その戦いは誰が為に

電脳戦潜アプリェーリ イベントノベル(テーマ)シュヴァーン・エレクトロニクス制作 ウケッキ納品 2023年04月25日 12時01分24秒

●その戦いは誰が為に

 試合会場に続く廊下にジャイアントパンダに見える男性【ハッタ・ムラムラ】は立っていた。
「いいか、この開発権を落とすわけにはいかない。向こうはこっちよりも格上だ。だがお前ならいけるだろう、気張っていけ!」
「ああ、勿論だ。おれは負けない……この手でジャイアントパンダを、世界に満たす為に!」
 強く拳を握って振り上げながら、ハッタは歓声で沸く会場へと歩みを進める。
「さあさあ、デュープの入場だ! まずはシュヴァーン・エレクトロニクス所属、ハッタ・ムラムラ! 強力な拳やカウンターによる手堅い戦法が今日も見れるのか!」
 ハッタの向かい側から、片腕を巨大な銃に改造したデュープ【シゲルバー】が入ってくる。ニタニタと嫌な笑いを浮かべているようだ。
「アンタがハッタ・ムラムラかよ? ははっマジでパンダじゃん。ヒャッハッハッハ、こりゃ勝ちは貰ったな」
「……何故、そう思う? お前とはまだ拳を交えた事がないぞ」
「ハァ? そんなのわかるだろ。アホみたいな見た目をしたテメェは、企業の宣伝チームかなんかがメインだろうが。戦闘特化の俺とは違う。無様に潰してやるよ、5分も経たずにな」
 試合開始の合図が鳴り、初めに動いたのはシゲルバーだった。姿勢を低くしてハッタの右側面へと走る。シゲルバーは走りながら右腕の銃口をハッタに向けた。
「一撃で終わりにしてやるよぉ! パンダ野郎がぁあ!」
 粒子を収束させ、腕程の太さのビームをシゲルバーは放った。真っ直ぐに放たれたビームがハッタの胸部を狙う。
 ハッタは動かずに腕を交差させるとビームを両腕でガードする。鋭い痛みが腕に響き、ハッタの口が歪んだ。
(粒子を溜めてからのビームか。あの機構ならば、溜めるのに時間が掛かるはず……!)
 腕を交差させたまま、ハッタはシゲルバーに突進を敢行する。連射されるビームがハッタの身体に命中していく。
「残念だったな、パンダ野郎! こっちは連射出来るんだよ!」
「……だからどうした、おれは、お前の間違いを正すのだ。おれはパンダではない、ジャイアント、パンダだぁぁあーーッ!」
 ビームの連射を力で捻じ伏せ、ハッタはそのまま右拳でシゲルバーを殴り飛ばす。シゲルバーは顎先を打ち抜かれ、一撃でダウンした。
「間違うことは罪ではない、正せばよいのだ、何度でもな」

登場キャラクター

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0