【初夢】冒険者、トーキョーで探偵となる?

狐野径

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シナリオID:446

オープニング

 ※このシナリオは「夢オチシナリオ」です。シナリオ内容は架空のものであり、アニエピカの世界観に一切影響を与えません。報酬は冒険者ギルドからのお年玉です。

●事件は起こった
 魔物を追っていた冒険者たち。
 森の近くで見失う。
 太陽が落ちつつあり、影が長くなる。
 逢魔が時……とでもいう時間だろうか?
 魔物はどこに行ったのか、一旦近くの村に戻るべきか、悩ましい状態だった。
 近くの茂みが揺れる。
 まさか、魔物か? と考えた。
 スキルで確認しても良いし、できなくてもいい。
 どっちにしろ、現れたのは、旅人姿のハーフビーストの青年だったから。
 それは勢いよく飛び出した。
 それに対して、攻撃を反射的にした者もいたし、寸前で止めた者もいた。
「うわぁっ」
 青年は悲鳴を上げ、回避したが冒険者の誰かと接触する。
 その上、勢いがありすぎて、冒険者は不意打ちで崖に吹き飛ばされかかる。
 青年は慌てて踏ん張り、突き飛ばした相手の服の一部をつかむ。
 状況に気づけた冒険者が吹き飛ばされた仲間をつかもうとして手を伸ばしたが、目測を誤り、突いた。
 ここにいる全員が崖の下に落ちる……ことは免れたが、団子状態で倒れ、その上、斜面を少し転がった。

「わおーん」

 逃げ回っていた魔物がやってきて、冒険者の団子の上に もっふんという音で着地した。
 着地したは良いけれども、足元がぐらつく所だったため、魔物は転んだ。

●ココはドコ、これからどうする?
「おい、大丈夫か? 何やってんだてめーら」
 黒い三つ揃えのスーツに、帽子をかぶった若い男が一行を見下ろしている。
 記憶にある最後に見たハーフビーストに似ていると思うかも知れない。なお、ウル・ヘルバと面識があれば、似ていると気づける。
 しかし、目の前にいるのは、人間(ヒューマン)の青年だ。
「で、あんたら、どうした? 警察と救急車呼んでおいたぞ」
 青年は淡々と言うが、冒険者一行、首を傾げるしかない。言葉は分かるが、単語の意味がわからないのだ。
「てか、中毒? 頭がおかしい? 薬(ヤク)か?」
 冒険者一行、きょとんとして青年を見る。
「記憶喪失? ここがどこか分かってるか?」
 首を振る一行。
「まじかよ。東京、新宿、都庁前、だ」
 トウキョー、シンジュク、トチョーマエ、と反芻した冒険者たちに、彼は眉を寄せた。
「あ、警察来た。じゃ、俺はこれで」
「てか、経場(ヘルバ)、逃げるな。なんで、すぐ人拾うんだ」
「俺は善良な区民だぜ?」
 青年はよく分からない物に乗ってきた男と話している。
「事情を話せば、記憶がないらしい上、ここにいるらしい」
 手をひらひら青年は立ち去ろうとした。
 が、がっちり男に肩を押さえられ「手伝え」と言われている。
「いやいやいやいや、俺がすることなんてねぇだろ?」
「探偵屋」
「探偵のする仕事じゃねー!」
「まあ、事情は聞いておくけどよ?」
 すったもんだの末、ケイサツという人たちは立ち去り、経場と言われた青年と冒険者のはずの一行が残される。
「……ちょっと待ってろ」
 経場と言われた青年は、ポケットから四角い黒い板を取り出し、耳に当てた。
「社長(ボス)、実は……まあ、はい……いや、それは……? え、とりあえず……あー、分かりました」
 何をしているのか不思議がって冒険者たちは見ている。
 彼の行動が不思議だが、周りに人間は気にしていないようだ。むしろ、同じような黒い板を見ながら歩いていたり、やはり、耳に当てて話しながら歩いている人もいる。
「てか、行くとこねーんだろ? とりあえず、社長がうちで状況分かるまで面倒見るってさ。はぁあ」
 ついていくのが良いようだ。
 互いに自己紹介をする。青年は経場・潤と名乗った。
 たどり着いたのは、新宿区にあるアパートという建物だった。見たことがない素材で作られた建物だ。
「部屋は二人一組な。一応、風呂とトイレもあるからな。ガスは……」
 説明されるが、さっぱり理解ができない一行。
 それを見た潤の頬が引きつった。
「あああああああああああああ」
 絶叫のあと、基礎知識講座が開かれる。冒険者はそれ以降もこの世界のことを順次教わるのだった。

●当面の仕事
 新年も開けたある寒い日、東京・新宿で探偵社の雑用係として、働く冒険者たち。
 書類を運んだり、まとめたり。どこそこに届けたりそのような仕事。
 街を歩くのも大変だし、電車やバスやら知らないものがたくさんあるし、毎日が大冒険だった。
 一週間経つと順応したり、しなかったり?
 仕事の途中、寄り道をしてみたり、探偵社の社屋で粛々と仕事をして、昼休みはランチに行ってみたり?
 冒険者らしくない、生活があるのかもしれない。
 でも、魔物のことも気になる。
 ここに来る前に魔物を追っていたような記憶がある。
 必要ならば、魔物について情報を集めてみてもいい。ただ、パソコン、使うの、大変ですよ?

「あれはなんだろうなぁ?」
 潤は首をかしげる。
 高いビルの上から見下ろす公園の中に、一頭の大きな獣のようなものがいるのが見えた。
「モフモフだなぁ……」
 直径二メートルくらいの毛玉に見える。
「悪夢だ! いや、違うなぁ……危険、か? まあ、俺がどうこうするのではなく、警察だな」
 潤は素直に端末を取り出し、警察に連絡した。

 そんなこんなで、冬の寒いある日の昼が過ぎていく。

解説

●状況  魔物を討伐……のはずが、異世界に転移?  たいへーん!  でも、親切な人が助けてくれて、生活はできそう。  住まいは畳で二つの部屋があるアパート。  小さな台所、レイゾウコ、風呂トイレ付。  ショーワの香りがするところ。  どうやって戻れるんだろう?  あの魔物はどうなったんだろう?  東京にちょっと慣れてきた、一週間たった、冬の一日の物語――。 ●目的  寒い冬の平日の一日を過ごす。  現代日本が舞台で、探偵社があるのは東京都新宿区、西新宿の雑居ビル最上階。  それなりの人数が働いているようだ。  空は青空、風は大変冷たい。  任されている仕事は、屋内なら書類の整理、屋外なら書類運びとか。  朝は9時に出社して、17時に終了。昼休みは適宜1時間、残業なし。 ●外見の問題  ヒューマン以外の方はヒューマンになってます。  ただし、何らかで戦闘が発生すると、本来の姿としてエルフなり何なりに戻ります。  そのときはスキルも使えます。 ●ウル・ヘルバ似の青年  経場・潤(へるば・うる)というらしい。  とりあえず、乗りかかった船で手助けしてくれるかも。  探偵という職業らしい。  リプレイでは必要に応じて登場すると思うし、絡んでもいいし、絡まなくてもいい。

マスターより

 こんにちは、狐野径です。  新年あけましておめでとうございます、というところですね。  さて、夢か……『東京インソムニア』もいいねぇと考えた割には、違う状況になりました。  私が好きそうなものがちらりほらり見えるかもしれませんが、見えたら見えたで生暖かく見守ってください。お口に合えば幸いです。  魔物を積極的に追う必要もありませんが、追ってみるというのも一つの物語です。  追わないなら追わないで、それも一つの物語です。  どちらに偏っても、偏らなくても構いません。  この冬の日をどう過ごすか……良き、東京ライフを!  では、今年もよろしくお願いします。

リプレイ

●あれから……
 キリクは「もうここにきて一週間になるのか」とカレンダーを見て思った。
 この暮らしに早く順応できるように頑張っている。
 オッドアイが目立つと気づいて、赤い右目は前髪をおろし、隠している。
 妙な視線をもらうことはないが、「キタロー」というあだ名があることに気づいた。
 何か分からないけれども、悪い物ではないらしいのは伝わっていたので、ひとまず受け入れていた。

 フリーダ=ブロムヴィストはこの世界に適応はしていた。
「とはいえ、私たちは異世界人。どうにか帰る手段を探さないといけません」
 どうすればいいのかは手探りであるため、期待しすぎも良くないと考えていた。
「今は仕事を頑張りましょう」
 フリーダの一日が始まった。

 ティラミス・ノーレッジは鏡に映る自分を見て、違和感と納得があった。
「もしかして元いた世界より過ごしやすいのではないか……?」
 仕事に出る準備中、疑問が不意に湧く。
「居心地が良くとも、世界にとって異物であることは変わらないし、影響がないという確証もない」
 手がかりは探さないとならないのだ。
「向こうでやることも残っているしな。とっとと解決して帰ろうぜ」
 元の世界の最後の記憶が、手がかりだろうと考えた。

 御邑 都と御邑 奈月、姉妹は仲良く同じ部屋に住む。
 都の方は、順応が早い。
「月ちゃんと一緒にいつの間にか異世界にぃー♪ よくわからないけど、まったく違う世界だよねぇ。面白ーい♪」
 一方で、奈月は都にしっかりついて行動する。
「異世界の生活は、怖いことや緊張することばかりです。七日経ちましたが、まだまだ生活には慣れていませんね」
 まずは、助けてくれたはずの、経場・潤が怖かった。
「でも、都お姉ちゃんと一緒なので不安はありません♪」
 信頼の目で都を見る。
「ん? 住む世界が変わっても月ちゃんは月ちゃんだし、僕は僕だよぉ」
 都は奈月を安心させる温かい笑顔で言う。
 二人は探偵社に向う。

 アルラ・ニグラスとララベル・サン・ディーベル、テュリン・ヴィングの三人は同じ部屋で暮らす。
 元々同じ宿に泊まる仲間であり、アルラとララベルが恋人、テュリンが幼なじみや友人という関係。
「エルフの里から年に移る人とか、こんな心境なのかしら……」
 アルラはここに「住めば都」となじみ、体裁だけでも整える。
 ララベルは「ここは馬のない鉄の馬車や、高い問うがそびえ立つ所だけど、一緒に戻りたい」と思っている。
 そのため、アルラもテュリンも戻る手段を探すつもりでいる。
「一緒に元の世界に戻る手段を探すわね。まぁ、私としては帰れなかった時はその時で……とは考えているけど、ベルがやる気になっているし手伝わない理由はないわね」
 テュリンは幼なじみのことの意見を尊重する。
 三人は順応しつつ、手がかりを探すのだった。

●夜やその日や
 ティラミスは魔物探しを夜にすることにする。
「あまり遅くまで遊び歩いていると明日の仕事がつらくなるからほどほどに、だな」
 あのような魔物はここでは珍しいのは、しばらく情報を見ていればわかった。
「聞き込みや情報を集めれば、大体何とかなりそうだな」
 前向きに考える。
 まずは、探偵社やティラミスたちの宿となっている近辺から聞き込みを開始した。

 その日は図書館に行って調べ物をする手伝いに行く。
 言葉が通じるため、調べ物の相談に乗ってもらうのも困らない。
 司書と話をして、その資料を見つけてもらう。
「早いっ」
 資料を手に、言われていた必要な部分はコピーを頼む。
「そうだ、戻る際に土産でも持って帰りたいな。酒とか」
 思ったがすぐに「無理だろうけどな!」とつぶやく。
 どう戻るかがわからないため、そのタイミングに持っていられるかわからない。
「でも、作り方とかレシピとかを頭の中に突っ込んで帰れるか……なら……試すのも悪くないだろ?」
 ティラミスは図書館にいるため、酒類の情報を集めるのだった。

●過剰防衛
 フリーダは探偵社で早朝に書類の授受を頼まれたため、電車に乗って出かける。
「それにしても、この世界のデンシャという乗り物はすごいですね」
 説明を聞いて実際乗っても、ただただ感心する。
「あのようなレールの上を走るだけで恐ろしく速い馬車は見たことありません」
 時間帯がラッシュアワーのため、非常に満員だ。
 探偵社の人間も「色々あるから気を付けて」とレクチャーはしているが、それが生かされるかは分からない。
 フリーダはこの時間帯の人の多さに、目を丸くする。
 走り込んできた電車を見て、戸惑った。人がすでにかなり乗っている。
「待った方がいいのでしょうか?」
 悩んでいる間に、ホームからの人の流れに乗って、車内に入る。
「あ、足がどこか遠くに……」
 床に足が届くか不安になるくらい、流されている。
 扉が閉まり電車が動き出した。
 何駅かして、若干人は減るけれども、おしりや胸が不自然に触られる。
(多いから仕方がないことですよね。いえ、応戦すればいいことですね!)
 電車が止まった瞬間、素早くその人たちの手をつかみ対処した。
 結果から言うと、フリーダは的確に痴漢を落としたり、混雑の状況から巻き添えが発生した。

 痴漢は痴漢で目撃者もあったし、駅員や警察がどうにかする。
「……でもね、お嬢さん、過剰防衛はだめだよ」
 警察の人に説明と小言、説教というコンボを食らう。
「……理不尽です……」
 しょんぼりするのだった。

●幸せ、昼ご飯!
 キリクは探偵社の中の仕事を手伝う。
 今日は雑誌を束ねることになる。
「この雑誌はなんだろう……パン……へぇ」
 中を見て、感心する。おなかすいたのでふと時計を見ると、昼休みだった。

 近くの商店が並ぶところは、昼食となると人がたくさん増える。肉や油、料理の匂いが漂うのも特徴だ。
 そのような中、鼻孔をくすぐり、胃袋を優しく刺激する匂いに気づいた。その匂いの先に向う。
「おでん? これにしよう」
 店を見ると、具が種類がいくつもあった。どれを選ぶのか難しい問題に直面する。
「大根と卵と、はんぺん? と……お勧めで」
 キリクは具がよくわからないのだから、お勧めでいいと気づいたのだ。
 汁もこぼれない容器に入れてもらい、それを持って探偵社に戻る。
 大根は歯を載せただけですっと切れ、噛むと出汁がじわりとにじみ出る。
 さらにぬくもりが口の中で広がり、飲み込むと胃袋から五臓六腑に広がる。
「ああ……」
 キリクの口から至福の溜息が漏れた。
 続いては練り物を食べる。形の違う物が三種類ほどあるが、野菜が入っていたり、なめらかだったりそれぞれ味が違った。
「これは? 灰色で長細くて……柔らかい、出汁の味がしておいしい」
 食べ物として売っているのだから、食べられると分かっていても見慣れないとドキドキするのは仕方がないかもしれない。
 おでんを完食するころには心も体もぽかぽかだった。

●毎日が冒険
「おー、すっごく不思議な世界だよね。石と鉄の建物が多い!」
 都は通勤中、超高層ビル群を眺め、何度も世界が違うと感じるのだ。
「う、うわ……」
(月ちゃんはこの世界にまだ慣れてなさそうで不安そうだなぁ。僕は月ちゃんのお姉ちゃんだから、護らないとぉー! 頑張るぅー!)
 都は奈月をそばに寄せる。
 奈月はほっとした様子を見せた。
「ところで、月ちゃん、一緒の会社なんだっけぇ?」
「……え? ――探偵社ですよ」
「あ、そうだ、探偵社だ! ありがと月ちゃん」
 都に礼を言われて、奈月は照れるのだった。

 都はお茶くみや電話番を主に請け負う。
 どちらも言われた手順はあるけれども、ただそれではいかないらしい。
 電話には呼び出し音、ワンコールには出るスピードだった。
「はぁーい、――探偵社でぇーす。どういったご用件でしょう?」
 都は元気いっぱい、丁寧に【洞察】しつつ【話術】を生かして話す。
「なるほど……それでは、担当の者に替わりますねぇ♪」
 都はメモを取り、内線を回す。
 その取ったメモの内容をきちんと伝えることは忘れない。

 奈月は資料庫の作業は嬉々として行う。
 場所が限られていること、資料庫の職員は穏やかな人だし、何より書類をまとめたりする作業は好きだった。
 場所を覚えるだけでなく、的確に探すという技術がいる。
 【記憶力】や【資料検索】が遺憾なく発揮される。
 資料を探して必要な物をわかりやすいように適宜まとめる。
 作業が早いため、褒められることもある。
「は、はい……、あ、えと……ありがとう……です♪ はい……」
 都がそれを見ていて、さらに褒めてくれる。
「お姉ちゃん……も。ありがとう、これから、もっと頑張る……♪」
「そうだ。さっき、もらったお菓子、お茶淹れるから食べよう。適度に休憩しないとね」
 奈月は都にうなずき、職員に声を掛け、離れるのだった。

●三人組とタワー
 アルラは世界のあり方を「そういうものだ」といって受け入れる。
 とはいえ、バスや電車に乗った時、美貌や容姿故のハプニングがあることは嫌だった。
 その件に関しては、身元引受人となっている潤が「問答無用で警察に突き出せ」と言っているため、何かあれば自身や仲間とともにどうにかしていいらしかった。
 なお、服装やら環境やらで暑く感じられ、部屋で薄着をしてララベルをからかうのは日常となっている。
 さて、仕事はあるため、しっかりと勤める。
「探偵社の仕事って意外と噂集めになるのよね……」
 仕事内容を理解した頃、思った。
 魔物探しにも役立つだろう。それなら、潤に協力を仰ぐことも視野に入れる。
 そして、潤に魔物がいることや、その形状など話した。それはあっさりと理解してくれる。
「形状が、もこもこ、ねぇ」
「直接見てないのよ」
 アルラの言葉に、潤が溜息を漏らした。

 ララベルは前日、二人と離れて寝ていたはずなのに、大変密着された状態で目が覚めた。
「はわわわ」
 顔を真っ赤にして、慌てて飛び起き、洗面所に逃げた。
 いや、顔を洗う等の準備があるから、逃げたというより、一番に使う権利を得に走ったといえる。
 昼間は探偵社で仕事をする。
 各種新聞が置いてあるため、その整理だった。この世界のことを知ることでもきるし、一石二鳥の仕事だ。
 ララベルが作業する部屋はテレビも置いてあり、常時付いている。
「どんな魔法なのか、中に小人がいるんだろうけれども……」
 情景がすぐ変わったりするし不思議である。
 情報に魔物に関してのものがあるかもしれないから、テレビはよく見ることにした。

 テュリンは毎日起こるハプニングを冷静に対処する。
 アルラの仕掛けるからかいに対して、ララベルが大変素敵なくらい反応してくれる。
 日常だからこそ、なだめたりツッコミを入れたりするのだ。
 さて、探偵社での仕事は色々ある。戦いがないというだけで、冒険者生活を思い出す。
 その上、情報が集まると、魔物についても調べられそうだった。
 探偵社のテレビを見つつ、アパートにあるのと大きさは違うけれども、どちらも「どういう原理かしらね」と思う。
 情報が手に入り、便利だということは良い。
 ただし、ララベルが徐々にテレビの影響を受けているのにテュリンは気づいた。
 順応していると喜べばいいのか、テレビに振り回されていると嘆くべきか悩ましい状況だ。

 三人は午後、調査のため外出する。
「テュリン姉、事件だよ」
 嬉々とした顔のララベルは、テュリンに淡々と言った。
「で、事件なのはわかったから、とりあえず、どうしたいのかしら? なじんでいるのはいいのだけど」
 テュリンはララベルがテレビで見た物をまねているというのを理解している。
「ベル、どこにいくの?」
 アルラが先を促した。
「アルラ、テュリン、僕、あの高い建物から顔出している赤い塔がずっと気になってて……あの上から見たら何かつかめるかも?」
 それが何かはあらかじめ調べてある。
「アルラ、テュリン姉、信じる心は力になるんだ、皆でロスガリア大陸に戻ろうよ!!」
 ララベルは赤い塔の側で二人に言った。
 二人はきょとんとする。
(もしかして順応して、こっちの方がいいのかな)
 ララベルがおたおたし始める。
 アルラは空を見上げ、テュリンはこめかみを抑える。
「何を信じるかわからないけど、戻るのよ」
「この間見てたアニメに出てくる子が言っていたセリフでしょ。帰れるのはそれでいいけど、感化されすぎよ」
 苦笑しつつ突っ込むテュリンの言葉にアルラがうなずいた。
 ララベルが頭をかいた。

●直前
 ティラミスは探偵社から出て、魔物探しでどこに向かうか考える。
 目立つならもっと話題になるような気がした。
「公園とか……?」
 調査方針を定め始める。

 都と奈月は帰路につく。太陽が落ち始めるちょっと前だ。
 二人は夕食をどうするか話ながら歩く。
 携帯電話が鳴った気がして、二人はビクリとなる。

 キリクは帰る途中、渡されていた携帯電話が鳴った。
「え、なんだろう?」
 カバンから取り出したが、手から滑る。

 フリーダは探偵社に戻る際、探偵社にいる人に差し入れを買おうとした。
 人混みを魔物と思われる影が通った気がした。
「ケイタイデンワで応援を頼みましょう」
 ただ、追いかけることと、端末の操作は同時にできなかった。

 アルラとララベル、テュリンはタワーに登ろうとチケットを買っていた。
「あれは?」
 ララベルがそれ気づいた。
「連絡とるわ」
「追おう」
 アルラとテュリンは言う。

 不意に、魔物を見た者たちは戦いとなっていた。
 アルラは攻撃を回避し、攻撃を仕掛けた。
 ララベルは【トリプルファング】で攻撃する。
「考えるのはあとね」
 テュリンも続いた。
「間に合いましたっ!」
 フリーダも加わる。

 なんだかんだで魔物は討伐完了した。

 冒険者全員、目の前が真っ暗になった。

●あれ?
「……ってーかっ! てめーら、いつまで寝てんだよっ!」
 ウル・ヘルバの不機嫌きわまりない声が森の中で響き渡った。

 フリーダは「何があったんでしたっけ?」と目をこする。
 テュリンが「何かあったような記憶あるけど」というと、「なんかいつも通りだったよ」とアルラが言う。
 ララベルはウルを見て何があったか、思い出そうと必死になる。 

 キリクはウルの声に驚く。
「うわっ……あ、あれ?」
 おいしい物も食べた気がしたが、全て夢だったらしい。
 ティラミスはがばっと起き上がると「おいしそうな何かを覚えた気がするのにっ!」と呻いた。

「あふっ、おー? おはよー、月ちゃん♪」
 都は奈月を抱き枕として寝ていた。
「……? ……??」
 奈月は姉とどこか不思議なところで一緒に生活をしたような記憶がうっすらある。
 夢だったらしいが……。

 頭を抱えているウルに、冒険者たちは現状の説明を求めることになるのだった。

マスターコメント

 どのようなことになるのか、シナリオ出した本人が一番ハラハラしていました。  個性豊かな行動でした。  字数大変オーバーして、カットしたところに今回の設定とプレイングの狭間がかなりありました。  致し方がありません。  ご参加ありがとうございました。  ご縁があれば、よろしくお願いします。
ショートシナリオ

ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 4〜8人

2021年01月19日 11時11分00秒 公開

成功

相談掲示板

  1. フリーダ=ブロムヴィスト

    ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 東京という異世界に来てしまいましたね。どこも石の様な建物ばかりで驚きの連続です。 とりあえず魔物もこちらに来ている可能性は極めて高いと思われますので、 魔物を探してみる事にしてみます。 具体的な方法についてはもう少し煮詰めてみますね。

  2. 御邑 奈月

    な…御邑…奈月で…す。よ…よろしくお願いしまふ…。(ぺこぺこ) 私達…の馴染ん…だ世界…とは、全く…違う…雰囲気…と文化…をもつ…世界の…よう…です…。 えと…姉の…都お姉…ちゃん…と…一緒に…事務…のお仕事…をしていよう…と思い…ます。

  3. 御邑 都

    御邑都ってゆーんだぁ~♪ よろしくお願いねぇー。(挙手) 妹の月ちゃんも言ってるけどぉー一緒にお仕事頑張ろうと思うー!!

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0