 部活の実績的にも良い感じになるか?
これはこれは皆さま、どうぞよろしくお願いいたしますよ。 ワタクシはシューターのハリーヌ。しがないヨツユビハリネズミでございます。 ワタクシ、脚が短いせいか走りには自信がないのでございます。 ぜひ、お嬢様と一緒に鍛えたいでございますよ! 足の速い皆様にオーガの背後や側面へ回っていただき、足の遅いワタクシどもが手前に駆け込んで包囲する形がよろしいでございましょうか? 狼が集まってきたら背後も気にする必要がございますが…。 それから、お嬢様や髪色が赤系の皆様は、オーガの標的にされる可能性がございますね。
っと、私が最後かな? サニー・フォン・オルライト、クラスはシーフ。よろしくね? >基本指針 そだね。シーフ組で背後回って逃げ道塞いで、他の人たちで正面回って包囲して、かな? 後はクラブ設立意義の為の機動戦を云々、っていうならフォーサイス君の活性化してるアーケインとスタティックフィールドを使って、機動力がある側と無い側の戦いを教師の人に見せてみる、とかかな
貫通衝撃射2で足止めと思いましたが、どうしましょうか ? 【質問】 Q1 セニャ殿の基本装備は、剣一振りですか? (ダブルアタックなしで打点を稼げるのが摩訶不思議) Q2 メイド殿も、受恵者ですか?
A1 2刀流で戦うこともあるわ。 A2 (OPに登場した)メイドは授恵者よ。
んーと、イメージとしては隠蔽スキルと 疾風足でオーガの背後を取る感じでいいのかなっ?(かくり) それとも真正面から突っ込んでエアーライドで飛び越えて逃げ道をふさぐ感じ?(むむ) あ、あたしも質問! 【質問】 Q3.メイドさんのクラスもシーフ? Q4.セニャっちって呼んでいい?(←
A3 (直接依頼に関係無いと思うけど)シューターよ。 A4 (反応はリプレイで)
回答ありがとうございました。 【質問】 Q5 セニャ殿が止めを刺せるほうが、嬉しいですか? (下記の通り、足止めしようかと考え中)
A5 別に気にしないわ。
>個人行動 ちょっと今回は足の速い面子に追従してみるかね。 装備を削って移動力5を確保できるから、それでアーケインとかの射程まで接近するつもりだ。 まぁ、機動力の重要性を示すための闘いだから、なるべく味方前衛が近接するまで 使わないでおくつもりだが。
回答ありがとうございます。
にゃ!回答ありがとー! メイドさんは今回お休みなんだねっ んー、とりあえず疾風足とハイディングで回り込んで逃げ道ふさぐプランでいくねっ!
No.19
私は回り込むことは出来なさそうなので、後から追いつく形になりますね。 盾を外して移動力3としてみますが。