【聖祭】筋肉神輿が荒ぶる時!

ゆうきつかさ

コメント 4

シナリオID:429

オープニング

●ゴールディ南部の森
「今年も、この季節がやってきた! 俺達にとって聖祭は、筋肉の祭典ッ! しかも、今年は辺境都市群シャルガネ居住区から、特別ゲストとしてマッチョリヨンが参加する!」
 ホブゴブリンのマッスルが、広場に冒険者達を集め、今回の依頼を説明した。
「HAHAHAHAHAッ!」
 次の瞬間、マッチョリヨンが取り巻き達を引き連れ、高笑いを響かせながらポージングを繰り出した。
 しかも、みんなヌルテカ。
 それが太陽の光を浴びて、キラキラと輝いていた。
「……ムッ!」
 その途端、マッスルが対抗意識を燃やし、取り巻き達と一緒にナイスなスマイルを浮かべ、自らの筋肉を強調するようにして、ポージングを繰り出した。
 だが、ふたりの筋肉は同じようで、まったくの別物。
 マッスルが実用的な筋肉に対して、マッチョリヨンは魅せる事に特化した筋肉であった。
「HAHAHAHAHAッ!」
 その間も、マッチョリヨンは、高笑い。
 マッスルなど、アウト・オブ・眼中とばかりに、ノリノリだった。
「……それで本題なんだが、俺達がやろうとしているのは、喧嘩神輿だ! 俺とマッチョリヨンで神輿をぶつけ合い、村の中を練り歩くという訳さ。まあ、喧嘩神輿と言っても、別に勝ち負けを競い合うつもりはない。どっちの神輿も派手にぶっ壊れてこそ、意味があるからな。だが、ひとつ困った事がある。この行事は毎回のように怪我人が出る。場合によっちゃ、死人が出る。だから村人達が巻き込まれないようにしてほしいという訳さ。ただし、村人達は祭りで興奮しているから、怪我をしないように気を付けてくれよ。もちろん、俺達と一緒に神輿を担いでも構わないぞ」
 そう言ってマッスルがマッチョリヨンと一緒に、競い合うようにしてポージングを決めるのだった。


解説

 物語の流れとしては、準備(神輿の飾りつけなど)、祭りの流れになっています。  村人達は興奮しているため、ノリと勢いで神輿を担ごうとしてきます。 ▼基本情報  マッスル(ホブゴブリン:男性)  年齢不詳。  筋肉質で、脳筋。  戦闘に特化した筋肉。  マッチョリヨン(ヒューマン:男性)  20代。  トレーニングが趣味。  魅せる事に特化した筋肉。

マスターより

 どうも、ゆうきつかさです。  この依頼は初心者向きのコメディ依頼です。  そのため、難しい事を考える必要はありません。  キャラクターらしく行動しておけば何とかなるので、ノリと勢いで行きましょう。

リプレイ

●ゴールディ南部の森
「うわぁ……、凄い筋肉ですね。ボクとは、ぜんぜん違う。……ボクも鍛えたらあんな風になれるのかな?」
 リオン・G・カートナーはガーネットと共に、筋肉の祭典が行われている会場にやってきた。
 そこは、まるで筋肉博覧会。
 細マッチョから、太マッチョまで、様々な筋肉が、色取り取りの花の如く勢いで咲き乱れている感じであった。
 そこで特に目立っていたのが、マッスルとマッチョリヨンであった。
 ふたりとも、お互いの筋肉を競い合うようにしてポージングを繰り出し、まわりの注目を集めていた。
「やあ、久しぶりだな、マッスル! 今日は、筋肉神輿を担がせてもらうぜ!」
 そんな中、アルベルト=V=シュタールシュヴェーアトが爽やかな笑みを浮かべ、バサッと服を脱ぎ捨てた。
 そして、褌一丁になると、まわりの注目を集めて、ニカッと笑った。
「なあ、俺の実用的な筋肉を見てくれ、こいつをどう思う?」
 それは問いかけであったが、言葉はいらない。
 村人達の反応こそが、答えであった。
「ちょっ……なんなの、このノリ!? あたしマッチョでもヌルテカでも祭り好きでもないんだけど!?」
 その途端、ガーネットがドン引きした様子で、全身に鳥肌を立たせた。
 気分は、まるでおしくら饅頭。
 何処を見ても、筋肉ばかりが目に行くため、色々な意味で圧が凄い。
 そのため、マッチョ達に囲まれているような錯覚に襲われ、眩暈にも似た感覚に陥っていた。
「そこまで酷いモノでもないだろ? これほど、血が滾る祭りは、なかなかないと思うのだが……。かくいう私も、この喧騒に胸がざわめいているからな。それに、騎士として鍛えてきた身体には自負がある。無駄な肉はぎりぎりまで除外し、日々のトレーニングで苛め抜いてきた! 実績と自負が私にはある! ……もちろん、彼らの肉も相当鍛えてきたものだろう。おそらく、私とは鍛え方の種類も目的も違うだろうが、そこに宿る誇りの火は! 赤々と燃えていることだろう! だが、私も負けてはいないとも!」
 それとは対照的にレイ=レーベンス=レックフォードは我慢の限界とばかりに上着を脱ぎ捨て、均整の取れた肉体を魅せつけた。
「おおー!」
 これには村人達も、大興奮!
 自然とあちこちから拍手が漏れ、村人達の視線が釘付けになった。
「……くっ! やるな!」
 それはマッスルでさえ、嫉妬してしまうほどの肉体美。
 筋肉濃度が高いため、マッチョリヨンでさえ、言葉を失う程だった。
 そこに言葉はいらず、筋肉同士が語り合うのみ。
 自然とまわりにいたマッチョ達も、レイと競うようにして、ポージングを繰り出した。
 それがまるでショーのようであったため、村人達の心も踊り、頭の中が筋肉一色になった。
「……レイ、アンタまで何やってんのよ!? そもそも、なんで脱いでいるの!」
 ガーネットがジト目で、レイを睨みつけた。
 しかし、レイはまったく気にしておらず、村人達の期待に応えるようにして、ポージングを繰り出した。
「だから、ポーズを取るな! こっちを見て、笑うな! マッスルも、マッチョリヨンも、揃いも揃って、気持ちが悪い……!」
 ガーネットが捲し立てるようにして、ツッコミを入れて、入れて、入れまくった!
 そうしなければ、理性を保つ事が出来ないほど、まわりは筋肉一色。
 それ故に、ツッコミこそが、すべてであった。
「荒事はあまり好みじゃないから、少し見回りをしてくるわね」
 そのノリについていけず、イル・シャーリィが眩暈に襲われ、フラフラと見回りに行った。
 早朝からマッスル達が筋肉自慢をしているせいで、村人達のテンションはピークに達しており、自分達も筋肉の使者であると勘違いしているほど、影響を受けているようだった。
 そのため、みんな強気になっており、興奮した様子で神輿に群がっていた。
「みんな、待ってくれ。この筋肉神輿を担ぐ人は俺達みたいに『特別な訓練』を受けている者だ。素人がノリと勢いだけで担いだら怪我をしてしまう。どうしても担ぎたいというならきちんと節度を守ってくれ。それに、この祭りで怪我人が出てしまっては『筋肉の神様』が嘆き悲しんでしまう。そこを理解してくれ」
 その事に気づいたアルベルトが、村人達の前に陣取った。
「いいじゃねぇか! 俺達も担がせてくれよ!」
 だが、村人達は、神輿を担ぐ気満々。
 無駄にテンションが上がっているため、感情のやり場に困っているようだった。
「これ以上、近づくのは危ないですよ? もっと自分を大事にしましょう。ボクも一生懸命護りますけど、近づかれると保証の限りじゃないんです。お願いします」
 リオンが悲壮感のある覚悟を決めつつ、村人達に対して訴えかけた。
「そうは言われてもなぁ」
 村人達が困った様子で、頭を抱えた。
 既に、準備は万端。
 服を脱げば、即座に褌。
 後は感情の赴くまま、神輿を担ぐだけのため、今更引き下がる訳にもいかなかった。
「ボクとしても盛り上がっているお祭りに水を差すのは気が引けるのですが、怪我をしたら、その人も当然、皆不幸になってしまいます。それは避けたいです。医学の経験はあるので怪我をした人、具合の悪い人はその場で診ますけど、怪我をすると分かっていながら、見てみぬフリはではないのです」
 リオンが村人達の気持ちを察した上で、自分なりの考えを述べた。
「だったら、こうしようじゃねえか。少しだけ担いで、危なくなったら……止める! それで、どうよ?」
 褌姿の村人が神輿を担ぐ気満々で、物凄くイイ笑顔を浮かべた。
「ああ、もう! あんたら、いい加減にしなさいよ!! 神輿さえ担ぐ事が出来れば、こっちのモノって気持ちが見え見えだから!」
 ガーネットが何かを悟った様子で、村人達をジロリと睨みつけた。
「いや、別に……、俺達は、その……」
 その視線に気づいた褌姿の村人が、気まずい様子でサッと視線を逸らした。
「それに気持ちだけじゃ、神輿を担ぐ事なんて出来ないわよ。この神輿は神聖なモノ。肉体と精神が一定レベルに達してないと、神輿の一部にされてしまうから……。その証拠に、ほら……神輿を見てみて。資格無き者が触れただけで、神輿のシミが増えるだけよ?」
 その流れに乗って、イルが村人達の不安を煽った。
「マ、マジか」
 その途端、村人達がハッと我に返って、背筋をブルッと震わせた。
 言われてみれば、何やらヤバイ。
 神輿に施された真っ赤なペイントは、よく見ればマッチョ達の返り血だった。
 それが幾層にもなっており、所々顔のようなモノが浮かんでいた。
 その事に気づいたせいか、村人達が、ドン引き。
 何となく神輿が神聖なモノでなく、禍々しいモノであると認識されてしまったが、これも村人達を守るため。妙な噂が広まってしまった時は、その時である。
「さて……それじゃ、ここからは、私達の仕事だ。さあ、漢の祭を始めよう!! いま、この神輿において流すのは汗だけで十二分! 紅き血潮は身の内にて燃やすものだ!流血で外に出すのは恥であると心得よ。その上で、この祭を成功させよう!!」
 そんな中、レイが真剣な表情を浮かべ、神輿の担ぎ手達に訴えながら、力強く拳を突き上げた。
「ああ、その通りだな!」
「共に祭りを盛り上げマショウ!」
 マッスルと、マッチョリヨンも、同じように拳を上げた。
 他の担ぎ手達もレイの気持ちに応えるようにして、ポージング。
「よぉーし、筋肉神輿じゃ、ワッショイワッショイ!!」
 すぐさま、アルベルトがマッスルと一緒に神輿を担ぎ、マッチョリヨンの神輿と競い合うようにして、村の中を練り歩いた。
 それに合わせて、レイが天眼で周囲を確認し、ガーネットと共に祭りを成功させるべく、マッスル達を盛り上げながら、村人達の動きを制御した。
「ガーネット、怪我はしないでくださいね。でも頑張ってください」
 リオンが、いつでもヒールを使える準備をしつつ、ガーネットに手を振って、にこやかに応援をした。
「リオン、応援してくれるの……? あ、ありがと……。でも、脱がないわよ! みんな褌姿を期待しているようだけど、そんな事をする必要はないから……!」
 ガーネットが念のため釘を刺しながら、マッチョリヨンと一緒に神輿を担いだ。
 その途端、神輿の重みがズッシリと圧し掛かってきたものの、マッチョリヨンが物凄くイイ笑顔を浮かべつつ軽々と持ち上げた。
(女の子なのに、あの場に混ざれるガーネットは凄いです。ボクも彼女を護れるような強い人間にならないと……)
 それを目の当たりにしたリオンが、綺羅星の如く瞳をランランと輝かせた。
「……って、何だか物凄く期待されているんだけど……! そんな事より、落ち着きなさいって! いや、HAHAHAじゃないから! 本当に、いい加減にしなさいよ……」
 その間も、ガーネットはマッチョリヨンに振り回され、イライラが頂点に達しかけていた。
「ほらほら、どうした! もっと笑って、楽しまないと……!」
 そこに追い打ちをかけるようにして、レイがマッスルの神輿を担ぎ、ガーネット達の神輿にぶつかった。
「ほほう……レイ……アンタあたしとやろうっての……? いいわ、白黒つけてあげようじゃない……!」
 その挑発に乗ったガーネットがノリノリな様子で、レイ達に神輿に体当たりを喰らわせた。
「……これも祭りを盛り上げるため。神輿は壊れてこそ意味があるようだしな。みんなの期待に応えるためにも、ここはド派手にやるべきだろう。もちろん、怪我人はナシの方向性で……!」
 レイがマッスルと連携を取りつつ、神輿を担いだまま、体当たりを喰らわせた。
 その拍子に神輿が激しい音を立て、大量の破片が飛び散った。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
 それに興奮した村人達が、叫び声を響かせた。
 こうなると、引くに引けない、止まらない。
 そして、祭りは大盛り上がりの中、両者引き分けと言う形で、幕を閉じるのであった。

マスターコメント

 基本的には、プレイングが分かりやすく、描写がしやすく、行動が的確だったものから、印象に残ったキャラクター等を基準にしてMVPを選んでいます。
ショートシナリオ

ショートシナリオ普通 報酬:標準5 / 4〜10人

2021年01月09日 12時28分16秒 公開

成功

相談掲示板

  1. ガーネット

    ガーネットよ。よろしく。 むさ苦しいところに来ちゃったわね…。 一応あたしは神輿担ぎながら村人に被害及ばないようにコントロールしていくつもり。 時間がないから表明させてもらうわね。

  2. イル・シャーリィ

    イルよ。 よろしくね。 私は喧嘩神輿とか不向きだから村人達の安全確保が第一ね。 あまりに危険なら参加しようとする村人を止めるつもりだけど、やり過ぎて祭の雰囲気を壊してしまうのも考えものよね…。 そこら辺のバランスには気をつけるわ。

  3. レイ=レーベンス=レックフォード

    レイだ。よろしく頼む。 私も神輿を担ぐ側であるていどコントロールしていこうと考えている。

  4. アルベルト・V・シュタールシュヴェーアト

    ウォーリアのアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 飛び込みで参加させていただくぜ。 俺は、マッスル側の神輿を担ぐぜ! 村人にも十分注意するぜ

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0