そこは海上、濡れた毛皮の苦難
電脳戦潜アプリェーリ イベントノベル(テーマ)シュヴァーン・エレクトロニクス制作 ウケッキ納品 2023年04月26日 13時01分25秒
●そこは海上、濡れた毛皮の苦難
「おっと海の潮で濡れてしまって上手く身動きが取れない模様だぁあ! 大丈夫かぁあ!」
実況がやかましく騒ぐ声を聴きながら【ハッタ・ムラムラ】は海の上に浮かぶ小さな足場の上で相手の様子を窺っていた。
対戦相手は【リオルタ】。海での活動に特化したデュープであり、試合会場を指定しての勝負となっていた。
「ぐっ、思った以上に動きづらい……海に落ちれば、一巻の終わりというわけだな」
拳を構え、ハッタは自分の周囲を泳ぎながら旋回しているリオルタの動きを注視する。
リオルタは水の中に潜航し、しばらくの静けさが訪れた。
(どこだ……音はしない。水の上に泡もたたないとは、中々にやるじゃないか)
辺りを注意深く見渡すハッタの背後からイルカのように飛び出したリオルタは背中の二連装ハープーンキャノンを向けるとハッタ目掛けて射出する。
ハッタは発射音に気付き、振り向き様に一発は避けたがもう片方が腕に命中、その瞬間先端部分が弾け腕に吸着して取れなくなった。
「何ッ!? 吸着しただと!?」
「これで貴方は終わりよ! 電流地獄にむせび泣きなさい!」
コードが繋がったままのハープーンキャノンが放電し、濡れたハッタの身体を激しい電流が走った。
「ぐぅうああああーーーッッ!」
「あははは! 水の上での電流攻撃、苦しいでしょう、痛いでしょう? ほら、降参したらどう? 降参するならここで電流をやめてあげてもいいわよ」
「……さん……す……」
呟くように口を動かすハッタの声に聴き耳を立てるポーズでリオルタはにやにや笑っている。
「え、なんだって? 降参かなぁ?」
「こ、うさん、なんぞ……するわけがッ! ないだろうがぁあああッ!」
電流に晒されたまま、ハッタは歯を食いしばるとコードを掴み力任せに引っ張った。
急激に引っ張られたリオルタは放物線を描いて宙を舞い、そのまま足場へと叩きつけられる。
「あぎぃいっ!?」
「おれを、信じてくれる者たちの為に、降参なんて無様な真似は……しない! この目が黒いウチはなァ!」
振り被った拳をリオルタの腹部に叩き込み、試合終了のアナウンスが鳴った。
腕を振り上げ、ハッタは勝利のポーズをとって雄叫びを上げる。
それは苦戦の末の勝利の慟哭だった。
「おっと海の潮で濡れてしまって上手く身動きが取れない模様だぁあ! 大丈夫かぁあ!」
実況がやかましく騒ぐ声を聴きながら【ハッタ・ムラムラ】は海の上に浮かぶ小さな足場の上で相手の様子を窺っていた。
対戦相手は【リオルタ】。海での活動に特化したデュープであり、試合会場を指定しての勝負となっていた。
「ぐっ、思った以上に動きづらい……海に落ちれば、一巻の終わりというわけだな」
拳を構え、ハッタは自分の周囲を泳ぎながら旋回しているリオルタの動きを注視する。
リオルタは水の中に潜航し、しばらくの静けさが訪れた。
(どこだ……音はしない。水の上に泡もたたないとは、中々にやるじゃないか)
辺りを注意深く見渡すハッタの背後からイルカのように飛び出したリオルタは背中の二連装ハープーンキャノンを向けるとハッタ目掛けて射出する。
ハッタは発射音に気付き、振り向き様に一発は避けたがもう片方が腕に命中、その瞬間先端部分が弾け腕に吸着して取れなくなった。
「何ッ!? 吸着しただと!?」
「これで貴方は終わりよ! 電流地獄にむせび泣きなさい!」
コードが繋がったままのハープーンキャノンが放電し、濡れたハッタの身体を激しい電流が走った。
「ぐぅうああああーーーッッ!」
「あははは! 水の上での電流攻撃、苦しいでしょう、痛いでしょう? ほら、降参したらどう? 降参するならここで電流をやめてあげてもいいわよ」
「……さん……す……」
呟くように口を動かすハッタの声に聴き耳を立てるポーズでリオルタはにやにや笑っている。
「え、なんだって? 降参かなぁ?」
「こ、うさん、なんぞ……するわけがッ! ないだろうがぁあああッ!」
電流に晒されたまま、ハッタは歯を食いしばるとコードを掴み力任せに引っ張った。
急激に引っ張られたリオルタは放物線を描いて宙を舞い、そのまま足場へと叩きつけられる。
「あぎぃいっ!?」
「おれを、信じてくれる者たちの為に、降参なんて無様な真似は……しない! この目が黒いウチはなァ!」
振り被った拳をリオルタの腹部に叩き込み、試合終了のアナウンスが鳴った。
腕を振り上げ、ハッタは勝利のポーズをとって雄叫びを上げる。
それは苦戦の末の勝利の慟哭だった。