【PT】アロシュナバラ砦からの逃亡者

青葉桂都

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シナリオID:368

オープニング

●大剣の向かう先
 リーンエス王国の辺境、アロシュナバラ砦の戦いは大詰めを迎えている。
 その近くにある村に、10体ほどのバルバロイが近づいていた。人間が多くを占めるが、何体かハーフビーストも混ざっている。
 中心にいるのは、大剣を手にした大男。
 独特の刺青を体に施した蛮族の男は、サンダースという名だった。
「あの村がいいんじゃねえか?」
「そうだな。ま、この辺の村はどこもいっぺん襲ってるから、大したもんはねえだろうが……」
 サンダースの言葉に、剣を持った男が答える。
「とりあえず逃げる間、食うものがありゃいいさ。金目のもんが残ってりゃ最高だがな」
 槍を持った別の男も言う。
 男たちの姿はバラバラだったが、全員ろくでもない生き方をしてきた者であることは見ればわかる。
 そして、ろくでなしである彼らは、どうやらアロシュナバラ砦にいる首謀者を平気で見限って、逃げる途中のようだった。
「なんにしたって、チャンスは今だけだ。今なら冒険者どもの目は砦に向いてる」
 サンダースが言った。
 彼は他の者たちより体が大きく、そして動きも鋭い。だからこそ、他のバルバロイたちはサンダースについてきているのだろう。自分が生き延びる可能性を少しでも増やすために。
「ひと暴れしてもらうもんもらって、そしたらとんずらだ。それまでは仲良くやろうぜ」
「おう、わかってるさ」
 言葉を交わして、バルバロイたちは村へと近づいていく。
(せっかくブランクの兄貴に助けてもらった命なんだ。あのヘンリクってやつに付き合って死ぬなんてまっぴらだぜ)
 サンダースは心の中で考える。
 彼の兄貴分は、このアロシュナバラ砦をめぐる戦いの中ですでに死んでいた。……いや、死んでいるだろうと彼は考えていた。
 負けて死ぬか、捕まって拷問されてから首を切られたか。自分と兄貴分がそうされるだけの生き方をしている自覚はある。
(絶対に生きのびてやる。そんで、あの時、兄貴をやった奴らを見つけ出して1人ずつぶっ殺してやる……)
 その決意を胸に、彼は村へと近づいていく。
 火の手があがったのは、それからさほど時間がたたないうちだった。

●授恵者たちの登場
 村の建物が燃えて、煙が立ち上ったのは、バルバロイたちが意図したものではなかった。
 暴れまわるバルバロイたちの一部が、暖をとるためにおこしていた火をひっくり返したのだ。
 その煙が、襲撃を受けた村を支援するため、近くに来ていた授恵者たちの目に入った。
 授恵者たちから見て、村が何者かに襲われているのは明らかだ。
 急げば1人でも多くの人を助けられる可能性がある。ただ、慎重に行けば、襲撃者たちに気づかれることなく接近して不意を打てるかもしれない……。
 いずれにしても、助けに行かないという選択肢は、授恵者たちにはなかっただろう。
 村へと近づく者たちの耳に、悲鳴が聞こえてきた――。

解説

●シナリオ概要  アロシュナバラ砦に見切りをつけて離脱したバルバロイたちが、逃亡中に見つけた村を襲撃しています。  皆さんの力で、村を助けてあげてください。  バルバロイを追い払うだけでも村を守ることができますが、もし逃げた人数が多ければ彼らはまた別の村を襲うでしょう。全滅させる必要はないまでも、できるだけ数を減らさなければなりません。 ●サンダース  バルバロイたちの中で唯一の授恵者で、大剣を手にしたファイターです。 【PT】連動シナリオで過去に登場しており、仲間に助けられて生き延びています。そのため、このシナリオでは死に物狂いで生き延びようとします。 ●バルバロイたち  10体ほどのならず者の集団です。  サンダースの実力を当てにして同行していますが、仲間意識はありません。不利になれば平気で他の者を見捨てて逃亡することでしょう。 ●舞台  アロシュナバラ砦からそれほど離れていない位置にある村の1つです。  シナリオ開始時点で村人やバルバロイたちは皆さんの存在に気づいていません。  とはいえ、急いで村に向かえば気づかれる可能性が高いでしょう。

マスターより

 おはようございます、青葉桂都(あおば・けいと)です。  今回はアロシュナバラ砦から離脱したバルバロイたちによって襲われる村へ救援に向かっていただきます。  ご参加いただければ幸いです。  どうぞよろしくお願いいたします。

リプレイ

●火の手が上がる村へ
 遠くからも燃えていることがわかる村へ、授恵者たちは急いでいた。
「厄介ゴトハ砦ダケデ十分デゴザイマショウニ」
 ギ・ガガは立ち上る煙をながめてそう言った。ゴブリンの赤い瞳が遠くを見すえる。
「悲鳴が聞こえたということは、まだ生き残っている人がいるのですね」
 キーゼが静かに言う。
 歩くごとに、右耳の前に一房垂らした黒い三つ編みが揺れる。
「……緊急事態、か。急ぎつつも確実に襲撃者を殲滅しないと別の場所でも被害が出るな」
 アスティン・ヴェルラインがどこかのんびりとした調子で言う。
 もっとも、のんびりしていてもその動きは冷静だ。大鼬のディディと共に、彼は村へと近づいていく。
 悲鳴はさらに断続的に聞こえてくる。
「子供の声も聞こえた気がするね。元教師としては見過ごせないところだ」
 小柄なハーフリングの女性、ベゴニアが呟いた。
「ガキ相手でも容赦なしか。気に入らねえ話だぜ」
 赤毛の少年、ジル=クィネルが不機嫌に言い放った。
「けど、心配だけど、焦って駆けつけて事態を酷くするわけにはいかねえからな」
 授恵者たちは移動しながら話し合い、一計を案じる。
「村人を救い、バルバロイを殲滅する。この2つを両立するのは並大抵の努力では難しいでしょう。しかしこれを実現してこその授恵者。かならず成功させましょう」
 言ったのはノックス・マグナだ。
 青年は切れ長の目で、燃え上がる村を見つめていた。
「そうだな。犠牲を出さぬよう、うまく目を引き付けるとしよう」
 エルフのアルフレッド・ラ・ギが、華やかに宣言する。
 授恵者たちの作戦は二手に分かれて行動すること。
 10人の授恵者たちは村を救うために動き出す。
 1つの班は正面から敵の元へと向かい、その間に残ったメンバーは迂回して敵の背後を突く作戦だ。
「周囲の地形を確認しておこう。敵が逃げた時のためにな」
 迂回する者のうち、ルオがエーテル波を放つ。眼鏡の奥にある黒い瞳で、彼は油断なく警戒の目を向ける。
 特徴のない青年は、エーテル波で探った情報を仲間たちに伝える。
「見つからないようにしながら、できるだけ急がないとな」
 迂回するメンバーの1人であるセリオス・オーガストは、周囲を天からの視点で見つめながら、移動していく。
 ハーフビーストの青年は、生やした耳や尻尾にふさわしい、猫科の獣のようにしなやかな動きで走る。
 もう、悲鳴は聞こえてこなかった。
 代わりに、なにかを叩く大きな音が聞こえてきた。

●ごろつき相手に時間を稼げ
 正面から村に向かったのは、10人のうち4人。
 そのうちの1人であるアルフレッドは、エドゥノーグバッヂを強く叩いた。
 叩くと出る綺麗な音が――轟音となって響く。
「なんだ!? 今の音!」
 片手で耳を押さえ、もう片手で1人の女性を引きずり、男が家から出てきた。
 授恵者たちの姿を見て、男はすぐさま女の手を離して剣を抜く。
 音につられて、他のバルバロイたちも次々に姿を見せた。見えるだけでも、おそらくは10体弱はいるだろうか。
 音を立てたアルフレッドは、そのまま彼らの方へ進んでいく。
「諸君! 我々は冒険者である」
 そのまま、呆気にとられる男たちと村人に従軍記章を誇らしげに見せつける。
「4万のアンデッドの軍勢をたった数百の授恵者と4千の兵士で蹴散らし、ヴァイセントラフ砦を防衛せしめた兵揃い!」
 堂々とした彼の語りが、ただの時間稼ぎだと言うことに気づくものはいなかった。
「村人諸君は我々の指示に従い避難を願う! ああ敵勢諸君、君たちは私たちの相手をしてもらいたい、我々は一人で十人を射殺す歴戦の兵士だが、雑魚を相手に嬲るような卑劣な者ではない」
 得物をごろつきたちへと向けて、アルフレッドは大仰に首を振って見せる。
「私と君たちの頭目で一騎打ちをしよう! 私が勝てば君たちは引き下がる! 君たちが勝てば好き勝手に暴れるがよかろう!」
 さらに一歩。
「さぁいざ尋常に戦おうという勇士はいないのか!」
「寝ぼけてんのか、この優男」
 言い切ったのはひときわ大きな体を持つスキンヘッドの戦士だった。
「……ほう?」
「いくら俺が馬鹿でも、そう簡単には騙されねえぜ。全員で戦えば不利だってわかってんだろ」
 男はキーゼを顎で指した。
 全力で駆けつけたせいで疲れているキーゼがいる。
 ……もっとも、その姿が演技であることには、気づいていないようだった。
「……くっ」
 聞こえよがしに、青年はうめき声を出して見せる。キーゼは服もわざと汚して、急いできた感を演出していた。
 そうすることで、バルバロイたちは授恵者たちを片付けることにまず意識を向け始めた。
(今のうちに逃げてくれるといいのですが……)
 演説で村人たちが避難することを願いつつ、キーゼは俯瞰の視点で村を観察する。
 敵のうち1体が、切りかかってきた。
 上空からながめるように攻撃を認識して、彼は紙一重でどうにかそれを回避する。
 他のごろつきたちも、まとめて授恵者たちへと攻撃をしかけてくる。
 戦いが始まった。
「やられてたまるもんかよ!」
 ブチハイエナのハーフビースト、Есөнхумсが槍でバルバロイの槍を受け流す。
 それでも、数で勝る敵相手に、授恵者たちの不利は否めない。
 バルバロイの攻撃に、授恵者たちは徐々に押し込まれていく――。
「やはり少数では分が悪いですね」
 ノックスは苦しげに息を吐いた。
 その身体を剣が切り裂く。鋼の大太刀で男に切り返す。
 全力を出せば何人かは倒せるだろうが、全滅は難しいだろう。特に、最初にアルフレッドと話していた、ひときわ背の高い戦士は捕らえられない。
 ただ、先行してきたのは村人たちを救うという難しい仕事をこなすためだ。
(村人たちが逃げて、包囲網が完成するまで時間を稼がせてもらいますよ)
 敵を油断させるために、あえて技は使わず、太刀だけでノックスは戦っていた。
 切り裂かれたノックスの傷を、光がふさいだ。キーゼが使った癒しのエーテルだ。
「助かります」
「何度も使えませんから、気をつけてくださいね」
 キーゼが言ったその言葉も、敵を油断させるための嘘だろう。
「そうなんですか……厳しいですね。残りはできるだけアルフレッドさんに使ってあげてください」
 ノックスはキーゼに合わせてそう答える。
 その間にアルフレッドは大剣を持った大男を含めた、バルバロイたちと対峙していた。
「どうやら君がリーダーのようだね。一騎打ちに応じてもらえなくて残念だよ」
「まともなやり方じゃあ、俺たちみたいなごろつきが冒険者には勝てねえんでな」
 襲ってくる大剣を、そして他の者たちの剣や槍を、鉄の棍とシールドで受け流そうとする。もっとも、すべてを防ぐことはできない。
 他のバルバロイどもはともかく、大男は手練れの授恵者だ。盾をすり抜け、痛烈な剣撃を浴びせてくる。
 ただ、バルバロイたちが4人の授恵者に集中している間に、村人たちは避難を始めた様子だった。

●包囲網の完成
 仲間たちが敵の注意を引き付けている間に、他の6人は別の方向から村へと近づく。
 村には燃えている家があるのはもちろんのこと、そこかしこに略奪の痕跡がある。
「コンナ事シテモ、自分ノ首ヲ絞メルダケデゴザイマショウ……? 眼先ニツラレテル事ノ、愚カサッテヤツデゴザイマスカ……」
 ガガは、戸口に残る破壊跡や、血だまりを見回して言う。
「ったく、ろくなもんじゃねえな。いいぜ、引導を渡してやるよっ」
 ジルも不愉快気な顔をして言った。
 言いながらも、狩猟の経験を生かして逃走路に使えそうなルートを確かめている。
「それじゃあ、囲んで敵を追いつめるとしようか。できれば四方からな」
 ベゴニアが言った。
 頷き合い、授恵者たちは敵を包囲するために散って行く。
 正面から突入した仲間たちがうまくやっていることもあり、隠れて動く6人に注意を払うバルバロイは1体もいない。
(正面班の負担が大きい。なるべく早く配置につかねばな)
 ルオは心の中で呟きながら、移動する。
 シューターであるアスティンはできるだけ見通しのいい場所を探して位置についている。
 同じくシューターのジルは大男を狙える場所を探していた。
 ……そして、6人はそれぞれの立ち位置を定めた。
「悪いけれど逃がすつもりは無いよ。キミ達を逃がせば、また別の何処かで罪の無い人々が苦しむ事になる」
 バルバロイたちの不意を突いて、まず出現したのはエーテルの輝き。
 それは収束し――そして、光弾となって一気にはじける。
 放ったベゴニアは、より多くの生命エネルギーを転化して、魔力を増幅してその術を強化していた。
 光弾に撃ち抜かれたうちの1体は完全に息絶え、他の者も痛打を浴びている。
 同じ場所にセリオスが光の矢を撃ち込む。それは光の砕片となって炸裂し、周囲にいるバルバロイたちへと突き刺さる。
「ちっ! まだいやがった!」
 ごろつきの誰かが叫んだ。
 別の敵が周囲に視線を巡らせる。
「人質をとるつもりかな?」
「やらせるかよ!」
 アスティンが牽制と放った矢が視線の先をかすめて地面に突き刺さり、直後にジルの矢が男を射抜く。
 両手に刃を構えたルオが、範囲攻撃で傷ついたバルバロイへと接近して切り裂く。
(見るからに連携が取れていないな。こちらはしっかりと連携して戦っていくとしよう)
 仲間が攻撃する障害にならないよう、ルオは素早く敵から距離をとる。
 セリオスやベゴニアの範囲攻撃が、その場所でまた炸裂する。
 反対側からはガガが素早くバルバロイの1体へ接近し、脚を狙って手にした得物を一閃した。
「サンダース! やばいぞ、囲まれてる!」
「くそっ……なんでてめえら砦に行かねえんだよ!」
 アルフレッドの前にいた大男が、いまいましげに吐き捨てる。
 ガガはそのまま燃える家の壁を駆け登り、リーダー格らしいサンダースへと接近していく。
 戦いは激化していった。

●逃亡者たちの最期
 包囲されたバルバロイたちは、烏合の衆でしかなかった。まだ数そのものは授恵者たちよりも多いが、それだけだ。
「さて、倍返しのお時間ですよ」
 キーゼが告げる。
 告げると共に、彼から遠くにいた1体を中心として、光が降り注いだ。
「逃げ道がいくつかあります! 気をつけてください!」
 仲間たちにそう告げた直後、ルートのうち1つに雷が降り注いだ。
 アルフレッドが召喚した雷は、ごろつきたちの逃げ道の1つしっかりとふさいでいた。彼の代わりに、サンダースへの対処にはガガが動いている。
 真正面から対峙したゴブリンの少女は、鋼の暗針で大男の脚の腱を狙う。
「少シデモ移動力ヲ減ラセソウナコトハ、スルベキデゴザイマショウ?」
 授恵者だけあってそう簡単に狙わせてはくれないが、サンダースの脚にはもういくつも穴が開いている。
 キーゼの回復や、ジルの撹乱の矢で援護されながら彼女は授恵者の戦士と戦っていた。
「ちくしょう、俺はもう逃げるぞ!」
「俺もだ! こいつらにやられるくらいなら、土でも食って生き延びるほうがマシだぜ!」
 その間に、バルバロイたちは1体、また1体と離脱を試み始めていた。
 ……けれど、授恵者たちは逃げる彼らの脚を的確に止めていた。
「逃がさんぞ」
 短くぶっきらぼうな言葉を発したセリオスが、鋼の短弓を鋭く射る。
 足を射抜かれたバルバロイがつんのめって転倒する。
 転んだところに、アスティンが止めを刺した。
 別の1体がその間に逃げ出そうとする……が、その顔を大鼬がふさいだ。
「う、うおっ!」
 戸惑っている間に、その敵もまた授恵者たちが脚を貫き、二刀流が断ち切る。
「よくやったよ、ディディ」
 エーテルで同調した大鼬に、アスティンが声をかけた。
「くそっ……俺は、こんなところで死ぬ気はねえんだ!」
 サンダースが叫んだ。
 そのまま、アルフレッドへと突撃しようとする。いや、おそらく目的は彼の後にある村の入口か。
 けれど次の瞬間、彼の周囲に雷が降り注いだ。
「キミがリーダーだね。大人しくしろとは言わないよ。それに、キミの願いは聞いてあげる事はできないね」
 ベゴニアが召喚した無数の稲光が、サンダースの動きを阻害する。
「そう、逃がすわけにはいかないのだよ」
 光輝を放つ六角柱が、サンダースの体を囲む。
「邪魔するんじゃねえ!」
 六角柱を壊そうとするが、剣の一撃でも揺らぎはしない。
 暴れているうちに、授恵者たちは他のバルバロイたちを一気に片付けていく。
「これ以上、暴れさせはしません」
 ノックスが鋼の大太刀で繰り出す鋭い一撃がバルバロイを切り裂く。
 アスティンの矢が射抜き、キーゼの降らせた光の雨が打ち砕いた。
 もっとも、サンダースには仲間がもういないことを気にする余裕などまったくなかった。六角柱が消えたとたんに全力で駆けだそうとする。
「そっちに逃げるのは、わかってるんだよ」
 サンダースを狙いやすい位置からジルが素早く放った2本の矢は、駆けだす先を見切って確実に敵を貫いた。
「行カセルワケニハイカナイノデゴザイマス」
 加速したガガが壁を走って男の前に回り込んで暗針を繰り出した。
(生への執着、そういう姿勢は嫌いじゃないぜ。だが、残念ながら……)
 動きが鈍った敵へ風の速さでルオが追いすがり、片足に2本の細剣を突き刺す。
「お前はここで終わりだ」
 サンダースが膝から崩れ落ちる。ガガにも狙われ続けていたその脚は、すでにボロボロになっている。それでもまだ動けるのは彼も授恵者だからか。
 起き上がろうとする背中に、セリオスの矢が突き刺さる。
 瀕死の戦士にベゴニアが近づく。
「犯罪をやめひたすらに逃げて、まっとうに生きようとすれば生き延びられたかもしれないのに、それすらもできない……考えようともしなかったのなら……」
 大樹の杖をサンダースへと突きつける。
「ここに私達が来たのは運命だよ」
 魔弾が大男の胸を貫通する。サンダースの動きが止まり、傷口と口から血が噴き出す。
「……俺に……俺たちみたいな連中に……他の生き方を教えてくれる奴なんざ……どこにもいやしなかったぜ」
 大男は笑った。空虚な笑みだ。そして、彼は倒れ込み、もう動かなくなった。
 しっかりと包囲して戦っていたおかげで、村から逃げ出せたバルバロイは1人もいないようだ。もっとも、燃えている家はそのままだ。セリオスやベゴニアを中心に授恵者たちはまず火を消していく。
「ケガした人、逃げ遅れた人はいますか? 回復しますから言ってください。……今度は演技でなく、残りは少ないですが」
 キーゼが村人の様子を確認し、必要なら回復して回る。ケガが軽い者はルオが余り布を引き裂いて応急処置をしていた。
 アロシュナバラ砦の戦いの影響で災難に見舞われた村は、授恵者たちの活躍で、平和を取り戻していった。

マスターコメント

 お疲れさまでした。  皆さんの活躍により、アロシュナバラ砦から逃げ出してきたバルバロイたちは一掃されました。  ご参加いただき、どうもありがとうございました。  またご縁がありました際はどうぞよろしくお願いいたします。
ショートシナリオ

ショートシナリオ普通 報酬:標準10 / 4〜10人

2020年12月27日 11時53分40秒 公開

成功

相談掲示板

  1. キーゼ

    さて、宜しくお願いします。 目的としては 〇村の無事 目標としては 〇村人及び建築物の保護 〇敵性体の討伐あるいは捕縛、逃走阻止 こんなものですかね? ひとまず、OPなり解説なりから考え得るパターンとしては 1.全員で急行する この場合、速度は出て現場に早く辿り着けます。 メリットとして村への救援は最大戦力により早く行えますが デメリットとしては敵が交戦より生存を優先される場合、逃亡する恐れが高い。 2.全員隠密 この場合、時間を掛け接近、敵の捕縛が目的になります。 メリットとしては敵への対策を重点的に行えること ただしデメリットとしては既に火の手が上がっている以上、村へのダメージは間違いなく出るでしょう。 3.先行部隊が突入、敵の目を引きつつある程度救護と交戦。遅れて後続隊が回り込み捕縛を重視  この場合、先に数名向い、分かりやすく救援として立ち回ります。  それなりに優勢にする必要がありますが、無理だと思った敵が恐らく逃亡を重視するでしょうから、あえて分かりやすい逃げ道を残しておき、その先に後続の回り込んだ数名を配置し、逃げてきたところを叩く、というところですかね。  メリットとしては1,2のメリットをある程度取れますが、  デメリットとして、先行隊の練度と、また逃走先を分かりやすく残すための連携が必要なところでしょうか。  サンダースが死に物狂いで戦う、ではなく生きようとする、というのなら、恐らくあまり不利になれば逃げようとするのは必死かと。

  2. ベゴニア

    キャスターのベゴニアだよ。 やー。しかし、この人数が居てキャスターが一人なのは珍しいね。 シューター4人、シーフ2人、ヒーラー2人、ウォーリアとキャスターが1人ずつかな。 >作戦 そうだね……やっぱり基本的には3(先行部隊突入&迂回部隊編成)かな。 とりあえず現在の略奪を止める必要がある。 そのためには不意をうつ利点は捨てて良いと思う。 でも逃げられても困るから、こっちの先行部隊は少数に見せかけて、 先行部隊を見た段階では特に逃げる気にはならないようにして、 残りが迂回して敵の逃げ道を塞いでから最大火力かなぁ。 サンダースを先に狙うか後回しにするかは検討の余地があるけれど。 スキルを何を持っていくかは少し悩むところだね。

  3. Есөнхумс

    ウォーリアのユスだ、よろしくな キースは色々と提案してくれてありがとうな オレも3が1番いいと思うな ウォーリア1人か…ってことは待ち伏せよりも先行部隊として突っ込んだ方がよさそうだな、オレは

  4. ルオ

    シーフのルオだ。 よろしく頼む。

  5. アルフレッド・ラ・ギ

    ヒーラーのアルフレッドだ 作戦についてはまだ全員集まっていないことだし発言は控えさせていただこう

  6. セリオス・オーガスト

    ン、シューターのセリオスだ、よろしく頼む 可能なら全滅させたいところだな

  7. ジル=クィネル

    シューターのジルだ。 よろしくな。

  8. アスティン・ヴェルライン

    シューターのアスティン。よろしく。 シューターの多いメンバーになったね。

  9. キーゼ

    後顧の憂いを断つためにも、出来ればここで全員処断しておきたいところではあります。 >方針 ベゴニア氏もおっしゃられている通り、既に被害が出ている以上はこれを看過は出来ません。 となれば、敵のヘイトを村からこちらに集めるためにも至急の接近は急務。 同様に、敵が不利と悟って逃げられないためにも、有利に思わせる手が必要かと。 例えば人数が少ない、準備が整っていない、依頼帰りで疲弊体裁…等々、欺き方も必要ですかね。 人数的にも3人程度でしょうか。ここは、対多が得意、持久戦が出来る、などと言った要素が必須ですかね。あまり倒しすぎてもまずいですし。 こっちに敵の目が惹きつけられれば、その後の包囲の展開も比較的やりやすくなります。 包囲の場合、完成に関しては包囲勢が攻撃を開始する、が合図程度でしょうか。そこを以て先行も積極攻勢。 包囲は、村の形状次第ですが、ストレートに先行がいる以外の3方面ですかね。 全員で一気に攻め込み包囲する、という手立てもなくはないですが。 進軍速度や進行中に見つかって数を悟られ包囲する前に逃走、という可能性もある以上、目くらましという意味でも先行は必要かと。 >村 作りの詳細が出ていないので分かりないのがややネックですか。 暴れているなら隠れる可能性は少ないと思いますが、逃走されるときはその可能性はあり得ますか。 射角の問題がでるかもしれませんが、射手の方はいっそ建物の屋根上に陣取っても面白いかもしれません。 >サンダース これに関しては仲間を囮に逃げだす程度のことはしそうですからね。 判明次第、対策は必要でしょう。授恵者ですから手ごわいでしょうし。

  10. ギ・ガガ

    ガガデゴザイマス ソモソモ、急行スレバ、バレルデゴザイマス シーフノ、オイラタチガ迂回シテ、サンダースノ足止メ、逃ゲ道ヲ塞ギ シューターガ、遠隔カラ初手ヲ取リツツ、残リデ正面カラ、デモイイト思ッタデゴザイマス

  11. キーゼ

    ? 基本はガガ氏の挙げるその動きですよ。 ただ、その回り込みなどを確実にするために、少数で来ている、と思わせよう、というのが僕やベゴニア氏の話なので。 急行すればバレる可能性は上がりますが、バレても少数ならば敵も不利に思わないでしょうし。 村に点在して暴れている可能性もある以上、釣りだす必要性もありますし。 逃がすとまずいのはサンダースだけではありません。可能な限りならずものを抑える必要がある。 それとも、隠蔽しながらの迂回配置が済むまで急行はしない、ということでしょうか?

  12. ベゴニア

    どっちにせよ、迂回戦術を使うのであれば、 足の速いシーフの人達には回り込む方をお願いしたいかな。 正面から急ぐ者と、回り込む者で何人ずつにするかも考えないとだけど。 ウォーリアの人は足が遅いから正面から行って貰う方が良いかもしれないね。 あとのメンバーは同じくらいの速度かな? 正面から行くのが3人だとちょっと少なすぎる気がするかな……。 回り込んだ人たちが姿を見せた時に逆に正面から突破して逃げそうな気がするし。 私としては普通に半分に割って5:5くらいでどうかなと思うよ。

  13. キーゼ

    >人数配置 これで行く場合、それなら4:6はどうでしょう? 配分的にはペア2x3組で周り込み程度で。 正面4で引き受け、ここはガガ氏の言う流れでもありですし。どう攻め込むかはこれからですから。 >シューター 射程は活かしたいですが、最大限活かすと正面の移動力と空白ができてしまうので。 その対策は欲しいですね。 最大射程20に対し、移動は4でも12が限界です >全体 どのような流れにしろ、全体に関わるプレイングはこちらで受け持ちますよ。 毎回字数余りますし。纏めた方が齟齬も減りますから。

  14. ルオ

    敵を全員討伐する。 村を守る。 この両者を満たすのであれば、3番目の案になるだろうな。 ベゴニアさんの提案もあるので、俺は回り込む方にしておこう。 回り込む側は、数名を逃亡ルートに待ち伏せ配置して、残りは敵背後を攻撃して挟み撃ちの形にするか? それとも、回り込む側は全員逃亡ルートで待ち伏せしておくか? 逃亡ルートが複数考えられるケースなら後者。それぞれのルートに人員を配置する。 逃亡ルートがひとつに限られるなら、前者でも良さそうに思える。 逃亡ルートひとつにつき何人配置するかで変わってくるだろうが。

  15. アルフレッド・ラ・ギ

    いきなり情報量が多いことだ 戦略は異論ないが、少々白熱しているようだね 人数については各々が行きたいところへ選択してもらう形にした方がよかろう 各々で考えている戦術もあろうしな それと、他の者は何か意見ややりたいことはないかね 得手不得手も含め個人で行動したり伏兵をしたり等 やりたいことなどあれば発言願いたい 私は基本、先行し肉壁をしつつ味方の補助をする形になろうが

  16. キーゼ

    一度整理しておきましょうか 〇目的 村の解放 〇目標 村人の安全確保 ならずもの(サンダース含)の討伐ないし捕縛 〇現在の取り得る作戦(仮段階) ・先行隊と迂回・包囲部隊の二手 ・迂回部隊は進軍速度、隠蔽の得意なシーフが主体 ・先行部隊に関しては目立つように接近、交戦 →この際の動き(シューターによる射程優位等)に関してはこれから ・迂回・包囲部隊は敵逃走阻止と殲滅を目的 →特にサンダースについては授恵者・生存優先なので注意 >数名を逃亡ルートに待ち伏せ配置して、残りは敵背後を攻撃して挟み撃ちの形にするか? これに関しては、逃亡ルートは村の作りも関係してきますからね。 塀などで囲まれていれば絞れるでしょうが、そこははっきりしていないので。 それに、暴れているとなるとならずものが村に点在している可能性も高い。 そういう点でも、先行隊が釣り出す形で目立ってくれると幸いかもしれません。 釣り出して集まったところを包囲・迂回部隊が叩く、と。 サンダースに関しては、ガガ氏も挙げるよう、彼の背後など逃走先を潰すように回り込んでおくといいかもしれませんね。 >個人的動き ひとまず遠近物魔対応できますし、回復も耐久力も確保できますからね。 恐らく先行隊になるでしょうか。

  17. アスティン・ヴェルライン

    まとめありがとう。基本的な流れは了解。 んー…俺は遠距離と索敵系に特化してるから、ペットに逃走経路を警戒させつつ 射撃しやすいポジションを取りたいところだけど…。

  18. アルフレッド・ラ・ギ

    そうさな……私サウンドボマー習得しているので衆目を集めつつ演説でなるべく民間人を安全な場所へ誘導する、というのを考えている これならば敵の目を集めつつ民間人の誘導も可能であるし、うまくいけば演説中は時間を稼げるかもしれん 安全な場所の具体的な位置はまぁ、まだ思案中だが

  19. ベゴニア

    >演説とか そうだね、正面から行く人に関しては、 いきなり戦闘に入らずに時間稼ぎもお願いしたいかもだよ。 少なくとも包囲がある程度完成するまでは、 敵に逃げ出してもらっては困るわけだし。 >班分け とりあえず正面から行く人と迂回する人を宣言しようか。 私も正面からと思ったけど、よく考えたら範囲火力なんて最初から撃ったら、 敵が逃げてしまうよね。というわけで迂回班にするよ。 包囲が完成してからだったら薙ぎ払っても問題無いだろうしね。 一応、ここまでの皆の発言から下みたいに分けて書いたけど、 間違っている人がいたら訂正をお願いするよ。 人数分けに関しては、やりたい事がある人も居るだろうから、 どっちも4~6人の間で別れてほしいな。 【班分け】 正面班 Есөнхумс アルフレッド・ラ・ギ キーゼ 迂回班 ルオ ギ・ガガ ベゴニア

  20. セリオス・オーガスト

    ん、まとめとうお疲れさまだ。 方針に異存はない。とりあえず俺は迂回班のほうを希望させてもらうな とりあえず可能なら迂回しながら天眼で村の位置関係を把握して敵の逃亡ルートをふさぐ体制を取りたいところだな。背後側だったり側面だったりな 一番いいのは正面班が注目ひかしてなるべく逃走ルートが少ない場所に誘い込めれば一番だろうが 【班分け】 正面班 Есөнхумс アルフレッド・ラ・ギ キーゼ 迂回班 ルオ ギ・ガガ ベゴニア セリオス

  21. ノックス・マグナ

    それでは私は正面班に行きましょう。 斧を持って接近戦をする予定です。

  22. ルオ

    迂回して到着したあとは【捜波】で索敵するか 【探波】で地形を確認するかして情報収集するつもりだ。 スキル枠的に、どちらか。

  23. キーゼ

    では、正面班はベゴニア氏の言うように時間稼ぎで頑張らせていただきましょう。 アルフレッド氏の演説も頼りにさせていただきます。 ひとまず包囲が完成するまでは不利であることを装いましょう。 包囲完成の合図は、迂回班の攻撃を以て、と考えればよろしいですかね?

  24. ジル=クィネル

    俺は迂回班に回るよ 【班分け】 正面班 Есөнхумс アルフレッド・ラ・ギ キーゼ ノックス 迂回班 ルオ ギ・ガガ ベゴニア セリオス ジル

  25. アスティン・ヴェルライン

    んー。人数的には正面はこれ以上いらないかな? 俺も迂回班に回る。 【班分け】 正面班 Есөнхумс アルフレッド・ラ・ギ キーゼ ノックス 迂回班 ルオ ギ・ガガ ベゴニア セリオス ジル アスティン

  26. ベゴニア

    >包囲完成の合図 そうだね、迂回班の攻撃が包囲完了の合図にしようか。 そうなると不意打ちになるから多少は隠蔽を考えないといけないけれど。 ただ、仮に敵に迂回班の事を気が付かれたら、その時点で戦闘開始で良いと思うよ。

  27. キーゼ

    >流れ ひとまずこちらのプレイングで以下のように指しておきます 【作戦】 〇目的 村の解放 〇目標 村人の安全確保 ならずもの(サンダース含)の討伐ないし捕縛 〇概要 ・正面班と迂回班の二手 ・正面班は目立つように接近、迂回班準備の時間稼ぎ ・迂回班は敵逃走阻止と殲滅を目的に村を回り込み包囲 ・迂回班不意打ちをもって本格交戦開始 ・迂回班漏洩時は正面班も積極交戦に変更

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0