残影烈華
電脳戦潜アプリェーリ イベントノベル(テーマ)アルセド制作 ブラツ納品 2023年05月01日 08時10分47秒
偽装外套を纏い息を殺して身を潜める。手にした長銃の照準には受動電探が捉えた獲物の姿。
あと一人――こういう乱戦は迂闊に動かない事が鉄則――チリ、と電磁銃身が熱を帯びて、トリガーへ被せた指に力が篭もる。行動予測位置投影、射撃は……今!
「アルセド所属のトーラです。対戦よろしくお願いします!」
『!?!?!?』
不意に背後から元気な少女の声が響いた。一体いつの間にここへ!? 慌てて長銃を振り回し距離を取る/追撃は受けちゃいない――余計な声掛けが命取りだったな、と、低い姿勢で転がりながら拳銃に手を伸ばす。
『……!?』
否、拳銃が掴めない――状況確認、右手首の入出力に異常検知/信号遮断、操作を予備系統に切替――。
「認識阻害のちょっとした応用、って奴です」
少女の手には短刀。自身の右手の甲に刻まれた一文字から、斬撃に乗せて情報過負荷を仕掛け、右手の制御系をダウンさせたという訳か――それが不意打ちと障害の正体。しかしネタさえ分かれば対処は出来る。
『参ったな……狙撃用で高いんだぞこれ』
呆れた声音で安全装置を外す/右手首がパズルの様に形を変えて、閃光が視界を覆った。
(え――右手がビーム砲に!?)
認識阻害は有効、でなければこんな距離まで近寄れない。さっきまで男はわたしの幻影を相手していた――その隙にメカ猫耳がしっかり居場所を捉えて奇襲は成功。だが相手は隠し球を持っていた/手首そのものが武器になるとは! でも非常用っぽいし弾は沢山撃てないはず。畳みかけるなら今しかない。
「それじゃあファイナル! ギャラリーの皆さんも応援して下さいねー!?」
ビームの弾幕を掻い潜り急接近――加速装置起動――あの男は狙撃銃をばらして近接戦闘に移行かな? 形状から恐らく銃剣付きの突撃銃!
『狙撃手が格闘出来ないなんて思うなよ?』
片手で構えた突撃銃を前に男が急加速。鋭い乱れ突きがアルセドの青いジャケットを掠め、焦げた臭いが鼻を突く。五感を使った近接戦闘に認識阻害は無効。だけど、こっちにも隠し玉はある!
『貰った!』
「こっちがね!」
刹那、突きを受け流しもう片手の短刀がビーム手首を制圧――剣乱舞闘――突撃銃を叩き落とし、反動で胸元を突いて、抉る。
「対戦ありがとうございました!」
試合終了の笛の音と共に、男はどさりと倒れ伏せる。
子猫は可愛いだけじゃない――透き通った刀身を掲げ、キメ顔で一杯の声援をこの身に浴びた。
あと一人――こういう乱戦は迂闊に動かない事が鉄則――チリ、と電磁銃身が熱を帯びて、トリガーへ被せた指に力が篭もる。行動予測位置投影、射撃は……今!
「アルセド所属のトーラです。対戦よろしくお願いします!」
『!?!?!?』
不意に背後から元気な少女の声が響いた。一体いつの間にここへ!? 慌てて長銃を振り回し距離を取る/追撃は受けちゃいない――余計な声掛けが命取りだったな、と、低い姿勢で転がりながら拳銃に手を伸ばす。
『……!?』
否、拳銃が掴めない――状況確認、右手首の入出力に異常検知/信号遮断、操作を予備系統に切替――。
「認識阻害のちょっとした応用、って奴です」
少女の手には短刀。自身の右手の甲に刻まれた一文字から、斬撃に乗せて情報過負荷を仕掛け、右手の制御系をダウンさせたという訳か――それが不意打ちと障害の正体。しかしネタさえ分かれば対処は出来る。
『参ったな……狙撃用で高いんだぞこれ』
呆れた声音で安全装置を外す/右手首がパズルの様に形を変えて、閃光が視界を覆った。
(え――右手がビーム砲に!?)
認識阻害は有効、でなければこんな距離まで近寄れない。さっきまで男はわたしの幻影を相手していた――その隙にメカ猫耳がしっかり居場所を捉えて奇襲は成功。だが相手は隠し球を持っていた/手首そのものが武器になるとは! でも非常用っぽいし弾は沢山撃てないはず。畳みかけるなら今しかない。
「それじゃあファイナル! ギャラリーの皆さんも応援して下さいねー!?」
ビームの弾幕を掻い潜り急接近――加速装置起動――あの男は狙撃銃をばらして近接戦闘に移行かな? 形状から恐らく銃剣付きの突撃銃!
『狙撃手が格闘出来ないなんて思うなよ?』
片手で構えた突撃銃を前に男が急加速。鋭い乱れ突きがアルセドの青いジャケットを掠め、焦げた臭いが鼻を突く。五感を使った近接戦闘に認識阻害は無効。だけど、こっちにも隠し玉はある!
『貰った!』
「こっちがね!」
刹那、突きを受け流しもう片手の短刀がビーム手首を制圧――剣乱舞闘――突撃銃を叩き落とし、反動で胸元を突いて、抉る。
「対戦ありがとうございました!」
試合終了の笛の音と共に、男はどさりと倒れ伏せる。
子猫は可愛いだけじゃない――透き通った刀身を掲げ、キメ顔で一杯の声援をこの身に浴びた。