【竜軍】新天地を求めて(教導)

DoLLer

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シナリオID:227

オープニング

「『帝国の件もある。特別扱いはできない』ってさ」
 ドワーフの男は溜め息をついて地下の王都へ続く門を見た。
 邪竜によって町一つが滅ぼされたことは本人たちにとっては大事件であるが、世界ではシルトラース帝国一つが失われ、その問題が実生活に影響を与え始めている。あちこちで難民キャンプが立ち上がっている状態で、各国はそれぞれ治安や道徳、政治的取引などに苦慮している状態だ。
 ドワーフ王国からは技術者を多く派遣するなどしての対応を行っているが、リーンエス王国と違って支援を積極的に行っているわけでもない。
 地下に作られる国である分、土地面積として受け入れる余地がそれほどなく、そして僅かな余地はすでに帝国難民を受け入れ埋まってしまっている。そういう意味で『特別扱いはできない』という理由は透けて見えた。
「お腹、減った……」
「もう少しじゃ、もう少しでなんとかなるからの」
 体力のない子供もある、体が弱い老人もいる。慰めあってはいるが実際のところそろそろ限界だ。邪竜と対面したという少女はそれ以来、目を覚ましておらず、彼女を運ぶのも力がいる。
 流浪の生活はもう限界だ。
 成り行きでだが難民を率いてきたヴァルはそんな言葉が頭をよぎったが、直接言葉にはせず、膝をぽんと叩いて努めて笑顔を作った。
「よし、新天地は自分達で作ろう!」
「自分達で、作る?」
「この辺りは森も平地も多い。しばらくは途中で見つけた洞窟で暮らしてもいいじゃないか。狩りをして過ごそう。材木は森から切り出して、少しずつ建物を増やして。力と技術力のあるドワーフさんが中心なのはむしろ幸運かもしれない」
 好きな家を建てられるよ。工夫した分だけ大きなもうけができるよ。ここで頑張ったことはきっと後の人々にも驚きと尊敬をもって学ばれるだろう。
 ヴァルはそれほど自分が賢いとは思ってはいなかったが、思いつく限りのメリットを述べた。
 実際他にそうするしかないという苦渋の決断で、都に入るわずかな可能性にずっとすがりつくことのないように。明るい未来で気持ちで前に進んでもらえるようにと願って。
「洞窟をベースキャンプにしよう。それから……」
 ヴァルは自分のバックパックを開いて、金品を残らず手にして難民たちの前に差し出した。
「これからはみんなが主役になるから、最初だけ先生に師事しよう。冒険者を雇うんだ。冒険者といっても戦士だけじゃない。サバイバルに強い人もいれば、商人が本業の人もいる。知識が豊富な人もいる。そんな知恵を学んでいかないか」
「でもそれあんたの路銀じゃあ……」
 さすがに申し訳ないという人々にヴァルは笑った。
「お金は生きるためにあるんだ。街づくりにはこんなお金なんて大したことないさ。それよりみんな知恵を手に入れた方が生きる道になるだろう? といってもこのお金じゃ足りなくて……道具も売れば1人くらいはなんとかなるよ」
 必要としてくれる人間がいるのなら、最後まで。
 清々とした笑顔のヴァルに、大人たちはしばらく言葉を失っていたが、やがて思い出したかのように荷物から同じようにお金を取り出した。
「じゃあ、これで2人はいけるな」
「いや、4人までなんとかなるぞ」
「最高の酒造りは、地下の王都じゃあできませんからな。地表の町を底力みせてやりませんと」
 ちょっとずつ、ちょっとずつ。
 出し合った小銭は人々の輪の中で、小さな山となっていた。
「よし、新しい町をスタートしよう!!」
 ヴァルの掛け声に、皆ね大きな声を上げて答えたのだった。

解説

邪竜によって故郷を失った難民達は自分たちで町づくりを一から始めるとのことで、必要と思われる各種知識、技術の教授をお願いします。 ●とりあえずの住処 クリエスター山脈から北に進み、辺境都市群との境目あたりにある自然洞窟の1つです。内部構造は未調査のため把握できませんが、この難民達が全員入って生活できる程度に広いものとします。 敵性生物はいません。 ●周りの地形 山脈の一部で森林が広がっています、少し下れば平野部が広がっています。 川、泉なども適宜あるとします。 ●難民の構成 合計30名。ドワーフが中心ですが、その他種族もいます。 子供が3名。昏倒したままの人間少女が1名います。性別・年齢層はまばらです。 ●具体的な教授内容 生活に必要な知識、技術の類ならなんでもOKです。 狩り、森や山の生存知識などのサバイバルはもちろん、得た資源を加工する技術、売りさばく商人活動なども必要です。精神を安定させるためにも音楽や美術、信仰、遊びなども歓迎です。 また周りの地形をより詳細に調査・冒険することでより便利な場所を見つけることもできます。それに人々を同行させるのも立派な教授内容です。 ●成功判定 多くの難民たちに必要だと思う知識が伝授され感謝された場合、また新しい町としての方向性が決まった場合は、成功もしくは大成功とします。 失敗以下はありません。

マスターより

CP連動と並ぶ形となりますが、新天地で生活する町づくりの第一歩を行います。 皆さんのキャラクターの普段の生活はどんなことをしているのでしょうか。 これを機にちょっとご紹介いただければと思います。 あと、今回参加者はこの町の名前を提案することができます(複数提案があれば選ぶことになるか、折衷案みたいなものになります)。 これからも登場する予定ですので、よろしければ、彼らに希望と力と共に、素敵な町の名前も与えてあげてくださいませ。

リプレイ

「はーい、皆さんついてきていますかー? それじゃ地質調査のお勉強始めちゃうわよん♪」
 新たな住居空間となる洞窟に引率する形で先導してきたザザ=ステルヴィナが大仰にしなを作って挨拶するとドワーフ達は周りをきょろきょろと確認を始めた。
「意外と明るいよね。太陽光が入ってきてるみたい」
「石灰岩は水に溶けやすいから、雨水や地下水によって浸食を受けやすいの。岩が森の雫に溶けてしまったのか、それとも絡み合う木の根だけが残っているのかも」
 見上げれば洞窟の上部には満天の星空のようにして細かく陽光が差し込み、ぼんやりと薄明かりを作り出していた。ザザはそう言いながらドワーフ王国の巨大な地下空間をどうやって作ったのかなんとなく理解した気がした。
「森の下の隠れ家みたいでいいね。ああ、でもエルフがうるさいかな」
 自由自在に広げられる地形であることと、満天の星空のような採光に難民ドワーフ達は案外気に入ってくれたらしく、どうしようかと話し合いが進んでいた。
「むしろ森を守ってくれる存在はとても嬉しいと思いますよ」
 フィリスティア・リュナ・ブルーメルティスは思い切ってその会話に参加した。森はエルフの領分。ドワーフならすぐさまそれを気にすることはわかっていた。冒険者ならともかく彼らは普通の、何もなければ小さな輪の中で過ごせた人間なのだ。
 だけど思いがけない事態で外に出ざるを得なくなった。それはどこかフィリスティアにも通じるところがあって。だからこそ小さな輪にはない目線を持ってほしいと願い、その為に自分も粉骨砕身したいと考えていた。
「エルフも喜んでくれる……?」
「私は気にしたことありません」
 そもそも自分をエルフと扱ってもらってもいいのかわからないが目線を向けられた以上応える必要があるかとAlexandra・Hexe・Claudiaはこくりと頷くと、再び石で地面を打ちつける作業を続けた。
「何してるの?」
「水脈探しです。住居の発展に井戸は不可欠でしょう」
 硬い音が何度も響く中、ある瞬間、くぐもったような、ぼやけたような音が響くとAlexandraは手を止め、ザザを呼んだ。
「どうでしょう」
「……この洞窟、まるごと井戸になっちゃうかもしれないわよ~ん」
 地層と、手元の地層図を交互に確認してザザは色っぽく笑ったが、周りはかえって真っ青になり、聞いてよかったとみんなほっと息をついた。

「その石も使い道あるんだよ」
 安全な場所で井戸掘りを始め、岩をどかしたりしていた人々に対し、トーラがそう言うと彼らは目をぱちくりした。
「この岩に?」
「この岩、綺麗だもの。敷石にしたりでほしい人がいると思うよ」
 ドワーフ達はさあ捨てに行こうと抱きかかえた石とトーラの顔を交互に見ていた。まだ信じられないという顔にテス・クラルスは人差し指を立てて微笑んだ。
「どんなものにも価値がある。それは忘れちゃいけない。それが手がかかるもの、誰にも真似できないものなら、尚更。トーラさんが辺境都市群に造園業者の知り合いがいるらしいから、こうしたものは売れるかもしれない」
「なるほど。俺たちには不要なものであっても、ということだな」
「そうそう、じゃあまずは売れるものを見つけよう。モノづくり班は……今はゲルトさんのところかな。そっちで参加してきてごらん。自分たちが売るものは自分たちが一番詳しくなくちゃ」
 さあ、行っておいで。と送り出したテスはひらひらと手を振った。
「それで貴方は何をするのですか」
 Alexandraは水が確保できた後は次は焼成窯が必要かと粘土をかき集めているのに対し、テスは洞窟から見える空を見てまったるするばかり。
「人生には休憩が必要だよ」
 かれこれ人生の休憩で半分を占めしつつあるテスは言ったが許してくれなかった。準備はいっぱいあるから。残念。

「住環境を整えるなら、家具作りも必要になってきます。それから木炭があれば浄水も治金の燃料にもなりますので、端材も捨てないようにお願いします。それから窯も必要になってくるでしょうから、沼地の粘土も」
 Alexandraとゲルトは森に入っていた。
「この辺は薬に使えるものがいっぱいあるぞ。そっちの草を揉んで傷口に塗り付ければ止血できるし、そっちは痛み止めになる。料理の甘みを足すときにもにも使えるぞ」
 ゲルトは草を一つ一つ抜き取って説明すると、甘い草の方はアスティン・ヴェルラインの料理教室チームに手渡されていった。ゲルトが主に食用可能なものや他に使えるものを説明していき、食べられるものはアスティンの方でもう夕食に取り掛かる流れとなっていた。
「家具は何から作った方がいいかな。クローゼット?」
「基本はまずこの作業の軽減化ですので台車や箱ですね。それから間仕切りといったところでしょうか。家具は最初は歪な素材を使いましょう。いい素材は他に使う場所があります」
 Alexandraの的確な指示にドワーフ達は活動を一斉に開始した。
「本当に冒険者ってのはすごいねぇ。何から手をつけていいものかわからなかったけど、道筋が見えてきたよ。姉ちゃん、怖そうだけど違うんだねぇ」
「そうですか」
「何かあったら、俺たちは姉ちゃんを助けに行くからな。っても、みんな一文無しばかりだけどねぇ」
 どう応えていいものだろうか。明るい笑顔をするドワーフにAlexandraは小さく会釈をするにとどまった。
 痛みは消えないけれど、そんな笑顔を見ていると、ちょっと痛みのことを忘れてしまいそうになって。
「帰ったら、なめし革を作る方法も伝えましょう」
 もう少しできることはないか。Alexandraは頭を巡らし続けた。
 一方。
「火傷にも使える?」
「使える。けど火傷ならそれに使えるものが別にあるぞ。森の中でも日当たりのいい場所に生えている。この肉厚のギザギザな。これも食べられる」
 町暮らしの彼らは多少の知識はあったようだが、それでも混ざりものの子孫として色んなものを利用することを覚えてきたゲルトの専門性には遠く及ばず、目を丸くするばかりだった。
「すごいねぇすごいねぇ。知らないことばかりだよ。森がこんなに薬や食べ物の宝庫だなんてねぇ」
「森はいろんな生物が積み重なってできてる。みんな協力してるのと同じだ。悪いものももちろんあるけど、必要に応じて協力できるものを探す、組み合わせてもっと大変なことを乗り越えられるようになるんだ」
 ゲルトはそう言うと、手に持っていたいくつかの薬草を一つの袋にまとめた。
「痛み止めと止血。それから栄養。傷はすぐなおる。これが薬の基本だ。組み合わせは無数にあるし、今も色んな人が研究して作ってる」
 混ざりものはそうやって生きてきたと聞いている。今はあのゴールディ。生き延びることだけに執心したあの街は色んなものが煮詰まりすぎて毒のようになってしまったけれど。
「その薬、わけてくれないか」
 ドワーフ達が薬草について実際に調合と何の成分が効果を発揮しているのかと論議し始めている姿に先祖の姿を思い描いていたところに、Есөнхумсが声をかけた。
「練習で怪我したヤツが出てな」
 ゲルトが慌ててそちらに向かってみると、割といい年したドワーフがうなりを上げていた。主に腰に手を当てているから、手合わせで腰を強打したか。それとも演習に付き添った狼のナッツの攻撃で……。
「ぎっくりしちまったぁぁぁ」
「急に動くからだよ。いくら邪竜から逃げてきたって使う筋肉は違うんだぜ。毎日しっかり柔軟してからな」
「力みすぎたか……もう逃げたくもねぇっと思うとな。つい力が入っちまう」
 ゲルトにヒールを施される間に述べた言葉に苦いものを感じる。明るくはやっているが、やっぱり本当のところはそうではないのだ。食いしばって、食いしばって。そうして生きている。
「オレの戦い方は我流で……もちろん戦うために教えているけどよ。でも殺しあうために教えてるんじゃないからな。そんなことしたらどんな弱い奴が相手でも泥沼だ。アンタと同じ気持ちを他のやつに味合わせるためじゃないからな」
 勇気をもって戦う事をЕсөнхумсは知っている。だが、それは活かすためだ。命を、可能性を、活路を。
 その言葉にドワーフは神妙に頷いた。
「よし、しっかり柔軟、それから反復も忘れるなよ。体が反射的に動くようにな!」
 その言葉にドワーフはまた打ち込みへと戻っていく。
「薬の効果ばっちりだったぜ、ゲルト。ありがとよ」
「うん、これならあの子にも効くかもしれない」

 ゲルトが言っていたあの子とは、ずっと寝込んでいる少女だった。旅人なのか、顔見知りは誰もおらず、名前もわからないが、まるで人形かと思うような美しさがあった。邪竜と対面したことか、町と命が失われていく現場を目の当たりにして精神的なショックを受けたものだろうか。全く目を覚ますことはなかったという。
「薬、持ってきた」
「ありがとう。早速試してみますね」
 ゲルト謹製の薬をもらったフィリスティアは眠る少女の胸元に薬を塗り、祈りの言葉を唱えた。
「ブルーメルティスの名により、光より癒しの青をここに」
 ツンとした冷涼感のあるゲルトの気付け薬の香りが、フィリスティアの声によってふわりと渦巻いたが、差し向けたエーテルの光と風はふわふわと舞うばかりだ。
「この子は怪我をしているわけではなさそうです」
 エーテルの力が分散したというか、横たわっている体に反応しなかったというか。
「その子、やっぱりもうダメ?」
 思案しているフィリスティアに刺繍を教えていた子供が不安そうな声をかけてきた。その言葉の裏側から、ここまで一緒に来た少女を見捨てなければならない悲しみと、それはもしかしたら自分達の将来かもしれないという不安がない混ぜになっていた。
「ここにいる人達はみんな家族ですわ」
 フィリスティアは抱きしめるぬくもりでそのメッセージを伝えた。
「これからも、健やかに過ごせますように。刺繍はできましたか?」
 フィリスティアが尋ねると子供たちはそれぞれ教えてもらった刺繍を掲げた。ドワーフが手掛けたユッカの意匠がされたハンカチやスカーフ、マントは十分に売り物になりそうなほど精巧であった。
「じゃあテスさんに渡して売ってきてもらいましょう。エルフとドワーフが手を取り合った新たな形。きっと手を取ってくれる人も多いと思いますわ」

●
「おお、すっげー変わってる!!」
 辺境都市に売り物に行っていたドワーフ達は自分たちの住処が変化していることに大きく驚いていた。
 出かけるまでは純粋な洞窟だったそこは緑が適宜配置され、煉瓦が積まれ始めていた。井戸から水を運ぶ桶はAlexandraの指導のおかげだ。
「みんな手先が器用で助かりますね」
 隣の煙突からは薬草を煮出した時の独特な甘苦い香りが漂ったりしているのはゲルトのものだろう。
「そちらはどうでしたか」
 フィリスティアが売りに出たドワーフ達に尋ねると、ドワーフ達は顔を見合わせて「じゃーん!」と一斉に毛布を広げた。その数30枚。
「これで冬の寒さもしのげるぞ。岩も売れたし、樹木も! 刺繍も売れたし、薬も興味をもってもらえたよ。行商人も興味を持ってくれてこっちに向かってるんだ」
 ふわふわで温かみを感じる毛布は子供たちを中心に大喜びだった。苦労がたたって寝込んだ者もこれで少しは落ち着いたと感じてくれる。
「怪我はしてないか?」
「Есөнхумсさんが教えてくれた戦闘術があれば負けないね。ナッツの攻撃の激しさに比べたら、賊なんかワンコロよ!」
「勝てもしないけどな!!」
 ゲルトの心配に大笑いするのはЕсөнхумсが手取り足取り戦い方を教えた年配ドワーフだった。可能性を切り拓くための、泥沼に陥らないための、果敢な戦い。その精神をしっかり受け継でいたようで、それを聞いたЕсөнхумсは大いに満足して頷いた。
「それでいいんだよ。生きてりゃ勝ちだ! ナッツ。お前のおかげでしっかり体の動き覚えてくれたんだとさ」
 ドワーフが狼のナッツをよしよしと撫でるとナッツもぺろりとドワーフのほっぺたを舐めて、その栄誉を喜んでくれているようだった。
 まああいつが認めるくらいだから、合格か。
 Есөнхумсは犬歯が見えるくらいに笑顔を作って、弱くて強くて、負けない戦士の卵の姿を見つめていた。
「そ、それにしても……お父さん、怒ってなかったかなぁ」
「ああ、トーラさんの名前だしたら飛んできた人いましたよ。邪竜が出てきているっていうのに勇敢なトーラさんがそっちに向かいながら、道標を書いて安全なルートを確保してくれたことをこう説明したら」
 お父さん、ひっくり返ったんじゃなかろうか。
「自慢の娘だって言ってました!」
 一年間かけて説得しないと聞き入れてくれなかったお父さんが?
 トーラはしばらく目を白黒させてからどういう顔していいのかわからずしていたところをヴァルはにこやかに笑った。
「すごいね」
「ううん、そんなことないですよ。あの時のことを思い出すと沈んじゃうこともありましたけど……皆さんがいてくれたから。皆さんの意気に応えないとと思って」
 みんな明るいことばかりじゃないけど、それでも前を向いている。
 その気持ちに負けない、追いつこうと頑張っていたことが、ヴァルに、父親に眩しく映っていたんだ。
「うん、ありがとうございます! よーし、もっと頑張ります!」
 にこりと笑ったヴァルは、ああ、そういえば。とテスに振り返った。
「行商に来てもらうなら、何か名前がないとね」
「そうだね。名前があれば、他の人にも伝わると思って。まだ生きることに精いっぱいだけど、特徴を出していくことも必要だと思う」
 テスはそう言うと、皆に振り返った。
「何か希望のある人~」
「種って意味でウルはどうだ。ここに根を張って色んな成長の可能性を意味してさ」
「ファミーユはどうかしら。みんな家族という気持ちで」
「名産品を名前にしたらどうだろう。今のとこなら植物関係かな」
 Есөнхумс、フィリスティアがそれぞれ名乗りをあげ、ゲルトが声を上げた。
「全部混ぜてまとめたらいいんじゃなぁい? ウルファ。家族の種。植物関連もちゃんと入ってるし」
 話し合いを聞いていたザザの提案にみんなが「おお」と手を打った。ドワーフ達も頷いていた。
「これから家族になっていくの。これから成長していくのよ」
 ドワーフ達は顔を見合わせた。町を出た時はご近所さん。もしくはたまたま知り合った人たちだったものが、家族になっていく。
 こそばゆいような、夢があるような。ドワーフ達はくすくす笑い出した。
「よし、それじゃ教えた踊りで新しい居場所を祝ってみんなで踊りましょう! 音楽(ミュージック)スタート!!」
 心ひとつになりますように。
 一緒に乗り越えていきますように。
 また辛い記憶も忘れられますように。
 色んな願いをこめて。

 ここはウルファ。緑ゆかしきウルファへようこそ。

マスターコメント

難民達のための新天地づくりありがとうございました。 たくさんの提案のどれもが魅力的でPCさんがいきいきと動いてくださったので、楽しく書くことができました。アドリブ多めですが、皆様の思うような活躍はできていたでしょうか? 町の方向性はまったく考えていなかったのですが、皆様のプレイングに従い、特に特徴的だった造園を中心とした町としての方向性をつけていこうかなと思います。 造園なんて初めてなのでこれから勉強していきますね。これからも皆様によって少しずつ成長して豊かになっていくウルファを楽しみにしていただければ幸いです。 ご参加ありがとうございました。担当はDoLLerでした。
ショートシナリオ

ショートシナリオ易しい 報酬:標準8 / 4〜8人

2020年12月02日 09時45分20秒 公開

成功

相談掲示板

  1. トーラ

    トーラです。よろしくお願いします。 大変な状況でも町作りをするためにわたしたちを呼んでくれるなんて強いですね。 それに応えるためにも出来ることを全力でやろうと思います。 わたしがお教え出来そうなことは、造園の知識があるので、観賞用とし売買できる植物や庭石、肥料。あと食べれる植物のことも少しは分かると思います。

  2. ゲルト

    ヒーラーのゲルトだ。新たな町作りの為の土壌作りだな。 オレは森に自生している野草から薬を作る方法を教えるつもりだ。 あと、1人昏倒してる奴がいるらしいからその治療もだな。

  3. ザザ=ステルヴィナ

    キャスターのザザ=ステルヴィナよん。今回は宜しく、ね? そうねぇ~…私が教えられそうなのは舞踏かしら? 娯楽は心を豊かにしてくれるし。 それと飲み水の確保は重要だと思うから、井戸が造れそうな場所はないか? 周辺の地形を調査しに行く事も考えているわ。

  4. テス・アウレア

    キャスターのテス・クラルスだよ。 よろしくね。 私は旅暮らしが長かったので商いを担当しようと思うよ。 私たちに払ってくれる貴重な資金に見合うように、いや、それ以上で何かを返してあげたいね。 皆さんにお願いが、 売れるものを預からせていただけると嬉しい。 買い叩かれないよう、販路を確保しておこうと思う。 基本は街に持って行って売る、で行こうと思うよ。 トーラさん 園芸用の物品は運ぶよりも造園業の方をお招きした方がいいかなと思っているのだけど、どうだろう? もし、その場合は、街から連れてくるので、説明と交渉をお願いできると嬉しい。 石や植物、肥料の善し悪しは、専門家同士が1番分かり合えそうに思う。 何かできることがあれば善処するので気軽に声をかけて欲しい。

  5. アスティン・ヴェルライン

    シューターのアスティン。 よろしく。 ん。俺が教えれるものは狩りの仕方とか、 狩った獲物の効率的な使い方かな。 狩猟するときにそれに適した場所とか、罠にかけやすそうな地形とかも一緒に 調べられればベストかな。 狩りができれば肉を食べるのはもちろん、干して保存食にできるから食べても売ってもいい。 皮もきれいに剥げれば生活用品にも、交易品にもできるしね。 >テス とりあえず、上記のように俺は狩猟系を教える予定、 革の加工は時間かかるから、もしかすると難しいかもだけど。 その時には仕留めた獲物を提供する感じで行けるかな? もしくは、仕留めた肉の燻製とか。

  6. Есөнхумс

    ウォーリアのユスだ よろしくな オレは狩り……はもういるのか なら、戦い方だな 身を守る術、家族を守る術を知っているのは損にはならねぇし

  7. テス・アウレア

    おお…造園に薬、狩りに戦闘手厚い… >アスティンさん ありがとう! お肉は余剰分を分けていただけると嬉しい。 運送に時間がかかってしまうことを考えると燻製の方が安全かな? 革製品については今回は難しそうだけど今後きっと助かると思う。 住人に商業をレクチャーするつもりだけど、 字数に余裕あったら革製品の販路にも糸目をつけて置けないかやてみるね。

  8. フィリスティア・リュナ・ブルーメルティス

    ご挨拶が遅くなってしまってごめんなさいませ。 皆さんにお教え出来る事は何か、中々思いつかずにおりましたわ。 まだ具体的には思いついていないのですが、子供達に何かを教えられたらと思っておりますわ。 >テスさん 売れる物ですと、例えばアイテムとして所持している物でも大丈夫でしょうか。 宝石でしたらご提供出来ますわ。

  9. Alexandra・Hexe・Claudia

    遅くなりました!キャスター、クラウディアです。 ―ふむ。造園に医療、舞踊…狩りに護身、そして商業… …補うなら建築と物品加工ですかね。 前者はドワーフが中心の集団ということで、建物に関してはさておいて… ザザさんから提言のあった地形の測量調査について、私も同行しようと思います。 井戸のあるなしは、住居の発展もようを大きく変える要素となるとか。 後者は…皮に粘土、木材の加工でしょうか。 何れもゆくゆくは冶金まで繋がる下地となりましょうし。 鞣しから始まる革細工、陶器や煉瓦の焼成。 木材は建物に家具に燃料に…ああ、差し当たりの浄水確保に向け木炭の焼成も考えなくては。 ―紡織や裁縫、調理の分野があるとより豊かになりそうですが…

  10. トーラ

    テスさん そういう事でしたら業者の方をお願い出来ると助かります。 ところで、ここはドワーフの王国と辺境都市郡の中間にありますけど、どちらの商人の方を頼りましょう? ドワーフ王国は地下なので肉とか地上の幸の需要はありそうなんですけど、地下だと造園の需要は薄そうな気が気がするんですよね…。 ただ、地下で育てれる様な工夫が出来れば有力な商品になるかも? 辺境都市郡なら実家があるので、馴染みの造園業の人を紹介できるかもです。

  11. テス・アウレア

    (前回ザザさんの水を入れ忘れた;ごめんよ) 建築と物品加工、ありがたいよ 水も確保出来て 住処も出来て 足りないことは多いけど 初動としては、なんとかなりそうだね >フィリスティアさん 協力を申し出てくれてありがとう、嬉しいよ! ただ今回は私たちの持ち込んだ道具類や持ち物は売らない方がいいと思うのでお断りをさせて頂くね ごめんね 彼らが今後、時給自足の中で安定して入手できるものを売ってお金になれば それが彼らが暮らしていける自信にもなるだろうし そのまま生活基盤になると思うんだ >トーラさん 業者の件、ありがとう! 正直いえば、追追は両方と交易が健全だと思うけど 初めに欲をかいても仕方ないからね 彼らはドワーフだし、最初はドワーフの方とも思っていたよ でもトーラさんの縁故を頼れるなら この機会にしか結べない縁だし 実にありがたい 都市郡の方を訪ねさせていただきたいな

  12. トーラ

    ちょっと思い付いたんですけど、洞窟の探検をするのはどうでしょうか? 依頼の内容からは外れるんですけど、別の出入り口が見つかればまた邪竜が来たときの逃げ道にもなりますし、中に湧き水や商品価値のある鉱石とかがあれば町の役にも立たないかなって。 >テスさん ありがとうございます。 それでは心当たりのある造園業者を伝えて、役に立つか分からないですけどわたしからも手紙を書くことを行動で出しますね。

  13. アスティン・ヴェルライン

    んー、料理か…。俺は料理の技能を持ってるから、 肉の燻製加工まで一貫して教える予定だけど。 調理だけしっかりってなると厳しいかな。 一応狩りに重点を置きつつ、狩った獲物をおいしく食べる&おいしく加工して交易に使う っていう方向でまとめてみようかな…。 >テス ん、OK。狩りだけで食料は賄えないし、燻製の方向で進めるよ。 あれなら、数時間単位でできるものもあるし、 持って行ってもらえると思う。 革は加工した後のほうが手間の分高値が付きやすいだろうし。 おいおいかな…。 <洞窟探索 うん…。悪くはなさそうかな。 資源探索は鉱石の目利き、採掘の技能持ちの人がいりそうだけど 湧き水や避難経路確認は役に立ちそうかな…。

  14. ザザ=ステルヴィナ

    >測量調査 >Alexandraさん それは心強いわ♪現地では宜しくねん。 取り敢えず、事前に周辺の下見をして即席の地形図を作ってから、 希望者を募ってガイドのお姉さん(?)みたいにあちこち調査に行く予定よ。

  15. フィリスティア・リュナ・ブルーメルティス

    >テスさん いいえ、私こそテスさんがお伝えしたい事をきちんと理解できていなくてごめんなさいですわ。 お売りになりたい物について了解致しました。 テスさんの街の方達へのお心遣いに私も応えられるようにさせて頂きますね。 >裁縫 こちらを担当する方がいらっしゃらないのでしたら、力不足かもしれませんが私が立候補させて頂きますわ。 街の方達のご意見を聞きながら、エルフに伝わる裁縫をお伝え致しますね。 そちらとドワーフの方を始めとする他の種族の方達に伝わる裁縫技術を融合させたら、他種族が住むこの街を象徴する物が生み出せるのではないかと思いますわ。 テスさん、完成した裁縫品をお渡しすれば、お話して下さった売れる物をお預けする事でお力になれるでしょうか? >洞窟の探索 ドワーフの方は鉱石や採掘に詳しい方が多そうですから、街の方に同行して頂くのはいかがでしょうか?

  16. テス・アウレア

    トーラさん、アスティンさんありがとう。 燻製と紹介状、大切に預からせて頂くね 鉱石も追々可能性があるなら、大口の商人に一括で請け負ってもらった方がよさそうかな。 フィリスティアさんありがとう。 此方こそ、言葉足らずで申し訳なかった。 裁縫いいね! 是非預からせてほしいよ。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0