【初夢】究極生命体アンゴルモア
ゆうきつかさ
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シナリオID:438
オープニング
●パラケルス研究所
……それは奇妙な夢だった。
「ようやく目を覚ましたか! 何か失敗したのではないかと、ヒヤヒヤしたぞ! いやあ、良かった、良かった! とりあえず、死んでいない。無事……生きている!」
研究者パラケルスの叫び声と共に目を開けると、そこは診察台の上だった。
だが、自分がどうして、この場所にいるのか。
一体どういった経緯で、こんな事になっているのか、まったく分からなかった。
「現在、人類は未曽有の危機に瀕している! そして、君達は人類の希望だァ!」
そんな空気を察したのか、パラケルスが指をパチンと鳴らした。
その途端、奇妙な生物が壁一面に映し出された。
その生物は、とても巨大で、自らの力を示すようにして、辺りのモノを破壊し、人々に襲い掛かってきた。
それに対抗するようにして、冒険者達が奇妙な生物に戦いを挑んでいるものの、まったく歯が立たず、次々と地面に突っ伏していた。
「見ての通り、このままでは世界が滅ぶ。そこで君達に改造手術を施した」
これまた唐突にパラケルスが、ぶっちゃけた。
そもそも、合意していない。
何もかもが、初耳だった。
そう叫ぼうとした瞬間、パラケルスが取り出したのは、契約書であった。
そこには自分のサインが書かれており、いつの間にか改造手術に合意した事になっていた。
「いわば、君達が最後の砦! 君達がやらねば、誰がやる!」
その間もパラケルスが、捲し立てるようにして、説明を続けていた。
壁に映し出されている生命体の名は、究極生命体アンゴルモア。
独自の進化と再生と増殖を繰り返し、いまや世界の大半を収めたようである。
「……とは言え、まったく希望が無い訳では無い。奴のコアを叩けば、すべて解決、まるっと収まる! そうしなければ、吾輩の失……いや、何でもない。とにかく、何処かのバカが作り出した生命体を倒して欲しいという訳だ」
パラケルスが途中まで言いかけた言葉を飲み込み、それを誤魔化すようにして叫び声を響かせた。
「……安心しろ。何も悩む事はない。君達の身体は、既に改造済みだ。究極生命体と戦う為に必要な装備が、すべて身体に内蔵されている! だから、迷うな! 戦え! 未来を掴むために!」
そう言ってパラケルスが拳をギュッと握り締め、叫び声を響かせた。
……それは奇妙な夢だった。
「ようやく目を覚ましたか! 何か失敗したのではないかと、ヒヤヒヤしたぞ! いやあ、良かった、良かった! とりあえず、死んでいない。無事……生きている!」
研究者パラケルスの叫び声と共に目を開けると、そこは診察台の上だった。
だが、自分がどうして、この場所にいるのか。
一体どういった経緯で、こんな事になっているのか、まったく分からなかった。
「現在、人類は未曽有の危機に瀕している! そして、君達は人類の希望だァ!」
そんな空気を察したのか、パラケルスが指をパチンと鳴らした。
その途端、奇妙な生物が壁一面に映し出された。
その生物は、とても巨大で、自らの力を示すようにして、辺りのモノを破壊し、人々に襲い掛かってきた。
それに対抗するようにして、冒険者達が奇妙な生物に戦いを挑んでいるものの、まったく歯が立たず、次々と地面に突っ伏していた。
「見ての通り、このままでは世界が滅ぶ。そこで君達に改造手術を施した」
これまた唐突にパラケルスが、ぶっちゃけた。
そもそも、合意していない。
何もかもが、初耳だった。
そう叫ぼうとした瞬間、パラケルスが取り出したのは、契約書であった。
そこには自分のサインが書かれており、いつの間にか改造手術に合意した事になっていた。
「いわば、君達が最後の砦! 君達がやらねば、誰がやる!」
その間もパラケルスが、捲し立てるようにして、説明を続けていた。
壁に映し出されている生命体の名は、究極生命体アンゴルモア。
独自の進化と再生と増殖を繰り返し、いまや世界の大半を収めたようである。
「……とは言え、まったく希望が無い訳では無い。奴のコアを叩けば、すべて解決、まるっと収まる! そうしなければ、吾輩の失……いや、何でもない。とにかく、何処かのバカが作り出した生命体を倒して欲しいという訳だ」
パラケルスが途中まで言いかけた言葉を飲み込み、それを誤魔化すようにして叫び声を響かせた。
「……安心しろ。何も悩む事はない。君達の身体は、既に改造済みだ。究極生命体と戦う為に必要な装備が、すべて身体に内蔵されている! だから、迷うな! 戦え! 未来を掴むために!」
そう言ってパラケルスが拳をギュッと握り締め、叫び声を響かせた。
解説
物語の流れとしては、出撃、戦闘、勝利です。
▼基本情報
自己再生、究極進化、無限増殖。
コア部分を破壊すると、消滅。
パラケルスの失敗作。
証拠隠滅のため、破壊される運命にある。
改造された身体
凄く速い。
何故か飛べる。
色々なところからビームも出る。
変身できる、格好いい。
他にも機能があるらしい。
マスターより
どうも、ゆうきつかさです。
このシナリオは、何でもアリです。
改造された事によって得た能力なども、自由に設定できます。
ただし、他の参加者の迷惑にならないようにしておきましょう。
他のプレイングと相違がある場合は、こちらで何となく修正する事もありますが、とにかくノリと勢いで行きましょう。
※このシナリオは「夢オチシナリオ」です。シナリオ内容は架空のものであり、アニエピカの世界観に一切影響を与えません。報酬は冒険者ギルドからのお年玉です。
リプレイ
●人類最後の日
世界は未曽有の危機に瀕していた。
究極生命体アンゴルモアの出現によって、世界の大半が焦土と化し、人類の大半が命を落とした。
「……ってナニコレ!」
そんな中、ガーネットが目を覚ましたのは、パラケルスの研究所であった。
しかも、目覚めた場所は、カプセルの中。
いつの間にか、全裸にされ、液体の中に浸かっていた。
この時点で『責任者は誰よっ!』と叫びそうになったが、その当人はガーネットの目の前で、不気味な笑みを浮かべていた。
「こっち見んな! ぶっ殺すわよ!」
その視線に気づいたガーネットが、激しい殺意と共に、カプセルをブン殴った。
それと同時にカプセルが木っ端微塵に砕け散り、大量の液体が室内に広がった。
「ぬわはははっ! それでいい! これで、ようやく世界を救う事が出来る! 何故なら、お前が……いや、お前達が世界の希望なのだから!」
その姿に満足したのか、パラケルスがご機嫌な様子で、キッパリと言い放った。
だが、まったく意味が分からない。
一体、どのような経緯を経て、こんな事になっているのかさえ、理解不能であった。
「……って、まさかあたし達の身体に何かしたの! ねぇ、何をしたの! 嫁入り前の身体なのに……! 物凄く体に違和感があるんだけど! 答えなさいって!」
アリエッタが驚いた様子で、パラケルスをガツンとドツいた。
「ぐはっ!」
その途端、パラケルスの身体が、床にズボッとめり込んだ。
「……えっ?」
これにはアリエッタも驚き、自分の拳を二度見。
どうやら、寝ている間に、何かされてしまったようである。
「まぁ、あれだ。お前達の身体に改造を施した。ただ、それだけの事だ」
パラケルスが頭から血を流しながら、小さくコホンと咳をした。
どうやら今までにも改造された者がいたらしく、同じような説明をしたらしい。
そこでようやく自分達がアンゴルモアを倒すため、改造された事を知った。
「ははっ、まさか改造されていたとはねぇ……」
レイ=レーベンス=レックフォードが未だに現実を受け入れる事が出来ない様子で、乾いた笑いを響かせた。
一体、何からツッコむべきか、脳内で会議が始まっているものの、小さなレイ達の頭上に浮かぶのは、沢山のハテナマークであった。
(でも、改造されているのなら、胸も大きく……なってない!)
そんな中、アリエッタが自分の胸を、マジマジと見た。
だが、何の変化も起こっておらず、気持ちはどんより、ずーんであった。
「まあ、アンゴルモアを倒したら、元に戻してやろう。吾輩には、それだけの技術があるからな! だから、頑張ってくれ」
パラケルスが俺様モード全開で、物凄くイイ笑顔を浮かべた。
この時点で、拒否権はなし。
そのノリと勢いから考えて、体内に自爆装置を埋め込まれていても、おかしくないような状況であった。
「……はっ! 何よ、それ! まさか、そんな事のために改造したの? 信じられないー! それに、そんな話、聞いて……」
アリエッタがそこまで口にして、パラケルスが突き出した契約書に気づいた。
そこには『パラケルスに逆らわず、アンゴルモアと戦う事を誓う』と書かれており、アリエッタの筆跡で、きちんとサインが書かれていた。
しかし、まったく記憶にない。
サインを書いた覚えもない。
それでも、自分の筆跡である以上、納得した上でサインをしたはず。
その記憶がスッポリと抜けているため、嫌な汗が止まらなくなった。
「……何もかもわからない事ばかりだ。だが、確かな事もある。――このままでは世界が滅ぶ――。――今、まさに襲われている人間がいる――。ならば、どんなに疑問があろうとやることは、ひとつ」
レイが覚悟を決めた様子で、キリリとした表情を浮かべた。
既に、脳内にいる小さなレイ達も、覚悟完了。
どうやら、このまま考える事よりも、アンゴルモアと戦う事を優先したようである。
「……というか、貴方は誰なんですか!? いままでお会いした事がありませんよね!?」
そんな中、シモン=プレーディがトレードマークであるメガネがズリ落ちる程の衝撃を受けつつ、パラケルスにツッコミを入れた。
この時点で、理解の限界を超えているため、色々な意味で白旗状態。
何かヒントが無ければ、考える事さえ出来ないような状況であった。
「まさか改造されたショックで、すべてを忘れてしまったのか!」
その言葉にショックを受けたパラケルスが、シモンとの思い出が詰まったアルバムを開いた。
そこにはシモンが生まれた時に描かれた絵(顔は今のまま)や、学生時代の絵、パラケルスの助手として、実験を手伝っていた時の絵が貼られていた。
だが、何ひとつ記憶にない。
しかも、どれも不自然(特に顔の部分)!
その事に違和感を覚えたせいか、何ひとつ信じる事が出来なくなった。
「いや、こんなインパクトのある変態……は言い過ぎかも知れないけど、まったく記憶にないから……! そもそも、生まれた時の絵なのに、顔も今と同じだし、メガネも掛けているっておかしいでしょ!」
その事に気づいたシモンが、捲し立てるようにして、ツッコミを入れた。
「いや、これで間違いない。何故ならメガネは顔の一部。お前が誕生したのと同時に、メガネも産声を上げたのだから……」
それでも、パラケルスは自らの非を認めず、手当たり次第にツッコミを掴んで、袋の中に押し込んで亡きモノにした。
「その時点で、おかしいよね? そもそも、メガネが産声って……」
そう言ってシモンがメガネを触った瞬間、『オギャー!』と泣き声をあげ、怪光線が解き放たれた。
「……な?」
パラケルスがドヤ顔で、シモンの顔色を窺った。
「いや、『……な?』じゃないから! しかも、このメガネ……外れないんだけど……。あー、あー、それで……」
シモンがパラケルスの言葉を途中で理解し、嫌々ながら納得した。
しかし、これですべてを理解した。
アンゴルモアを倒さない限り、メガネが外れる事は……ない!
「聞けば聞くほど殺意が湧いてくるのだけれど……!! まあ、いいわ! どこかのバカの作ったバケモノを倒せばいいのよね。あんたの為に戦う義理は全くないんだけれど……」
その間に、ガーネットがカーテンを羽織るようにして身体を隠し、激しくこめかみをピクつかせた。
何からツッコんでいいのか分からないほど、ツッコミどころが満載ではあるものの、怒りの感情に身を任せて、パラケルスの命を奪う事は、得策ではないように思えた。
それにパラケルスの命を奪えば、元に戻る希望すら無くなってしまうため、必死に怒りを抑えているようだ。
「まあ、口車に乗るのは、いささか業腹ではあるが、ここで動かないわけにはいかないなっ!!」
レイが自分自身に言い聞かせるようにしながら、自らの肉体にオーラを集め、それを騎士の鎧に変化させた。
その影響で脳内のレイ達もバトルスーツを身に纏い、いつでも戦えるようになっていた。
「確かに、こうなった以上、仕方ないか……。いくわよ、みんな!!」
ガーネットも半ば諦めた様子で、仲間達に声を掛けた。
例えここで断ったとしても、世界の大半が焦土と化しているのだから、遅かれ早かれ、アンゴルモアと戦わなければならない状況。
それ故に、迷っている暇などなかった。
「まったく、誰よ! 世界がこんな風になるほど、酷いモノを作ったお馬鹿さんは! と、とにかく倒さなきゃいけないのなら行くよ! あたしの動きは疾風! 誰にも止められないよ!!」
アリエッタもイラついた様子で、勢いよく空に飛び立った。
それに続くようにして、仲間達も次々と空に飛び立つのであった。
●究極生命体アンゴルモア
アンゴルコアにとって、視界に入るモノすべてが敵であり、破壊の対象であった。
その過程で肉体が何度も増殖と進化と再生を繰り返し、山のような大きさになっていた。
その姿は異形そのものであり、出来の悪い粘土細工のようでもあった。
「アンゴルモア、だったか? 私は騎士レイ=レーベンス=レックフォード……いや、今の問答無用で飛べたりしている私が騎士であっていいのかは正直疑問ではあるが……それはいい。貴様を破壊する男の名だ。覚えておくがいい!!」
そんな中、レイが上空からアンゴルモアを見下ろし、力強い口調で自ら名乗りを上げた。
「グガァァァァァァァァァァァァァァァ!」
その途端、アンゴルモアが、まるで飛んでいる蚊を叩き落とす勢いで、無数に伸びた触手を振り回し、口から超極太のビームを放ってきた。
「……って、ちょっと! せめて全員名乗るまで待ちなさいよ! なんで空気を読まないの!」
ガーネットが苛立ちを隠せない様子で、アンゴルモアを叱りつけた。
だが、アンゴルモアはまったく気にしておらず、ガーネットを叩き落す勢いで触手をブンと振り下ろした。
「ええい、悩むのは後! 今はどこかの大馬鹿さんがつくったきゅーきょくセイメイタイとかいうのをバラバラにしないとね! それはそれとして博士は後で殴るよ! 超殴るっ!」
アリエッタが翠に色づいた風を操って加速し、竜巻を起こしてアンゴルモアの身体を切り裂いた。
しかし、アンゴルモアは物凄い勢いで再生し、アリエッタめがけてビームを放ってきた。
「もう怒ったんだから! いまさら後悔したって、手遅れよっ!」
それに対抗するようにして、ガーネットが変身してレオタードのような強化スーツを身に纏い、悪役テイストなツノの生えたアイマスクを装着した姿になって、アンゴルモアの放ったビームを消滅させた。
「ぼくの日常をかえせ――!!」
その隙をつくようにして、シモンも半ばヤケになりながら、アンゴルモアを殴りつけた。
「それじゃ、行くわよ! ブラック・フレイム・シューティングスター!!」
ガーネットも同じようにパンチを繰り出し、アンゴルモアの身体を殴りつけた。
その途端、アンゴルモアの身体が、驚異の再生能力で、時間を巻き戻すようにして元に戻っていった。
「ちょっと博士ー! キリないんだけど、弱点とかないの!?」
それを目の当たりにしたアリエッタが、ブルーな気持ちになりながら、困った様子で大声を上げた。
「コ、コアだ! コアを狙うのだ!」
パラケルスが円盤状の乗り物に乗ったまま拡声器を使って、アリエッタ達に指示を出した。
「ピギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
その事に気づいたアンゴルモアが、口からビームを放って、パラケルスが乗っていた円盤状の乗り物を木っ端微塵に破壊した。
「えっ? ちょっ! これじゃ、元に戻れないんじゃあ……。いや、普通こういう時って空気を読んで、例えビームを放っても、かする程度に留めておくべきでしょ? それなのに、直撃って……」
シモンが驚いた様子で目を丸くさせ、この世の終わりとばかりに、ずーんと落ち込んだ。
「ピギャアアアアアアアアアアアアア!」
そんなシモンを嘲笑うようにして、アンゴルモアが再びビームを放ってきた。
「……ぼくは怒っているんですが……」
即座にシモンがメガネを光らせ、ビームを反射ッ!
「ピギャアアアアアアアアアアアアアアア!」
そのビームを喰らったアンゴルモアが、今にも泣き出しそうな勢いで、悲鳴を響かせた。
「……コアはあそこです!」
その間に、シモンがメガネを使ってアンゴルモアをスキャンし、コア部分の位置を特定した。
「なるほどアレか。わざわざ真っ赤に光らせて、狙ってくれと言わんばかりのような気もするが……」
すぐさま、レイが奥歯の裏にあるスイッチを押して加速すると、緩やかになっていく周囲の時間を突破し、大剣をふりかざして、アンゴルモアのコア部分を切り裂いた。
「と、とにかくコアを狙えばいいのね。再生だか増殖だか知らないけどっ! 間に合わないくらい斬っていけばいいよね!! それに、スピードなら誰にも負けないよ! いっけー!!」
それに合わせて、アリエッタが光のスピードでアンゴルモアに突っ込み、2本の短剣と、風の刃でコアを斬って斬って斬りまくった。
「ピギャアアアアアアアアアアアアア!」
そのたび、アンゴルモアが再生と増殖と進化を繰り返し、アリエッタ達の攻撃からコアを守ろうとした。
「何をやっても無駄な事よ! 食らいなさい……!! ダーク・ケイオテイック……インフェルノ――ッ!!」
次の瞬間、ガーネットが黒い焔のカタチをした必殺光線を放って、コア部分にブチ当てた。
そのまま黒い焔がコア部分を飲み込むと、まるで内側から蝕むようにして、アンゴルモアをドロドロに溶かして消滅させた。
「これで、ようやくぼく達は自由……。でも、肝心のパラケルスが……」
そう言ってシモンが視線を落とした瞬間、誰かに鈍器で殴られたような衝撃を受け、悲鳴と共に飛び起きた。
だが、夢の内容は断片的にしか覚えておらず、パラケルスに対する怒りだけが、心の中で沸々と燃え上がるのであった。
世界は未曽有の危機に瀕していた。
究極生命体アンゴルモアの出現によって、世界の大半が焦土と化し、人類の大半が命を落とした。
「……ってナニコレ!」
そんな中、ガーネットが目を覚ましたのは、パラケルスの研究所であった。
しかも、目覚めた場所は、カプセルの中。
いつの間にか、全裸にされ、液体の中に浸かっていた。
この時点で『責任者は誰よっ!』と叫びそうになったが、その当人はガーネットの目の前で、不気味な笑みを浮かべていた。
「こっち見んな! ぶっ殺すわよ!」
その視線に気づいたガーネットが、激しい殺意と共に、カプセルをブン殴った。
それと同時にカプセルが木っ端微塵に砕け散り、大量の液体が室内に広がった。
「ぬわはははっ! それでいい! これで、ようやく世界を救う事が出来る! 何故なら、お前が……いや、お前達が世界の希望なのだから!」
その姿に満足したのか、パラケルスがご機嫌な様子で、キッパリと言い放った。
だが、まったく意味が分からない。
一体、どのような経緯を経て、こんな事になっているのかさえ、理解不能であった。
「……って、まさかあたし達の身体に何かしたの! ねぇ、何をしたの! 嫁入り前の身体なのに……! 物凄く体に違和感があるんだけど! 答えなさいって!」
アリエッタが驚いた様子で、パラケルスをガツンとドツいた。
「ぐはっ!」
その途端、パラケルスの身体が、床にズボッとめり込んだ。
「……えっ?」
これにはアリエッタも驚き、自分の拳を二度見。
どうやら、寝ている間に、何かされてしまったようである。
「まぁ、あれだ。お前達の身体に改造を施した。ただ、それだけの事だ」
パラケルスが頭から血を流しながら、小さくコホンと咳をした。
どうやら今までにも改造された者がいたらしく、同じような説明をしたらしい。
そこでようやく自分達がアンゴルモアを倒すため、改造された事を知った。
「ははっ、まさか改造されていたとはねぇ……」
レイ=レーベンス=レックフォードが未だに現実を受け入れる事が出来ない様子で、乾いた笑いを響かせた。
一体、何からツッコむべきか、脳内で会議が始まっているものの、小さなレイ達の頭上に浮かぶのは、沢山のハテナマークであった。
(でも、改造されているのなら、胸も大きく……なってない!)
そんな中、アリエッタが自分の胸を、マジマジと見た。
だが、何の変化も起こっておらず、気持ちはどんより、ずーんであった。
「まあ、アンゴルモアを倒したら、元に戻してやろう。吾輩には、それだけの技術があるからな! だから、頑張ってくれ」
パラケルスが俺様モード全開で、物凄くイイ笑顔を浮かべた。
この時点で、拒否権はなし。
そのノリと勢いから考えて、体内に自爆装置を埋め込まれていても、おかしくないような状況であった。
「……はっ! 何よ、それ! まさか、そんな事のために改造したの? 信じられないー! それに、そんな話、聞いて……」
アリエッタがそこまで口にして、パラケルスが突き出した契約書に気づいた。
そこには『パラケルスに逆らわず、アンゴルモアと戦う事を誓う』と書かれており、アリエッタの筆跡で、きちんとサインが書かれていた。
しかし、まったく記憶にない。
サインを書いた覚えもない。
それでも、自分の筆跡である以上、納得した上でサインをしたはず。
その記憶がスッポリと抜けているため、嫌な汗が止まらなくなった。
「……何もかもわからない事ばかりだ。だが、確かな事もある。――このままでは世界が滅ぶ――。――今、まさに襲われている人間がいる――。ならば、どんなに疑問があろうとやることは、ひとつ」
レイが覚悟を決めた様子で、キリリとした表情を浮かべた。
既に、脳内にいる小さなレイ達も、覚悟完了。
どうやら、このまま考える事よりも、アンゴルモアと戦う事を優先したようである。
「……というか、貴方は誰なんですか!? いままでお会いした事がありませんよね!?」
そんな中、シモン=プレーディがトレードマークであるメガネがズリ落ちる程の衝撃を受けつつ、パラケルスにツッコミを入れた。
この時点で、理解の限界を超えているため、色々な意味で白旗状態。
何かヒントが無ければ、考える事さえ出来ないような状況であった。
「まさか改造されたショックで、すべてを忘れてしまったのか!」
その言葉にショックを受けたパラケルスが、シモンとの思い出が詰まったアルバムを開いた。
そこにはシモンが生まれた時に描かれた絵(顔は今のまま)や、学生時代の絵、パラケルスの助手として、実験を手伝っていた時の絵が貼られていた。
だが、何ひとつ記憶にない。
しかも、どれも不自然(特に顔の部分)!
その事に違和感を覚えたせいか、何ひとつ信じる事が出来なくなった。
「いや、こんなインパクトのある変態……は言い過ぎかも知れないけど、まったく記憶にないから……! そもそも、生まれた時の絵なのに、顔も今と同じだし、メガネも掛けているっておかしいでしょ!」
その事に気づいたシモンが、捲し立てるようにして、ツッコミを入れた。
「いや、これで間違いない。何故ならメガネは顔の一部。お前が誕生したのと同時に、メガネも産声を上げたのだから……」
それでも、パラケルスは自らの非を認めず、手当たり次第にツッコミを掴んで、袋の中に押し込んで亡きモノにした。
「その時点で、おかしいよね? そもそも、メガネが産声って……」
そう言ってシモンがメガネを触った瞬間、『オギャー!』と泣き声をあげ、怪光線が解き放たれた。
「……な?」
パラケルスがドヤ顔で、シモンの顔色を窺った。
「いや、『……な?』じゃないから! しかも、このメガネ……外れないんだけど……。あー、あー、それで……」
シモンがパラケルスの言葉を途中で理解し、嫌々ながら納得した。
しかし、これですべてを理解した。
アンゴルモアを倒さない限り、メガネが外れる事は……ない!
「聞けば聞くほど殺意が湧いてくるのだけれど……!! まあ、いいわ! どこかのバカの作ったバケモノを倒せばいいのよね。あんたの為に戦う義理は全くないんだけれど……」
その間に、ガーネットがカーテンを羽織るようにして身体を隠し、激しくこめかみをピクつかせた。
何からツッコんでいいのか分からないほど、ツッコミどころが満載ではあるものの、怒りの感情に身を任せて、パラケルスの命を奪う事は、得策ではないように思えた。
それにパラケルスの命を奪えば、元に戻る希望すら無くなってしまうため、必死に怒りを抑えているようだ。
「まあ、口車に乗るのは、いささか業腹ではあるが、ここで動かないわけにはいかないなっ!!」
レイが自分自身に言い聞かせるようにしながら、自らの肉体にオーラを集め、それを騎士の鎧に変化させた。
その影響で脳内のレイ達もバトルスーツを身に纏い、いつでも戦えるようになっていた。
「確かに、こうなった以上、仕方ないか……。いくわよ、みんな!!」
ガーネットも半ば諦めた様子で、仲間達に声を掛けた。
例えここで断ったとしても、世界の大半が焦土と化しているのだから、遅かれ早かれ、アンゴルモアと戦わなければならない状況。
それ故に、迷っている暇などなかった。
「まったく、誰よ! 世界がこんな風になるほど、酷いモノを作ったお馬鹿さんは! と、とにかく倒さなきゃいけないのなら行くよ! あたしの動きは疾風! 誰にも止められないよ!!」
アリエッタもイラついた様子で、勢いよく空に飛び立った。
それに続くようにして、仲間達も次々と空に飛び立つのであった。
●究極生命体アンゴルモア
アンゴルコアにとって、視界に入るモノすべてが敵であり、破壊の対象であった。
その過程で肉体が何度も増殖と進化と再生を繰り返し、山のような大きさになっていた。
その姿は異形そのものであり、出来の悪い粘土細工のようでもあった。
「アンゴルモア、だったか? 私は騎士レイ=レーベンス=レックフォード……いや、今の問答無用で飛べたりしている私が騎士であっていいのかは正直疑問ではあるが……それはいい。貴様を破壊する男の名だ。覚えておくがいい!!」
そんな中、レイが上空からアンゴルモアを見下ろし、力強い口調で自ら名乗りを上げた。
「グガァァァァァァァァァァァァァァァ!」
その途端、アンゴルモアが、まるで飛んでいる蚊を叩き落とす勢いで、無数に伸びた触手を振り回し、口から超極太のビームを放ってきた。
「……って、ちょっと! せめて全員名乗るまで待ちなさいよ! なんで空気を読まないの!」
ガーネットが苛立ちを隠せない様子で、アンゴルモアを叱りつけた。
だが、アンゴルモアはまったく気にしておらず、ガーネットを叩き落す勢いで触手をブンと振り下ろした。
「ええい、悩むのは後! 今はどこかの大馬鹿さんがつくったきゅーきょくセイメイタイとかいうのをバラバラにしないとね! それはそれとして博士は後で殴るよ! 超殴るっ!」
アリエッタが翠に色づいた風を操って加速し、竜巻を起こしてアンゴルモアの身体を切り裂いた。
しかし、アンゴルモアは物凄い勢いで再生し、アリエッタめがけてビームを放ってきた。
「もう怒ったんだから! いまさら後悔したって、手遅れよっ!」
それに対抗するようにして、ガーネットが変身してレオタードのような強化スーツを身に纏い、悪役テイストなツノの生えたアイマスクを装着した姿になって、アンゴルモアの放ったビームを消滅させた。
「ぼくの日常をかえせ――!!」
その隙をつくようにして、シモンも半ばヤケになりながら、アンゴルモアを殴りつけた。
「それじゃ、行くわよ! ブラック・フレイム・シューティングスター!!」
ガーネットも同じようにパンチを繰り出し、アンゴルモアの身体を殴りつけた。
その途端、アンゴルモアの身体が、驚異の再生能力で、時間を巻き戻すようにして元に戻っていった。
「ちょっと博士ー! キリないんだけど、弱点とかないの!?」
それを目の当たりにしたアリエッタが、ブルーな気持ちになりながら、困った様子で大声を上げた。
「コ、コアだ! コアを狙うのだ!」
パラケルスが円盤状の乗り物に乗ったまま拡声器を使って、アリエッタ達に指示を出した。
「ピギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
その事に気づいたアンゴルモアが、口からビームを放って、パラケルスが乗っていた円盤状の乗り物を木っ端微塵に破壊した。
「えっ? ちょっ! これじゃ、元に戻れないんじゃあ……。いや、普通こういう時って空気を読んで、例えビームを放っても、かする程度に留めておくべきでしょ? それなのに、直撃って……」
シモンが驚いた様子で目を丸くさせ、この世の終わりとばかりに、ずーんと落ち込んだ。
「ピギャアアアアアアアアアアアアア!」
そんなシモンを嘲笑うようにして、アンゴルモアが再びビームを放ってきた。
「……ぼくは怒っているんですが……」
即座にシモンがメガネを光らせ、ビームを反射ッ!
「ピギャアアアアアアアアアアアアアアア!」
そのビームを喰らったアンゴルモアが、今にも泣き出しそうな勢いで、悲鳴を響かせた。
「……コアはあそこです!」
その間に、シモンがメガネを使ってアンゴルモアをスキャンし、コア部分の位置を特定した。
「なるほどアレか。わざわざ真っ赤に光らせて、狙ってくれと言わんばかりのような気もするが……」
すぐさま、レイが奥歯の裏にあるスイッチを押して加速すると、緩やかになっていく周囲の時間を突破し、大剣をふりかざして、アンゴルモアのコア部分を切り裂いた。
「と、とにかくコアを狙えばいいのね。再生だか増殖だか知らないけどっ! 間に合わないくらい斬っていけばいいよね!! それに、スピードなら誰にも負けないよ! いっけー!!」
それに合わせて、アリエッタが光のスピードでアンゴルモアに突っ込み、2本の短剣と、風の刃でコアを斬って斬って斬りまくった。
「ピギャアアアアアアアアアアアアア!」
そのたび、アンゴルモアが再生と増殖と進化を繰り返し、アリエッタ達の攻撃からコアを守ろうとした。
「何をやっても無駄な事よ! 食らいなさい……!! ダーク・ケイオテイック……インフェルノ――ッ!!」
次の瞬間、ガーネットが黒い焔のカタチをした必殺光線を放って、コア部分にブチ当てた。
そのまま黒い焔がコア部分を飲み込むと、まるで内側から蝕むようにして、アンゴルモアをドロドロに溶かして消滅させた。
「これで、ようやくぼく達は自由……。でも、肝心のパラケルスが……」
そう言ってシモンが視線を落とした瞬間、誰かに鈍器で殴られたような衝撃を受け、悲鳴と共に飛び起きた。
だが、夢の内容は断片的にしか覚えておらず、パラケルスに対する怒りだけが、心の中で沸々と燃え上がるのであった。
マスターコメント
基本的には、プレイングが分かりやすく、描写がしやすく、行動が的確だったものから、印象に残ったキャラクター等を基準にしてMVPを選んでいます。
ショートシナリオ普通 報酬:標準4 / 4〜10人
2021年01月12日 16時08分13秒 公開
成功