難民と兵士達
馬車猪
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シナリオID:473
オープニング
誰何する兵士達が緊張している。
槍を背負った集団が砦に向かって来ているのだ。
賊か、何らかの意図を持った軍かと思ってしまうのも仕方がない。
「難民キャンプのモンだ」
応える声はひどく若い。
防寒具で顔が隠れているので人相は分からないが、兵士の死に別れた子供よりも小柄だ。
「馬鹿を言うな。難民がいるのは砦内だろうっ」
「難民があっちこっちに散らばってるのを知らねーのかよ。ったく寒いのによー」
1人だけ槍ではなく剣を持った小柄な人間が、ため息を吐くフードを外す。
生意気そうな顔をした、しかし血の気配を漂わせるリットがじろりと兵士達を見た。
難民キャンプを守るために害獣を殺し賊を屠って来た彼は、兵士の目には凶悪犯にすら見える。
「厨房のおっちゃんに確認とってくれ。俺はリット。俺達は王国側にあるキャンプの人間だ」
逞しいビヒモーが不機嫌そうに鼻を鳴らす。
「それでこいつが名無しのビヒモー野郎だ。燃料足りねーんだろ、薪を持って来てやったぜ」
難民に護衛されたビヒモーは、薪を満載した荷車を引っ張ってきていた。
●砦の情景
「うへー、ゴブリンが大勢いるなぁ」
燃料の引き渡しを終えたリットは、砦に留まる難民達のもとを訪れていた。
上司的存在も仲間達もヒューマンばかりなので、ゴールディから連れてこられたゴブリン達を非常に珍しく感じている。
「ゴブリンって授恵者なんだろ? すげーなぁ」
リットの独り言を聞いたゴールディゴブリンが顔を見合わせた。
ヒューマンなのにゴブリンへの敵意がないのは助かるとはいえ、評価が高すぎるのを放置すると面倒事になりそうだ。
「んん? 授恵者じゃねーの?」
これまでリットが接したことのあるゴブリンは冒険者だけだ。
知性と文化を持つゴールディゴブリンの中でも特に秀でた授恵者達であり、一発逆転を目指して人足として志願した一般ゴブリンとは全く違う。
「そっかー」
馬鹿にもしないし同情もしない。
必死で生きているのはリットも同じだからだ。
援助が止まった瞬間に目の前の一般ゴブリン以下の立場になるのを理解しているので、コネや金を得るため無理をして薪を集めここまで運んで来たのだ。
「へー、炊き出しに相撲なー」
お互い利害が対立していない相手だ。
情報交換を兼ねた雑談も弾む。
「遊ぶのに時間使う余裕はねーんだよな」
リットと同じように情報収集していた仲間達もそれぞれにうなずく。
帝国正規兵と比べればずっと弱いとはいえ、冒険者に何度も守られている存在とはいえ、冒険者不在時に難民キャンプを守っているのは彼等なのだ。
すぐにもでキャンプに戻り、害獣相手に自衛しながら畑作りや薪集めを再開する必要がある。
「話は聞かせてもらったぜ」
別のゴールディゴブリンが口を挟む。
授恵者ではないが一般ゴブリンとは違い体格も良い。
何より、抜け目のない態度はリットがスラムで目にしたものに似ている。
「おっと殺気を向けるのはよしてくれよ」
ブラックデスの構成員であるゴブリンが愛想良く笑う。
ゴールディを主導する組織の一員であるので、リットが見聞きした単なる犯罪組織の構成員とは質が違う。
「そっちがいいなら、冒険者と兵士の訓練に混ぜて貰えるよう話を通すぜ? ああ、礼なんていらねぇよ。出世払いって奴だ」
「払いがデカくなるのは嫌だぜ」
「坊主とのコネが財産になるくらいに坊主がデカくなりゃ実質無料だろ。……燃料の礼だよ。話には聞いてたがここまで寒いとは思わなくてな」
仕立ては良いがリット達の分厚い防寒具に比べると薄いコートを揺らし、ブラックデス構成員が苦笑する。
「よし、それじゃ話は通しておく。せいぜい扱いてもらいな」
ひらひらと手を振り去って行く。
リットは、緊張しきった一般ゴブリンと面倒臭そうに草を食むビヒモーを見比べ、どうすべきか迷うのであった。
●訓練依頼
「今回の依頼は戦闘ではありません」
ヴァイセントラフ砦に出張してきたギルド職員が、もっこもこな防寒具の中から説明している。
「戦闘指導です」
訓練しないと練度は低下する。
例外も存在はするが、そういうのは既に有名人か冒険者だ。
「対象は帝国の古参兵と新兵、後は一部の難民です」
古参兵は帝国健在時に正規の訓練を受けた。しかし崩壊後は任務に忙しすぎて本格的な訓練を行えていない者も多い。
新兵は志願した難民達だ。やる気はあるし短期間の訓練を受けてはいるが戦闘経験は皆無。
そして面倒なのが一部の難民という名目で押し込まれた連中だ。
「彼等は王国僻地にある難民キャンプの戦力です」
非合法ではないが正規軍でもない。
「帝国兵士との軋轢が予想されます」
都市部のスラム出身者からなる1隊だ。
今回の訓練対象の中で、唯一の授恵者がいるのもこの隊なので軋轢の発生はおそらく確実だ。
「訓練と同じくらい問題の発生を防ぐのが重要です。くれぐれもよろしくお願いいたします」
職員は、深々と頭を下げていた。
解説
マスターより
リプレイ
「そういう所が駄目と言っているんだ」
徹底して冷静で、心から相手の事を思っている言葉だからこそ厳しく響く。
「普通の人間が武力だけで直接統率出来るのは多くて10人程度だ。撤退戦では5人や3人でも難しいぞ」
ランプしか灯りがない天幕で、アルベルト=V=シュタールシュヴェーアトが辛抱強く言い聞かせる。
「さあ次だ」
アルベルトが別の地図を机に載せる。
戦力配置を記号で書き込んでもリットは理解出来ないので、砦の士官から借りた駒で授恵者とそれ以外の配置を表現する。
「リット君はここだ。敵味方の配置は分かるな?」
うなずくリットの顔は赤い。
知恵熱である。
「どこに向かえばいいか3秒以内に答えるんだ」
前に進めと後ろへ下がれレベルの指揮能力を持たせるために、アルベルトは苦心していた。
「シュタールシュヴェーアトさーん、これなんだけど」
トゥーリは彼女としては余所行きの顔でアルベルトに尋ねる。
訓練担当の士官や備品管理担当の士官が、人手と物資を確保するため必死の表情で書類と格闘しているので気が抜けない。
「厳しいな。内容の一部削除か古参兵の負担を増やすしか……」
「体を動かす訓練では古参兵さんに花を持たせる感じでいくんだよね」
貴族のうまれでも軍人のうまれでもなく、学園に通ったこともないトゥーリには学はない。
「体力的に厳しくないかなぁ。新入り、じゃないや、新兵さん達に疲れた顔見せられないでしょ? 訓練の次の日を休みにしないと怪我しそう」
しかし経験は別だ。授恵者になってから得た経験は特に濃い。
山羊を思わせる4本指で描くのは、美術教育を受けたことのないことが分かる素朴な絵だ。
しかし軍で教育を受けた上で実戦経験もある士官には、絵を通して怪我する大勢の兵士達が確かに見えた。
「えぇーっ!? 水と包帯増やすの? この寒さだと凍っちゃうよ」
トゥーリは更新された必要物資リストを見て驚き、しかし専門家の判断は疑わない。
「最初の挨拶とかには出ずに用意を……井戸とかどこにあったっけ?」
天幕の隙間から、日の出の光が差し込んでいた。
●
「貴方達は正規訓練もですが、集団戦術が身についていない。勢い任せのままでは、その内頭打ちになりますよ?」
全身鎧を隙なく着こなし、眠気など全く感じさせないアクセル・ランパードが難民達に言い聞かせる。
「この機会にそれを学んでください」
新兵を中心にくすくす笑い声が響く。
悪意と軽侮を向けられているリット達は気にもせず、力を渇望する目をアクセルに向けている。
「貴方達は低下した練度を戻しましょう」
古参兵にかける言葉は簡潔だ。
「あとはリットさん達も重要な戦力です。複雑な感情はお有りでしょうが、新兵同様に考えてください」
補足内容は新兵に聞こえない程度の小声で伝え、ある意味一番問題な面々に向かう。
「貴方達は全体的な質の向上と戦闘経験不足が問題ですね」
怒鳴りもせずに静かに伝える。
「あとはリットさん達に対する驕りは捨てなさい。彼らは豊富な戦闘経験のおかげで、単純な勢いだけなら貴方方よりも強い」
年齢も体格もリット達より上の新兵達には言葉だけでは伝わらない。
だから冒険者達は、最初に体で理解させることにした。
「まだ始まったばかりだぞ。砦の物資を使った訓練に遊びに来ているつもりか」
セリオス・オーガストは最後尾にいる兵士達に、冷静な態度のまま罵声を浴びせる。
そして一度先頭の古参兵に追い付き状態を確認し、再度速度を落として難民達と並走する。
「もう息があがっているぞ。準備運動だけ出て後は寝て過ごす気か」
難民達にはやる気はあっても地力がない。
精神力で体力を絞り出すことは出来ても、気合いで体力が増えるなどあり得ない。
また、この訓練の目的は基礎体力の向上だけではない。
「先程も話したでしょう? 貴方方にはそれぞれ課題があると」
アクセルは戦闘用の重武装のまま並走している。
訓練を受ける側に一律に貸し出された装備と比べて倍は重いのに、息を乱してすらいない。
「此処でそれをしっかりと学んでください」
冒険者との実力差を実感させられた兵士と難民は、直前までと比べて大人しくなっていた。
だがまだ訓練は始まったばかりだ。
セリオスは徐々に速度を上げていく。
速度でも体力でも圧倒的なセリオスの威圧感は強烈で、文字通り全力を出すことを強いられた兵士が苦しみ難民は脱落寸前だ
そこに矢が飛んでくる。
万一いきなり突風が吹いても当たらないよう気を付けているとはいえ、真後ろから凶器が飛んでくるのは非常に怖い。
実戦経験があればあるほど恐怖を感じて身が竦む。
「訓練で気を抜く馬鹿には当てるわよ」
イネス・エレディアの見た目は幼げだが矢をつがえる様は歴戦のエルフだ。
実際に年齢は177歳であるし授恵者としての経験も豊富である。
生存本能を刺激された兵士と難民が、命を削るような勢いで速度を上げていく。
イネスの注意も聞かずに、前しか見ずにだ。
アクセルが一度古参兵まで追い抜いてから訓練対象一行の進路を遮る。
借り物の木剣を使い、警戒を怠っていなければ確実に回避可能な速度とタイミングで剣を動かす。
「うわぁっ」
そこまで注意しても途中で止める必要があるほど、古参兵を除くと練度は低かった。
●
「キャンプの子たちに協力して頂きありがとうございます、貴方は本当に義理堅い」
鍛錬と手入れが両立した掌のウロコが、優しくビヒモーを撫でた。
逞しいビヒモーが照れ隠しに鼻を鳴らす。
ここまで引っ張ってきた荷車から器用に離れ、重さを確かめるように荷車を軽く押した。
「こんなに買えると言うべきか、あんな額にしかならないと言うべきか」
冒険者ギルドに経費として渡された金で、大型荷車を満たす薪が調達出来た。
都市部とは物価が根本的に違うのだ。
「薪を砦に分けるとは今後を見据えられる様になったのですね、よき事です」
荷下ろしはペットのゴリラに任せてリットを見る。
「訓練では授恵者は貴方一人、うっかりスキルを使わない様気を付けて下さいね、一般人だと大けがするかもしれないので」
「どこまでが一般人か分かんねーよ。兵士のおっさん達、結構やるぜ?」
机の上での授業が終わったのでリットは回復している。
「ヒールが使える授恵者を基準に……リット殿、まだ覚えていないのですか」
リットが一瞬目を逸らし、ドローミが静かに雷を落としていた。
「リーンエス王国の武門ウォルトグレイヴ家のリリアーヌです、本日貴方達の教導を担当します」
個別訓練をリリアーヌ・ウォルトグレイヴが受け持っている。
古参兵や難民達は彼女の武威を感じて大人しくしているのに、新兵のほとんどはリリアーヌを騎士の扮装をしたお嬢様と思い込み舐めている。
授恵者の見た目の筋肉や体格と実際の戦闘力が全く異なることがあるのを、知識では知っていても理解出来ていないのだ。
「どうやら元気が余っているようですね」
甲冑の重さを感じさせない歩みで近付き、冷たく、そして上品に笑う。
「私に膝をつかせたらご褒美をあげます」
気の短い大柄な男が跳ね起きざまに蹴ってくる。
リリアーヌから見れば無様にもほどがある隙だらけのヘボ踊りだ。
「どうしたのです。誰も来ないのですか」
空振りするのを見切って1歩も動かず尻餅をつかせる。
お嬢様の遊びにつきあってやるかとしぶしぶ立ち上がった数人が近付く。手で捕まえようとするが甲冑に触れることすら出来ず翻弄される。
「この鎧、まさか本物?」
張りぼてと思っていた鎧が大重量の甲冑であることにようやく気付き、その重さで軽やかな足取りを維持する王国貴族の力に慄然とする。
「全員、腹に力を込めなさい。そのままでは内臓が破れますよ」
真剣を使わない教育だ。
兵士からの攻撃全てを余裕をもって回避。痛烈な一撃を腹に当て、朝飯を逆流させときに胃液まで吐き出させる。
「理解しましたか? 貴方達はそれなりの練度はありますがまるで実戦経験が足りていません、戦闘集団としての戦力はリットさん達より下でしょう」
練習用の槍により腹部パーツにつけられた墨を指差す。
なお、たった1カ所の墨と引き替えにリットを含む難民全員が悶絶していたらしい。
●
「帝国への忠誠心が薄そうな武装した食い詰め者の集団が認められている、頼られている現状について思うことがあるのは理解しているわ」
士官による呼び出しという形で古参兵を呼び出したイネスが、うなずく帝国士官を背後に控えさせている。
「けれど、戦力という意味で無視できないのも分かっているでしょう」
帝国は戦力が足りない。
リット達の代わりになる戦力を用意は出来るが、貴重かつ有望な戦力をキャンプに向かわせたくなどない。
「ならば、思うことがあっても彼らと共闘できる状態まで部隊を持っていっておくべきよ。今の状態で連携が取れると思っている者はいないでしょう。新兵たちも難民戦力もまだ若い、橋渡しができるのはあなたたち年長者だけよ」
説明を終えたタイミングで士官を見上げる。
1日2日の徹夜ではつかない深刻なクマが、士官の顔に刻まれていた。
100メートル離れた的の中心に矢羽根が生える。
的の後ろから飛び出た鏃とシャフトが細かく揺れている。
「エレノアと申します。どうぞよしなに……」
淑女の礼をするのはエレノア・D・グリフィスだ。
立ち振る舞いの品の良さと、挨拶の前に実力を示して圧倒する自由奔放さが違和感なく同居している。
「まず最初に、弓術は一朝一夕では身につかないことをお伝えします」
流派によっては秘儀に当たる技術を惜しげも無く見せ、放つ。
的ではなく的を支える柱に突き立つ。リットがすげーと感嘆し、技術をある程度理解出来る古参兵達が顔色を変える。
「今日は弓を使えるようになってもらいます」
エレノアほど精密に飛ばせなくても、狙った方向に飛ばすことが出来るなら数を揃えて弾幕に出来る。
伝統と歴史ある家柄の長女らしく、エレノアは出来ることと出来ないことを割り切って対処することが可能だ。
弓を知らない新兵と難民に、本当に最低限の構えと危険回避の知識だけを伝える。
一定以上の技術はあっても個人差が激しい古参兵には、1人あたりではどうしても短くなる時間を有効に使うため重要な点だけを伝える。
「いまは大変な時です。それぞれ価値観に隔たりがあるのは理解し、認めつつも協力していかなければなりません」
態度を変えずに接する彼女に、畏怖の視線が向けられるようになっていた。
的の後ろにある土山に矢がめり込んだ。
なお、射手が狙ったのは隣の土山にある的だ。
「腕の向きを意識しろ」
セリオスの指導には容赦がない。
最初に手本を見せ、弓の構え方や矢の持ち方を常に正しいものに修正するだけではない。
人の輪郭に似せた的を用意し、それに向かって射させているのだ。
自分たちが撃つものがどういうものか、机の上で表面だけ理解させるのではなく心と体に刻み込ませる。
心が折れてしまわないよう注意する必要はあるものの、恐ろしいほど効果的な訓練法だ。
「リット」
「ちゃんと狙ってる……つもりだぜ?」
ぐいっと肘を引かれ、顎の向きを直され、少し涙面になるリット。
躊躇いなく人を狙える容赦のなさと並立する無邪気さがあった。
「狩猟時と違い弓兵は面射撃が有用です。まずは皆さん至近距離でまっすぐ当てられる様にしましょう」
ドローミはエレノアと手分けして新兵の面倒を見ている。
「初めは5mそこから徐々に距離を伸ばします。その後横に並び同時に同じ距離で射てください」
大変な割に効果はすぐには出ない。
冒険者のような才の持ち主は滅多にいないのだ。
「30にもなっていない子達に教えるのは、なんだか妙な気分ね」
外見年齢が10前後のイネスがつい本音を漏らす。
そのセリフに気付いた兵士がぎょっとして振り返り、子供にしか見えない指が鉄の弓を見事に扱う光景にますます混乱していた。
●
鏃の代わりに布製ボールとはいえ、勢いがついた矢は脅威だ。
新兵による斉射が難民を容赦なく痛めつけていく。
「3番と7番は即死。5番と8番以降は数時間苦しんで死ぬ」
淡々と評価を下すセリオスが矢より怖かった、というのが訓練を受けた側の一致した感想だった。
「生きてる奴を抱えて逃げろー!!」
リットが叫ぶ。
補佐役としてリット側に参加しているアルベルトが拳を握りしめる。
撤退の決断が即座に出来るようになったリットの成長が、師匠として嬉しい。
「あいたっ」
撤退途中で死亡判定が出てしまってもだ。
指揮を引き継いだ非授恵者の難民の方が指揮が巧みでも、成長は成長なのだ。
「こっち側が負けるかー。予想外の展開になっちゃったね」
トゥーリは少しだけ本気を出すことにした。
山羊の要素が濃い脚が地面を蹴って死体役のリットを飛び越える。
再度の斉射がトゥーリを狙うが、1つ1つの狙いが甘いというよりそもそも狙えてない矢では当たる要素がない。
彼女は全ての矢を認識し、当たりそうな矢についてだけ回避行動をとっているのだ。
当てるつもりなら複数で囲むのが最低限。撃破判定が欲しいなら他の戦術も欲しい。
トゥーリが気付かせようとした知恵に、戦闘に興奮した兵士達は演習終了後に口で説明されるまで気付けなかった。
「不甲斐ない」
アクセルは落胆する。
トゥーリに気を取られた兵士達に、怪我人役の難民を救護所に放り込んだ難民が大きく回り込んで突入した。
混乱に巻きこまれた古参兵に死亡判定が出る大混乱だ。
「弓を身につけ天狗になったのは兵士達か」
セリオスも事態の収拾に加わる。
圧倒的な力の差があっても殺さず制圧するのは重労働だ。
事態が落ち着くまで、思ったより時間が必要だった。
●
「決して侮りや怒り、感情に飲まれてはなりません。兵士の誇りと不動の意思を持ちなさい」
リリアーヌの叱咤に兵士達が項垂れる。
「リット殿は先日身に染みたでしょうが、これで体調を後々まで響きます。普段の任務でも体調管理を忘れずに」
ドローミはリットに白湯とタオルを渡した後、兵士の治療に付き合わせる。
「人数が居ても統率立った行動出来ないと無理な場面もあるよね」
トゥーリの言葉に、新兵を統率出来なかった古参兵が落ち込んでいる。
「偏見、か……」
アルベルトは悩んでいる。
最後の演習で負けたとはいえ、多数の兵士相手に奮闘した難民を舐める者はもういない。
けれど柄の悪さと表裏一体の戦意を受け入れた者はおそらく少ない。
「これだけやればちょっとは強く」
「ならない」
鬼教官セリオスに断言されリットが硬直する。
「実力を磨くのは手間も時間もかかる。大変でも続けることだ」
「……はい」
リットはしょんぼりして、しかし反抗はせず素直にうなずいていた。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 6〜8人
2021年01月21日 15時42分38秒 公開
相談掲示板
ウォーリアのアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 今回、思うところがあって俺は『リット君とリットの仲間達』の訓練をさせてもらうぜ。当然、模擬戦も彼らサイドで参加するぜ。
そんな訳で、リット君に質問だけど。 今回の『戦闘指導』は、「基本的な戦闘術の訓練」と「模擬戦」の2パートに分かれるって事でいいのかな? あと、模擬戦を行う場合、俺達授恵者8名が異なるサイドで参加することになっても構わないよな?
同じくウォーリアのアクセル・ランパードと申します。 今回は宜しくお願いしますね。 …さて、衝突をどう最小限に抑えたモノですかね? 訓練で成果をあげるには、どうあっても1度や2度の衝突は避けられそうにありませんから。 先ず『新兵』達には訓練による練度こそリット達よりも優れているものの、戦闘経験が圧倒的に不足しており、単純な戦闘能力では自分達が一番劣っていると自覚して貰う所からスタートですかね…。 逆に『リット達』は『新兵』達よりも戦闘経験は豊富ですが、訓練による練度…、それも指揮能力が圧倒的に欠けている事を自覚して貰うことからでしょうか? 『古参兵』は非授恵者集団であるということ、『リット達』に対しての「複雑な感情」をある程度緩和させる必要があるのかな、と。 >アルベルトさん 模擬戦はやるかもしれませんが、まだするか決まってませんよ。 練度毎に人数差もありますからね。 少し先走ちゃってますよ。
エルフのシューター、イネス・エレディアよ。 よろしくお願いするわ。 それぞれの集団の問題点はランパードが今挙げたものでいいと思うわ。 『古参兵』は人数も少ないし、自覚もあるでしょうから問題はそう大きくならないと思っているけれど『新兵』と『リット達』の問題は対処をしないと後々に禍根を残しそうね。 リットと仲間達のところに「冒険者が介入しない場合、新兵を蹂躙します」とはあるけれど、あくまでこれは「もし実戦形式の訓練になったら」の話だと思ってるわ。 見たところ訓練の具体的な内容も指定がないようだし、個別の詳細はそこを詰めてからがよさそうね。
俺はリットだ。 冒険者のねーちゃん達とにーちゃん達、よろしくな! 【回答】 (プレイングでリット一行や兵士の行動予定が変わることもあるので)やりたようにやればいーんじゃねーかなー。
リリアーヌ・ウォルトグレイヴと申します。 最終的に全体をどうするかは別として、私は主に新兵らを鍛えようかと思います。
>ランパードさん ・・・確かに先走りすぎていたな。 で、どんな訓練をしようかな? 俺は、先に宣言した通り『リット君とリットの仲間達』の訓練を担当したいと思っているけどな。
>アルベルトさん 熱意から来るものですからね。 悪気がないのも分かってますよ。 焦らず、じっくりと詰めていきましょう♪ >訓練について 先ずは各自、必要だと思うような訓練を挙げていくのはどうでしょう? 訓練の内容を決めていかないと、後の軋轢に対するフォローなども出来ませんからね。 そこで俺から1つ提案なのですが…、先ずは全員の基礎体力の向上のため、装備を着込んで訓練場をランニングとかどうでしょうか? 戦場では足が止まった者から順に脱落していきます。 そうならないように、スタミナをつけて貰うことから訓練を開始したら…と思います。 丁度都合の良いことに訓練場は荒れ地のようですし、足腰の鍛錬にはもってこいではないでしょうか? この訓練ならば『古参兵』や『新兵』、『リットさん達』の価値観や慣行が違っていても、統一見解を持ちやすく混乱も来し難い。 成果も比較的挙げやすいものだと思うのですが、どうでしょうか?
トゥーリだよ、よろしく! 解決しなくちゃいけない課題は、挙がってる内容でとりあえずその通りかなと思う! なんか思いついたら書くね。 実戦的な判断と、正確な動作、それに人数(みんなで協力しないとクリアできない)が必要な訓練をしてあげればいいのかな? ――アスレチック、とか。あの、年末年始によくやるSAS●KEみたいなのとか……それにワタシたちが障害に入って、時間内に誰かゴール出来たらクリアってするとか。
私はまず、なかなか言う事を聞かなそうな新兵らに剣を教えながらリットさん達への侮りを解消するように動こうかと思っております。 何をさせるにせよ、衝突されたりしてはいけませんので。
シューターのエレノアと申します。 よしなに願いますわ。 私も基礎体力の訓練はあった方がよいと思っていましたが、アクセルさんの装備を着込んで訓練場をランニングは良い案だと思います。 体力以外の事で他にないか考えてみますね。
ん、シューターのセリオスだ、よろしく頼む 基礎訓練はいいと思う、古参と新兵と難民では訓練具合も違うだろうからな。同じことやらせてもばらつきが出るだろうし。あとはそれに応じて種類ごとに分けてというところか
大変遅くなりました、ドローミと言います。 宜しくお願いしますね。 リット組にまともな射撃術を覚えて貰えると嬉しいのですが。
【質問】 Q2 用意される武具に盾は無いのですか? Q3 木剣その他は、布巻ですよね? (リット殿がうっかりスキルを乗せると、重傷者がでるおそれが)
【回答】 A2 依頼票(オープニング)のとおりだと思う。 A3 わかんねー。気になるなら(プレイングで)予定とかルールとか変えるのが手っ取り早いと思うぜ。
>ドローミさん リットさんのスキルについては、改めて相談ってことでよろしいんじゃないでしょうか? アルベルトさんも訓練を担当したいと言っていましたし、訓練内容次第でスキル使用の是非も変わるでしょうから。 >訓練内容 今の所、大別して出ているのは…、 ・基礎体力訓練(※フル装備してランニング) ・武器訓練(※剣の訓練) ・SAS●KE的なもの? といったところでしょうか? 剣の訓練に関しては『古参兵』の方々もいますし、『リットさん達』が弓の扱いを覚えても良いのではないかと思い、もっと大別して武器訓練にしてみました。 こんな感じでどうでしょうか? 後は追加で、総仕上げにアルベルトさんが初期に話されていた模擬戦ですかね…? 『新兵』の戦闘経験無しは問題ですから。 ただ『リットさん達』に対する『古参兵』、『新兵』の感情問題もありますから、結構デリケートにやる必要性がありますが…。
とりあえず、流れとしては 1 基礎体力訓練(SASU〇E的なもの?) 2 各グループ(「新兵」「古参兵」「リット達」)ごとの訓練 3 模擬戦(俺の希望としては是非やりたい。新兵に対して思うところがあるし) って事でいいのかな?
私としては【基礎体力訓練】の次に【模擬戦】最後に【個別訓練】がいいかと思っているわ。 理由だけれど、基礎体力訓練はおそらく練度の高い新兵たちの方がリットたちよりも成績がいいと考えているわ。そうなったら新兵たちがリット達を見下す気持ちが強くなる可能性もある。 各グループごとに別れての訓練で叩き直すのも手だけれど、先に模擬戦をやることで『単純な練度は新兵の方が上』『実戦形式ではリット達の方が上』ということをお互いに理解させれば多少は諍いも減るんじゃないか……という考えね。 もちろん訓練の結果含めてそうはならない可能性もあるから一つの案だけれど。
私はとりあえず合同訓練開始前に個々のグループに向き合って、直接的ではない形で意識改革を促す手段が良いかと思っていました。 少なくとも、新兵の認識は早めに変えておいた方が無意味な諍いは回避出来ますかと。
俺としては新兵の認識を変える方法として荒療治となるが模擬戦でリット君達にボコされるのが手っ取り早くて一番いいと思っている。 で、模擬戦を推しているわけなんだ。 そんな訳で、先ほどの書き込みの順番を提案させてもらったんだ。
新兵さんの人数が一番多いし、今後の事を考えるとコミュニティの要になっていくのは人数の多いところだよねぇ。そう言った意味で、新兵さんの意識をきちんと変える(差別とかをなくす)というのはいいと思う。 ただ、目的もなく模擬戦でリット君たちが新兵さんを蹂躙しちゃうと、今度はリット君たちが手が付けられないくらいに得意になっちゃいそう。だから……リリアーヌさんが言う通りに軽く意識改革というか、目的付けをみんなにしたらいいんじゃないかな? 訓練メニューとその目的 具体的に何をやるか、は敢えて書いてないよ。 そこまで監督者の人数が必要な感じもしないし、きちんと抜けもれなくメニューが組めてれば個人個人で好きなメニューを担当するでもいい気がするから。 1.意識改革:各グループの考えを明確にし、全体的な訓練通しての課題を方向付ける 2.基礎体力訓練:基礎能力は新兵>リットの仲間達であることを自覚させる 3.個別の訓練:全体的な練度は古参兵>その他であることを自覚させる 4.模擬戦:戦闘能力はリットの仲間達>新兵であることを自覚させる (5.まとめ:落としどころの提案) こんな感じかなぁって。
今さらですみません。 >リット殿 回答ありがとうございます。 工夫しますね。 >皆さん 盾と同じく、身体装備も無さそうなのでご検討を。 (重りになるものを背負わせるなど) >アクセル殿 口頭注意で抑えらるなら楽ですが、彼は『強打』『振り払い』『チャージング』辺りを何となくできたレベルで使います。 新兵に煽られると、危険かなと。 >アルベルト殿 一般兵には通常任務もあるでしょうし、100人強が汗だくで疲弊すると、事後の体調管理も大変と思います。 古参兵の10を最小単位にして、班分けできませんか?
>トゥーリさん 訓練メニューと目的についてはそれで良いんじゃないか。 あとは、各自それぞれのメニューにおいて何をするのかを決めていけばいいとおもうぜ。 >ドローミさん 基礎体力訓練において同じ負荷をかけたいなら、装備品は用意してもらった装備品のみにしたらどうだろうか? あと、模擬戦については確かに全員が疲弊するのは問題があるだろうけど一度新兵全員がリット君たちに敗れることで目を覚まさせる必要があると思うんだ。だから、新兵は全員参加としたいと思うんだ。 最後に 何度も言うようだけど、個別訓練と模擬戦では俺は思うところがあってリット君達に加勢したいと思う、とはいっても積極的に前線で剣を振るうわけでは無いんだけどね・・・。
とりあえず。仮プレイングを以下の通り提出したぜ。 意見等があったらよろしく頼む。 1意識改革:各グループの考えを明確にし、全体的な訓練通しての課題を方向付ける 古参兵に対して:低下した練度を戻す 新兵に対して:基本的な戦闘術と基礎体力を上達させる 古参兵・新兵に対して:リット君達に対する偏見を無くさせる。リット君達も帝国の為に戦う「戦士」であることを認めさせる リット君達に対して:個人的な戦闘術よりも集団戦の戦闘術を身に着けさせる リット君に対して:集団戦の指揮能力を身に着けさせる(個人的な師匠として) 2基礎体力訓練:基礎能力は新兵が上であることを自覚させる 装備品を貸与された装備品等で統一してクロスカントリー走を行う 途中の「障害」として訓練対象者の壁となる 3個別の訓練:全体的な練度は古参兵が上であることを自覚させる リット君達に集団戦の基礎を教える リット君には集団戦の指揮について教える(根気強く教える) 4模擬戦:戦闘能力はリットの仲間達が上であることを自覚させる 模擬戦は「リット君達」対「その他」で行わせる 自分はリット君達に参加し、リット君の指揮の補佐を行い、個人戦の参加は最小限に留める リット君達に集団戦の重要性を学んでもらう 作戦は「主力で前線を維持している間に少数精鋭の別動隊で敵の側面を突く」こと
アルベルトさん、仮プレありがとう! 抜け漏れ防止のために担当部分だけ抜き出して書いてみるね。 ワタシの分も入れてあるよ。 ●担当分け(敬称略) 1.意識改革:アルベルト・トゥーリ 2.基礎体力訓練:アルベルト 3.個別の訓練:アルベルト・アルベルト 4.模擬戦:アルベルト 5.まとめ:トゥーリ ●メニューと目的 1.意識改革:各グループの考えを明確にし、全体的な訓練通しての課題を方向付ける 2.基礎体力訓練:基礎能力は新兵>リットの仲間達であることを自覚させる 3.個別の訓練:全体的な練度は古参兵>その他であることを自覚させる 4.模擬戦:戦闘能力はリットの仲間達>新兵であることを自覚させる (5.まとめ:落としどころの提案)
メニューと目的は順番含めて了解よ。 私は主に2.3を担当するわ。 個別の訓練は時間があれば全体の弓も見たいけれど、基本的には古参兵につくつもり。 ●担当分け(敬称略) 1.意識改革:アルベルト・トゥーリ 2.基礎体力訓練:アルベルト・イネス 3.個別の訓練:アルベルト・アルベルト・イネス 4.模擬戦:アルベルト 5.まとめ:トゥーリ
アルベルトさんは仮プレありがとうございます。 メニュー、目的は了解です。 俺は、1、2、4を担当するつもりです。 基本的には、各自の課題を浮き彫りにするよう動くつもりです。 ●担当分け(敬称略) 1.意識改革:アルベルト・トゥーリ・アクセル 2.基礎体力訓練:アルベルト・イネス・アクセル 3.個別の訓練:アルベルト・アルベルト・イネス 4.模擬戦:アルベルト・アクセル 5.まとめ:トゥーリ