人が死ぬと、棺桶屋が儲かる
ゆうきつかさ
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シナリオID:681
オープニング
「昔から、人が死ぬと、棺桶屋が儲かるって言われているが、実は困った事になった」
棺桶職人のアルバンスが困った様子で、深い溜息を漏らした。
事の始まりは、数日前。
狩りの最中にオーク達の襲撃に遭って、命を落とした者達の遺族に依頼され、棺桶を作る事になった時の事。
森の中まで遺体を回収に行った者達が、血相を変えて帰ってきた。
「そいつらの話じゃ、回収するはずだった遺体が、アンデッドと化していたらしい。こうなると商売にならねぇ。さすがに、アンデッドを棺桶に押し込む訳にもいかねーからな。その上、森の中で同じような境遇の奴等を見つけたのか、他の奴等もいたらしい。まあ、ここまで言えばわかると思うが、回収するはずだった遺体のアンデッドを、なるべく傷つけず回収して欲しい」
アルバンスが気まずい様子で、小さくコホンと咳をした。
「いや、回収するはずだった遺体が、アンデッドと化した時点で、それが困難な事も分かっているが、既に棺桶を作っちまっているからな。いまさら、いらねぇって言われても、他に再利用する訳にもいかねーからさ。なるべく原型を留めるようにして、仕留めてほしいって訳よ」
そう言ってアルバンスが逃げ腰になりつつ、遺体の回収を依頼するのであった。
解説
マスターより
リプレイ
「人が死ぬと棺桶屋が儲かるけど、死人が蘇れば冒険者が儲かる……といいんだけどね。あまり調子に乗り過ぎて、ボロボロになるまで攻撃しないようにしておかないと……」
サイラスは自分自身に言い聞かせるようにしながら、仲間達と共にアンデッドと化した遺体を回収するため、森の中に入っていった。
森の奥からは、風の流れに乗って、ほんのりと死臭が漂ってきた。
それが遺体までの道筋を示すようにして、サイラス達の身体を包み込んでいた。
「アンデットとなった遺体の回収か。確かに……やりすぎないよう注意しないとな。そうなると首を断つのが一番か」
ケン・Z・ブラッドリーが効率よく遺体を回収するため、頭の中で何度もイメージした。
アンデッド達を倒すのに時間が掛かれば、それだけ遺体が損傷してしまうため、限られた時間の中で、最低限の攻撃を仕掛け、すべてを終わらせる必要があった。
最悪の場合は、アンデッドを全滅させる事が出来たとしても、遺体の損傷が激しくて依頼が失敗してしまう恐れがあるため、可能な限り慎重に動く必要があった。
「……それにしても、暗いな」
すぐさま、レイ=レーベンス=レックフォードがエンライトを発動させ、形成した光の玉で辺りを照らした。
次の瞬間、スポットライトの如く光に照らされ、アンデッド達が茂みの中から現れた。
アンデッド達は既に人の心を失っており、虚ろな表情を浮かべ、フラフラと頭を揺らしていた。
その中に、依頼されていた3体のアンデッドも含まれていた。
そのうち、スキンヘッドのアンデッドは、非常に状態が良かったものの、狩人風のアンデッドは身体のあちこちが傷つき、酷い状態であった。
それでも、他のアンデッドと比べれば、まだマシな方。
中には骨が剥き出しになり、腐汁を撒き散らしているアンデッドもいた。
「わざわざ出迎えてくれたのかな?」
その事に気づいたコハクが、警戒した様子で身構えた。
しかし、アンデッド達はまったく躊躇っておらず、剣や斧を振り上げて襲い掛かってきた。
「うぇ~、なんでだよー。なんで死体が動いちゃってるのさー。もう死んでいるんだから、大人しくしておけばいいのに~。どうして、わざわざ動くのさ。そんな事をしても、メリットなんてないのに……。まっすぐに帰ろうよ。家族とか友人とか待ってるんだろー? あ、でも、このままじゃ、駄目か。何だかイラついているようだし……。とにかく、動かないようにしておかないと……」
それを目の当たりにしたルーズリーフがドン引きした様子で、アンデッド達に視線を送った。
だが、アンデッド達はルーズリーフ達を敵として認識しており、何度避けられても諦める事なく攻撃を仕掛けてきた。
「僕も故郷では葬儀屋みたいなお役目を頂いていた身だから、その重要性も少しは知っているつもりだ。流石にアンデッドの葬儀は、まだ執た事ないけれど……。それでも、可能な限りの努力はしようじゃあないか」
トマス・グレイ・ディズールーが、アンデッド達の攻撃を避けながら、反撃を仕掛ける機会を窺った。
幸い、依頼のあった三人の特徴を聞いていたため、他のアンデッド達と間違う事はない。
「それじゃ、出来る限り苦痛を与えないように一撃で倒して丁寧に弔うか」
アルベルト=V=シュタールシュヴェーアトが仲間達に声を掛けながら、ダマスカス鋼の盾でアンデッドの攻撃を防いだ。
それでも、アンデッドはまったく気にせず、狂ったように何度も剣を振り下ろした。
「とりあえず、回収予定の遺体を優先しておこうか」
コハクが回収する予定になっている遺体に狙いを定め、ダマスカス鋼の剣Reで斬りつけた。
しかし、他のアンデッドが邪魔をしたため、致命傷を与える事が出来なかった。
「単純にゾンビって脳か心臓辺りが死後の活動のキーだよね」
その間に、サイラスがチャージングで距離を縮め、ゴロツキ風のアンデッドの首を刎ねようとした。
だが、ゴロツキ風のアンデッドの首は硬く、中途半端に斬れた状態でダランと垂れた。
それが致命傷になったのか、おかしな動きをしたまま、近くの木に激突して、倒れ込むようにして動かなくなった。
「一撃で首を斬って可能な限り遺体を損壊しないようにしないと……」
一方、アルベルトはトマスに輝腕2を掛けてもらった上で、紫電一閃と戦士の一断を繰り出し、ダマスカス鋼の大太刀Reで、アンデッドの首を刎ねた。
その途端、首を刎ねられたアンデッドの身体が、ガクンと崩れ落ちるようにして動かなくなった。
「ああ、ちゃんと全員連れ帰ってやらないとな」
それに合わせて、ケンがチャージングで瞬間的に加速し、近くにいたアンデッドに攻撃を仕掛けていった。
その拍子にアンデッドの右腕が吹っ飛び、大量の腐汁が辺りに飛び散った。
「イヤー、ゾンビはイヤー!」
その腐汁をモロに浴びたルーズリーフが涙目になりつつ、必死になって顔の汚れを拭った。
「大丈夫だから、落ち着いて。なるべく、ご遺体を綺麗な状態で連れ帰るよ」
そんな空気を察したトマスが、ルーズリーフに声を掛けながら、光縛封で祈りと共に光輝を放つ六角形の柱を作り出し、アンデッド達を閉じ込めた。
「……そのためには、コイツ等から先に倒しておかないとな」
レイがエーテルブレードでダマスカス鋼の大太刀にエーテル光を纏わせ、さらに闘気槌2で巨大な光塊を纏わせて強く振り下ろした。
その一撃を喰らったアンデッド達が悲鳴を上げる間もなく、一瞬にして肉の塊と化した。
だが、運良く肉の塊にならなかったアンデッドが、唸り声を上げてレイ達に迫ってきた。
それは最後の悪あがき。
捨て身の特攻に近い行為であった。
それ故に、全力。
後先を考えず、突っ込んできた。
「アンデッドになっても、みんな元気……いや、活きがいい? まあ、とにかく、まだ成仏する気が無いって事は間違いないようだねぇ」
トマスがアンデッド達の攻撃を避けつつ、複雑な気持ちになった。
アンデッド達は、どんなに傷ついても、痛みを感じないせいか、何の躊躇いもなく迫ってきた。
「まあ、何であれ……ちゃんと弔ってやるから迷わず逝けよ」
すぐさま、ケンが殺界でダマスカス鋼の大太刀にエーテル光を纏わせ、同時に不可視のエーテルを範囲内へ張り巡らせた。
「だから少し大人しくしてもらうよ」
それに合わせて、サイラスも同じように殺界を発動させ、アンデッド達の動きを止めた。
「ウォォォォォォォォォォォォン!」
その包囲網から逃れたスキンヘッドのアンデッドが、ヨダレを垂らしてサイラス達に襲い掛かってきた。
「……あのな? お墓があるなんて幸せなこったぞー? 個人のお墓が無い連中なんてゴロゴロいる世の中なんだぜー? それに、お墓が嫌なら、それなりに別の弔い方ってあるんだしさー? それに、なるべくなら傷付けたくないし、脳みそぶっ飛ばすとかしたら、顔だってめっちゃくちゃになるだろ? そんなん、家族誰も喜ばねーじゃん。オレも嫌だし……。だから、ほら……、大人しく、土に還れー!!」
ルーズリーフがスキンヘッドのアンデッドに語り掛けながら、鋼の短剣でダブルエッジを繰り出し、無防備な脚を斬りつけた。
その拍子にアンデッドが膝をつき、スキンヘッドの頭部が無防備になった。
「……悪いな。だが、一瞬だ。一瞬で終わらせる」
それと同時に、レイがスキンヘッドのアンデッドに迫り、ダマスカス鋼の大太刀で首を斬り落とした。
その首が宙を舞って地面に落下し、コロコロと転がりながら、木の根元でピタリと止まった。
「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!」
その間に、首飾りをしたアンデッドが、滅茶苦茶に剣を振り回して、レイ達に襲い掛かってきた。
「だから、ほんの少しだけ我慢をしてくれ!」
それを迎え撃つようにして、アルベルトが鋭撃を繰り出し、首飾りをしたアンデッドの首を刎ねた。
それでも、首飾りをしたアンデッドが剣を振り下ろそうとしていたものの、身体の方が先に悲鳴をあげて崩れ落ちた。
「こっちも、終わったよ」
そんな中、コハクも狩人の恰好をしたアンデッドの首を刎ね、仲間達の所に戻ってきた。
「……何とか遺体を無事に回収する事が出来そうだな」
アルベルトがホッとした様子で、ゆっくりと辺りを見回した。
アンデッド達は、動かない。
完全に動きを止め、元の死体に戻っていた。
「……でも、このままじゃ、あまりにも可哀想だねぇ。せめて最低限の事はしておかないと……」
トマスが化粧品を使って遺体の顔に化粧を施し、なるべく生前の状態に近づけた。
可能な限り、小さな傷も隠し、シーフズツールで、首飾りも修理した。
その上で死臭を誤魔化すため、香水を吹きかけた。
「これで、ようやく家に帰る事が出来るな。もう苦しむ事はない。……安らかに眠れ」
レイが完全に動かなくなった遺体の頭を拾い上げ、優しく語り掛けながら丁寧に布で包んだ。
「それじゃ、帰るとするか」
ケンがレイから布で包んだ遺体の首を受け取り、大事そうに抱えた。
「さすがに首だけじゃ、棺桶屋も仕事にならないし、身体も持って帰ろうかね? もう動かなくなっているようだし、今なら持って帰れると思うんだけど……」
そう言ってサイラスが動かなくなった胴体を抱え、複雑な気持ちになりつつ仲間達に声を掛けた。
「……そうだな。できれば、他のゾンビの身元が分かればいいんだが……。依頼のあった三人以外は分からないな。念のため、身元が分かりそうなモノを回収しておくか。家があったり、家族がいたりするんなら……帰りたいだろうからさ」
ルーズリーフがリングピアスを触りながら、動かなくなったアンデッド達を見下ろした。
アンデッド達が身に着けているモノを調べれば、近隣の村で行方不明になっている者がいるかも知れない。
そして、回収された遺体は、ルーズリーフ達によって依頼主の所まで運ばれるのであった。
マスターコメント
ショートシナリオ難しい 報酬:多い7 / 4〜10人
2021年03月20日 15時54分05秒 公開
相談掲示板
No.1
サイラスだ、よろしくなー。 とりまターゲットの頭を一撃が理想かね。逆に範囲とか爆系はターゲットの近くで使いたくない所? 人数多ければターゲット倒したら死体回収して離れる人とか居ると範囲打ちやすくなるかな?
やあどうもご機嫌ようー。リザードマンのヒーラー、トマスだよ。久し振りの依頼参加だから、足を引っ張らぬようがんばるよー。 僕もサイラス殿の言うように頭を一撃が良いと思うなぁ。 >頭部を破壊すると動かなくなる、と言うことはそれ以外で動きを止められない可能性が高いだろうし。 アンデッドの数もめちゃくちゃ多いわけじゃなさそう(≒回復もそんな必要にならなさそう)だし、依頼の3名のご遺体の回収は僕がやろうか。無論、他にやりたい方がいらっしゃったら、一緒に作業出来れば効率良いなと思うよー。
ウォリアーのレイだ。 よろしく頼む。 ・・・頭部を失った遺体がはたして人の形を保った状態といえるのかと不安で何度か読み返してみたが他に方法はなさそうだよね・・・
No.4
まあゾンビ物やろうぜだしなぁ多分。 刃物系統で突きか射撃で出来るだけ損壊抑えるくらいしか?実質3ターンくらいで戦闘描写切るよ?的な事言われてるのも鑑みて、識別とそこが高難度にしてる部分だろうし 間に合えば弓持ち込もうかな?
シーフのルーズリーフだ。 よっしくなー。 えーと。スキンヘッドの村人、首飾りをした村人、狩人の恰好をした村人の3人はなるべく人の形を残したまま、ご遺体回収して、後は千切って投げてOKってことだよな……? 正直ご遺体に無体を働くのは気が進まないけど、下手に被害大きくなっても困るしなー。 うん、がんばろ。 オレはもう、H&Aでチマチマ斬り付けていくぐらいしか能がないんだけど、あれかな? 回収する遺体は頭破壊すれば止まるって事は首から切り落としたら動き止まったりしないのかな? 下手に手足とかダメージ与えるよりそっちの方が損壊はスクなさそうカナーとかおもったりなんちゃったり。 でも首を切り落とすっていうのもやっぱり大変だったりするのかな? 誰かが転ばせて、身体抑えて、斧かなんかで、エイヤーってやったらダメかな?
>ルーズリーフ君 おっけーて事だと、僕は思っているよ。けれど君の言うように、回収する三人以外もなるべくなら安らかに眠って頂きたいよねぇ……。 おお!首を落とすと言うのは、頭部の損壊としては少ないような気がするな。 僕は戦闘時の支援回復以外に、エンバーミングめいた事をしたいなーと思っているんだ。その視点で言うなら、怪我とかよりいっそそちらの方がお棺に納めた時にお花なんかで隠せるかなーと。 ただ、実際の方法は前線に出られる方にお任せしたいとも思っているよー。
顔出し遅くなった、ごめん。 シーフコハク、どうぞよろしく。 取り敢えず今までの流れは把握した。 レイの危惧していること含めて【頭を破壊する】よりは【首を切る】方がまだフォロー効くしルーズリーフの案に賛成かな
おはよーおはよー。 賛成票2票ありがとー。 んじゃぁ、ケンかサイラスかレイの賛同が得られたら、言い出しっぺのオレが転ばせる係頑張る! 安全に事をなすためには、出来れば他の7人のゾンビから先に行動不能にしたい所存…… うーん。人数がバッチリ増えたら同時進行でもいいかもしれないけど。 一応オレからの案の流れを書いておくなー 1.回収依頼の3人以外から行動不能にしていく 2.回収依頼の一人に狙いを定めて転ばせる(足引っかけるとか、足斬り付けるとか、足切り落とすとか、背中蹴っ飛ばすとかetc……) 3.転んだら素早く首刈り 4.動かないことを確認して次へ 最終日の意見出しになってごめんなー!
ウオーリアのアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 締め切り直前の参加申し訳ない。 流れは大体把握したのでその通りに動きます。
アルベルトはチキンぶり! オレも昨日参加したクチなんだけど、来てくれて助かる!! オレは一応下に出した案でプレイング出しているので、もし良かったら協力してくれよな! そんじゃ、今回もよっしくー!
ウォーリアの方が増えてくれた!よろしくよろしく。 こちらは輝腕で正確な攻撃をアシスト・適宜回復・死化粧といった感じで行こうと思うよー。 棺桶を増やさぬようがんばってくねぇ。
っと、ギリギリですまないな。 ルーズリーフの案に協力させて貰うよ