伝播する思想、それは何を成すのか
電脳戦潜アプリェーリ イベントノベル(テーマ)シュヴァーン・エレクトロニクス制作 ウケッキ納品 2023年04月26日 12時20分50秒
●伝播する思想、それは何を成すのか
デュープたちは投薬による強化や改造、肉体を戦闘用に特化させる為に様々なことをしている。
更に日々のトレーニングもかかさない者もいるようだ。
シュヴァーン・エレクトロニクス所属の【ハッタ・ムラムラ】もその一人。
企業に用意されたトレーニング用ジムにてバーベルを鼻息荒く彼は上げていた。
「249、250……ふぅ、中々に回数が続く様になってきたな。今日は新記録更新だ」
ハッタは流れる汗を首にかけたタオルで拭う。もふもふの毛並みがあるが故にタオルで拭けているかどうかはわからないが。きっと気分的なものなのだろう。
「ではお次はこっちだ。45キロのダンベルでは物足りなくなってきたからな。5キロ分増やして50キロでいってみるとしようか」
一般人では上げることすら不可能なダンベルを片手で上げながら、ハッタは鏡でフォームの確認を怠らない。
「ふむ、きちんとしたフォームは大事だ。均衡を保った身体づくり、それの基礎となるのがフォームだ。フォームが崩れればきちんとした筋肉トレーニングにならない。そうなれば均整の取れた身体になど到底なることはできないだろうからな」
「はぁ、そうなんですか……大変ですね」
話を聞いているのは企業の職員だ。彼の説明をつまらなそうに聞いているのはきっとさして興味がないのだろう。だが彼の仕事上、デュープを無視することはできない。監視し管理するのが彼ら企業の職員の仕事なのだから。
「おれは……登らねばならないのだよ、長いジャイアントパンダ道を。振り返らず、険しくても諦めず……その高みを目指して上がっていくのだ。そうすれば、いつかは辿り着くだろう。ジャイアントパンダの――頂点へとな」
「ジャ、ジャイアントパンダの……頂点」
それがどうした、と職員は思う。
その頂点に到達して何を成そうというのだろうか。
「その顔は、頂点に達して意味があるのか、といった顔だな。なぁに、構わない、隠さなくてもいい。おれと君の仲だ。よし、いいだろう。この際だから語ってやるとしようか、ジャイアントパンダ道について、な」
それからトレーニング終了までの数時間、ハッタによるジャイアントパンダ道の講義が続いたのだった。
そして……職員は数日後に退職した。
一言、ジャイアントパンダに俺はなるんだ、と言い残して。
デュープたちは投薬による強化や改造、肉体を戦闘用に特化させる為に様々なことをしている。
更に日々のトレーニングもかかさない者もいるようだ。
シュヴァーン・エレクトロニクス所属の【ハッタ・ムラムラ】もその一人。
企業に用意されたトレーニング用ジムにてバーベルを鼻息荒く彼は上げていた。
「249、250……ふぅ、中々に回数が続く様になってきたな。今日は新記録更新だ」
ハッタは流れる汗を首にかけたタオルで拭う。もふもふの毛並みがあるが故にタオルで拭けているかどうかはわからないが。きっと気分的なものなのだろう。
「ではお次はこっちだ。45キロのダンベルでは物足りなくなってきたからな。5キロ分増やして50キロでいってみるとしようか」
一般人では上げることすら不可能なダンベルを片手で上げながら、ハッタは鏡でフォームの確認を怠らない。
「ふむ、きちんとしたフォームは大事だ。均衡を保った身体づくり、それの基礎となるのがフォームだ。フォームが崩れればきちんとした筋肉トレーニングにならない。そうなれば均整の取れた身体になど到底なることはできないだろうからな」
「はぁ、そうなんですか……大変ですね」
話を聞いているのは企業の職員だ。彼の説明をつまらなそうに聞いているのはきっとさして興味がないのだろう。だが彼の仕事上、デュープを無視することはできない。監視し管理するのが彼ら企業の職員の仕事なのだから。
「おれは……登らねばならないのだよ、長いジャイアントパンダ道を。振り返らず、険しくても諦めず……その高みを目指して上がっていくのだ。そうすれば、いつかは辿り着くだろう。ジャイアントパンダの――頂点へとな」
「ジャ、ジャイアントパンダの……頂点」
それがどうした、と職員は思う。
その頂点に到達して何を成そうというのだろうか。
「その顔は、頂点に達して意味があるのか、といった顔だな。なぁに、構わない、隠さなくてもいい。おれと君の仲だ。よし、いいだろう。この際だから語ってやるとしようか、ジャイアントパンダ道について、な」
それからトレーニング終了までの数時間、ハッタによるジャイアントパンダ道の講義が続いたのだった。
そして……職員は数日後に退職した。
一言、ジャイアントパンダに俺はなるんだ、と言い残して。