後悔の気持ちが膨らみ続け
ゆうきつかさ
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シナリオID:516
オープニング
●リーンエス王国にある某酒場
「……一瞬だ。一瞬で、すべてが終わった」
ガイエルの村に現れたのは、醜いオークの集団だった。
すぐさま、村の自警団が飛び出し、オーク達を迎え撃ったが、あっと言う間に返り討ち。
逃げ惑う村人達を捕まえ、玩具のように弄び、あっと言う間に村を支配下に置いた。
「俺は逃げた。後先考えずに、その場から逃げた。こ、怖かったんだ。成す術もなく死んでいく仲間達を見て、恐怖の方が勝っちまった……!」
ガイエルが苛立ちを隠せない様子で、テーブルをドンと叩いた。
「本当なら、死ぬ気で立ち向かうべきだったんだ! 例え、死ぬと分かっていても! そうすれば、誰かひとりくらい……助ける事が出来たかも知れないのに……」
その途端、ガイエルが悔しそうに、唇をグッと噛み締めた。
「すべてが終わって、冷静になってみたら、俺には何も残っていなかった。だから、いまさら生きていたって仕方がねぇ。咄嗟に持ち出した宝石を売って金にしたから、この金で村を救ってくれ。おそらく、誰も生きちゃいない。それでも、このままじゃ、死んだ奴等の埋葬も出来ないしな」
ガイエルが落ち込んだ様子で、報酬の入った袋を置いた。
「間違いなく、オーク達は村にいる。そもそも、俺達の村を襲ったのは、飢えと寒さをしのぐ為だったんだろうからな。だから、頼む。オーク達を村から追い放ってくれ」
そう言ってガイエルが頭をテーブルに擦りつける勢いで、深々と頭を下げるのであった。
「……一瞬だ。一瞬で、すべてが終わった」
ガイエルの村に現れたのは、醜いオークの集団だった。
すぐさま、村の自警団が飛び出し、オーク達を迎え撃ったが、あっと言う間に返り討ち。
逃げ惑う村人達を捕まえ、玩具のように弄び、あっと言う間に村を支配下に置いた。
「俺は逃げた。後先考えずに、その場から逃げた。こ、怖かったんだ。成す術もなく死んでいく仲間達を見て、恐怖の方が勝っちまった……!」
ガイエルが苛立ちを隠せない様子で、テーブルをドンと叩いた。
「本当なら、死ぬ気で立ち向かうべきだったんだ! 例え、死ぬと分かっていても! そうすれば、誰かひとりくらい……助ける事が出来たかも知れないのに……」
その途端、ガイエルが悔しそうに、唇をグッと噛み締めた。
「すべてが終わって、冷静になってみたら、俺には何も残っていなかった。だから、いまさら生きていたって仕方がねぇ。咄嗟に持ち出した宝石を売って金にしたから、この金で村を救ってくれ。おそらく、誰も生きちゃいない。それでも、このままじゃ、死んだ奴等の埋葬も出来ないしな」
ガイエルが落ち込んだ様子で、報酬の入った袋を置いた。
「間違いなく、オーク達は村にいる。そもそも、俺達の村を襲ったのは、飢えと寒さをしのぐ為だったんだろうからな。だから、頼む。オーク達を村から追い放ってくれ」
そう言ってガイエルが頭をテーブルに擦りつける勢いで、深々と頭を下げるのであった。
解説
▼基本的な情報
ガイエル(ヒューマン:男性)
40代。
すべてを失い、自暴自棄。
▼敵の情報
オーク×20
村を占拠しており、ブクブクと太っている。
食糧庫の中心に固まっている。
棍棒や、斧、ハンマーなどを使う。
マスターより
どうも、ゆうきつかさです。
この依頼は村を占拠したオーク達を追い払う事が目的です。
基本的に、作戦などを考える必要はありません。
本能に身を任せて、戦っていただければ構いません。
オーク達を全滅させる事が出来なかったとしても、追い払う事が出来れば成功です。
またオープニングに書かれていない事は、都合よく解釈してかまいません。
他の参加者達に迷惑をかけず、世界観的にも問題が無ければ、採用していこうと思っています。
リプレイ
●リーンエス王国
「最近、オークによる被害が多くなってきてるな。もしかして、なにかの前兆か?」
ケン・Z・ブラッドリーは仲間達と共に、依頼主であるガイエルの村に向かっていた。
ガイエルの村は、現在オーク達に占拠されており、村人達の生存率は限りなくゼロに近かった。
おそらく、オーク達による被害が増えたのは、冬になって食糧が減った事が原因。
無計画に繁殖して、数を増やし過ぎたため、食糧が不足してしまったのだろう。
「単なる偶然ならいいのだが……。まあ、理由は何であれ、依頼主は災難だったな。だからと言って、俺は自暴自棄になったりする事はないが……」
ルオが複雑な気持ちになりつつ、何処か遠くを見つめた。
帝国が崩壊した事によって、ルオは根無し草になった。
元々孤児だった事もあってか、帝国に愛着はなかったが、代わりに何をしても無意味に思えてしまうほど、心の中がカラッポになっていた。
そう言った意味で、ガイエルの気持ちが分からなくもないものの、絶望するのは間違っているように思えた。
「……とにかく、オーク達を倒す事が最優先ですわ」
リーリエ=V=ノイエエールデがガイエルの村を見つめ、警戒した様子で距離を縮めていった。
「……大部分が食糧庫に集まっているようだが、全部という訳では無いようだな」
すぐさま、ルオが捜波と探波を駆使して、オーク達の様子を窺った。
オーク達の大半は食糧庫にいるものの、畑で眠っているモノや、井戸に頭を突っ込んでいるオークもいた。
一方、ケンは天眼を用いて村の状況を確認し、フリューリングスルフト=ティエラが目視と捜波でカバーしつつ、オーク達の居場所を把握した。
「オーク共め。性懲りもなく……」
それを目の当たりにしたアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトが、苛立ちを隠せない様子で拳をギュッと握り締めた。
「まあ、人里に喰いもんがある事を覚えちまったオークは厄介だ。全部ヤル(殺)ぞ」
カルフ・オルヴォが仲間達に声を掛けながら、鉄の大剣を握り締め、攻撃を仕掛けるタイミングを窺った。
「それじゃぁ、さっさと狩りを始めますか」
即座に、ケンがチャージングで間合いを詰め、薙ぎ払うようにしてオーク達の足を傷つけた。
「ああ、村の人の無念を晴らし、ガイエルさんに新しい生きがいを見つけてもらうためにもな!」
それに合わせて、アルベルトがダマスカス鋼の大太刀を振るい、オーク達を斬りつけた。
だが、オーク達の数が多過ぎるため、傷つける事が出来たのは、極一部。
「ブ、フヒィィィィィィィィィィィィ!」
しかも、オーク達が殺気立った様子で唸り声を響かせ、一斉に棍棒を掴み取って襲い掛かってきた。
「どうやら、休んでいる暇はないようですわね」
リーリエが危機感を覚えつつ、ノービスランスを振り回し、オーク達を薙ぎ払った。
しかし、オーク達はまったく怯んでおらず、自分達がこの世界の支配者と言わんばかりの勢いで、狂ったように棍棒を振り回した。
その攻撃がリーリエに当たる事はなかったものの、オーク達が恐れを知らず迫ってくるため、身の危険を感じているようだ。
「纏めてぶっ倒したいとこだが……残念。火力も命中も乏しいと来たか……」
一方、カルフはリハビリ中の右腕を軽く振った後、オーク達に突っ込んでいった。
「ブ、ブヒィィィィィィィィィィ!」
その事に気づいたオーク達が唸り声を響かせ、力任せに棍棒を振り下ろした。
「おっと! 思ったよりもやるようだな。だが……、遅い!」
次の瞬間、カルフがオークの背後に回り込み、鉄の大剣で首に刃を当てて引き斬った。
それに合わせて、ルオが疾風足で一気に接近し、斬撃を放ってオークの首を刎ねた。
「ブ、ブヒィィィィィィィィィィィィィィィ!」
これにはオーク達も動揺し、殺気立った様子で棍棒を振り回した。
こうなると、のんびり食事をしている暇はない。
やるか、やられるか、そのどちらか。
しかも、その選択権が物凄い勢いで消え去りそうになっていたため、オーク達も死ぬ気で襲い掛かってきた。
「……思ったよりも、やるようだな」
その気迫に圧倒されつつ、カルフが棍棒の一撃を喰らって吹っ飛び、家の壁にぶち当たって、血反吐を吐いた。
それでも怯む事なく、荒々しく息を吐きながら、衝撃刃で不可視の衝撃を飛ばし、オークの片目を潰した。
「……させませんわ!」
その間に、リーリエが破脚砕で肉体を蝕むエーテルをノービスランスに纏わせ、カルフに襲い掛かろうとしていたオークの身体を突き刺した。
それでも、オークが棍棒を振り下ろそうとしていたため、さらにノービスランスを突き刺し、そのまま身体を貫いた。
「ほらほらほら! 捕まえてみな! それとも、まさか、食べ過ぎて動けなくなっているの? 飢えと寒さから逃れるために、ここに来たのかも知れないけど、こうなる事を予想していなかったの? だったら、実に愚かだね!」
一方、フリューリングスルフトはフェザーステップで間合いを取りつつ、ダブルエッジを繰り出し、二本の剣でオークの身体を切り裂いた。
続いて、アルベルトが紫電一閃から戦士の一断を繰り出し、近くにいたオークを斬り捨て、カルフがオークの首元を貰って、鉄の大剣を突き刺し、大量の返り血を浴び、ケンが闘気槌2で巨大な光塊をダマスカス鋼の大太刀に纏わせ、オーク達めがけて振り下ろした。
「ブ、ブヒ!」
続けざまに攻撃を喰らった事で、オーク達が戦意を喪失させ、蜘蛛の子を散らすようにして、脱兎の如く逃げ出した。
「……逃げ足だけは早いんだね?」
その行く手を阻むようにして、フリューリングスルフトが鋼の短剣で、オークの身体を突き刺した。
「逃がしはしない、見逃すと思ったか?」
それに合わせて、アルベルトがチャージングでオークに近づき、 ダマスカス鋼の大太刀を振り下ろした。
だが、オーク達に、迷いはない。
とにかく、逃げる事に全力を注いでおり、振り向く事なく、まっしぐら!
「おいおい、ここまでやらかしてるんだ。今更逃げるなよ」
その事に気づいたケンがシーザーロアを使い、言葉と共にエーテルを叩きつけ、オーク達の怒りを煽った。
しかし、逃げ出したオークの数が多かったため、戻ってきたのはシーザーロアに釣られた1体を含めて一部だけ。
「……残った奴等だけでも仕留めておくか」
すぐさま、アルベルトが鋭撃で威力を重視した鋭い一撃を放ち、オークの返り血を大量に浴びた。
「……たくっ! 仕方がねぇな」
その間にカルフが鉄の大剣でオークの首を刎ね、疲れた様子で溜息を漏らした。
だが、オーク達の数が多いため、休んでいる暇はない。
自分の身体が限界に近付いている事を忘れる勢いで、無理やり身体を動かし、鉄の大剣を振り下ろした。
「それじゃぁ、その首残さず狩らせてもらうぜ。ちったぁ、後悔していけや!!」
ケンが殺界でダマスカス鋼の大太刀にエーテル光を纏わせ、不可視のエーテルを範囲内へ張り巡らせた。
「ブ、ブヒ!」
そこでようやくオーク達が、最低最悪の状況に気づき、ダラダラと脂汗を垂れ流した。
「……悪く思うなよ」
すぐさま、ルオが殺界の中で強引に距離を縮め、ダマスカス鋼の剣でオークの首を刎ね飛ばした。
それと同時に、オークの身体から大量の血が噴き出し、雨となって降り注いだ。
他のオーク達も次々と首を刎ねられ、物言わぬ肉の塊と化して、ドスンと地面に突っ伏した。
「何匹か逃がしちまったが、とりあえず……これでしばらくの間は安心だな」
ケンがオークの首を刎ねた後、ホッとした様子で辺りを見回した。
辺りには村人達の死体が転がっており、亡くなってから、しばらく経っているようだった。
「みんな、ありがとう。これで、ようやく俺も……」
そんな中、ガイエルが姿を現し、ケン達に御礼を言った。
だが、その表情は何処か暗く、心ここに非ずと言った感じであった。
「あのなぁ、死が怖くない奴は、そもそも人間じゃねぇ。強そうに見えてるヤツらは既に地獄を味わって、どうにもならない悔いを教訓に歯を食いしばってきた奴らだ。あんたは今、その地獄の1つに居る。マシになりたきゃ這いずっても生き抜くんだな、地獄も悪くないぞ。それにな、あんたみたいに悪運の強い奴が他にもいるかもしれないぜ? 人は生きしぶといもんだ。探すのも悪くねぇんじゃないか。まぁ、俺にはどうでもいいがな」
そんな空気を察したカルフが、言葉を選びながら、ガイエルにアドバイスした。
「それに、恐怖から逃げるのは悪い事やない。しんどいやけど、前に進んでほしいさぁ」
フリューリングスルフトが村人達の亡骸を埋葬するため、納屋から持ってきたスコップを担いだまま、ガイエルに声を掛けた。
「だから、あまり自分を責めないでほしい。アンタに責任はない。無駄死にせず生き残ってくれたよかった。おかげで俺は、こうして依頼にありつけて報酬を受け取れるわけだからな。だが、村人達の弔いが必要だろう。墓を作るのにも人手がいる。いまなら依頼料3割引きで手伝うが……」
ルオもガイエルを慰めながら、その流れで交渉を持ちかけた。
「3割か。もう少し値引きしてもらえると助かるんだが……」
ガイエルが苦笑いを浮かべ、頭の中で計算し始めた。
ある意味、一文無しに等しい状態なので、支払いは厳しいようである。
「まあ、変な気だけは起こすなよ。生きて人生を全うするのが生き残ったやつの務めだと思うぜ」
ケンが心配した様子で、ガイエルに釘をさした。
「あ、ああ、そうだな。せっかく助かった命を無駄にはしない。何と言うか……ありがとうな。俺には何も残っていないと思ったが、ここまで言われて……その死を選ぶような真似はしない。そんな事をしたら、代わりに死んでいった奴等に笑われちまうからな」
ガイエルが心の中に芽生えた迷いを、気合と根性で消し飛ばした。
「もしも行くアテがないのなら、帝国難民キャンプに行くといい」
アルベルトがダマスカス鋼の大太刀についた血を払い、帝国難民キャンプまでの行き先が描かれた地図を渡した。
「……そうだな。色々とありがとう。またどこかで会えると良いな。お前達のおかげで希望を見出す事が出来た」
そう言ってガイエルがアルベルト達を見つめて、笑顔を浮かべるのであった。
「最近、オークによる被害が多くなってきてるな。もしかして、なにかの前兆か?」
ケン・Z・ブラッドリーは仲間達と共に、依頼主であるガイエルの村に向かっていた。
ガイエルの村は、現在オーク達に占拠されており、村人達の生存率は限りなくゼロに近かった。
おそらく、オーク達による被害が増えたのは、冬になって食糧が減った事が原因。
無計画に繁殖して、数を増やし過ぎたため、食糧が不足してしまったのだろう。
「単なる偶然ならいいのだが……。まあ、理由は何であれ、依頼主は災難だったな。だからと言って、俺は自暴自棄になったりする事はないが……」
ルオが複雑な気持ちになりつつ、何処か遠くを見つめた。
帝国が崩壊した事によって、ルオは根無し草になった。
元々孤児だった事もあってか、帝国に愛着はなかったが、代わりに何をしても無意味に思えてしまうほど、心の中がカラッポになっていた。
そう言った意味で、ガイエルの気持ちが分からなくもないものの、絶望するのは間違っているように思えた。
「……とにかく、オーク達を倒す事が最優先ですわ」
リーリエ=V=ノイエエールデがガイエルの村を見つめ、警戒した様子で距離を縮めていった。
「……大部分が食糧庫に集まっているようだが、全部という訳では無いようだな」
すぐさま、ルオが捜波と探波を駆使して、オーク達の様子を窺った。
オーク達の大半は食糧庫にいるものの、畑で眠っているモノや、井戸に頭を突っ込んでいるオークもいた。
一方、ケンは天眼を用いて村の状況を確認し、フリューリングスルフト=ティエラが目視と捜波でカバーしつつ、オーク達の居場所を把握した。
「オーク共め。性懲りもなく……」
それを目の当たりにしたアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトが、苛立ちを隠せない様子で拳をギュッと握り締めた。
「まあ、人里に喰いもんがある事を覚えちまったオークは厄介だ。全部ヤル(殺)ぞ」
カルフ・オルヴォが仲間達に声を掛けながら、鉄の大剣を握り締め、攻撃を仕掛けるタイミングを窺った。
「それじゃぁ、さっさと狩りを始めますか」
即座に、ケンがチャージングで間合いを詰め、薙ぎ払うようにしてオーク達の足を傷つけた。
「ああ、村の人の無念を晴らし、ガイエルさんに新しい生きがいを見つけてもらうためにもな!」
それに合わせて、アルベルトがダマスカス鋼の大太刀を振るい、オーク達を斬りつけた。
だが、オーク達の数が多過ぎるため、傷つける事が出来たのは、極一部。
「ブ、フヒィィィィィィィィィィィィ!」
しかも、オーク達が殺気立った様子で唸り声を響かせ、一斉に棍棒を掴み取って襲い掛かってきた。
「どうやら、休んでいる暇はないようですわね」
リーリエが危機感を覚えつつ、ノービスランスを振り回し、オーク達を薙ぎ払った。
しかし、オーク達はまったく怯んでおらず、自分達がこの世界の支配者と言わんばかりの勢いで、狂ったように棍棒を振り回した。
その攻撃がリーリエに当たる事はなかったものの、オーク達が恐れを知らず迫ってくるため、身の危険を感じているようだ。
「纏めてぶっ倒したいとこだが……残念。火力も命中も乏しいと来たか……」
一方、カルフはリハビリ中の右腕を軽く振った後、オーク達に突っ込んでいった。
「ブ、ブヒィィィィィィィィィィ!」
その事に気づいたオーク達が唸り声を響かせ、力任せに棍棒を振り下ろした。
「おっと! 思ったよりもやるようだな。だが……、遅い!」
次の瞬間、カルフがオークの背後に回り込み、鉄の大剣で首に刃を当てて引き斬った。
それに合わせて、ルオが疾風足で一気に接近し、斬撃を放ってオークの首を刎ねた。
「ブ、ブヒィィィィィィィィィィィィィィィ!」
これにはオーク達も動揺し、殺気立った様子で棍棒を振り回した。
こうなると、のんびり食事をしている暇はない。
やるか、やられるか、そのどちらか。
しかも、その選択権が物凄い勢いで消え去りそうになっていたため、オーク達も死ぬ気で襲い掛かってきた。
「……思ったよりも、やるようだな」
その気迫に圧倒されつつ、カルフが棍棒の一撃を喰らって吹っ飛び、家の壁にぶち当たって、血反吐を吐いた。
それでも怯む事なく、荒々しく息を吐きながら、衝撃刃で不可視の衝撃を飛ばし、オークの片目を潰した。
「……させませんわ!」
その間に、リーリエが破脚砕で肉体を蝕むエーテルをノービスランスに纏わせ、カルフに襲い掛かろうとしていたオークの身体を突き刺した。
それでも、オークが棍棒を振り下ろそうとしていたため、さらにノービスランスを突き刺し、そのまま身体を貫いた。
「ほらほらほら! 捕まえてみな! それとも、まさか、食べ過ぎて動けなくなっているの? 飢えと寒さから逃れるために、ここに来たのかも知れないけど、こうなる事を予想していなかったの? だったら、実に愚かだね!」
一方、フリューリングスルフトはフェザーステップで間合いを取りつつ、ダブルエッジを繰り出し、二本の剣でオークの身体を切り裂いた。
続いて、アルベルトが紫電一閃から戦士の一断を繰り出し、近くにいたオークを斬り捨て、カルフがオークの首元を貰って、鉄の大剣を突き刺し、大量の返り血を浴び、ケンが闘気槌2で巨大な光塊をダマスカス鋼の大太刀に纏わせ、オーク達めがけて振り下ろした。
「ブ、ブヒ!」
続けざまに攻撃を喰らった事で、オーク達が戦意を喪失させ、蜘蛛の子を散らすようにして、脱兎の如く逃げ出した。
「……逃げ足だけは早いんだね?」
その行く手を阻むようにして、フリューリングスルフトが鋼の短剣で、オークの身体を突き刺した。
「逃がしはしない、見逃すと思ったか?」
それに合わせて、アルベルトがチャージングでオークに近づき、 ダマスカス鋼の大太刀を振り下ろした。
だが、オーク達に、迷いはない。
とにかく、逃げる事に全力を注いでおり、振り向く事なく、まっしぐら!
「おいおい、ここまでやらかしてるんだ。今更逃げるなよ」
その事に気づいたケンがシーザーロアを使い、言葉と共にエーテルを叩きつけ、オーク達の怒りを煽った。
しかし、逃げ出したオークの数が多かったため、戻ってきたのはシーザーロアに釣られた1体を含めて一部だけ。
「……残った奴等だけでも仕留めておくか」
すぐさま、アルベルトが鋭撃で威力を重視した鋭い一撃を放ち、オークの返り血を大量に浴びた。
「……たくっ! 仕方がねぇな」
その間にカルフが鉄の大剣でオークの首を刎ね、疲れた様子で溜息を漏らした。
だが、オーク達の数が多いため、休んでいる暇はない。
自分の身体が限界に近付いている事を忘れる勢いで、無理やり身体を動かし、鉄の大剣を振り下ろした。
「それじゃぁ、その首残さず狩らせてもらうぜ。ちったぁ、後悔していけや!!」
ケンが殺界でダマスカス鋼の大太刀にエーテル光を纏わせ、不可視のエーテルを範囲内へ張り巡らせた。
「ブ、ブヒ!」
そこでようやくオーク達が、最低最悪の状況に気づき、ダラダラと脂汗を垂れ流した。
「……悪く思うなよ」
すぐさま、ルオが殺界の中で強引に距離を縮め、ダマスカス鋼の剣でオークの首を刎ね飛ばした。
それと同時に、オークの身体から大量の血が噴き出し、雨となって降り注いだ。
他のオーク達も次々と首を刎ねられ、物言わぬ肉の塊と化して、ドスンと地面に突っ伏した。
「何匹か逃がしちまったが、とりあえず……これでしばらくの間は安心だな」
ケンがオークの首を刎ねた後、ホッとした様子で辺りを見回した。
辺りには村人達の死体が転がっており、亡くなってから、しばらく経っているようだった。
「みんな、ありがとう。これで、ようやく俺も……」
そんな中、ガイエルが姿を現し、ケン達に御礼を言った。
だが、その表情は何処か暗く、心ここに非ずと言った感じであった。
「あのなぁ、死が怖くない奴は、そもそも人間じゃねぇ。強そうに見えてるヤツらは既に地獄を味わって、どうにもならない悔いを教訓に歯を食いしばってきた奴らだ。あんたは今、その地獄の1つに居る。マシになりたきゃ這いずっても生き抜くんだな、地獄も悪くないぞ。それにな、あんたみたいに悪運の強い奴が他にもいるかもしれないぜ? 人は生きしぶといもんだ。探すのも悪くねぇんじゃないか。まぁ、俺にはどうでもいいがな」
そんな空気を察したカルフが、言葉を選びながら、ガイエルにアドバイスした。
「それに、恐怖から逃げるのは悪い事やない。しんどいやけど、前に進んでほしいさぁ」
フリューリングスルフトが村人達の亡骸を埋葬するため、納屋から持ってきたスコップを担いだまま、ガイエルに声を掛けた。
「だから、あまり自分を責めないでほしい。アンタに責任はない。無駄死にせず生き残ってくれたよかった。おかげで俺は、こうして依頼にありつけて報酬を受け取れるわけだからな。だが、村人達の弔いが必要だろう。墓を作るのにも人手がいる。いまなら依頼料3割引きで手伝うが……」
ルオもガイエルを慰めながら、その流れで交渉を持ちかけた。
「3割か。もう少し値引きしてもらえると助かるんだが……」
ガイエルが苦笑いを浮かべ、頭の中で計算し始めた。
ある意味、一文無しに等しい状態なので、支払いは厳しいようである。
「まあ、変な気だけは起こすなよ。生きて人生を全うするのが生き残ったやつの務めだと思うぜ」
ケンが心配した様子で、ガイエルに釘をさした。
「あ、ああ、そうだな。せっかく助かった命を無駄にはしない。何と言うか……ありがとうな。俺には何も残っていないと思ったが、ここまで言われて……その死を選ぶような真似はしない。そんな事をしたら、代わりに死んでいった奴等に笑われちまうからな」
ガイエルが心の中に芽生えた迷いを、気合と根性で消し飛ばした。
「もしも行くアテがないのなら、帝国難民キャンプに行くといい」
アルベルトがダマスカス鋼の大太刀についた血を払い、帝国難民キャンプまでの行き先が描かれた地図を渡した。
「……そうだな。色々とありがとう。またどこかで会えると良いな。お前達のおかげで希望を見出す事が出来た」
そう言ってガイエルがアルベルト達を見つめて、笑顔を浮かべるのであった。
マスターコメント
基本的には、プレイングが分かりやすく、描写がしやすく、行動が的確だったものから、印象に残ったモノ等を基準にしてMVPを選んでいます。
ショートシナリオ普通 報酬:標準6 / 4〜10人
2021年02月02日 11時04分31秒 公開
成功
相談掲示板
リーリエと言います。 宜しくお願いしますね。 前に出てオークに攻撃をかけていきます。
ウォーリアーのケンだ よろしくな 敵が村を占拠してるならまずは敵のばらけ具合を知ることからか? 密集してるならウォーリアー勢が突っ込んで範囲攻撃で一気に殲滅とかもできるだろう ばらけてるなら外側にいる奴らから順に狩って行って最後に中央の奴らをかたずける感じか?
ウォーリアのアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 オークを殲滅し、村の人たちの無念を晴らしてやろうぜ!
シーフの、フリューって呼んでさぁ♪ うん、せやね。 バラけてる敵からやっていくの良ぇと思うよ! うちは、漏れた敵や誘き出しとか、必要かは分からんけど、密集具合を索敵したり、あとは一応ヒール持ってこうかな。
ウォーリアのカルフ・オルヴォだ。 暴れるだけで良いと聞いた、世話になるぞ。
シーフのルオだ。 ギリギリでの参加になるが、よろしく頼む。