【聖祭】聖霊の観劇会
谷口舞
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シナリオID:373
オープニング
ロスガリア大陸に住まうものたちにとって、12月は大きな意味を持つ。この時期に執り行われる祭りや催しを、聖霊節と呼ぶ。
その由来はハーフリングの英雄、ジド・ルウがその身をエーテルと成して世界に穿たれた大穴を塞ぎ、彼に小さな神々が続いたことが、今年までの平穏の礎を作った――という逸話に拠る。詳細な時期が定まっていないのは、この頃に暦が存在していなかったため、神代における『冬の時代』、という比喩的表現を、文字通りに解釈したためであるとされる。
由来はともあれ、ジド・ルウの英雄的行為を称え、名を失った神々に祈りを捧げることから始まった聖霊節は、様々な土地の風習や営為と重なった結果、亡き祖先や、近しい人々への思いを捧げることや、想い人と過ごす特別な時期――という習慣が定着して久しく、特別信仰心の無いものであっても神殿や家庭でモミの木や柊を飾り立てて祈りを捧げる。街をあげて催しを行い、厳しい冬の中でもとっておきのごちそうを食すこの時期は、収穫祭に続く特別な時節といえた。
赤白の服装も今代まで続く伝統の一つとなっており、そこかしこに仮装をした人物も目立つ。
――さて。今年も、各地で慰霊祭が執り行われようとしてた。
●予兆
それは3日前のことだった。
この町の目玉イベントの一つ『聖霊の観劇会』の開催に向けて、街の広場に作られた野外会場での演技の最終リハーサルを行っていた時のことだ。
「危ない!」
突如大きな音と共に、大道具の一つである木組みの建物が、ガラガラと音を立てて崩れ落ちた。
スタッフは舞台の上に散乱するガレキをかき分け、ガレキの下に閉じ込められた演者達の救出を試みた。
建物の上にいた者は足を折る重傷を負っていた。建物の傍で演技をしていたものも、手足に傷を負い、リハーサルを続けるのは難しい状態だ。
「なんてことだ……もうすぐ本番なのに」
建物の上で演技をしていた者は、劇の主役でもあるジド・ルウ役の演者だ。
公開日までの日数を考えると、並大抵の者では彼の代役を担うことは難しいだろう。
「団長!」
考え込む団長のそばに、小間使いの少年が走り寄り、一枚の手紙を渡してきた。
「……これは……! おい! 急いで冒険者ギルドに話をつけろ!」
●相談
「それで、我々ギルドにご依頼する内容は、犯人の捜索ということでしょうか?」
書類の内容を確認しながら、職員は眉根をひそませながら言った。
だが、団長は首を横に振り、犯人は既に分かっていると答える。
「先日、このような手紙が届きました。恐らく、この手紙の送り主が犯人です」
――告
今すぐ観劇会を中止しろ。さもなければ再び、不幸な事故が貴様らの周りで起きるであろう!
ヤファちゃん崇拝団――
「えー……と。これは……」
「毎年この時期になると、何故かいつも湧いてくる『ヤファちゃん崇拝団』と名乗る連中からの脅迫状です」
「熱狂的な団体ですか……それは厄介ですね」
団体の名前の由来がちょっと気になったが、あまり深入りしない方が良いと直感で感じ、職員はとりあえずスルーすることにした。
「いつもは小さな悪戯ですんでいたのですが、今年はどうも本気を出してきたようでして……先日、ついに、主役のジド・ルウ役の俳優が大ケガをしてしまいましてね。他の役者達もすっかり怖がってしまい……出演者の代役を、勇気ある冒険者の皆様にお願いしたいのです」
『ヤファちゃん崇拝団』の狙いは観劇会の中止だ。
おそらく、7日後に控える観劇会が失敗となるよう、何かしら仕掛けてくる可能性が高い。と、団長は険しい表情で言った。
「ですが、冒険者は演劇が得意というわけではないので、流石に代役というのは……」
「ああ、いえいえ。歌劇ですから、セリフはそんなにありません、歌と踊りが得意でしたら大丈夫です!」
団長から提示された条件は、リズム感と歌唱力、そして何よりもハーフリングであることだった。
「だってそうでしょう? ジド・ルウはハーフリングの英雄なのですから! 演技は全てハーフリングかそれらしき容姿の方にしていただかないと! 麗しき乙女達と英雄ジド・ルウとの逢瀬の物語を演じるためには、必ず守って頂きたいのです!!」
「……はあ……」
つまり。この一座が演じているのは、ジド・ルウの伝説にかこつけた『恋物語』なのだ。他人のいちゃいちゃを見世物にしているこの一座を不快におもった若者達が、嫉妬心の衝動ににかられて暴れまわっているといったところだろうか。
「出演者の代行もよいのですが……裏方をしながら、敵を見張るという手段もあると思いますよ」
むしろ、その方が動きやすいのでは、と職員は提案する。
「うーむ……しかし……」
「お望み通りの冒険者が集まるとは限りません。配役等に関しては集まった者たちと相談という形でもかまいませんでしょうか?」
「……わかりました。その線でお願いします!」
●決起
「なぁに!? 失敗しただと?」
手下からの報告を受け、『ヤファちゃん崇拝団』の頭首は怒りの拳を机にたたきつけた。
「でもよぉ……お頭。流石に舞台を壊したぐらいじゃ、劇を潰すことは無理ですぜ」
大道具の事故は2日ですっかりキレイに直されていた。
また、広場周辺の警備が厳重になり、関係者以外は会場に全く立ち入れない状態となってしまった。
今の彼らにやれそうなことといえば、観劇の開催当日に観客に紛れて襲撃する事ぐらいだ。
「ぐぬぬ……こうなったら演劇中に直接乗り込んで、めちゃくちゃに暴れまわってやろうぜ!」
「ジド・ルウに死を!」
「ヤファちゃんを取り戻せ!」
●事前調査
どのタイミングで襲撃がくるかを予測するには、劇の流れを知っておく必要がある。
ギルド職員は団長に頼み、『聖霊の観劇会』で演じられる演劇を鑑賞させてもらった。
ジド・ルウが登場するのはヒロインと出会い逢瀬を楽しむ冒頭部分。劇の幕間――一幕が終わって、次の幕までの休憩時間のことだ――の最中にあるダンスシーン。そして、先日事故があった最後のシーンだ。
「敵が来るとしたら、やはり……最後のシーンですね」
ジド・ルウとヒロインが塔の上で口づけを交わす一番の見せ場だ。舞台の失敗が目的ならば、この見せ場のシーンを潰すのがもっとも効果的だろう。
観劇会の開催は昼の部と夜の部の2回。
昼は観客が多く人目につきやすいため、舞台を襲撃にくるのであれば、闇夜に紛れられる夜の部の方だろう。
「問題は、どれだけの人が協力してくれるか、ですね……」
そう呟きながら。職員は頭を抱えて小さくため息を吐いた。
解説
マスターより
リプレイ
「えっ? 私が、ですか?」
くりくりとした目を瞬かせ、ヤファは驚きの声をあげた。
突然店長から呼び出しを受け、何事かと思いながら出勤してきたヤファを待っていたのは、聖祭で開催される観劇の『ヒロイン:ショコラ役』の誘いの話だった。
冒険ギルドより派遣されたトーラが、ジド・ルウ役を務めるにあたり、団長に提案してきたのが、【草凪亭の看板娘ヤファをショコラ役として誘うこと】だったのだ。
「でも、何で私なんですか? 他にも適役はいると思いますが……」
「実は……」
トーラは自分達は役者ではなく冒険者ギルドより派遣された冒険者であること、観劇会に襲撃の予告が来ていること、客にバレないように襲撃者を討伐するための協力をして欲しいことを伝えた。ただし、襲撃に来る相手が彼女のファンであることは伏せている。
ヤファはしばらく考える素振りを見せたものの、いつも楽しませてもらっている観劇会に貢献出来るならば、と首を縦に振った。
「何かあってもお守りするわ、安心してね!」
●長い一日のはじまり
一座の朝は早い。
舞台裏のスタッフ兼護衛の任についていたキオルティスは、夜明け前より会場に到着し、会場準備の手伝いをしていた。
襲撃に備え、手伝いの傍らに監視がしやすい場所を探す。
「うん、やっぱりここがいいかな」
舞台の両端にある照明用の櫓の上に立ち、辺りを見回した。ここならば舞台全体を見回す事ができそうだ。
「おーい。誰か荷物運びを手伝ってくれー!」
「あ、今行くよ!」
キオルティスは櫓から飛び降り、猫のようにくるりと半身を回転させて着地する。
「どこに運べば良いの?」
団員が抱えていた木箱をひょいと持ち上げ、キオルティスはにこやかに言う。
「あんた……見かけによらず力あるんだな」
「そうなのかい? こういう荷物は運び方にコツがあるんだよ。この箱は下手のところでいいかい?」
「ああ、よろしく頼むよ」
その時、一日の始まりを告げる鐘の音が街に鳴り響いた。
しらじらと明ける空を眺めながら、キオルティスはぽつりと呟いた。
「夜明けか……長い一日が始まりそうだな」
●顔合わせ
「オランジェット役のリノアよ。よろしくね」
凛とした透き通る声色でリノアが言う。
ワイン色をした丈の長いドレスに身を包んだリノアの姿はまさに歌姫といった装いだ。
その隣には、同じデザインで色違いの白いドレスを身にまとうヤファの姿があった。
「ショコラ役のヤファです。よろしくお願いします……」
落ち着いた様子のリノアに対し、ヤファは緊張で顔が強張ってしまっている。
緊張を少しでもほぐしてあげようと、裏方役のニール・ロブラリアがヤファの肩を軽く叩きながら言った。
「大丈夫、何かあってもボク達がフォローするよ。キミは思いっきり歌ってくれればいいんだよ」
「わ、わかりました……。でも、その……襲撃というのは本当にあるんでしょうか?」
「多分、ね」
ヤファには襲撃者の名前は伝えていない。伝えてしまうと彼女を傷つけてしまう可能性があるし、相手が誰なのか知ってしまうと動きづらいであろう。
ニールは小さくうなずき、ヤファの質問を肯定する。
程なくして、雪の模様を散りばめたスーツを着たフリーダ=ブロムヴィストと、本日のイベントの主役であるジド・ルウ役の衣装を身にまとうトーラがやってきた。
そろそろ開幕の時間だ。
トーラはジド・ルウの象徴でもある赤い帽子を深く被り直し、凛とした声で皆に告げた。
「それじゃ、皆。はりきっていこう!」
●偵察
「この辺がよいかな?」
会場の出入り口付近に空いている席を見つけ、シャロン・ラ・モリエールは人混みをかき分けながら向かっていった。
太ももまでスリットの入った、大胆なデザインの民族衣装を着こなすシャロンを見かけ、座席にいた男達は横目に見ながら薄ら笑いを浮かべている。長毛種特有のふさふさとした獣耳やしっぽと相まって、彼女を花売り娘と勘違いしている輩もいるのだろう。
男達の視線に気づき、シャロンはジロリと彼らをにらみつける。バツが悪そうにそそくさと逃げていく様を見届けながら、シャロンは小さくため息を吐いた。
「さて、と。まずは観客席側からよね……」
観客席はほぼ満員状態だ。もし敵が潜んでいたとしても、探し出すのはなかなか骨の折れる作業である。
となれば、彼らの方から動いてくれるのを待つのが得策だろう。
シャロンは観客席より登場し、舞台を演出する『客降り』役の1人として、舞台に参加する。客席に敵が現れた場合、いち早く対応し、演出の1つとして見せかけるのが役目だ。
開幕を知らせる太鼓の音が鳴り響く。
ざわついていた会場が次第に静まり、一同の視線が舞台へと注がれる。
赤い衣装に身を包んだトーラが舞台袖から飛び出し、陽気な唄を歌い始めた。
まずは舞台を楽しもう。
シャロンは空いてる席に腰をおろし、ゆったりとした姿勢で舞台に視線を向けた。
●幕間
「……なかなか来ませんね」
舞台を眺めながら、ルーカ・ルンガルディエールはぽつりと呟いた。
『ヤファちゃん崇拝団』の襲撃に備え、エリック・ハルトマンと共に、観客席から舞台全体の見張りを務めていた。
劇は最初の幕間に入り、緞帳の前でのヒロイン2人とダンサー達の踊りが披露されていた。
「まだ劇の半分くらいだし、団長の言っていた通り、見せ場のシーンに来るのかもしれないね」
出演者がいつもと違う面々のため、会場全体がざわついている事を除けば、今の処不審な様子は見られない。
このまま、次の幕が始まろうかとしていたその時。
エリックが不意に空を見上げた。
「……来たよ」
●襲撃
舞台袖に居たニールの肩に、相棒の栗鼠が飛び乗ってきた。
「右手側に2人、左に3人……挟み撃ちにするつもりかな」
予め決めていた合図を使い、看破した敵の位置を仲間達に送る。
合図に気づき、舞台の天井回廊で待機していたキオルティスが手早く回廊に設置していたシャンデリア型の照明の幕を取り、ろうそくに火を付けた。
照明の周囲に付けられた鏡に乱反射し、ろうそくの炎が星のように輝きだす。
「わあ……キレイ」
突如輝いた照明の輝きに、何も知らない観客達が感嘆の声をもらす。
バックダンサー達も、踊るのを忘れて天井上のきらめきに視線を奪われていた。
光に気づいたトーラはヤファの手を取り、後ろから抱き寄せる。
「トーラさん、あの光は……?」
「敵が来たようだ……少し下がってて」
さり気なくヤファを後ろに下げ、トーラは舞台袖にいたスタッフから武器を受け取る。
『わたしたちの仲を引き裂く悪者達よ! わたしは逃げも隠れもしない、かかってくるがいい!』
壁を駆け上がり、舞台袖に隠れていた男の前に降り立つ。
あくまで劇の演出であることを見せるため、男の前で右足を軸にくるりと回転し、決めポーズをつけた。
男は舞台上にいる少女の姿に驚き、慌てた様子でがなりたてる。
「て、てめぇ……! な、なんでヤファちゃんがあそこにいるんだよ!」
『彼女はわたしの恋人、ショコラ。彼女を傷つけることは許さない!』
「ふざけんなっ! おい! お前ら、やっちまえ!」
男の合図と共に、観客席にいた男達が次々と立ち上がった。
すかさず、観客席にいたエリックも立ち上がり、声を張り上げる。
「力なき者は逃げろ! 彼奴等は悪質なテロリストだ!」
「えっ……テロリスト? どういうこと?」
想定外の展開に、観客は不安げな声をあげる。
ルーカも観客を避難させようと、この場を離れるよう誘導するが「何故席を立たないといけないんだ?」と怪しまれ、上手く誘導させることが出来ない。
「……ちょっと、まずい流れね」
その様子を見かけたシャロンは、胸元からタクトを取り出しながら、側にいた襲撃者を組み伏せ、会場に響き渡る大声を張り上げた。
『弟よ! あなたの恋は知っているけれど、だからといって人様を襲うなんてやめなさい!』
「……は? お前、何言って……ぐあ!」
男が反論しようとするが、踵で踏みつけ、言葉を遮らせる。
シャロンのセリフに合わせるように、リノアが唄を続ける。
「誰! そこに居るのは。そんなところに隠れていないで、私の前に姿を見せて……!」
舞台の右手に光り輝く球が発生し、襲撃者の体を包み込む。
「なんだ、これ……! う、動けん!」
リノアの術に合わせて、トーラがマントを翻しながら相手の武器を絡め落とし、襲撃者達を気絶させていく。
その姿はまさに『英雄』の名に相応しい、剣の舞踏であった。
エリックとルーカも舞台裏に隠しておいた武器を手に取り、観客に被害が起こらないよう襲撃者の攻撃に反撃する。
『聖なる光よ! 戒めとなりて彼らに不自由を与えよ!』
ルーカの斬撃とともに、力ある言葉によって紡がれた光の糸が男達を縛り上げる。
「何だこれ! ほ、解けないぞ!」
身動きが取れなくなったスキを付いて、エリックは素早い動きで相手をなぎ倒していく。
冒険者達の攻撃をすり抜けて舞台に登ってきた襲撃者は、フリーダがダンスのステップに合わせて攻撃を繰り出し無力化させていった。
『踊れ、舞え、心のままに! 猛る《たける》炎は誰にも止められない!』
観客からは、それが踊りなのか戦いなのかは最早分からないほど。
複数の男達を倒していく様に、人々は拍手と歓声を送った。
●舞台裏にて
その頃。
舞台裏を駆ける不審な影があった。
「正面突破はやっぱアブねぇな、こっち選んで正解だったぜ」
「そっちは通行止めだよ」
背後から声をかけられ、男達はびくりと身を震わせる。
「ちっ、一座の見張りか!」
振り向くが人の姿はなく。慌てふためく男達の足元をすくい上げるように、キオルティスは低く腰をおろし、回転しながら蹴りつける。
「このやろぉ!」
手近にあった木材を手に取り、男は力任せにキオルティスに襲いかかる。
巧みな足さばきで男の攻撃を躱しながら、背中に回り込み、鋭い一撃を急所に叩き込む。
騒ぎを聞きつけ駆けつけたニールが、意識を失っている男達を手早く縛り上げる。
「野暮なことをする輩は格好悪いよ? 格好悪い人間をキミたちの大好きな『ヤファさん』は好きかな?」
「な、なんでヤファちゃんのことを……」
「いや、あの名前で分からないはずないじゃん……ま、キミたちはそこで劇の続きを見ながら、自分が何をしたか反省するんだね」
そう言って、キオルティスはにこりと微笑んだ。
●剣の舞
『ああ、ジド・ルウ! ああ、私の愛する人! どんな試練があろうとも、私はあなたを愛します!』
ショコラ役のヤファの唄に合わせて、ジド・ルウ役のトーラが踊る。
観客席に紛れ込む悪漢を次々と薙ぎ払う様に人々は酔いしれていた。
「いいぞー! もっとやれー!」
「ジド・ルウ、負けるなー!」
人々の歓声に呼応するように、スポットライトが主役2人を照らし出す。
冒険者達は観客に被害が及ばないよう配慮しつつ、演技にみせられるように、攻撃を避けながら悪漢達を舞台側へと誘い込んでいた。
『わたし達の前を阻むものなどいない! さあ、共に手を取り行こう、未来へ!』
●大団円
「最後までご覧頂きありがとうございます! メリーユールフェス!」
リノアの高らかな声と共に、出演者達は丁寧に一礼した。
一斉に会場中から盛大な拍手が湧き上がる。鳴り止まぬ拍手に手を振って返しながら、出演者達は舞台袖へと出ていった。
「いやー、素晴らしい公演でした! ここまで上手くいくとは思いませんでしたよ!」
控室に戻ってきた一行を出迎えたのは、満面の笑みを浮かべた一座の団長であった。
団長の後ろには、ロープで縛り上げられている男達が転がっていた。冒険者ギルドへの連絡はもう済んでおり、この後引き渡しにいくらしい。
「皆が協力してくれたおかげよ! ヤファさんも頑張ってくれたし、ね」
そう言って、トーラは隣にいたヤファに軽くウィンクをする。
「わ、私も……憧れだったこの舞台に協力出来て嬉しかったです……!」
興奮やまぬ様子で、ヤファも大満足そうに言った。
「それにしても……」
転がされている男達をトーラはじろりと睨みつけた。
「あなた達は自分勝手すぎるのよ! 自分のわがままを通したいからって皆に迷惑をかけて良いと思ってるの!?」
「……」
「心を入れ替えれば、あなた達の好きなヤファちゃんも振り向いてくれるかもしれないよ? ちゃんと反省してくるんだね」
当のヤファ本人はというと、『この人達誰だっけ?』という顔をしているが、ただの客と店員の関係だと考えれば、そんなものだろう。
「これだけ上手くいくなら、来年もお願いしたいものですね」
と、団長はのほほんと呟く。
さり気なくそこは『来年は観客として参加したい』と返答しながら、冒険者達は苦笑いを返すのだった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 4〜10人
2021年01月04日 11時59分42秒 公開
相談掲示板
出発まで長いのですね。 ひとまずは挨拶だけでも。シャロンと申します。 【3】予定です。 武器を持ち込まず、格闘術にて対応する予定です。 サブミッションなら大暴れしなくても使えますから、人混みでも安全かと思い。 余力があればあまり騒ぎにならないような手段が取れたらな、と思います。 具体的には思いついていないのですが、警戒して未然に防いでいくか、芝居の一環のように見せかけるか、でしょうか。
トーラです。よろしくお願いします! ファンクラブを名乗って嫌がらせをするなんて自分勝手な人たちですね。 ヤファさんの迷惑になるとか考えないんでしょうか。 他のお客さんに気付かれないよう騒ぎを納めないといけませんし、襲撃を演出として舞台に組み込むのでいいと思います。
ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 襲撃を芝居の様に演出して舞台に組み込むことができれば、 他のお客様に異変を察知されにくい点は良いアイデアだと思います。 今回の襲撃者の方々はヤファ様に好意を持っているようですので、 可能であればヤファ様に協力をして頂けると助かりますね。 担当についてはまだ未定ですが、【1】か【3】になるでしょうか。 【2】については暗視等のスキルが無いので少し難しいと思います。
成立しましたね! あらためてよろしくお願いします。 担当ですけど、歌も躍りも得意というわけではないので、裏方とかに行こうかと思っていたんですけど、他に体格の合う人が来ないならジド・ルウさま役をやった方がよさそうですね。 ヤファさんに協力して貰えるのなら、ショコラかオランジェット役をお願いしてみるのはどうでしょうか? 熱心なファンなら台詞や歌も知っているでしょうし。
シーフのキオルティス。キオでもルティスでもお好きに。 今回は宜しくね。 俺は選択肢としてはどれも可能、かな。 強いて言うなら【3】だとちょっとだけ非力かもしれない(苦笑 あと、ジド・ルゥ役は無理っぽいね(笑 ところでヒロイン役もハーフリングなのかな、これ。 それに因ってはヤファさんを巻き込むかどうか、俺たちの中から ヒロイン(準ヒロイン)役を捻出するのかも変わって来るよね…
メリーユールフェス。ニール・ロブラリアだよ。よろしくね。 襲撃を演出に組み込む案、いいね。 ヤファさんの方は……あくまで観客、だから、協力を求めるにしても 限定的な内容じゃないと難しいかな、と思う。 ……ボク個人の考えとして。彼女には観客として 純粋にジド・ルウの物語を楽しんで貰いたい、というのもあるけれど。 ボクは【2】が向いてるかな。人数偏りそうなら他の担当でも大丈夫だよ。 【1】は……歌は、何とかいけるけど、演技とダンスは厳しい、かな。
成立していましたね。改めてよろしくお願いします。 襲撃は演技に組み込む形で決定の流れでしょうか。 説得力を増すためにはもう少し具体的に決めたほうがいいでしょうか。 実際と近い形で、ヤファちゃん崇拝団は『ショコラまたはオランジェットに横恋慕しており、嫉妬のためジド・ルウを襲う暴漢』と言うことにしてしまうとか。 そう観客に思わせるようにセリフを何か言えばいいと思います。 その後の戦闘はアクションシーンということで。 ヤファ様にご協力いただくのは、彼女に危険がないのならいい案だと思います。 戦闘に巻き込まれてしまうと危ないので。 舞台に上がる方で守ってあげられる方はおいででしょうか?
>護衛 それではこちらでヤファ様を守りましょうか? 舞台にいるのであればチャージング+カバリングでブロックするのは難しくなさそうですし。 ただその場合ですと、必然的にこちらは【1】になるでしょうか。
キャスターのリノアよ。 よろしくね。 【1】でいこうと思うわ。 ヒロインをするかは他に候補がいるかにもよるかしら・・・
>キオルティス また会えたわね。今回もよろしく。 ヒロインがハーフリングっていうのはありそうね・・・ だとしたら、私じゃ難しいかも。
フリーダ様、提案を聞いて下さりありがとうございます。よろしくお願いしますね。 >ヒロインはハーフリングか OPから確実にハーフリングと指定があるのはジド・ルウだけですから、いいのではないでしょうか? ジド・ルウですら、ハーフリングや小柄な人がいなければ別にいいみたいですし。この点が原因で依頼が失敗になることは考えにくいです。 やりたいかどうかでいいんじゃないでしょうか? 参加枠に空きがありますから、あとから来る人のために、宣言をまとめておきますね。 取りこぼしや間違いがあったら、申し訳ないですが訂正をお願いします。 【1】 (トーラ:ジド・ルウ役) リノア:(ヒロイン?) フリーダ:ヤファにヒロイン役を頼む場合護衛 【2】 (ニール) (トーラ) 【3】 シャロン:出入り口付近警戒 【未定】 キオルティス:強いて言うなら3以外
長いと思ってましたけど、あと二日なのでそろそろ話を進めていかないとですね。 シャロンさんまとめありがとうございます! ヤファさんに出演をお願いする件ですけど、確かに演劇を楽しんで貰うなら出演をお願いするのはご迷惑かもですね。 荒事になった時の避難のために事情を説明した方がいいでしょうし、その時ご迷惑でなければということで話をしてみるということでどうでしょうか? わたしもヒロインはハーフリングでなくてもいいと思います。 ジド・ルウさま役にしか身長等の条件がないですし、小柄な参加者がいなければそれ以外の人がジド・ルウさま役を含めてやることになってたでしょうから、あまり気にしなくていいと思いますよ。
>ヒロイン役 そうか…そうだね。杞憂だったようだ。 リノアさん、シャロンさん、トーラさんは意見、有難う。 >ヤファさんについて ところで演劇内に荒事を組み込むと言うことは、それ自体を演劇とする イコール平常を装ってコトを解決するってことじゃないのかな? 俺の読み違えだったら申し訳ないのだけれど、トーラさんから「避難」って 言葉が出たのが気になったのでね。 で。もし『平常通り』なら、ヤファさんには純粋に劇を楽しんで貰いたいかな。 そうで無いならヤファさんを巻き込むのも有かな…とは思うけれど。 >担当 ヒロイン役が足りなければ【1】で。そうで無ければ【2】で行こうと思ってるよ。 >リノアさん 此方こそ宜しくね!(微笑
大分押してきましたね。 >ヤファ様 >避難 一般観客には「暴漢の襲撃はあくまで演劇の一環である」と嘘をつきとおす、ということで問題ないかと思いますが、 ヤファ様には本当のことを言うかどうか、というお話でしょうか? ジド・ルゥのそばにヤファ様を配置するなら、戦闘になった場合、危険であれば避難してもらうこともあるでしょう……という話ですよね。 避難は必ず実行する予定ではなく、万一のときの対処、のような? 気持ちとしてはキオルティス様のおっしゃるように、舞台に上がるとしてもヤファ様には楽しんでいただきたいので、嘘をつきとおす形が私は良いなぁと思うのですが……。 何もかも思い通りに行くとは限りませんし、万が一のとき避難していただくというプレイングを書いてくださる方がいらっしゃるのは、安心できますね。 不発になるかもしれませんが、書くことでデメリットはありませんし、 トーラ様さえよければ、そのまま書いておいていただいて欲しいとおもうのですが、いかがでしょうか。 妥協案としては、演技の一環として舞台の裾に引っ込んでいただく動きをしていただくことで実質的には避難している形にするとか、でしょうか?
連投になりますが…… フリーダ様が舞台の上にいるフヤファ様を守ってくださる予定ですし、 避難する場合は二重の策になるため、字数が厳しければ削っていただいてもいいかな、と思います。 思ったより暴漢の数が多ければ、フリーダ様が押さえていてもヤファ様には逃げていただかないといけないこともあるでしょうし、難しい所ですが。
時間が迫って来ているので、即答気味でごめんね。 >避難 ヒロインであるヤファさんが避難する=ヒロインが居なくなる これだと解説の成功条件である 『出来る限り観客に気づかれず、何らかの形で敵の襲撃を阻止できれば、シナリオ成功』 と齟齬が出て来ると思うんだけど、どうだろうか。 シャロンさんの言うように演技の一環として舞台袖に引っ込んで貰うのであれば ギリギリ行ける…のかな。 そうすると、そのようにお話の根回しもしておかないといけないと思ってるけど… 皆はどんな風に考えてるのかな。俺が考え過ぎ、かな…。
>避難 避難イコール会場から完全に離脱するとは考えておりませんでした。 会場内の安全な場所に一時退避していただき、鎮圧を成し遂げたあと出てきていただくのかな、と思っていました。 もしくは、演劇を続けられないほど戦況が悪化した場合で、 そもそもヒロインの不在以前の問題が発生した場合に避難、のような。 理由としては、相談卓では依頼の成功のために意見を出し合う場ですから、演劇を失敗させるような提案は出されないであろう…と思っていましたので。 もちろん避難も、依頼の成功条件から逸脱しない範囲で行われるのだろうと解釈したからです。 しかしMS様が私と同じ解釈をなさるとは限らないので、ハッといたしました。 >考えすぎ? いいえ、このようにきちんと話し合える依頼は久しぶりでしたので……趣旨は逸れるかもですが、楽しませていただいています。 依頼に対する温度差は人それぞれですから、しっかり相談したいと思ってもなかなか相手をしてくださる方はいませんもの。
間があいてしまったわ・・・ シャロン、トーラは意見ありがとう。 なるほどね。 問題なしと考えてヒロイン『ショコラ』かヒロインの友『オランジェット』役でいこうと思うわ。 オランジェットにしようかとも考えていたけれど、ヒロインの不在=失敗の可能性を考慮して、ヤファにオランジェットを頼んで、私はショコラ役にしようかと思う。 ここからはぎりぎりまで見てる様にするので問題あれば言ってね。ショコラの場合、オランジェットの場合で考えておくから。
すみません、言われてみれば楽しむどころではなくなりますし、ヒロイン役をお願いしていた場合退場するのはまずいですね。 騒がせてしまってごめんなさい。 避難の話はヤファさんに危害が及ぶ場合の最終手段で、演出の一部として下がって貰うという感じで。「ここはわたしに任せて下がって下さい」といった感じでどうでしょうか。
主役とヒロイン役、確認しておきたいのだけど。 ジド・ルウ役は、トーラさん、で大丈夫そうかな。 ショコラ役とオランジェット役は、リノアさんとキオルティスさん? ……二人とも、ヒロイン役(友役)希望、の発言あったから。 どちらがどちらを演じるかは今のところ決まってないようだけど。 そうすると、ヤファさんには舞台に上がって貰わなくてもいい状況かなと 認識しているけど、合ってる……? ボクの方は予定どおり【2】で、裏方からいろいろフォローできればと思うよ。 一座の皆さんへ、特に夜の部での演出違い……襲撃を予想した説明とか、 あとはペットの栗鼠を舞台の大道具の影等に忍ばせて、色んな角度からの警戒とかかな。
そろそろプレイングを確定しないといけませんね。 >配役 それでは【1】のバックダンサーとして行動します。 基本的には舞台の進行に合わせてバックダンサーとして舞台を盛り上げ、 ヤファ様の登場あたりで出てくると思われるテロ集団が見えたら、 カバリング等でヤファ様を守る形で行きたいと考えています。 とはいえ、いきなりバックダンサーが動いて戦闘開始となるとストーリーがややこしい事になりそうですから、 何かしら理由を付けてシド・ルウの手下1号みたいな感じで名乗り上げて、 この騒動を「シド・ルウVS悪役」みたいな形にできたらなと思います。
えぇと…ここまでの話の流れとして、俺の認識としては ニールさんの役割分けなんだけど、トーラさんの最後の一文や フリーダさんの認識を加味するとヤファさんは舞台に上がる… それもヒロイン役として上がる形、かな? トーラさん演ずるジド・ルゥが護るならヤファさんは ショコラの方が良いだろうし…まだその辺り、齟齬が有りそうだね。 とりあえず俺の現状の認識としては重ねてになるけど(現在顔出しの方のみ) ▼平常通りに舞台運行が出来る場合 ジド・ルゥ:トーラさん ショコラ:リノアさん(フリーダさん?) オランジェット:キオルティス(フリーダさん?) バックダンサー:(フリーダさん?) 【2】:ニールさん(手が足りなければキオルティス) 【3】:シャロンさん ▼襲撃時にヤファさんを逃がす=平常運行出来なくても良い場合 ジド・ルゥ:トーラさん ショコラ:ヤファさん オランジェット:リノアさん バックダンサー:フリーダさん(手が足りなければキオルティス) 【2】:ニールさん(手が足りなければキオルティス) 【3】:シャロンさん …こんな風に考えてるよ。平常運行が出来ない場合にヤファさんを ヒロインであるショコラに据えたのは、ジド・ルゥが護ることを誓って おかしくない方、と言う理由から…だね。 とりあえずこんな感じなんだけど、どうしようか。 >シャロンさん 心強い言葉、有難う。俺も嬉しいよ。
んー・・・私もキオルティスと同様の認識ね・・・ ヤファにはあがって貰う、でいいのかしら。 で、襲撃されたときには劇の一環と言う形で下って貰う、っていうならキオルティスのいうようにヒロインはヤファがいいでしょうね。 ここまでの流れならキオルティスのあげてくれた、 平常運行が出来ない場合の配役で纏めたほうがいいんじゃないかしら。
OK、了解したよ。リノアさんは有難う。 じゃあ平常運行が出来ない場合=ヤファさんをヒロイン役に据える方向で考えるね。 さて、と。俺はどうしようかな…出演者陣が襲撃者が手に余る数だった場合、舞台袖に 襲撃者を放り込んでくれるなら裏方の方が良いだろうし、恋愛ドタバタ活劇にするなら バックダンサーに回るし、ね。 顔を出してないお2人が裏方なら【1】に、そうでないなら【2】に…とも思うけど その辺りは現状、分からないからな…どんなもんだろう。 平常通りで無くても、なるべく平常通りの公演に見せられるように【2】の方が無難、かな? もし俺の担当の希望なんかが有れば言ってやってくれると嬉しい。
そういえばきちんと言ってませんでした。 ジド・ルウさま役で行動させていただきますね。 ヤファさんの件ですけど、ニールさんの観客として楽しんで欲しいという意見もありますし、ヤファさんが乗り気でない時のための代役を立てておく必要もあるかなと思います。その人が大変になるのが申し訳ないですけれど…。 今のところヤファさんについては触れずに仮行動を出していますので、ギリギリまで見て調整するようにしますね。 キオルティスさんの担当ですけれど、裏方にもバックダンサーにも劇団の方がいる筈ですし、やりたいことをやるのが一番だと思いますよ? 竪琴の演奏とかやろうと思って参加されたのなら、思いきり演奏してもらえたら。
>ヤファさん これについてはどちらかに絞っておいた方が良いと思うよ。 代役を立てて置くとか、どっちつかずにしておいて良い程度の問題ではないか、と。 それ位、重要なポイントだと俺は思ってる。 因みに個人的にはヤファさんには観客に回って欲しいけれど、流れ的には昨夜に リノアさんも言ってくれたようにヤファさんは既に配役されている物だと認識してるよ。 >担当 トーラさんは助言有難う。 でも、さすがに2人も宣言すら無しの状態で、規格外のことはする気になれない。 …と言うことで、ヤファさんが配役の場合は【2】で行くつもりだよ。
あー…。そうですね。 もう変更も出来ない人もいるでしょうし、ヤファさんにお願いする形で行動を出しますね。