勝利を我が手に
電脳戦潜アプリェーリ イベントノベル(テーマ)シュヴァーン・エレクトロニクス制作 ウケッキ納品 2023年04月25日 12時21分00秒
●勝利を我が手に
遠く、司会者のアナウンスが聞こえる。
(おれは……どうなったんだ?)
体中が酷く痛む。崩れた瓦礫の中で【ハッタ・ムラムラ】は意識を取り戻す。
彼の身体はぼろぼろであり、辛うじて立つことができるが右腕を動かすことは難しいようだ。だらりと垂れ下がり、動かせば激痛が走る。
まだくらくらする頭で、何があったかを思い出す。
「そうだ、試合の途中で盛大に吹き飛ばされたんだったな……はは、やってくれるじゃないか」
にやりと笑い、痛みに震える身体に鞭打ってハッタは瓦礫の中から飛び出した。
低い姿勢で走るハッタの上空から浮遊する小型端末が無数にレーザーを放つ。身体の端にレーザーを受け、痛みに耐えながらハッタは走る。モニターに映し出されるHPゲージはもう2割もない。
「逃げても無駄よぉ、パンダちゃん! このまま穴だらけにしてあげるわぁ!」
可愛らしい衣装に身を包んだデュープ【レイナ】が指揮棒の様にファンシーな杖を振り回している。
ハッタはレーザーを避けながらレイナの様子を横目で確認していた。
(あの杖が元凶のようだな……あれさえ何とか出来れば)
「ほらほらぁっどんどん行くわよぉっ!」
走り抜けようとするハッタの行く手を遮る様に小型端末が立ちはだかる。
レーザーが放たれる直前、ハッタは地面を強く殴りつけた。衝撃で脆くなった岩が煙と共に盛り上がり、彼の身体を隠す程に突き出す。
「あはっ目くらましのつもりかしらぁ? 浅はかな考えよねぇっ!」
小型端末を終結させると、レイナは円状に回転させながら同時に無数のレーザーを放った。レーザーが岩を粉々に砕く。そして煙が晴れるがそこにハッタの姿はない。
「なっ!? 消えたっていうの!?」
「残念だったな、おれはここだぁぁああーーッッ!」
ハッとして上を向いたレイナが見たのは、空高く飛び上がったハッタの姿。蹴りの体勢でハッタは全体重をかけた蹴りをレイナ目掛けて放った。凄まじい速度で急襲してきたハッタの蹴りをかわせず、レイナは地面に叩きつけられる。
「あ、たしが、あんたみたいなのに……負け、る、なんて……」
「なぜ負けたか、簡単な話だ。おれがジャイアントパンダだからだ! 世界は、満たされるべきなのだよ、ジャイアントパンダにな」
意味が分からない、といった表情のままレイナは気を失い、その瞬間、ハッタ勝利のアナウンスが響き渡るのだった。
遠く、司会者のアナウンスが聞こえる。
(おれは……どうなったんだ?)
体中が酷く痛む。崩れた瓦礫の中で【ハッタ・ムラムラ】は意識を取り戻す。
彼の身体はぼろぼろであり、辛うじて立つことができるが右腕を動かすことは難しいようだ。だらりと垂れ下がり、動かせば激痛が走る。
まだくらくらする頭で、何があったかを思い出す。
「そうだ、試合の途中で盛大に吹き飛ばされたんだったな……はは、やってくれるじゃないか」
にやりと笑い、痛みに震える身体に鞭打ってハッタは瓦礫の中から飛び出した。
低い姿勢で走るハッタの上空から浮遊する小型端末が無数にレーザーを放つ。身体の端にレーザーを受け、痛みに耐えながらハッタは走る。モニターに映し出されるHPゲージはもう2割もない。
「逃げても無駄よぉ、パンダちゃん! このまま穴だらけにしてあげるわぁ!」
可愛らしい衣装に身を包んだデュープ【レイナ】が指揮棒の様にファンシーな杖を振り回している。
ハッタはレーザーを避けながらレイナの様子を横目で確認していた。
(あの杖が元凶のようだな……あれさえ何とか出来れば)
「ほらほらぁっどんどん行くわよぉっ!」
走り抜けようとするハッタの行く手を遮る様に小型端末が立ちはだかる。
レーザーが放たれる直前、ハッタは地面を強く殴りつけた。衝撃で脆くなった岩が煙と共に盛り上がり、彼の身体を隠す程に突き出す。
「あはっ目くらましのつもりかしらぁ? 浅はかな考えよねぇっ!」
小型端末を終結させると、レイナは円状に回転させながら同時に無数のレーザーを放った。レーザーが岩を粉々に砕く。そして煙が晴れるがそこにハッタの姿はない。
「なっ!? 消えたっていうの!?」
「残念だったな、おれはここだぁぁああーーッッ!」
ハッとして上を向いたレイナが見たのは、空高く飛び上がったハッタの姿。蹴りの体勢でハッタは全体重をかけた蹴りをレイナ目掛けて放った。凄まじい速度で急襲してきたハッタの蹴りをかわせず、レイナは地面に叩きつけられる。
「あ、たしが、あんたみたいなのに……負け、る、なんて……」
「なぜ負けたか、簡単な話だ。おれがジャイアントパンダだからだ! 世界は、満たされるべきなのだよ、ジャイアントパンダにな」
意味が分からない、といった表情のままレイナは気を失い、その瞬間、ハッタ勝利のアナウンスが響き渡るのだった。