たまに食べるからこそ美味い

電脳戦潜アプリェーリ イベントノベル(テーマ)シュヴァーン・エレクトロニクス制作 ウケッキ納品 2023年04月26日 12時59分24秒

●たまに食べるからこそ美味い

 シュヴァーン・エレクトロニクスの食堂。
 そこには優秀なシェフがデュープたちの為に集められており、再現できない料理はないと言われている。
 デュープは企業にとっては商品ともいえる存在。そんな彼らが最高のパフォーマンスを常に発揮できるようにとの計らいだった。
 あるデュープはローストビーフを食べ、また別のデュープは高品質のステーキを食べている。
 そんな贅沢を尽くす食堂の中に【ハッタ・ムラムラ】の姿があった。
 食堂のシェフにハッタはにこやかな笑顔を向ける。
 ハッタに気付いたシェフもつられていい笑顔になった。
「おお、ハッタちゃん。今日は大丈夫な日なんだな? いつものかい?」
「ああ、その通り。昨日は大量に笹を食べたからな、バランスをとる為に今日は焼きそばが必要になる。そういうことだ」
 ジャイアントパンダである、それを目指すハッタだが常に笹を食べている、というわけではない。
 彼曰く、笹だけ食べるとバランスが悪いのだとか。詳しく聞けば均衡が、天秤がというのだがそれを理解できた者はいまだに一人もいない。それもまた、彼が狂っていると言われる所以ともいえるだろう。
 巨大なハッタ用の皿にこれでもかと盛り付けられた焼きそばを前にハッタはうきうきと割りばしを割った。そして一口。香ばしい焼きそばの香りと濃い目のソースが彼の舌を楽しませた。
「シェフよ、今日もまたいい仕事をしているな! やはり焼きそばはここの物に限る! はは、どれだけでもいけそうだぞ!」
「嬉しいこと言ってくれるじゃないか。だが、この間みたいに在庫を全て平らげるみたいなことは勘弁してくれよ?」
 笑いながらそう言ったシェフに問題ない、とだけ答えるとハッタははむはむと焼きそばを食べていく。
「青のりに、濃くてよく麺に絡むソースの配合比……どれをとっても一級品だ。更に、この端に乗った紅ショウガ……くぅう、いいアクセントになる!」
 デュープは時に激しい戦闘を行う。
 そんな彼らの憩いの場、それもまた必須なのかもしれない。
 戦いの合間に訪れる束の間の休息。
 一瞬を生きる彼らだからこそ、その大事さを噛み締めているのだろう。

登場キャラクター

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0