それは未来の話

キャラクターノベル制作 ウケッキ納品 2023年09月15日 17時25分21秒

●それは未来の話

 それは【ストレガ・L・リベルガストラ】と助手の少年【レゼル】の未来のお話。
 少年だったレゼルが立派な青年になった頃。
 ストレガはレゼルを連れてある服飾店に来ていた。
 その店は店内に衣服……というよりもほぼ下着のような感じの衣装が所狭しと並べられている。
 勿論、レゼルは少々居心地が悪そうにしながら更衣室で着替えているストレガの事を待っていた。
 店に入るなり、いくつか服を選んだストレガはレゼルに聞きながらその内の一着を選んで更衣室に入ったのだ。その一着は布地が少ない物できっと往来を着ては歩けないだろう代物だった。完全に室内用だ。
 がさごそと更衣室の布越しに聞こえる衣擦れの音が更にレゼルの羞恥心を倍加していく。
(うあぁぁ、待ってるだけなのにどうしてこんな恥ずかしいんですか!?)
 顔を真っ赤にしながら、きっとドセクシーな衣装を身に纏ってくるだろうストレガの均整の取れたボディを想像してしまったレゼルは大きく深呼吸をする。
(お、落ち着け、風呂だって一緒に入ってるんだ。今更布地が少ない衣装がなんだ、そうだ、普段の方がやばいに決まって……)
「着れたのだー。さあ、少年……感想はいかに!?」
 自信満々で更衣室の布を開け、かなり際どい衣装を纏ったストレガがレゼルの前に現れた。ちなみに青年となった今でもレゼルの呼び方は少年、である。まあ、彼女から見ればいつまでも彼は少年なのだろう。
 豊満な乳房を隠す布地はかなり少なく、少しでも動けば色々と見えてしまいそうな物だ。もはや服と呼ぶのも疑わしいソレはいうなれば紐。大事な部分を隠す紐だ。それでもれっきとした衣服、ではあるのだが。更にその紐から細いチェーンが繋がって腰回りを透けたひらひらの布が覆っている。布の奥に見えるのは編み込みで構成されたパンツだが、まあ、これもまた防御力は期待できそうもないデザインをしていた。だが総じて布地が無くなったが故に彼女の身体にある紋様が映える。これはそんな衣装だった。
「す、すす……っ!」
「……す? す、なんなのだ少年。気兼ねなく言うといいのだー。少年と私の仲なのだ」
 前屈みになったストレガの豊満な乳房がぷるんっと揺れる。それを直視できずにレゼルは恥ずかしそうに顔を背けた。
「えっと、す、すごい、ですっ!」
「あはははっ、そうか、すごいのだ? くく、まさかそういう反応だとは。ふむ、興味深いのだー」
 ストレガはレゼルの反応を見て、その衣服を買うことを決めるといつもの服に着替え直し、もういくつか見繕おうとレゼルと一緒に店内を物色する。
「ほら、少年。こっちはどうなのだ? 似合うと思うのだ?」
「え、ちょっ、ストレガ様っ、さっきのもやばいですが、それもまた、その……どうかと!」
 ストレガが持っている衣服の布地は先程の服よりも布地は多い。一見すれば一般的な可愛らしい衣服にも見える。
 だが、その服の真の力は背中部分にあった。大きくカットされ、背中全体が見える様にされた衣服の切れ込みは尻のあたりまで余すことなくさらけ出される。背後から見ればほぼ全裸と言っても過言ではない。申し訳程度ついている尻を防護するチェーンのような飾りがなんとも頼りなかった。
「ふむふむ、ならばこっちはどうなのだ?」
「待ってください、ストレガ様は僕を殺す気ですか!?」
 次にストレガが選んだ衣服は布地こそ普通だが、腰や胸元にベルトが多い服だった。ベルトを締め上げ腰を細く見せながらも、下乳を持ち上げる様に配置されたベルトが大きい乳を更に強調することだろう。勿論、谷間部分も良く見えるデザインとなっている。
「ふふ、少年はこういった衣服に弱いのだ。私のノートに狂いはないのだー」
「ちょ、ストレガ様!? 僕のデータもしっかりつけてるんですか!? い、いつの間に……!」
 にやにやしながらストレガは【レゼル】と書かれた羊皮紙の束をひらひらとレゼルに見せた。長年一緒にいたからか、その束はまあまあの量があるようだ。いったい自分のデータがどこまで調べられているのだろうとレゼルは思うが、ああいった類の物をストレガは見せようとしないので彼には見当もつかないのが実情だった。
 それから数十分後、ストレガはいくつかレゼルの反応が良かった服を購入し彼と共に店を後にする。
 歩きながらレゼルはストレガに尋ねてみた。今日はどこに向かうのか、彼は聞いていない。
「あの、ストレガ様。今日は後、どのような場所に行かれるのでしょうか?」
 レゼルの問いかけに顔を向けずに歩きながらストレガは応える。少々楽しそうな表情を彼女は浮かべていた。
「今日の夜に必要になる物を買っていく。まだ回る所は多いのだ。あれも必要だし、再現するならそれも……」
 話しながらストレガは腕を組んであれやこれやと考え出す。こうなったストレガは割と長い。
 レゼルは考え込んだストレガが誰かにぶつからないか冷や冷やしながら彼女に付いていった。勿論、彼女がぶつかるはずもないが。
 次に到着したのは歓楽街。夜の蝶が羽ばたく場所。
 ある店の裏口で、ストレガは知り合いに会ってくるから待つのだ、と言って裏口から中に入って行ってしまった。
 レゼルは夜の泡という店の裏口でストレガが帰ってくるのを待つ。
「……ストレガ様は顔が広いなぁ。こういうお店の人とどうやって知り合っているんだろ。ま、まさか……っ!?」
 レゼルは妄想する。知り合いということは、ストレガも働いたことがあるのではないかと。
 暗い部屋の中、ベッドに腰かける薄布を纏ったストレガ。薄布はうっすら透けており、色々と見えてしまいそうだ。
 ベッドに寝転がるとストレガは立っている男を手招きする。荒い吐息の男はストレガに覆い被さった。彼女の下腹部を優しく撫でる。
「激しいのは、嫌なのだ。優しく……して欲しいのだ?」
 重なり合う男女の姿まで想像した所でレゼルは頭を抱えて慟哭する。
「ちがぁぁぁう! そんなことは、流石に、あ、あり得ないはずぅううーーー!」
 ぶんぶんと頭を振って雑念を払っているレゼルの下にストレガが帰ってくる。
「少年、何が違うのだー?」
「ふあぁぁあ!? す、ストレガ様!? いえ、あっと、えっと、そのぉ!」
 しどろもどろになりながらも、レゼルは妄想していたことは伏せ、ストレガに働いたことがあるのか聞いてみた。
 聞かれたストレガはきょとん、とした顔をしていたが次第ににやにやと笑いながらレゼルの頭を撫でる。
「はははは、私がこういう店で働くことはないのだ。時間の拘束がもったいないのだ」
「な、なるほど……そ、そうですよね。あはは、何やってんだ、僕は」
 恥ずかしそうに顔を背けたレゼルの前に行き、その鼻っ柱をこつんっとストレガは小突いて見せる。
「それで、どこまで妄想したのだ? そこの所を罰として詳しく聞かせるのだー」
「えっ、そ、それは、い、言わなきゃだめですか!?」
 そんなやり取りをしながらストレガとレゼルは次の目的地に向かう。
 ストレガが次の目的地に選んだのは馴染みの食品店だった。
 食品店の店主が顔を出す。
「おお、ストレガちゃんかい。今日は何をお求めで?」
「うむ。でろでろんの実をいくつか買いたいのだ」
「ほほう、あれを買うのかい? ストレガちゃんも変わってるねぇ」
 でろでろんの実というのは、手のひらサイズのつるつるした実ですり潰した粉を水と混ぜると、でろでろの粘質な液体ができる物だ。食べることもできるが、かなり苦くあまり使用したがる者はいない。
「いいのだ、食べるというわけではないのだ。ちょっと使い方を思いついたので試すのだ!」
「こいつに食べる以外の使い道ねぇ……もしもいい使い道がわかったら俺にも教えてくれよ。商品の宣伝にもなるかも知れないからな」
 店主の問いかけに金を払ってでろでろんの実を受け取りながらストレガは笑顔で返す。
「わかったのだ、有用だったら資料に纏めて教えるのだ」
「おお、助かるよ。それじゃこいつはオマケだ」
 棒状のごつごつした太い野菜、ごやごやの実をおまけに貰い、ストレガたちは店を後にする。
 買いたいものが集まり、ストレガたちは食事を取ろうと適当な食堂へと足を運んだ。
 店に入ると適当に空いていた席へと腰掛ける。
「ここはどんなメニューがあるのだ? ほほう、骨付き肉の野菜ソースがけ……悪くないのだ」
 レゼルも頼もうとするが、ひょいっとストレガがメニューを奪い取った。
「少年にはこの後の為に食べてもらいたい物があったのだ。それを食べて欲しいのだー」
「え、別にいいですけど……何を頼む気なんです?」
「それは来てからのお楽しみって奴なのだ」
 にやにやと楽しそうに笑ったストレガを見て、少々不安を覚えつつもレゼルは料理が来るのを待った。
 数分後、湯気の立った料理がいくつか運ばれてくる。
「お待たせしました、骨付き肉の野菜ソースがけと、スタミナアップセットです」
「おお、スパイスのいい匂いがするのだ!」
 ストレガが目の前に置かれた骨付き肉にかぶりつき、そのスパイスの効いた味を堪能している。
 レゼルは自分の前に来た料理を眺め、ストレガの言った『この後の為に』という意味を考えていた。
(この鳥の肝は気合をつけるのに効果的、こっちのソーセージも使われているハーブ類は主に男性の為の物……や、やはりこれは――)
 彼は今日一日の事を考えてみる。
 まず初めに、レゼル好みのアブナイ服の調達。
 更に夜のお店の知り合いに会い、何かを聞いたストレガ。
 店で選んだでろでろんの実。
 そして、わざわざ指定された気合のつく料理の数々。これらから導き出される結論は、そう多くはない。
「どうしたのだ? 食べないのだー?」
 テーブルクロスに隠されたテーブルの下で、ストレガの足先がちょんちょんとレゼルの足をつつく。そのまま、ストレガの足先は彼の足を撫で、擦った。レゼルの顔が赤くなる。
「あ、あの、ストレガ様……今日の夜は、もしや……むぐっ」
「今夜の研究は、少年の協力が不可欠なのだ。昔はできなかったが……成長した少年なら、問題はないはずなのだ。だから今は食べて、備えるといいのだー」
 いつもよりもちょっと艶めかしく笑ったストレガの表情に、レゼルは目を奪われた。ここでこれ以上言及するのは確かに良くないと彼は黙々と料理を食べる。先に食べ終わったストレガはそれを楽しそうに眺めていた。
 食事を終え、家に帰り着くと何やらストレガは用意を始める。
 でろでろんの実をすり潰し、水と混ぜ、かなり粘質な液体を作っていく。これはマッサージに必要な物らしい。
 それを桶一杯に作ると、それを持って風呂場へと向かった。レゼルには今日買ったうちで、好きな服を持ってきて欲しいと言い含める。
 レゼルは散々悩んだ末、最初にストレガが選んだ服を選ぶ。耐水性もある服なので、良いだろうと判断したようだ。
 ドキドキしながら風呂場に行くと、ストレガが待っていた。
 何も言わずにストレガはレゼルが持ってきた衣服を受け取ると、意外と少年も男なのだ、と笑ってそれを身に着ける。彼女の豊満な胸や形のいい尻が余すことなく晒される。といっても大事な所は申し訳程度、隠れているが。
 腰に布一枚を身に着けて椅子に腰かけたレゼルの後ろにストレガは位置する。
 手で粘質の液体をすくいあげると、それをゆっくりと塗り込むようにレゼルの体に塗っていく。
 粘質の液体を使ったストレガのマッサージは肩や、腰を的確にほぐしていった。特に際どいわけではない、健全なマッサージだ。だが少々恥ずかしいのか、レゼルの顔が真っ赤になる。
 レゼルの身体を揉み解しながらストレガは彼に問いかけた。
「では……“マッサージ”の実験を始めるのだ。準備と、覚悟はいいのだ?」
「ええ、勿論。お、お手柔らかにお願いしますっ」

 さて、粘質の液体というと本来の用途は料理に使うとかとろみをつけるというものだろう。
 だがでろでろんの実は料理に使うとあまりおいしくないとのことで、使用されることはない。
 しかしストレガは友人との会話をヒントに別の使い方を思いついたのだった。
 マッサージに使えばでろでろんの実の成分が良い感じに作用し、凝りをほぐしやすくなるのではないかと。
 その為の実験なのだが、衣装までしっかり用意するのはやはり見た目や形から入るのも大事だからではという配慮である。
 好きな衣服を身に着けて見せれば、よりリラックスするのではという狙いもあるようだ。

「う、これは……変わった味がするのだ。まあ、飲み込めなくもないが」
 でろでろんの実から出来た液体をごくんと飲み込んでストレガはその味、感触を記憶する。べたべたの手では書き込むことができないから今は記憶が頼りだ。
「あ、あのストレガ様ぁ……結構恥ずかしいので、マッサージ中は目隠しを……」
 何が恥ずかしいかは言うまでもないだろう。
 赤面しているレゼルをストレガは風呂場の床に寝かせると、でろでろんの実から作成した粘質の液体を更に塗り込みながらレゼルの身体を的確にほぐしていく。その手つきはまさに熟練のマッサージ師だ。
「何を言っているのだ、見ていないと実験にならないのだ。しっかり“マッサージ”するから少年はじっとしてればいいのだ」
 彼女がマッサージをする為に動く度、粘質の液体がぬちゃぬちゃと音を立てる。怪我をしない為の潤滑油代わり、といった所らしい。
 すり込むようにレゼルの身体を撫でながら、ストレガはレゼルの“凝った”部分をほぐしていく。レゼルはじんわり広がる心地の良いマッサージに安らいでいく。
「どうなのだ? マッサージは気持ちがいいのだー?」
「は、はい、なんだかじんわりと、暖かくなる気がします」
 ある程度レゼルの体をほぐし終えたストレガは選手交代を申し出た。
 やるだけでは研究にならない。マッサージはされる側も経験しないと、ということらしい。
「で、では、失礼します!」
 仰向けになったストレガの身体を粘質の液体を手につけて撫でる様にレゼルは揉んでいく。
 自分の身体と違って、女性であるストレガの肩や腕は程よく柔らかく、触り心地がいい。
 足先から太もも、腰のラインからお腹とレゼルは羞恥心に耐えながら、ストレガの身体をマッサージでほぐしていく。ストレガは気にしていないようだが、レゼルにとっては顔から火が出る程に恥ずかしい。
(思った以上に太ももは柔らかいし、お腹だってふにふにと触っていたくなる柔らかさ、やばい、無駄に揉んでしまいそうだっ)
 理性をしっかりと保ちながら、ドキドキする鼓動が聞こえないように祈りつつ、レゼルはマッサージを続けていく。
 ある程度、マッサージした段階でレゼルはストレガの隣に倒れ込む。どうやら熱心にマッサージし過ぎて疲れてしまったらしい。
 ストレガは疲れているレゼルに気が付き、ぎゅっとレゼルを抱きしめた。頭を優しく撫でる。
「二人共、べたべたなのだー。ふふふ、こういうのもたまには悪くない経験なのだ。今はこのまま、ゆっくり休めばいいのだー」
 そう言われたレゼルはストレガに身を預け、しばしの休憩を取るのだった。

 森の奥。
 研究所兼自宅の一室で居眠りをしていたストレガがハッと目を覚ます。
 傍らには疲れて寝てしまったのだろう、助手の少年レゼルが眠っている。
「うーむ、今のは……夢? それにしてはリアルだったような……」
 まだ眠気のある目をごしごしと擦ると、ストレガは机の上にあるアイテムを見つける。
 それは未来にある可能性を見せてくれる、かもしれないと噂されているお香の入った香炉だった。
「そうだ、これの実験をしていたのだ。そうか、あの夢はこれのせいで……」
 だが未来が見える、というのは現実的に考えてあり得ない。それも市販されているものでは。
 とすればこれは、リラックス状態を引き起こし、深層心理から可能性が高い未来の夢を見せているのかもしれないとストレガは思った。だがそれも憶測にすぎないが。
 寝ているレゼルの頭を撫でながら、いつかは成長する彼の事を思いつつ、ストレガも同じベッドに入って寝に入る。
 最近の彼女は基本的にレゼルと一緒に寝ている。何やらレゼルの抱き心地がよく、抱き枕に最適なんだとか。
「ふふ、しっかり育つんだぞ、少年」
 寝息を静かに立てているレゼルの頭を撫でながら、いつものように彼を抱き枕にして、ストレガは眠りにつくのであった。

登場キャラクター

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0