彷徨う人形達
ゆうきつかさ
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シナリオID:678
オープニング
●リーンエス王国【冒険者ギルド】
「本当なんです! 私、見たんです! あの屋敷で人形の幽霊を!」
今にも泣きそうな表情を浮かべ、大声を上げたのは、メイドのミリアであった。
ミリアは旦那様の命令で、新しく住む事になった屋敷の掃除に行ったのだが、そこで人形達の幽霊に遭遇したようである。
そこは、かつて金持ちの老婆が住んでいた屋敷。
屋敷のいたるところに人形が飾られていたため、『人形の館』と揶揄されていた場所であった。
その老婆が亡くなってしまい、しばらく買い手がつかなかったモノを、ミリアの旦那様が購入して住む事になったらしい。
だが、そこでミリアを出迎えたのは、人形の幽霊達であった。
その人形達が宙を舞いながら、ミリアに襲い掛かってきたため、屋敷の掃除を放り出して、旦那様の所に逃げ帰ってしまったようである。
そのため、旦那様はカンカン。
ミリアの言葉を全く信じておらず、『幽霊なんている訳がない。ただサボりたかっただけだろう!』と喚き散らしたようである。
「旦那様は全く信じていませんが、あの屋敷は呪われているんです! きっと、前に住んでいたお婆さんが、人形に取り憑いて悪さをしているのです!」
それはミリアの憶測でしかなく、まったく根拠のない考えであった。
だが、実体の無い何かが、人形を動かしている可能性も捨てきれない。
ミリアの話を聞く限り、人形の幽霊は、おそらく数体。
いまのところ、動かすモノが人形に限られているため、すべて破壊してしまえば、悪さをする事が出来なくなるはずである。
もちろん、本格的に退治をするのであれば、それなりに準備をしておく必要があるだろう。
「と、とりあえず、聖水は仕入れてきました。全部で10本あるので、何とかなるはずです。とにかく、私が失業しないためにも、人形の幽霊だけは追っ払って下さい」
そう言ってミリアが瞳を潤ませ、祈るような表情を浮かべるのであった。
「本当なんです! 私、見たんです! あの屋敷で人形の幽霊を!」
今にも泣きそうな表情を浮かべ、大声を上げたのは、メイドのミリアであった。
ミリアは旦那様の命令で、新しく住む事になった屋敷の掃除に行ったのだが、そこで人形達の幽霊に遭遇したようである。
そこは、かつて金持ちの老婆が住んでいた屋敷。
屋敷のいたるところに人形が飾られていたため、『人形の館』と揶揄されていた場所であった。
その老婆が亡くなってしまい、しばらく買い手がつかなかったモノを、ミリアの旦那様が購入して住む事になったらしい。
だが、そこでミリアを出迎えたのは、人形の幽霊達であった。
その人形達が宙を舞いながら、ミリアに襲い掛かってきたため、屋敷の掃除を放り出して、旦那様の所に逃げ帰ってしまったようである。
そのため、旦那様はカンカン。
ミリアの言葉を全く信じておらず、『幽霊なんている訳がない。ただサボりたかっただけだろう!』と喚き散らしたようである。
「旦那様は全く信じていませんが、あの屋敷は呪われているんです! きっと、前に住んでいたお婆さんが、人形に取り憑いて悪さをしているのです!」
それはミリアの憶測でしかなく、まったく根拠のない考えであった。
だが、実体の無い何かが、人形を動かしている可能性も捨てきれない。
ミリアの話を聞く限り、人形の幽霊は、おそらく数体。
いまのところ、動かすモノが人形に限られているため、すべて破壊してしまえば、悪さをする事が出来なくなるはずである。
もちろん、本格的に退治をするのであれば、それなりに準備をしておく必要があるだろう。
「と、とりあえず、聖水は仕入れてきました。全部で10本あるので、何とかなるはずです。とにかく、私が失業しないためにも、人形の幽霊だけは追っ払って下さい」
そう言ってミリアが瞳を潤ませ、祈るような表情を浮かべるのであった。
解説
物語の流れとしては、屋敷の中に足を踏み入れ、人形の幽霊との戦闘になります。
基本的に室内の戦闘になるため、なるべく物を壊さないようにしておきましょう。
状況によっては成功率にも影響するため、人形の幽霊にダメージを与えるための方法を考えておきましょう。
屋敷の中には、大広間、応接室、休憩室、トイレ、客間、食堂、書斎、大浴場等があります。
もちろん、それ以外の場所も存在しますので、自分の行動に合わせて、利用してください。
▼基本的な情報
ミリア(ヒューマン:女性)
10代後半。
ドジっ娘メイド。
人形の幽霊×5
ハサミや針などを使って攻撃を仕掛けてくる。
人形が本体では無いため、例え壊れたとしても、別の人形を操って襲い掛かってくる。
マスターより
どうも、ゆうきつかさです。
今回は人形の幽霊を退治する事が目的です。
正確には、人形を操っている実体のない何かを倒す事が目的です。
この何かはアンデッドの類なので、聖なる力が有効的です。
基本的にコメディ依頼ですので、人形系のホラーネタに走っても構いませんし、オープニングに書かれていない事は、自分にとって都合よく解釈してかまいません。
他の参加者達に迷惑を掛けず、世界観的にも問題が無ければ、採用していこうと思っています。
またキャラクターの性格などを把握しやすくするため、台詞などがあると助かります。
戦闘の目安は3ターン分くらいで、考えていただけると助かります。
リプレイ
●リーンエス王国【御屋敷前】
「これは……如何にもって感じの屋敷だな。まあ、普段と違う相手だし、気分転換には丁度いいか」
ケン・Z・ブラッドリーは仲間達と共に、幽霊屋敷と化した御屋敷にやってきた。
御屋敷からは不気味な雰囲気が漂っており、ネットリとした空気が身体に纏わりついてきた。
しかし、ケンは最近オークやコボルト達の相手をしている事が多かったため、恐怖よりも別の敵と戦えるという気持ちの方が勝っていた。
「ゆっ、ゆゆ、幽霊なんて……、いるはずがありませんわっ! で、ですから、ぜんっぜん怖くなんてありませんわよ? いまから、私が幽霊などいない事を証明して、ご覧にいれますわ!」
それとは対照的に、ダリア・レプシウスが自らの心に芽生えた恐怖心を消し去るようにして、キッパリと断言をした。
だが、本音を言えば、ガタブル状態。
ほんの少し物音がしただけでも、脱兎の如く逃げ出しそうな勢いではあるものの、なるべく表情には出さないようにしているようだった。
そのため、怖い。
マジで、怖い。
既に顔が引きつっているものの、怖いのだから仕方がない。
「大丈夫! 聖なる力なら任せてください! 聖なる力、つまり健全な力。故に、筋肉ですね!」
そんな空気を察したユークリア・フィナンシェが準備体操をするようにして、ダマスカス鋼の戦槌をブンブンと振り回した。
もちろん、まったく怖くない訳では無い。
しかし、聖なる力の前では、人形の幽霊など速攻成仏!
そのまま、来世に送る手続きまで済ませてしまう勢いでガンガン攻めていくつもりのため、一瞬にして恐怖が吹き飛んでしまったようである。
「それじゃ、行こうか。メイドのお嬢さんを路頭に迷わせる訳にはいかないからね。できるだけの事をしておこう」
レイ=レーベンス=レックフォードが仲間達に声を掛けながら、問題の御屋敷に足を踏み入れた。
御屋敷はヒンヤリとした空気に包まれており、昼間だというのに太陽の光が入ってこないせいか妙に暗かった。
依頼主であるミリアに聞いた話では、人形が襲ってきたキッカケは、よく分からなかったものの、おそらく御屋敷に足を踏み入れた事が原因かも知れないという事だった。
そのため、警戒しているものの、いまのところ人形達が襲い掛かってくる気配はない。
「とりあえず、人形のお化けが悪さを働かないように退治すればいいんだよね? だったら、簡単! 一体残らず、倒しちゃおう」
すぐさま、ニーラ・メッコがエンライトで光の玉を形成し、警戒した様子で廊下を進んでいった。
ユークリアもエンライトと暗視と看破を発動させ、幽霊の人形の奇襲に備えた。
その途中には幾つも部屋があったが、気にせず前進。
迂闊に扉を開けて、人形の幽霊に遭遇してもシャレにならないため、とりあえず廊下の突き当たりまで行く事にしたようだ。
「それでは、リーンエス王国騎士見習い、ダリア・レプシウスが幽霊屋敷の真実を暴いてみせましょう!」
そう言いつつも、ダリアは御屋敷に入ろうとしなかった。
それどころか、逃げるようにして、敷地内を探索。
あくまでパトロールと言っていたが、この様子では……怖いのだろう。
武者震いと言い訳しつつ、震えが止まらない事を誤魔化していた。
「……あれ? 廊下の突き辺りに人形が……? ひょっとして、亡くなったおばあさんが大事にしていた人形かなぁ? でも、なんで……?」
そんな中、ニーラが廊下の突き辺りに置かれた人形に気づき、不思議そうに首を傾げた。
先程までは、なかったはず。
気のせいでなければ、ダリアに声を掛けられ、視線を逸らしたのと同時に、ポンと置かれたような感じであった。
「ゆ、ゆ、幽霊が窓から……窓からぁぁぁぁ」
次の瞬間、敷地内をパトロールしていたダリアが、涙目になりつつ、仲間達の所に戻ってきた。
ダリアの話では、敷地内をパトロールしている最中、チラリと応接間を見た瞬間、窓にビッシリと張りついた人形達と目が合い、窓を開けて追いかけてきそうになったため、ここまで逃げ……もとい、慌てて報告に来たようである。
もちろん、単なる幻覚だったのかも知れない。
何度も、そう自分に言い聞かせているようだが、そのたび人形達の顔が浮かんでしまうらしく、涙目になっていた。
「……」
そこに追い打ちをかけるようにして、廊下の扉が次々と開き、人形達が飛び出してきた。
人形の幽霊達は、まるで何かに操られるようにしてフワフワと中を待っており、その手にはハサミや針が握られていた。
「まあ、落ち着け。まずは君の要求を聞こう。我々は文明人だ。暴力のみが解決ではない。話し合いで解決するのであれば、我々から依頼主に伝えておくから話してくれ」
レイが可能な限り敵意がない事を示しつつ、人形の幽霊に語り掛けた。
「……!」
だが、人形の幽霊は敵意剥き出しで、ハサミや針を振り回して、レイ達に襲い掛かってきた。
それは見た目通り破壊力が無かったものの、地味に痛く、避ける事が困難だった。
「言葉が通じないのであれば、文明をもって対抗しよう」
レイがキリリとした表情を浮かべ、ダマスカス鋼の大剣を人形の幽霊達に向けた。
しかし、人形の幽霊達は全く怯んでおらず、針をレイピアの如く扱ってレイに攻撃を繰り出し、別の人形の幽霊がハサミをジャキンジャキンと鳴らしながら、背後から迫ってきた。
「……と言うか、こいつら、小さくて、やりにくいな。事前に得た情報からして、人形がいない部屋がない以上、とにかく、広い場所で戦わないと……。この辺りだと、応接間か!」
ケンが身の危険を感じて、半開きになっていた応接間の扉を蹴破った。
その途端、ダリアが飛び上がりそうな勢いでビクついたものの、応接間に転がっていたのは、床に落ちた無数の人形だけだった。
だが、ダリアの話していた通り、窓が全開になっていたため、何体かは外に転がっていそうな感じであった。
「何だか嫌な予感しかしませんけど……。聖別とか効きますかね?」
その間、ユークリアはダマスカス鋼の盾で攻撃に耐えつつ、幽霊の人形に反撃する機会を窺った。
しかし、幽霊の人形達は予想しづらい動きで攻撃を仕掛けてくるため、身を護るのが、やっとであった。
「どうだろうな。どちらかと言えば、聖水の方が確実だろう。まあ、やるだけやるしかないと思うが……。それじゃぁ、悪霊退治と行きますか」
すぐさま、ケンが清めの塩を人形の幽霊に投げつけ、無拍子を利用して容赦なく首を刎ねた。
しかし、人形の幽霊は、すぐに他の人形に乗り移り、再びケンに攻撃を仕掛けてきた。
その事に気づいたレイがシーザーロアで殺気と共にエーテルを叩きつけ、人形の幽霊達の怒りを呼び起こした。
「こんな事をしても、亡くなったお婆さんが悲しむだけですよ! それでも、抵抗するのであれば、こちらも容赦はしません! 神聖なる光の主よ……愚かなる闇の者への裁きの力を! 多分、神の雷!!」
ユークリアが半ば諦めた様子で祈雷を発動させ、祈りと共に雷が荒れ狂う霧を出現させた。
「毒霧っ!!」
それに合わせて、ニーラがおもむろに聖水を口に含み、人形の幽霊めがけて吹きかけた。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
その途端、人形の幽霊の顔が醜く歪み、ドロドロに溶けた床に落ちた。
それは文字通り、恐怖に歪んだ表情だった。
だが、人形の中から何かが飛び出した瞬間、先程まで表情豊かであった顔から完全に感情が失われた。
「どうやら、何かが取り憑いている事は間違いないようだな。それが何なのか分からないが……」
即座にレイがパン粉をブチ撒け、床に落ちた人形から、何かが飛び出す瞬間を目撃した。
それが何なのか分からないが、他の人形に憑依して、再びレイ達に襲い掛かってきた。
「いやぁぁああああああっ!」
その事に危機感を覚えたダリアが、ダマスカス鋼の盾で人形の幽霊の攻撃を弾き、ダマスカス鋼の大剣を振り回した。
その一撃を喰らった人形がドサッと音を立てて床に落ちたが、何かがヒョロリと抜けて頬に触れたため、ダリアの恐怖がピークに達し、ほんの一瞬だけ意識が飛んだ。
「ま……、別個体への乗り移りは定番だからな。聖水は効くようだから、ちゃっちゃと片付けるぞ」
そんなダリアをカバーするようにして、ケンがダマスカス鋼の大太刀で、人形の幽霊を斬り捨て、他の人形に乗り移る前に聖水を掛けた。
それに合わせて、ユークリアがダマスカス鋼の戦槌を振り下ろし、情け容赦なく幽霊の人形を叩き潰した。
「亡くなったおばあさんが大切にしていた御人形を壊すのは、良くない気もするけど……」
ニーラが複雑な気持ちになりながら、アーケインテンペスト改で稲妻のような光が無数に荒れ狂う空間を出現させ、魔弾で宿り木の長杖の先端から光球を飛ばして、人形の幽霊を撃ち落とした。
「……これで最後か。だったら、遠慮はいらないな」
そこに追い打ちをかけるようにして、レイがエーテルブレードで聖水を振りかけたダマスカス鋼の大剣にエーテル光を纏わせ、人形の幽霊を斬り捨てた。
「何かが取り憑いていたようですが、正体は謎ですね」
ユークリアが複雑な気持ちになりつつ、ボロボロになった人形達を見下ろした。
何体か逃げられてしまったようだが、人形達が再び動く事はない。
おそらく、何か別のモノに取り憑くため、御屋敷から出ていったのだろう。
それがどこに行ったのか分からないが、とりあえずやるべき事はやった。
万が一、それが悪さをしたとしても、それはまったく別の問題である。
「人形には何の罪もありませんでしたわね。……ごめんなさい」
その途端、ダリアがハッと我に返って、ボロボロになった人形に謝った。
ある意味、人形達は利用されていただけ。
その事を考えると、少し悲しい気持ちになった。
「まあ、これで二度と人形が動く事はないだろ。もう二度と……」
そう言ってケンが人形達を庭に集め、念のため聖水を掛けた後、すべて燃やすのであった。
「これは……如何にもって感じの屋敷だな。まあ、普段と違う相手だし、気分転換には丁度いいか」
ケン・Z・ブラッドリーは仲間達と共に、幽霊屋敷と化した御屋敷にやってきた。
御屋敷からは不気味な雰囲気が漂っており、ネットリとした空気が身体に纏わりついてきた。
しかし、ケンは最近オークやコボルト達の相手をしている事が多かったため、恐怖よりも別の敵と戦えるという気持ちの方が勝っていた。
「ゆっ、ゆゆ、幽霊なんて……、いるはずがありませんわっ! で、ですから、ぜんっぜん怖くなんてありませんわよ? いまから、私が幽霊などいない事を証明して、ご覧にいれますわ!」
それとは対照的に、ダリア・レプシウスが自らの心に芽生えた恐怖心を消し去るようにして、キッパリと断言をした。
だが、本音を言えば、ガタブル状態。
ほんの少し物音がしただけでも、脱兎の如く逃げ出しそうな勢いではあるものの、なるべく表情には出さないようにしているようだった。
そのため、怖い。
マジで、怖い。
既に顔が引きつっているものの、怖いのだから仕方がない。
「大丈夫! 聖なる力なら任せてください! 聖なる力、つまり健全な力。故に、筋肉ですね!」
そんな空気を察したユークリア・フィナンシェが準備体操をするようにして、ダマスカス鋼の戦槌をブンブンと振り回した。
もちろん、まったく怖くない訳では無い。
しかし、聖なる力の前では、人形の幽霊など速攻成仏!
そのまま、来世に送る手続きまで済ませてしまう勢いでガンガン攻めていくつもりのため、一瞬にして恐怖が吹き飛んでしまったようである。
「それじゃ、行こうか。メイドのお嬢さんを路頭に迷わせる訳にはいかないからね。できるだけの事をしておこう」
レイ=レーベンス=レックフォードが仲間達に声を掛けながら、問題の御屋敷に足を踏み入れた。
御屋敷はヒンヤリとした空気に包まれており、昼間だというのに太陽の光が入ってこないせいか妙に暗かった。
依頼主であるミリアに聞いた話では、人形が襲ってきたキッカケは、よく分からなかったものの、おそらく御屋敷に足を踏み入れた事が原因かも知れないという事だった。
そのため、警戒しているものの、いまのところ人形達が襲い掛かってくる気配はない。
「とりあえず、人形のお化けが悪さを働かないように退治すればいいんだよね? だったら、簡単! 一体残らず、倒しちゃおう」
すぐさま、ニーラ・メッコがエンライトで光の玉を形成し、警戒した様子で廊下を進んでいった。
ユークリアもエンライトと暗視と看破を発動させ、幽霊の人形の奇襲に備えた。
その途中には幾つも部屋があったが、気にせず前進。
迂闊に扉を開けて、人形の幽霊に遭遇してもシャレにならないため、とりあえず廊下の突き当たりまで行く事にしたようだ。
「それでは、リーンエス王国騎士見習い、ダリア・レプシウスが幽霊屋敷の真実を暴いてみせましょう!」
そう言いつつも、ダリアは御屋敷に入ろうとしなかった。
それどころか、逃げるようにして、敷地内を探索。
あくまでパトロールと言っていたが、この様子では……怖いのだろう。
武者震いと言い訳しつつ、震えが止まらない事を誤魔化していた。
「……あれ? 廊下の突き辺りに人形が……? ひょっとして、亡くなったおばあさんが大事にしていた人形かなぁ? でも、なんで……?」
そんな中、ニーラが廊下の突き辺りに置かれた人形に気づき、不思議そうに首を傾げた。
先程までは、なかったはず。
気のせいでなければ、ダリアに声を掛けられ、視線を逸らしたのと同時に、ポンと置かれたような感じであった。
「ゆ、ゆ、幽霊が窓から……窓からぁぁぁぁ」
次の瞬間、敷地内をパトロールしていたダリアが、涙目になりつつ、仲間達の所に戻ってきた。
ダリアの話では、敷地内をパトロールしている最中、チラリと応接間を見た瞬間、窓にビッシリと張りついた人形達と目が合い、窓を開けて追いかけてきそうになったため、ここまで逃げ……もとい、慌てて報告に来たようである。
もちろん、単なる幻覚だったのかも知れない。
何度も、そう自分に言い聞かせているようだが、そのたび人形達の顔が浮かんでしまうらしく、涙目になっていた。
「……」
そこに追い打ちをかけるようにして、廊下の扉が次々と開き、人形達が飛び出してきた。
人形の幽霊達は、まるで何かに操られるようにしてフワフワと中を待っており、その手にはハサミや針が握られていた。
「まあ、落ち着け。まずは君の要求を聞こう。我々は文明人だ。暴力のみが解決ではない。話し合いで解決するのであれば、我々から依頼主に伝えておくから話してくれ」
レイが可能な限り敵意がない事を示しつつ、人形の幽霊に語り掛けた。
「……!」
だが、人形の幽霊は敵意剥き出しで、ハサミや針を振り回して、レイ達に襲い掛かってきた。
それは見た目通り破壊力が無かったものの、地味に痛く、避ける事が困難だった。
「言葉が通じないのであれば、文明をもって対抗しよう」
レイがキリリとした表情を浮かべ、ダマスカス鋼の大剣を人形の幽霊達に向けた。
しかし、人形の幽霊達は全く怯んでおらず、針をレイピアの如く扱ってレイに攻撃を繰り出し、別の人形の幽霊がハサミをジャキンジャキンと鳴らしながら、背後から迫ってきた。
「……と言うか、こいつら、小さくて、やりにくいな。事前に得た情報からして、人形がいない部屋がない以上、とにかく、広い場所で戦わないと……。この辺りだと、応接間か!」
ケンが身の危険を感じて、半開きになっていた応接間の扉を蹴破った。
その途端、ダリアが飛び上がりそうな勢いでビクついたものの、応接間に転がっていたのは、床に落ちた無数の人形だけだった。
だが、ダリアの話していた通り、窓が全開になっていたため、何体かは外に転がっていそうな感じであった。
「何だか嫌な予感しかしませんけど……。聖別とか効きますかね?」
その間、ユークリアはダマスカス鋼の盾で攻撃に耐えつつ、幽霊の人形に反撃する機会を窺った。
しかし、幽霊の人形達は予想しづらい動きで攻撃を仕掛けてくるため、身を護るのが、やっとであった。
「どうだろうな。どちらかと言えば、聖水の方が確実だろう。まあ、やるだけやるしかないと思うが……。それじゃぁ、悪霊退治と行きますか」
すぐさま、ケンが清めの塩を人形の幽霊に投げつけ、無拍子を利用して容赦なく首を刎ねた。
しかし、人形の幽霊は、すぐに他の人形に乗り移り、再びケンに攻撃を仕掛けてきた。
その事に気づいたレイがシーザーロアで殺気と共にエーテルを叩きつけ、人形の幽霊達の怒りを呼び起こした。
「こんな事をしても、亡くなったお婆さんが悲しむだけですよ! それでも、抵抗するのであれば、こちらも容赦はしません! 神聖なる光の主よ……愚かなる闇の者への裁きの力を! 多分、神の雷!!」
ユークリアが半ば諦めた様子で祈雷を発動させ、祈りと共に雷が荒れ狂う霧を出現させた。
「毒霧っ!!」
それに合わせて、ニーラがおもむろに聖水を口に含み、人形の幽霊めがけて吹きかけた。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
その途端、人形の幽霊の顔が醜く歪み、ドロドロに溶けた床に落ちた。
それは文字通り、恐怖に歪んだ表情だった。
だが、人形の中から何かが飛び出した瞬間、先程まで表情豊かであった顔から完全に感情が失われた。
「どうやら、何かが取り憑いている事は間違いないようだな。それが何なのか分からないが……」
即座にレイがパン粉をブチ撒け、床に落ちた人形から、何かが飛び出す瞬間を目撃した。
それが何なのか分からないが、他の人形に憑依して、再びレイ達に襲い掛かってきた。
「いやぁぁああああああっ!」
その事に危機感を覚えたダリアが、ダマスカス鋼の盾で人形の幽霊の攻撃を弾き、ダマスカス鋼の大剣を振り回した。
その一撃を喰らった人形がドサッと音を立てて床に落ちたが、何かがヒョロリと抜けて頬に触れたため、ダリアの恐怖がピークに達し、ほんの一瞬だけ意識が飛んだ。
「ま……、別個体への乗り移りは定番だからな。聖水は効くようだから、ちゃっちゃと片付けるぞ」
そんなダリアをカバーするようにして、ケンがダマスカス鋼の大太刀で、人形の幽霊を斬り捨て、他の人形に乗り移る前に聖水を掛けた。
それに合わせて、ユークリアがダマスカス鋼の戦槌を振り下ろし、情け容赦なく幽霊の人形を叩き潰した。
「亡くなったおばあさんが大切にしていた御人形を壊すのは、良くない気もするけど……」
ニーラが複雑な気持ちになりながら、アーケインテンペスト改で稲妻のような光が無数に荒れ狂う空間を出現させ、魔弾で宿り木の長杖の先端から光球を飛ばして、人形の幽霊を撃ち落とした。
「……これで最後か。だったら、遠慮はいらないな」
そこに追い打ちをかけるようにして、レイがエーテルブレードで聖水を振りかけたダマスカス鋼の大剣にエーテル光を纏わせ、人形の幽霊を斬り捨てた。
「何かが取り憑いていたようですが、正体は謎ですね」
ユークリアが複雑な気持ちになりつつ、ボロボロになった人形達を見下ろした。
何体か逃げられてしまったようだが、人形達が再び動く事はない。
おそらく、何か別のモノに取り憑くため、御屋敷から出ていったのだろう。
それがどこに行ったのか分からないが、とりあえずやるべき事はやった。
万が一、それが悪さをしたとしても、それはまったく別の問題である。
「人形には何の罪もありませんでしたわね。……ごめんなさい」
その途端、ダリアがハッと我に返って、ボロボロになった人形に謝った。
ある意味、人形達は利用されていただけ。
その事を考えると、少し悲しい気持ちになった。
「まあ、これで二度と人形が動く事はないだろ。もう二度と……」
そう言ってケンが人形達を庭に集め、念のため聖水を掛けた後、すべて燃やすのであった。
マスターコメント
基本的には、プレイングが分かりやすく、描写がしやすく、行動が的確だったものから、印象に残ったモノ等を基準にしてMVPを選んでいます。
ショートシナリオ普通 報酬:多い5 / 4〜10人
2021年03月20日 15時06分29秒 公開
成功
相談掲示板
キャスターのニーラです! よろしくね! ホラーね! 人数集まるかな?
ウォーリアーのケンだ ギリギリで出発できれば御の字ってかんじか まぁやれっることやるしかないな
ウォリアーのレイだ。 よろしく頼む。 ・・・あと一人だな。
よろしくおねがいします! あとひとり! あとひとり!
ダリア・レプシウスと申します。 ギリギリでの参加となりますが、よろしくお願いいたしますわね。
おお、成立しているね。 よろしく頼むよ。
滑り込みです!よろしくお願いします!