諦めが悪いというのは呪いでもあり、彼の長所でもある

電脳戦潜アプリェーリ イベントノベル(テーマ)シュヴァーン・エレクトロニクス制作 ウケッキ納品 2023年04月26日 12時19分35秒

●諦めが悪いというのは呪いでもあり、彼の長所でもある

 シュヴァーン・エレクトロニクス所属のデュープである【ハッタ・ムラムラ】の戦闘スタイルは拳や脚による格闘だ。
 どんな相手に対しても力任せに殴りつけ、己の拳と信念を押し通すそのスタイルは決して派手さはないが、堅実だと評価は高い。
 企業の職員が篭手状の射撃武器をハッタへと差し出す。ハッタはそれを無言で見つめていた。
「次の相手は、お前のスタイルと相性が非常に悪い。いいか、妙な強情は張らずにこれを使え。遠距離からなら奴の装備を無効化できるだろう」
 彼の事を考えての提案だったが、ハッタは首を横に振った。
「悪いが、遠慮しておく。おれはこの拳と脚で勝ち上がってきた。今更そんな無粋な物を使うことを信者たちは望まないだろう。まあ、仕事であるならば仕方がないが、どうなんだ?」
 仕事ではない、ということを伝えるとハッタは職員に背を向け試合会場へ歩き出す。
「そこで見ていろ。おれの拳が……奴を打ち砕く様をな!」
 そして試合が始まった。
 開始当初、ハッタは猛攻を仕掛けるが、対戦相手であるデュープ【オーキデウス】の纏う爆発反応装甲に苦戦していた。
 殴れば衝撃で爆発し、爆風と衝撃が確実にハッタの体力を削っていく。
 一つ一つは大したダメージではないのだが、その蓄積は疲労をつのらせ、彼のHPゲージも数割程削っていた。
 肩を動かしながら荒い息を吐くハッタを見て、オーキデウスは紳士向けの杖型銃器を向け、にやりと笑う。
「ふふ、手も足も出ないようですね? 無駄なんですよ、遠距離攻撃がない時点で私に勝とうなんて。ま、あっても私が勝ちますがね」
 震える拳をぎゅっと握り締め、ハッタは強い眼差しでオーキデウスを睨みつけた。
「無駄だって? まだわからないだろう、おれのHPは半分もある。おれの手足もまだ動く。見ていろ、ジャイアントパンダの、拳という奴を!」
 突進したハッタがオーキデウスを殴りつけ、爆発反応装甲による爆発が巻き起こる。だがハッタの拳は止まらない。
「爆発が尽きるのが先か! おれが倒れるのが先か! 勝負しようじゃないかぁああ!」
 何度爆破に晒されてもハッタは殴るのをやめなかった。そしてついに爆発が止む。
「これで終いだぁぁあーーッ!」
「ひぃいっ!?」
 次の瞬間、ハッタの右ストレートがオーキデウスを打ち抜き、見事ハッタは勝利をもぎ取るのだった。

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アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0