【儚夢】ずっと一緒の日々を夢見て

電脳戦潜アプリェーリ イベントノベル(テーマ)ロビン・テクノロジーズ制作 伊治納品 2023年04月23日 21時02分06秒

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 DAIFUKU(大福)は、お日様ぽかぽかのお庭でぼんやりしていた。
 ある日突然、CHIMAKI(AI搭載機狼)を取り上げられ、ここへやってきた。
「お別れの時間もなかったのだ」
 CHIMAKIが傍にいなくなってから、何もかも楽しくない。

 CHIMAKIと出会った時、それまでの飼い主がいなくなったと聞かされた。
 DAIFUKUなら背中の上に乗っかることだってできるって説明されて。
 でも、CHIMAKIはDAIFUKUを嫌がってて。
 それでも、段々仲良くなった気がして、嬉しかった。共に戦った日々も休日を穏やかに過ごした時間も楽しかった。CHIMAKIに出会う前の日々が思い出せなくなる位大切だった。
 CHIMAKIに体温なんてないけど、抱きしめると心があったかくなる。
 そう、DAIFUKUの家族だったのだ。

「わ!」

 ぼんやりしていたら、急に奥襟を持ち上げられた。
 振り返ると、CHIMAKIがいる!
「会いに来てくれたのだ?」
 CHIMAKIがいつも通りDAIFUKUを背に乗せ、トコトコ歩いていくと、CHIMAKIを連れて行った大人がいた。

「CHIMAKIがしょんぼりして他のデュープと組みたがらない」
「ずっと一緒でいいよ」

 DAIFUKUは思わずCHIMAKIを見た。
 首筋にぎゅっとしがみつくと、CHIMAKIはあったかくないのにあったかい。

「CHIMAKIもさびしかったのだ? DAIFUKUもさびしかったのだ。
CHIMAKIがいたから、DAIFUKUは楽しかったのだ!
CHIMAKIもDAIFUKUと一緒で楽しかったなら、嬉しいのだ!」
 
 ――CHIMAKIはDAIFUKUを乗せ走り出す。
 ぽかぽかした庭の向こう、風が走る草原、波が寄せて返す砂浜、景色を一望できる丘の上。

「CHIMAKIと一緒で楽しいのだ」

 DAIFUKUはCHIMAKIに寄り添って、当たり前のようにお昼寝した。
 これからもずっと一緒なのだ――

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「DAIFUKU、完全自壊(ロスト)」
「あの機狼がこいつと引き離して間もなく原因不明の自壊(バグ)を起こしたこと、コレ、知らなかったよな?」
 夢を覗いていた研究員が隣の同僚に問いを投げる。
「知る筈がない。あの機狼と再会する夢を見ること自体は不思議ではないが」
「あの機狼、自壊した?」
「まさか」
 デュープを渡り歩いてきた機狼だ、真相を察する可能性を弾き出しても不思議はない。
 故に――DAIFUKU以降の主は不要と自ら自壊プログラムを組んだ可能性もある。
 だが、真実が明らかになる日は来ないだろう。

 彼らもそんなこと知ったこっちゃない。
 窮屈な世界など及ばない場所で、彼らはこれからもずっと楽しい日々を送る夢を見ているのだから。

登場キャラクター

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0