諦めないこと、それは彼の唯一のスキル
電脳戦潜アプリェーリ イベントノベル(テーマ)シュヴァーン・エレクトロニクス制作 ウケッキ納品 2023年04月26日 13時35分06秒
●諦めないこと、それは彼の唯一のスキル
工場のような形に生成された試合ステージの中【ハッタ・ムラムラ】はタンクとタンクを繋ぐ太いパイプの上を走っていた。
彼の右腕は数個の輪っかに締めあげられ動かせないのか、だらりと垂れ下がっている。
その背後からは輪っか状の武器を腰にいくつも装備した新人デュープ【デッドロック】が追いかけてきていた。
「どうしたの? 逃げてばかりじゃ勝負にならないよ、センパイ!」
デッドロックは腰パーツをいくつか外すと、それらを円盤投げの要領でハッタ目掛けて投げた。
迫ってくる輪っかを回し蹴りで打ち落とすとハッタは苦い顔を浮かべる。
(くぅ、初手で利き腕を封じられたのは痛いな。ダメージこそ低いが、行動不能にされては不味い)
再び腰パーツを外し、デッドロックは輪っかを投げる。だがそれらはハッタに打ち落とされ、命中はしない。
「あちゃあ、やっぱもう小細工は通じないか。だったらこれならっ!」
「なっ、打ち落とした輪がバラバラに……!?」
ハッタの周囲に散らばっていた輪っかが浮かび上がるとバラバラに分解され、ハッタの周囲を円形に高速回転している。
「これでは、迂闊に飛び出すこともできないか!」
まだ守りが薄い上へ跳んで逃げようと視線をハッタが上に向けた瞬間、それを防ぐようにバラバラになった輪っかが彼の行く手を阻む。
「それじゃ、そろそろ終わりにしようか、センパイッ!」
手をガチっと打ち鳴らして合わせると次の瞬間、バラバラだった輪っかは一つの巨大な輪になった。瞬時に収縮し、輪っかはハッタをがっしりと捕縛する。
「し、しまった! 締め上げてくる、だとぉ!」
「あはは、降参しちゃいなよ、センパイ。そしたら苦しまなくて済むからさ」
だがハッタは諦めずに腕に力をこめる。ぎしぎしと輪っかが軋んだ。
「無理だって、諦めた方が良いよ」
「無理だと言われても、それを通す、諦めの悪さが……俺だあぁぁ!」
拘束する輪を力任せにハッタは内側から引き千切って破壊する。デッドロックは驚愕の表情を浮かべた。
拳を振り被り、ハッタはデッドロックに突進する。会場からハッタ、ハッタとハッタコールが沸き上がった。
回避行動が間に合わないデッドロックにハッタは拳の連撃を叩き込んだ。みるみるうちにデッドロックのHPゲージがゼロになる。
湧き上がるハッタコールの中、ハッタは観客たちに向けて手を振って応えるのだった。
工場のような形に生成された試合ステージの中【ハッタ・ムラムラ】はタンクとタンクを繋ぐ太いパイプの上を走っていた。
彼の右腕は数個の輪っかに締めあげられ動かせないのか、だらりと垂れ下がっている。
その背後からは輪っか状の武器を腰にいくつも装備した新人デュープ【デッドロック】が追いかけてきていた。
「どうしたの? 逃げてばかりじゃ勝負にならないよ、センパイ!」
デッドロックは腰パーツをいくつか外すと、それらを円盤投げの要領でハッタ目掛けて投げた。
迫ってくる輪っかを回し蹴りで打ち落とすとハッタは苦い顔を浮かべる。
(くぅ、初手で利き腕を封じられたのは痛いな。ダメージこそ低いが、行動不能にされては不味い)
再び腰パーツを外し、デッドロックは輪っかを投げる。だがそれらはハッタに打ち落とされ、命中はしない。
「あちゃあ、やっぱもう小細工は通じないか。だったらこれならっ!」
「なっ、打ち落とした輪がバラバラに……!?」
ハッタの周囲に散らばっていた輪っかが浮かび上がるとバラバラに分解され、ハッタの周囲を円形に高速回転している。
「これでは、迂闊に飛び出すこともできないか!」
まだ守りが薄い上へ跳んで逃げようと視線をハッタが上に向けた瞬間、それを防ぐようにバラバラになった輪っかが彼の行く手を阻む。
「それじゃ、そろそろ終わりにしようか、センパイッ!」
手をガチっと打ち鳴らして合わせると次の瞬間、バラバラだった輪っかは一つの巨大な輪になった。瞬時に収縮し、輪っかはハッタをがっしりと捕縛する。
「し、しまった! 締め上げてくる、だとぉ!」
「あはは、降参しちゃいなよ、センパイ。そしたら苦しまなくて済むからさ」
だがハッタは諦めずに腕に力をこめる。ぎしぎしと輪っかが軋んだ。
「無理だって、諦めた方が良いよ」
「無理だと言われても、それを通す、諦めの悪さが……俺だあぁぁ!」
拘束する輪を力任せにハッタは内側から引き千切って破壊する。デッドロックは驚愕の表情を浮かべた。
拳を振り被り、ハッタはデッドロックに突進する。会場からハッタ、ハッタとハッタコールが沸き上がった。
回避行動が間に合わないデッドロックにハッタは拳の連撃を叩き込んだ。みるみるうちにデッドロックのHPゲージがゼロになる。
湧き上がるハッタコールの中、ハッタは観客たちに向けて手を振って応えるのだった。