危険物の処分は、きちんとやろう!
ゆうきつかさ
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シナリオID:512
オープニング
「大変な事になった! シャレにならん!」
研究者パラケルスが悲鳴にも似た叫び声を上げながら、今にも崩れ落ちそうな勢いで頭を抱えた。
事の始まりは、数日前。
調合に失敗した薬品を、岩場にポイ捨てした時の事。
クリーパー達が現れ、それをガブ飲み!
キョトンとするパラケルスをヨソに、咆哮を上げまくったようである。
「まあ、その……アレだ。そもそも不純物が混ざってしまった失敗作だから、何の影響もないかなーとか思っていたんだが……。それでも、万が一って事があるじゃないか。それで岩陰に隠れて、様子を窺っていたんだが……」
パラケルスは気まずい様子で、冒険者達から視線を逸らした。
「気のせいか、クリーパー達が狂ったように暴れ出してしまってな。まるでアレだ。『責任者、出てこい!』って感じになっているんだ。それが原因で物凄く機嫌が悪くなってしまってな。辺りにあるモノを手当たり次第に壊し始めたという訳だ。まあ、それでも……単なる偶然かも知れないし、気のせいだって事もある。だから、見て見ぬフリ……と言うか、さらに様子を窺う事にしたんだ。それで、何もなければ隠ぺ……じゃなかった。クリーパーには影響がなかったって事で、一件落着という事にするつもりでいたんだが……そうも言っていられないようなんだ」
そう言ってパラケルスが、ずーんと肩を落とした。
「何と言うか、まだ機嫌が悪いようなんだ。おそらく、薬品の影響ではないと思うんだが、何となく凶暴化して、力も強くなっているかなーって感じになっている。まあ、薬品との関連性は不明だから、場合によっては無関係かも知れない。しかァーし! コイツらが万が一、ヒトを襲ったりしたら……吾輩の責任になるだろ? そうなる前に、退治して欲しいという訳なんだ。もちろん、金は払う! だから頼む! これ以上、面倒な事になる前に、クリーパー達を倒してくれ!」
そう言ってパラケルスがテーブルに頭を擦りつける勢いで、冒険者達に頭を下げるのであった。
解説
マスターより
リプレイ
「随分と足場が悪い場所に、薬を捨てていたんだな」
エル=バ=ノイアンは仲間達と共に、シグモル火山帯にある岩場にやってきた。
近くに火山がある事もあり、足場がゴツゴツとしており、とても歩きづらかった。
そのため、普通であれば立ち寄るような場所ではないものの、クリーパー達にとっては関係がなかったようである。
「まあ、やる事は単純だ。とにかく、怪我をしないように気を付けよう。どんな時でも、生存第一だからな」
ロドリック・アルカインが仲間達に声を掛けながら、ゴツゴツとした岩場を乗り越えた。
「ひょっとして……凄いお薬だったから……クリーパーも元気になっちゃったのかも知れませんね」
エヴァン・ピオネロが以前引き受けた依頼を思い出し、何やら察した様子で答えを返した。
少なくとも、それが原因でクリーパーが凶暴化しているのだから、何らかの効果があった事は間違いないだろう。
「あれを飲んで元気になるとか、やっぱりクリーパーだなあ……。味の方は最悪だったようだけど、クリーパーは気にしていなかったようだし……」
アリエッタがクリーパーの異常性を改めて実感しつつ、岩場に身を隠すようにしながら先に進んでいった。
「ある意味、身から出たなんとやらだな。まあ、失敗から得るものもあるだろうが……」
スヴァン=ウォルフ=ユーウェンが、自分なりの考えを述べた。
何となく、また違う事で依頼主がやらかしそうな感じがしているため、本当の失敗はこれから……という感じもするのだが、余計な事を考えてフラグを立てる訳にもいかないので、それ以上の事は考えないようにした。
「きちんと薬品の処分をしておけば、こんな事にならなかったのにね。次は気を付けてもらわないと……」
ニーラ・メッコが依頼主の顔を思い浮かべ、呆れた様子で溜息を漏らした。
おそらく、少しぐらいは……一回くらいなら、と言う気持ちが先走ってしまい、倫理観が何処かに行っていたのだろう。
一体、何の薬を作っていたのか分からないが、このような結果を招いてしまったのだから、ろくでもないモノだったのだろう。
「……と言うか、薬を捨てたって、同じ薬学者としては信じ難い愚行だね。討伐は手伝うけど、反省はしてもらわないと……」
そんな中、テス・クラルスが、何やら良からぬ事を考えた。
「……これに懲りたら実験物の処理は、しっかり最後まで責任を持ってもらいたいものだが……」
ゴブリアが物思いに耽りながら、深い溜息を漏らした。
そもそも、失敗した薬品を捨てなければ良かった事だが、いまさら時間を戻す事が出来ないため、いま出来る事をやるしかない。
「キィシャアアアアアアアアアアアア!」
その途端、クリーパー達が奇妙な鳴き声を響かせ、八つ当たり気味に岩を砕く音が聞こえてきた。
それが原因でゴツゴツとした岩が無くなって、そこだけ綺麗に整備されているような感じになっており、さながら闘技場のようだった。
「それにしても、何故……海産物が、こんな場所に……。何となく……なのか……?」
ゴブリアが岩陰に隠れながら、クリーパー達に視線を送った。
一見すると、イソギンチャクと、ウニとカニ。
何か意味がありそうに見えるが、おそらく、深い意味は……ない。
強いて言えば、単なる偶然。
ドラマチックに例えるのであれば、運命のイタズラと言う奴である。
「わぁ……気色悪いよぉ……」
それを目の当たりにしたアリエッタが、ゲンナリした様子で反射的に後ずさった。
まるで海産物に寄生されて、異形と化した人のような姿をしているため、ある意味でトラウマレベル。
「全部……食べれそうな……クリーパーですね」
それとは対照的に、エヴァンが物陰に隠れつつ、瞳をランランと輝かせた。
クリーパー達は、どれも新鮮、食べ頃だった。
何となく危険な感じもするのだが、それすらも魅力に思えた。
「焼きウニ・焼きカニ……イソギンチャクも下処理するとマテ貝に似て美味しいと聞いてます。ちょっと人型と言うのが引っ掛かりますけど……命は無駄にするわけには行きませんからね」
エヴァンがノリノリな様子で、拳をギュッと握り締めた。
何やら色々とフラグが立っているような気もするが、ここで気にしたら負けである。
「……流石に数が多いから、初めに数を減らしておこうか」
すぐさま、テスがフレイムゲイズを発動させ、クリーパー達めがけて火球を放った。
それと同時に、まるで炎が意思を持っているかのように荒れ狂い、クリーパー達の身体を包んだ。
しかし、クリーパー達はまったく怯んでおらず、唸り声を上げながら、次々と襲い掛かってきた。
「それじゃあ、俺はイソギンチャクのようなヤツでも狩るとするか」
スヴァンがイソギンチャク型クリーパーを睨みつけ、鋼の大剣をギュッと握り締めた。
理由は、簡単。
この中で一番、罪悪感なく、やれるから……。
「……触腕が面倒そうだし、このイソギンチャクもどきから、さっさと片付けよう」
続いて、エルが鉄の大剣を振り回し、クリーパーに攻撃を仕掛けた。
次の瞬間、クリーパーの触腕が宙を舞い、地面に落ちてピチピチと跳ねた。
「キシャアアアアアアアアアアアアア!」
その事に腹を立てたイソギンチャク型クリーパーが、苛立ちを隠せない様子で触手をムチの如く振り回した。
その攻撃をスヴァンがフェイントを駆使して避けていき、衝撃刃で不可視の衝撃を飛ばして反撃した。
その拍子にベットリとした粘液が飛び散り、異様なニオイが辺りに広がった。
「うわーっ! すっごく気持ち悪い!」
これにはニーラも驚き、ドン引きした様子で、逃げるようにして岩陰に隠れた。
「キィシャアアアアアアアアアアアア!」
だが、イソギンチャク型クリーパー達は諦めておらず、カマイタチを発生させる勢いで触手をブンブンと振り回した。
「そんな攻撃、当たらないよ!!」
アリエッタも反応強化で、イソギンチャク型クリーパーの触手を避け、隙を見て懐に潜り込むと、ダブルエッジを繰り出し、舞うようにクルリと回転しながら、二本の短剣で次々と触手を斬った。
それに合わせて、スヴァンがチャージングで距離を縮め、イソギンチャン型クリーパーの触手を薙ぎ払うようにして切断した。
「キィシャアアアアアアアアアアアアアアア!」
しかし、イソギンチャク型クリーパーが吠えるようにしながら、一気に距離を縮めてきた。
「遅いっ、遅いっ、おそーいっっ!」
アリエッタがフェザーステップで距離を取りつつ、イソギンチャク型クリーパーの懐に潜り込み、身体ごとダマスカス鋼の短剣の短剣を押し込むようにして鋭撃を繰り出した。
「こ、ここからなら……」
その間に、ニーラが岩陰に隠れて反撃を喰らわないようにしながら、光輝くエーテルを高速で収束させ、氷嵐を巻き起こして、イソギンチャク型のクリーパーを攻撃した。
次の瞬間、スヴァンが鋭旋牙を繰り出し、イソギンチャン型クリーパーの命を奪った。
「ここは、やはり高級食材を狙うべきでしょうか」
一方、テスはヤル気満々な様子で、ニーラと一緒にスタティックフィールドを発動させ、光り輝く球状の存在を纏わりつかせて、カニ型クリーパー達の動きを阻害した。
「こういう頑丈そうなヤツは、魔法に弱いと相場が決まっている。……私は詳しいんだ」
ロドリックが距離を取りつつ、フリーズボルトで古木の短杖の先端から氷の矢を飛ばした。
そのまま氷の矢は真っ直ぐ飛んでいき、カニ型クリーパーの脇腹に刺さると、炸裂して冷気と共に纏わりついた。
「……むしろ、薬を飲んでパワーダウンしたんじゃないのか、このクリーパー達は……」
ゴブリアが軽く皮肉を言いながら、チャージングでカニ型クリーパーの矢面に立ち、血飛沫に似たオーラを纏うような勢いで斬撃を繰り出した。
それと同時に、大量の血が噴水の如く噴き出し、ゴブリアの身体を真っ赤に染めた。
「カニの内側って、弱点が多いですよね!」
その間に、テスが大樹の短杖を鉄の大太刀に持ち替え、カニ型クリーパーの懐に潜り込み、腕の内側の関節を狙って速打2を繰り出した。
次の瞬間、カニ型クリーパーの関節が悲鳴を上げ、割れた部分から肉が剥き出しになった。
「ははっ! いい身が入ってますね」
それに合わせて、テスがカニ型クリーパーの背後に回り込み、無防備になった腰関節を攻撃した。
「丸坊主……です!」
一方、エヴァンはストーンブラストを岩石の巨弾を放ち、石礫を飛ばしてウニ型クリーパーのトゲを折ろうとした。
「キィシャアアアアアアアアアアアア!」
その事に危機感を覚えたウニ型クリーパーが、唸り声を上げて迫ってきた。
「こ、来ないで……!」
すぐさま、ニーラがアーケインテンペスト改を発動させ、稲妻のような光が無数に荒れ狂う空間を出現させ、ウニ型クリーパー達の動きを阻害した。
「このまま……こんがり焼いてしまいましょう」
次の瞬間、エヴァンが古木の長杖のウニ型クリーパーの口に突っ込み、爆炎で内側からこんがりと焼いた。
そのため、ウニ型クリーパーは成す術もなく、真っ黒な煙を上げて崩れ落ちた。
それに合わせて、ロドリックがメテオライトで周囲に大量の小さな光弾を出現させ、生き残っていたクリーパー達を一掃した。
「みんな、怪我はないか」
そんな中、ゴブリアが大樹の長杖についた血を払い、仲間達の無事を確認した。
みんな臓物まみれになっているものの、おそらく無事。
何体か倒し損ねたクリーパーがいるかも知れないが、既に見当たらないため、騒ぎに乗じて逃げてしまったのかも知れない。
「ウニとカニのクリーパーが、こんがり焼けて香ばしい匂いがしているが……。食えるのだろうか」
エルがクリーパーだったモノを見下ろし、気まずい様子で汗を流した。
確かにイイ匂いがしているものの、元がクリーパーである事を考えると、安全面で不安を覚えた。
「……と言うか、クリーパーって食えるのか? 何だかエーテルの味がしそうだ……」
スヴァンも身の危険を感じつつ、クリーパーだったモノを見た。
そもそもエーテルの味とは何ぞや、と言う話になってしまうのだが、この状況では些細な事。
それよりも大事なのか、食べる事が出来るか、否かである。
「全員で……食べてみましょう!」
エヴァンがイイ笑顔を浮かべ、仲間達を巻き込んだ。
「……おや? エヴァさん、食べる気ですか? なるほど、それは面白そうだ」
テスが興味津々な様子で、クリーパーだったモノを見下ろした。
一見すると、見た目はグロいが、中身まではグロくない……はず。
例え、グロかったとしても、調理してしまえば、アラ不思議とばかりに、大化けする……はずである。
「いや……食うなよ?」
エルが心配した様子で、仲間達に念を押した。
クリーパーと言う時点で、何か危険なフラグが立っているため、食べる事は得策ではない。
おそらく、美味しかったとしても……腹を壊す。
それを確信してしまうほど、頭の中で幾つもフラグが立っていた。
(どうせ食べるのなら、他の人の反応を見てからにするか。これで死亡フラグとも、おさらばさ)
ロドリックが自らの身を感じ、仲間達の様子を窺った。
万が一、美味しかったとしても、クリーパーと言う時点で、不安しか残らない。
「何はともあれ、安全第一……だよね」
その途端、アリエッタが以前飲んだ時の大草原が脳裏を過り、ブルブルと身体を震わせた。
「エヴァさん、食べるの少し待って下さい。変な薬品が付いてますから……」
テスがエヴァンに釘を刺した後、クリーパー達の肉を、樽の中に詰めていった。
まずは依頼主であるパラケルスに、毒見をしてもらうため。
おそらく、パラケルスは、全力で拒否する事だろう。
だが、パラケルスに、拒否権はない。
例え嫌がっても、決定事項なので、運命を変える事は出来なかった。
「とりあえず、失敗した薬品を野山に廃棄とはいただけないな。然るべき場所へ棄てるべきだと俺は思うが……。そうでなければ、ニオイで鼻が曲がりそうだ」
スヴァンが気持ち悪そうにしながら、うぷっと口元を押さえた。
「せっかくだから、依頼の成功を報告した後、東方料理屋さんに海鮮丼を食べに行こうか」
そんな中、ニーラがクリーパーから話題を逸らすようにして、仲間達を東方料理屋に誘うのだった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:多い8 / 4〜10人
2021年01月30日 16時23分55秒 公開
相談掲示板
キャスターの…エヴァン・ピオネロ…です。 今回は…火山なのに海浜公園ですね… 薬を…飲む必要はないようなので …焼きガニさんとか、焼きウニさんとか…イメージして純粋に狩ります。 えっと…食べませんよ?…食べないですからね? …みなさま、ヨロシク…お願いします…(ぺこり)
…ノイアンだ。剣を使う、ウォーリアだ。 よし、これは…討伐依頼だな。 俺は…面倒そうな触腕を薙ぎ払いで…ん?焼きガニ焼きウニ…??そうか、食わないのか、よかった… …食べられそうなら調理するが…(小声) ともかく、よろしく頼む。
私はロドリック・アルカイン。 本業は魔道具販売なのだが、冒険者としてはキャスターになる。 久しぶりにギルドを覗いたら、パラケルス氏がお困りと聞いて依頼を受けることにした。 彼は私の冒険者としての最初のクライアントなのでね、多少の義理もあろうというものさ。 今回は戦うだけのようだから、うん。まあ。 相手が固まっていたらメテオライトを撃つことにしよう。 ヒールも持っているから、何かの折には回復も手助けできるぞ。 ……その、状況に合わせて他のスキルを用意できる程には懐に余裕が無いのでな。 いざとなったら杖の先からビーム(通常魔法攻撃)を出して戦う事にするつもりだ! 海鮮? いや、美味しい物は好きだがね。何故そんな事を聞くのだ?
ロドリックで4人目。 …依頼の体はこれで整ったようだな。よかった。 【プレイングはキャラクター口調で】【自分が戦う敵の指定】だけ、忘れないようにしないといけないな。背後は忘れっぽいんだ。うん。メモメモ
私はキャスターのテス・クラルスだ。 確定何よりだよ、どうぞよろしく頼むね。 エヴァさん、なんだかいい匂いがしそうだよ? お腹すきそうだw エルさんリマインドと触手対応感謝するよ。 ロドリックさん、回復助かるよ、十分に心強い。 私は何に当たろうかな…とりあえずカニ、行ってみようかな?
キャスターのニーラ・メッコです。 よろしくね!
お世辞にも頭が良いとは言えん研究者だな……(小声) まあいい、俺はしがない冒険者兼傭兵のウォーリアだ。 今回は……クリーパーの討伐が目的だな。 俺は不味そうなイソギンチャクの相手でもしていよう。
はっはっは、私のヒールはレベルが低いのであまりあてにはしないでくれ給えよ! ふーむ、担当を宣言する形になるのかな? 私としては、ウォリアーのお二人が戦っている相手を第一優先、フリーならカニやウニから狙う心算でいよう。 固そうで物理に強そうということは魔法に弱いのはもはや確定したようなものだからな! (確定していません)
シーフのアリエッタ。 よろしくね。 あの博士が絡むのは食べれない気がするね
私はイソギンチャクもウニもカニもみんなやっつけるよ! 海☆鮮☆丼! ……って、食べられないのかぁ。
出発直前のようだが加勢させてもらおう 特に難しいことは考えず、自分の動きやすさを重視して構わないようだな
出発前に…懺悔です…。 …生活魔法と調理…持ち込んでます。 ぼくは…ウニが…良いです(笑顔)
…… (同じく調理を持ち込むもの) (いや違うんだこれは別件の依頼のためにセットしているだけでウニやカニが気になるとかではない)
……アレを食う気なのか……? (サバイバル知識が役に立つかもしれん。) (持ち込む)