【聖祭】良い祭司と悪い祭司

ゆうきつかさ

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シナリオID:415

オープニング

●ゴールディ南部の森
「悪い子はいねえがァァァァァァァァァァァ!」
 鬼のような形相を浮かべ、叫び声を響かせたのは、トリニティ(オネエなホブゴブリン)であった。
 それだけで、何の事情も知らない者であれば、失禁モノ。
 例え事情を知っていたとしても、子供達であれば、ギャン泣き、失神、何でもアリだった。
「あら、ごめんなさい。ちょっと練習をしていたのよ。ほら、もうすぐ、慰霊祭でしょ? だから村に伝わる儀式の予行練習を、ちょっとね」
 トリニティが恥ずかしそうにしながら、可愛らしくテヘッと笑った。
 だが、背中の筋肉が鬼のように隆起しているせいで、誰ひとりとして笑い返す事が出来なかった。
「実はね、この村では、良い子にはプレゼントを。悪い子には御仕置きを。それが昔からの習わしなの。それで、あたしが担当しているのは、悪い子ちゃん達って訳。だからと言って、悪い子ちゃんには何もあげないって訳じゃないのよ。それじゃ、叱られ損だから。キチンと反省している事が分かったら、ちゃんとプレゼントを渡すんだけど……。ちょっと困った事があるのよ。この事がキッカケで、あたしを見ただけで、震え上がっちゃう子とかいるようなの。もしくは、身の危険を感じて、逆に襲い掛かってくるとかね。さすがに、その子達、全員を相手にするわけにはいかないから、みんなに協力して欲しいって訳。本当は良い祭司と、悪い祭司って、ひとりずつしかいないんだけど、今回は特別。とりあえず、みんなにはイイ子ちゃん達を相手にしてもらおうかしら。こっちはみんなにプレゼントを上げて、ケーキを食べるだけ。別に難しい事はないから、楽しくやってくれれば問題ないわ。逆に、あたしと一緒に悪い子の相手をするのであれば、大変よ。何故か、みんな命懸けで、あたしに攻撃を仕掛けてくるつもりでいるようだから……。何でも、あたしに捕まったら、最後。肝を引っこ抜かれて、廃人にされちゃうと思い込んでいるようなの。まったく、失礼しちゃうわよね。とにかく、悪い子達には、ちょっと御仕置きが必要だと思うから、みんなに協力して欲しいって訳。それじゃ、よろしくね」
 そう言ってトリニティが、可愛らしくウインクをした。

解説

 依頼に参加する場合は、良い祭司を演じるか、悪い祭司を演じるか、書いておいてください。  両方参加する事は出来ないので、どちらか選んでおきましょう。  選択していなかったり、両方選んでいたりした場合は、その場のノリと勢いで、どちらかに振り分けられます。  台詞などを書いておくと、執筆の時に助かります。  良い祭司を選択した場合は、良い子と一緒にパーティです。  テーブルの上に並んだ料理を食べながら、楽しく歌を歌って、プレゼント交換。  のんびり、ほんわか、ほのぼのなノリで、プレイングを書いていただければ構いません。  逆に、悪い祭司を選んだ場合は、オーガの御面を被って、悪い子達とバトルです。  ただし、本気を出すと、子供達が怪我をしたり、ポックリ逝ったりしてしまうため、必ず加減をしておきましょう。  それに対して、子供達は木の棒で殴りかかって来たり、相手の股間を蹴り上げてきたり、トウガラシ玉をぶつけてきたりします。  あまりやり過ぎると、トリニティがブチ切れて、子供達を怒鳴りつけ、消える事のないトラウマを植え付けられてしまうかも知れません。  そう言った意味でも、トリニティの機嫌を取っておいた方が、みんなも幸せになれるかも知れません。

マスターより

 どうも、ゆうきつかさです。  この依頼は初心者向きのコメディ依頼です。  そのため、難しい事を考える必要はありません。  

リプレイ

●ゴールディ南部の森
「悪い子はいねえがァァァァァァァァァァァ!」
 その日、子供達は恐怖した。
 トリニティは、本気だった。
 本気の本気ッ!
 子供だからと言って、手を抜かない。
 故に、全力ッ!
 背中のオーガが唸りを上げ、仮面なしでも、顔がオーガになっていた。
 それが子供達の心に、消し去る事の出来ないトラウマを植えつけ、トリニティ色の花を咲かせた。
 だが、トラウマとは、乗り越えるモノ。
 そして、立ち向かうモノ。
 それを子供達に教え、伝えていくことが、トリニティにとっての使命ッ!
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
 そんな思い込みがトリニティの心に芽生えたのか、一切手抜きなしで吠えまくっていた。
「うわあああああああああああああああああああああああ!」
 しかし、子供達にとっては、それ以前の問題。
 良い子も悪い子も、問答無用でギャン泣き!
 とにかく、怖い。
 マジで、怖い。
 頭の中が真っ白になるほどの恐怖で、頭の中がトリニティ色に染められた。
「大丈夫、怖くない、怖くないですよ」
 そんな空気を察したハリーヌ・ヨツユビが慌てた様子で子供達に駆け寄り、恐怖を紛らわせるようにして手品を見せた。
「うわーん、あの化……おじ……おば……おね……とにかく、怖い!」
 その途端、子供達がハリーヌに飛びつき、逃げるようにして後ろに隠れた。
「トリニティさん、お久しぶりです~。(筋肉体の)美にますます磨きがかかってきてますね。……これも恋する乙女の力かしら~?」
 それに合わせて、ルスト・ブレイズリーが子供達を守るようにして、トリニティの前に陣取った。
「あらぁ~ん、ひさしぶりねぇ~。ちょっと聞いてよ。さっきまで悪い子達を追いかけ回していたんだけど、良い子達まで巻き込まれちゃって、みんな揃ってギャン泣きよ!」
 その事に気づいたトリニティがハッと我に返って、『ちょっと聞いてよ、奥様』テイストで今まで起こった事を報告した。
 どうやら、悪い子達が良い子達を巻き込むようにして逃げてしまったせいで、どちらも関係なくなってしまい、半ばトラウマ製造マシーンと化していたようだ。
「まあ、悪い子達に御仕置きする事は大事ですけど、一様に叱りつけてしまうのではなく、悪い子の度合いで叱り方を変えてみては、どうでしょうか~?」
 ルストがトリニティの顔色を窺いながら、自分なりの考えを述べた。
「うーん……それは、駄目よ」
 トリニティが子供達を牽制するようにして、鬼のような形相を浮かべた。
 子供達の中には、自分が悪い事をしているという自覚がなかったり、悪い事の基準が違っていたりするため、トラブルの元になってしまうようである。
「でも、みんな悪意があるとは思えないけどなぁ。……ほら、実際には認めてほしかったり、構ってほしかったりするからさ」
 エルシー・サリバンが苦笑いを浮かべながら、トリニティを落ち着かせた。
 その言葉に、子供達も激しく同意。
 みんな瞳を潤ませ、『そ、その通りだよ~!』と言わんばかりに、何度もコクコクと頷いた。
「そうかしらねぇ。だったら、ちょっとやり過ぎちゃったかしら」
 その事に気づいたトリニティが、反省ムード。
 自分でも怒り過ぎてしまったと思っているのか、先程よりもテンション低め。

(き~んにーく♪ ボクのなーかにねむーる~……♪)
 そんな中、アルマ・ヴァレンタインが妙なリアルなオーガの面を被って、頭の中に筋肉行進曲を流しつつ、トリニティ達の前に現れた。
「ギャアアアアアアアアアアアアア!」
 その途端、子供達も劇画タッチで、悲鳴を上げた。
「ボクは悪い祭司です。悪い子は、ボクが相手です。さあ、悪い子は、何処ですか? 逃げても、隠れても、無駄ですよ」
 その視線に気づいたアルマが、何の事情も知らぬまま、コミカルな雰囲気全開で子供達に迫っていった。
 しかし、子供達はトリニティに襲われ、トラウマ状態。
 そのため、どの子も、みんな毒気が抜けて、白旗状態。
「お、お前なんて怖くないぞ!」
 そんな中、ガキ大将っぽい男の子が、他の子供達を守りつつ、涙を浮かべて大声を上げた。
 本音を言えば、怖くて仕方がないものの、ガキ大将のプライドがあるのか、強がっているようだった。
 だが、トリニティは、絶対に見ない。
 上辺だけの強がりでは勝ち目が無いため、扱い的には、いないモノ。
 既に扱い的には、いないモノ。
「あらぁん、イイ度胸をしているわねぇん♪ だったら、徹底的に! こっちも本気を出して、頑張っちゃうわよん♪ うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!」
 トリニティがノリノリな様子で、全身の筋肉を隆起させた。
「ひぃっ!」
 それだけでガキ大将っぽい男の子が、ストンと腰を抜かした。
「ま、待つんだよ……。これ以上は、ダメッ! 危ないんだよっ!! やめるんだよ――っ!!! ほ、ほら! 背中の筋肉隆起は格好良いけど……顔の筋肉まで……隆起しちゃうと……綺麗なのが台無しだから……。とにかく、落ち着いて……」
 その事に危機感を覚えたエルシーが、トリニティをドゥドゥとなだめた。
「大丈夫、今度は加減をするから、ね!」
 トリニティが全身の筋肉を隆起させたまま、とてもイイ笑顔を浮かべた。
 しかし、それはオーガの微笑。
 それだけで子供達のトラウマを活性化させるだけの破壊力を秘めていた。
「だから、ストップ! ストーップ! 相手は悪い子かも知れないけど、子どもだからねっ、大胸筋のようなひろーい心で対応しないとだよっ! ほらっ、筋肉のデカさは器のデカさっ! だからイイ笑顔でポージング♪」
 アルマが慌てた様子で、トリニティの前に陣取った。
「あら、ごめんなさい。相手が子供だからと言って、手を抜いたら駄目だと思ったら、つい……」
 トリニティがニコッと笑って、右手をパタパタさせた。
「うう……」
 一方、ガキ大将っぽい男の子は、ガタブル状態。
 まわりにいた子供達も、『触らぬトリニティに祟りなしだよ』と言わんばかりに、同情ムード。
「それでは、仕切り直し手始めましょうか。ガオ~! たべちゃ~うぞ♪ いたずらするこは、たべちゃうぞ♪」
 即座にアルマが気持ちを切り替え、勢いよく両手を上げた。
「さぁ、掛かっておいで! 伊達に弟妹が12人じゃないよ!」
 それに合わせて、エルシーが子供達の逃げ道を塞ぎ、含みのある笑みを浮かべた。
「絶対に後悔させてやるからなっ!」
 ガキ大将っぽい男の子が半ばヤケになりながら、後先考えずアルマに突っ込んでいった。
「だったら、相手をしてあげるね」
 それを迎え撃つようにして、エルシーがガキ大将っぽい男の子の攻撃を避け、舞い踊るようにして背後に回り込み、猫を持つような感じで服を掴み上げ、軽く手首を掴み取った。
「あ、ギブ、ギブ! もう無理!」
 ガキ大将っぽい男の子が、今にも泣きそうな表情を浮かべ、ションボリと肩を落とした。
「もう悪い事をしたら駄目だよ。みんな、貴方の事が大好きだから」
 すぐさま、エルシーが優しく語り掛けながら、ガキ大将っぽい男の子をギュッと抱き締めた。
「うく……、ごめんなさい」
 その途端、ガキ大将っぽい男の子がエルシーに抱き着き、まるで憑き物が落ちたようにワンワンと大声を上げて泣き出した。
「どうやら、ここに悪い子はいないようですね。それでは、一緒に歌いましょうか」
 そんな空気を一変させるため、ハリーヌが歌を歌い出した。
 それに合わせて、ペットのゴリラがウホウホウホホッと踊り出したため、先程までションボリとしていた子供達の表情に笑顔が戻った。
「さあ、選ばれし良い子の皆さまは、こちらに集まってください。皆さまに、お会いできて光栄です。この宴は皆さまの1年の功績を讃える会でございます。どうぞなんなりとお申し付けくださいませ!」
 そんな中、ハリーヌが良い子達を集め、手際よく料理を取り分けた。
「今年一年いい子にしていて偉かったわね~」
 その間にルストが、女の子には年相応の可愛いアクセサリーを渡し、気になる男の子に対するアプローチの仕方などの教え、男の子にはハグとほっぺにキスをプレゼントした。
「それじゃ、良い子の皆は、美味しいものを食べようか」
 エルシーが子供達も呼び集め、おやつと御茶を配っていった。
 既に、この場所に悪い子は、いない。
 みんな、良い子。
 その間、ゴリラが子供達を持ち上げたり、背中に乗せたりして、トットコトコトン走り出した。
「いやいや、このようなご馳走は久しぶりに頂きました。これも良い子の皆さまのおかげ! 今ごろ悪い子の皆さまは地獄をみているんでございましょうなぁ……皆さまも明日は我が身。来年も気を引き締めてまいりましょう」
 ハリーヌが食事を平らげ、良い子達に声を掛けた。
「はーい!」
 その気持ちら応えるようにして、良い子達が元気よく答えを返した。
「それじゃ、元悪い子達にも、ちゃんとご褒美をあげましょうね。特に男の子は、お姉さんが特別に御褒美をあげるわよ~」
 ルストが意味深な様子で、男の子達にウインクした。
 それだけで、男の子達の胸は、ドキドキ。
 ちょっぴりイケナイ妄想を膨らませつつ、ほんのりと頬を染めた。
 そして、子供達は聖祭の前より、ほんの少しだけ大人になるのであった。

マスターコメント

 基本的には、プレイングが分かりやすく、描写がしやすく、行動が的確だったものから、印象に残ったキャラクター等を基準にしてMVPを選んでいます。
ショートシナリオ

ショートシナリオ易しい 報酬:標準4 / 4〜10人

2021年01月04日 15時01分24秒 公開

成功

相談掲示板

  1. エルシー・サリバン

    エルシー・サリバンだよ。ヨロシクね。 良い司祭、悪い司祭、どっちも楽しそうだよ~。 故郷の弟妹達と遊んだ事を思い出して、過ごすつもりだよ。

  2. アルマ・ヴァレンタイン

    アルマだよ、どーぞよろしくー。 良い祭司で筋肉を離れて癒されたい気もするし、 悪い祭司で筋肉のストッパーをかけないと寝ざめが悪くなりそうな気もするし… 人が集まってからということでいったん保留でー

  3. ルスト・ブレイズリー

    ルスト・ブレイズリーよ~。今回はお祭り騒ぎなのね~ トリニティさんはあいかわらずのようね・・・・・誰かしらフォローがいれば安心できるのだけれど、ある意味怒られるこの自業自得なのが悩ましいわね~ とりあえずうちは良い司祭で男の子たちを相手してようかしら~ あと、悔い改めた悪い男の子たちにもあまーい飴(意味深)をあげようと思うの~

  4. エルシー・サリバン

    アルマさん、ルストさん、よろしくだよ。 あと1人、誰か来てくれた時に選び易いように、悪い司祭をやります宣言するね~ トリニティさんのご機嫌取りをしながら???子供達と遊んだり叱ったり?してみるね。 一応、表にしたよー ◇良い祭司 ルスト・ブレイズリー ◇悪い祭司 トリニティ エルシー・サリバン

  5. ハリーヌ・ヨツユビ

    これはこれは皆さま、ギリギリの参加で失礼いたしますよ。 ワタクシはハリーヌ。しがないヨツユビハリネズミでございます。 良い祭祀が現在1名のようですので、ワタクシもそちらに回るといたしましょう。 ペットのゴリラ、手品、歌唱と子どもの喜ぶものをご用意いたしますよ!

  6. エルシー・サリバン

    明日だね…誰か来てくれますように。 子供たちを止めるのと、みんなが良い子になってくれたら 良い祭司さんにお願いして、全員でお茶とお菓子をしたいって内容で提出したよ。 最後は良い子も悪い子も全員で遊べたら良いな。

  7. エルシー・サリバン

    わわっ、発言が被ってたよーーっ ゴリラ、手品、歌唱、全部楽しいから、子供たちが大喜びするよ。 楽しい1日が見えてきてとっても嬉しいよ、ハリーヌさんありがとうねっ!

  8. アルマ・ヴァレンタイン

    (流れるかなーと思って白紙だったとかイエナイ…) なにはともあれ無事成立、参加歓迎するよー 良2悪2?になったので迷ったけど、悪い子をトラウマから守護らないといけないので悪の方に…

  9. エルシー・サリバン

    (私も流れるかなーと思って下の書き込み直前まで白紙だったとかイエナイ…) アルマさん、一緒に悪い子を守ろう?ね(クスクス) 駆け込みさんも、大歓迎だよーーいつでもどうぞ! ◇良い祭司 ルスト・ブレイズリー ハリーヌ・ヨツユビ ◇悪い祭司 トリニティ エルシー・サリバン アルマ・ヴァレンタイン

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0